24 / 409
第三章
八話 【命の洗濯!】
しおりを挟む
ルイードの森をやっと出られたふたりは、大きな岩がゴロゴロしている丘の下に見える、次の目的地、キロの村を目指し歩いている。
キロの村は、岩を積み上げた3m程の壁にぐるりと囲まれ、中は木の柱で入り組んだ工場の様な一つの巨大な建造物で出来ていた。
門に着くと木の頑丈な扉の窓から、身分証の提示と滞在目的などを聞かれ、しばらく待たされた後、やっと中に入れてもらえる。
中は家が全て柱で繋がっており、木造のショッピングモールの様で、テンションが上がる!
まずは魔物を換金しようと、冒険者ギルドへ向かう惣一郎。
ここも例外なく酒場と併設しており、陽も高いうちから賑わっていた。
買取カウンターで冒険者カードを出し、魔物をマジックバックから出すと、ガラスの角をした鹿でギルド職員が騒ぎ出す。
やっぱ珍しかったか……
後から、裸に毛皮のベストを着た大男のギルド長が現れ、部屋に呼ばれる。
買取額の相談だった。
まとめた買取額は2000ギーを超えて、ベンゾウさんとギルド長との、熱いバトルが繰り広げられていた。
首を中々縦に振らないベンゾウが、やっと折れた金額が3,260ギー。
惣一郎は驚きすぎて、表情がなかった……
悔しがるギルド長から手付けと2,000ギーを受け取り、残りは2日後と約束をしてギルドを後にする。
もう刀の元が取れた……
この辺りの名物料理を食べ様と食堂を訪れる。
すき焼きに似た鍋料理だったが味は薄く、肉の味が際立っており、美味いは美味いがすき焼きの方が上であった。
村の中をショッピングモールを歩く感覚で、宿屋を探していると、若い娘が「宿はお決まりで?」っと話しかけて来る。
この村に宿屋は一軒しかなく、すでに通り過ぎていると案内を申し出ている。
もちろん有料。
広くは無い村だし、案内は無用と断ると「ケチ!」っと悪態をつき去っていく。
たくましい村だ……
買い物を楽しみながら宿屋を探していると、柄の悪そうな男達が先ほどの娘とニヤニヤしながら話しかけて来る。
やれやれ……
人気のない場所に連れて行こうとするも、あっさりベンゾウにノックアウトされる男達。
娘はベンゾウに突きつけられた小刀に、ガチガチと歯を鳴らしへたり込む。
こんな事、もうしちゃダメだよ!
娘に宿屋を聞くと震えた指を指す。
金貨を渡して宿屋に向かう。
宿屋に入ると、惣一郎は驚きの声を上げる!
「マジか!」
普通の宿屋なのだが、グレードの一番高い部屋には風呂があったのだ!
一泊5ギーは、宿屋にしてはとんでもない高額だが、底の深い大きな樽の風呂が付いている!
懐も暖かいし体も温まりたい!っと、もちろん契約。
部屋に案内されると、まぁまぁ広い部屋の隅にタイルが敷いてあり、直径2メートル程の桶がある。
早速水を頼むと従業員がバケツで何度も往復して水を張る。
汗だくの従業員は水の上に、魔法で火をつけ温め始める。
なるほど、この従業員ありきのサービスなのね!
いい温度になると気分の良い惣一郎は、従業員に金貨のチップを渡し見送る。
早速、ネットショップスキルで石鹸やシャンプーなど、お風呂グッズを購入し服を脱ぎ出す。
隣でベンゾウも脱ぎ出す……
「待てーーーい!」
興奮して、すっかり忘れていた。
部屋には仕切りも何も無い、ひとりで入りたいをどう説明する……
なんて考えてる内に、マッパのベンゾウさん。
洗わずもう湯船の中よ……
「ご主人様?」
せっかくの風呂だし、ここで入らない選択肢はないな……
そう言い聞かせ、惣一郎も洗わず湯船の中に。
最高だった!
足を伸ばし肩まで浸かり、久しぶりの湯船を楽しむ!
洗い場が無い風呂なので、もういいやと行儀悪く、湯船の中で頭も洗い出す。
石鹸で体も洗いさっぱりしてベンゾウの頭も洗い始める。
湯船が泡で汚れるとクリーンを唱え、綺麗な湯船に戻してのんびり楽しむ。
何日ぶりの風呂だろうか……
身も心も清められた感覚で、聖人になった気がする惣一郎。
今なら全てが許せそうだ……
「ちょ、くっつきすぎだよ!」
シャンプーで洗ったベンゾウの髪は、綺麗な銀髪だった。
風呂を出て、さっぱりポカポカのふたりは、ネットショップスキルで買ったアイスとビールで火照りを冷ます。
ベンゾウも幸せそうである。
多少高額だが、滞在中はここで!っと心に決める。
キロの村は、岩を積み上げた3m程の壁にぐるりと囲まれ、中は木の柱で入り組んだ工場の様な一つの巨大な建造物で出来ていた。
門に着くと木の頑丈な扉の窓から、身分証の提示と滞在目的などを聞かれ、しばらく待たされた後、やっと中に入れてもらえる。
中は家が全て柱で繋がっており、木造のショッピングモールの様で、テンションが上がる!
