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第三章
三話 【惣一郎危機一髪!】
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雨も小降りになって来たのだが、歩き疲れた惣一郎は早めに休む事にした。
道から少し離れた林の中、テントが目立たない様な場所探すと、スライムが雨に濡れながら集まっていた。
魔獣か何かの死体があった様だが、ほとんど食べ終え残ってはいない。
結構な数のスライムを見ながら、道中ゴミを上げたスライムを思い出す。
あいつも強くなってるかも……
群れの中、1匹はぐれた弱そうなスライムに、ゴミを与えてみる。
スライムは最初戸惑っていたが、直ぐに喜んで消化し始める。
その喜び様を見てか、他のスライムも群がって来る。
木の枝で他を寄せ付けない様にする惣一郎。
ちょっとした実験のつもりだった。
ベンゾウも黙ってスライムの行方を見守る。
消化を終えたスライムにまたゴミを与えると、横取りしようと他も群がって来る。
今度は邪魔しない。
最初に食べたスライムが、他のスライムに取られるのを嫌がり、寄せ付けない様に抵抗している。
やはり強くなっている様に感じたが、所詮は多勢に無勢。
段々と周りに押されて始め、横取りされた。
もう、どれが最初のスライムかも区別がつかなかった。
食べ物一個じゃ大きな効果はなさそうだなっと、姉弟を思い安堵する。
テントがスライムに食われても面白くないので、野営は他の場所を探そうと移動する。
林の中で、一際大きな木が生えている。
この木の裏にしようとテントを出し、センサーを四方に設置する。
一応、屋外用なので大丈夫と思いたい。
テントに入り雨具を脱ぐと、やはりどこも濡れていなかった。
カッパを干し、テントの中で食事にする事にする。
カセットコンロで湯を沸かし、レトルトのハンバーグと野菜を一緒に茹でる。
さらに昨日炊いたご飯を盛り、その上に野菜とハンバーグを乗せる、汁物はカップ麺。
食事は気にせず、好きなものをあげる事にした。
ベンゾウが強くなる分には問題無いし、食べたい物も食えない事に耐えられないからだ。
ベンゾウはカップ麺も気に入ったご様子。
寝る頃に雨はまた強まり、テントを打ちつける。
テントとして強化されてるなら、こんな雨へっちゃらだろう。
深夜まで降り続けた雨は、朝にはすっかり止んでおり、ひんやりとした空気が残されていた。
抱きつき寝ているベンゾウを起こす。
ベッドを二個置いている意味が無い。
朝食を簡単に済ませ、テントを回収し道に戻る頃には、陽は高く登っていた。
ルイードの森の入り口まで来ると、景色はすっかり様変わりしていた。
高い木々が所狭しと立ち並び、まだ陽も高い時間なのに光の届かない道は暗く、ずっと奥まで続いていた。
ススの森とは違って見えた森。
その森に入ってからベンゾウは、ずっと冒険者モードになっている。
やはり危険な森なのね……
薄暗い道をひたすら真っ直ぐ歩く若くない惣一郎には、連日の疲れが見てとれた。
そんな惣一郎の足元に、ストン!っと矢が刺さった。
驚き、飛んで来た方を見上げると木の枝に、緑色の小人が弓を構えていた。
さらに二射目の矢が、惣一郎の右肩をかすめる。
慌ててベンゾウを探すと、すでに小人を三匹倒し、弓を射った小人めがけ、大木を走り登っていた。
木から斬られた小人が落ちると、ベンゾウが焦った声で「ご主人様!」っと駆け寄って来る。
「怪我は!」
「大丈夫、かすっただけだ」
ベンゾウは惣一郎の右肩を見ると慌てて、クリーンを自分にかける様にと、泣きそうな顔で頼んで来た。
傷も小さいし大した事はなかったが、ベンゾウの言う通り、クリーンを唱える。
惣一郎はベンゾウに肩を貸り、道から少し入った所にテントを出す。
焦っているベンゾウを見て、不安になる惣一郎。
テントに入ると疲れが出たのか、眩暈がしてベッドに倒れ込むと意識を無くす……
目が覚めるとベンゾウが、泣きそうな顔を覗かせていた。
目を覚ました惣一郎にベンゾウは泣きながら「ごめんなさい」を連発してくる。
右肩には赤い植物を潰した様な物が貼り付けられており、その青臭い匂いに惣一郎は、何となく察した。
[ゴブリン]の矢には毒が塗ってあった。
疲れがあった事もあり、予想以上に毒が効いたのだろう。
ベンゾウはゴブリンの気配に気付き、三匹を仕留めた所で木の上の四匹目に、遅れて気付いたらしい。
その時には矢が放たれており、惣一郎に怪我を負わせてしまったのだ。
倒れた惣一郎を見て、心臓が止まる思いのベンゾウは、森で薬草を探し出し手当すると、一晩中見張りと看病をしていたそうだ。
命の恩人のベンゾウは、護衛失格と何度も泣きながら謝り続けている。
惣一郎はベンゾウの頭を撫でながら、感謝の言葉を贈った。
泣きつかれたベンゾウは、やっと眠りについた。
怠さが残る惣一郎は、センサーをテントの周りに設置して、またベッドに腰を下ろす。
ベンゾウの為にも早く元気にならなくてはいけないと、思いながら惣一郎はネットショップスキルで検索を始める。
だが、何の毒か分からないし、医師の処方が必要な薬は買えそうになかった。
まだ体は睡眠を求めてる様で、取り敢えず体力をつけなくてはと効きそうな栄養ドリンクを数本購入し、飲んでまた眠りにつく惣一郎。
これ以上心配させない様に、早く元気にならねばと……
道から少し離れた林の中、テントが目立たない様な場所探すと、スライムが雨に濡れながら集まっていた。
魔獣か何かの死体があった様だが、ほとんど食べ終え残ってはいない。
結構な数のスライムを見ながら、道中ゴミを上げたスライムを思い出す。
あいつも強くなってるかも……
群れの中、1匹はぐれた弱そうなスライムに、ゴミを与えてみる。
スライムは最初戸惑っていたが、直ぐに喜んで消化し始める。
その喜び様を見てか、他のスライムも群がって来る。
木の枝で他を寄せ付けない様にする惣一郎。
ちょっとした実験のつもりだった。
ベンゾウも黙ってスライムの行方を見守る。
消化を終えたスライムにまたゴミを与えると、横取りしようと他も群がって来る。
今度は邪魔しない。
最初に食べたスライムが、他のスライムに取られるのを嫌がり、寄せ付けない様に抵抗している。
やはり強くなっている様に感じたが、所詮は多勢に無勢。
段々と周りに押されて始め、横取りされた。
もう、どれが最初のスライムかも区別がつかなかった。
食べ物一個じゃ大きな効果はなさそうだなっと、姉弟を思い安堵する。
テントがスライムに食われても面白くないので、野営は他の場所を探そうと移動する。
林の中で、一際大きな木が生えている。
この木の裏にしようとテントを出し、センサーを四方に設置する。
一応、屋外用なので大丈夫と思いたい。
テントに入り雨具を脱ぐと、やはりどこも濡れていなかった。
カッパを干し、テントの中で食事にする事にする。
カセットコンロで湯を沸かし、レトルトのハンバーグと野菜を一緒に茹でる。
さらに昨日炊いたご飯を盛り、その上に野菜とハンバーグを乗せる、汁物はカップ麺。
食事は気にせず、好きなものをあげる事にした。
ベンゾウが強くなる分には問題無いし、食べたい物も食えない事に耐えられないからだ。
ベンゾウはカップ麺も気に入ったご様子。
寝る頃に雨はまた強まり、テントを打ちつける。
テントとして強化されてるなら、こんな雨へっちゃらだろう。
深夜まで降り続けた雨は、朝にはすっかり止んでおり、ひんやりとした空気が残されていた。
抱きつき寝ているベンゾウを起こす。
ベッドを二個置いている意味が無い。
朝食を簡単に済ませ、テントを回収し道に戻る頃には、陽は高く登っていた。
ルイードの森の入り口まで来ると、景色はすっかり様変わりしていた。
高い木々が所狭しと立ち並び、まだ陽も高い時間なのに光の届かない道は暗く、ずっと奥まで続いていた。
ススの森とは違って見えた森。
その森に入ってからベンゾウは、ずっと冒険者モードになっている。
やはり危険な森なのね……
薄暗い道をひたすら真っ直ぐ歩く若くない惣一郎には、連日の疲れが見てとれた。
そんな惣一郎の足元に、ストン!っと矢が刺さった。
驚き、飛んで来た方を見上げると木の枝に、緑色の小人が弓を構えていた。
さらに二射目の矢が、惣一郎の右肩をかすめる。
慌ててベンゾウを探すと、すでに小人を三匹倒し、弓を射った小人めがけ、大木を走り登っていた。
木から斬られた小人が落ちると、ベンゾウが焦った声で「ご主人様!」っと駆け寄って来る。
「怪我は!」
「大丈夫、かすっただけだ」
ベンゾウは惣一郎の右肩を見ると慌てて、クリーンを自分にかける様にと、泣きそうな顔で頼んで来た。
傷も小さいし大した事はなかったが、ベンゾウの言う通り、クリーンを唱える。
惣一郎はベンゾウに肩を貸り、道から少し入った所にテントを出す。
焦っているベンゾウを見て、不安になる惣一郎。
テントに入ると疲れが出たのか、眩暈がしてベッドに倒れ込むと意識を無くす……
目が覚めるとベンゾウが、泣きそうな顔を覗かせていた。
目を覚ました惣一郎にベンゾウは泣きながら「ごめんなさい」を連発してくる。
右肩には赤い植物を潰した様な物が貼り付けられており、その青臭い匂いに惣一郎は、何となく察した。
[ゴブリン]の矢には毒が塗ってあった。
疲れがあった事もあり、予想以上に毒が効いたのだろう。
ベンゾウはゴブリンの気配に気付き、三匹を仕留めた所で木の上の四匹目に、遅れて気付いたらしい。
その時には矢が放たれており、惣一郎に怪我を負わせてしまったのだ。
倒れた惣一郎を見て、心臓が止まる思いのベンゾウは、森で薬草を探し出し手当すると、一晩中見張りと看病をしていたそうだ。
命の恩人のベンゾウは、護衛失格と何度も泣きながら謝り続けている。
惣一郎はベンゾウの頭を撫でながら、感謝の言葉を贈った。
泣きつかれたベンゾウは、やっと眠りについた。
怠さが残る惣一郎は、センサーをテントの周りに設置して、またベッドに腰を下ろす。
ベンゾウの為にも早く元気にならなくてはいけないと、思いながら惣一郎はネットショップスキルで検索を始める。
だが、何の毒か分からないし、医師の処方が必要な薬は買えそうになかった。
まだ体は睡眠を求めてる様で、取り敢えず体力をつけなくてはと効きそうな栄養ドリンクを数本購入し、飲んでまた眠りにつく惣一郎。
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