まずは魔物を換金しようと、冒険者ギルドへ向かう惣一郎。
ここも例外なく酒場と併設しており、陽も高いうちから賑わっていた。
買取カウンターで冒険者カードを出し、魔物をマジックバックから出すと、ガラスの角をした鹿でギルド職員が騒ぎ出す。
やっぱ珍しかったか……
後から、裸に毛皮のベストを着た大男のギルド長が現れ、部屋に呼ばれる。
買取額の相談だった。
まとめた買取額は2000ギーを超えて、ベンゾウさんとギルド長との、熱いバトルが繰り広げられていた。
首を中々縦に振らないベンゾウが、やっと折れた金額が3,260ギー。
惣一郎は驚きすぎて、表情がなかった……
悔しがるギルド長から手付けと2,000ギーを受け取り、残りは2日後と約束をしてギルドを後にする。
もう刀の元が取れた……
この辺りの名物料理を食べ様と食堂を訪れる。
すき焼きに似た鍋料理だったが味は薄く、肉の味が際立っており、美味いは美味いがすき焼きの方が上であった。
村の中をショッピングモールを歩く感覚で、宿屋を探していると、若い娘が「宿はお決まりで?」っと話しかけて来る。
この村に宿屋は一軒しかなく、すでに通り過ぎていると案内を申し出ている。
もちろん有料。
広くは無い村だし、案内は無用と断ると「ケチ!」っと悪態をつき去っていく。
たくましい村だ……
買い物を楽しみながら宿屋を探していると、柄の悪そうな男達が先ほどの娘とニヤニヤしながら話しかけて来る。
やれやれ……
人気のない場所に連れて行こうとするも、あっさりベンゾウにノックアウトされる男達。
娘はベンゾウに突きつけられた小刀に、ガチガチと歯を鳴らしへたり込む。
こんな事、もうしちゃダメだよ!
娘に宿屋を聞くと震えた指を指す。
金貨を渡して宿屋に向かう。
宿屋に入ると、惣一郎は驚きの声を上げる!
「マジか!」
普通の宿屋なのだが、グレードの一番高い部屋には風呂があったのだ!
一泊5ギーは、宿屋にしてはとんでもない高額だが、底の深い大きな樽の風呂が付いている!
懐も暖かいし体も温まりたい!っと、もちろん契約。
部屋に案内されると、まぁまぁ広い部屋の隅にタイルが敷いてあり、直径2メートル程の桶がある。
早速水を頼むと従業員がバケツで何度も往復して水を張る。
汗だくの従業員は水の上に、魔法で火をつけ温め始める。
なるほど、この従業員ありきのサービスなのね!
いい温度になると気分の良い惣一郎は、従業員に金貨のチップを渡し見送る。
早速、ネットショップスキルで石鹸やシャンプーなど、お風呂グッズを購入し服を脱ぎ出す。
隣でベンゾウも脱ぎ出す……
「待てーーーい!」
興奮して、すっかり忘れていた。
部屋には仕切りも何も無い、ひとりで入りたいをどう説明する……
なんて考えてる内に、マッパのベンゾウさん。
洗わずもう湯船の中よ……
「ご主人様?」
せっかくの風呂だし、ここで入らない選択肢はないな……
そう言い聞かせ、惣一郎も洗わず湯船の中に。
最高だった!
足を伸ばし肩まで浸かり、久しぶりの湯船を楽しむ!
洗い場が無い風呂なので、もういいやと行儀悪く、湯船の中で頭も洗い出す。
石鹸で体も洗いさっぱりしてベンゾウの頭も洗い始める。
湯船が泡で汚れるとクリーンを唱え、綺麗な湯船に戻してのんびり楽しむ。
何日ぶりの風呂だろうか……
身も心も清められた感覚で、聖人になった気がする惣一郎。
今なら全てが許せそうだ……
「ちょ、くっつきすぎだよ!」
シャンプーで洗ったベンゾウの髪は、綺麗な銀髪だった。
風呂を出て、さっぱりポカポカのふたりは、ネットショップスキルで買ったアイスとビールで火照りを冷ます。
ベンゾウも幸せそうである。
多少高額だが、滞在中はここで!っと心に決める。
37
お気に入りに追加
1,868
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる