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第二章

二話 【商人に俺はなるぞ〜!】

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惣一郎は驚き固まるエリンに礼をいい、商店街まで戻ってきていた。

手にはまだ余韻を楽しみたいのか、冒険者カードが握られている。

道の脇には所狭しと露店が並び、胃を刺激する臭いを漂わせていた。

美味そうだが惣一郎の興味は早く宿に戻りネットショップスキルで牛丼を食べる事にあった。

商店街を抜け宿に戻ると、カウンターの女将にヘラヘラと挨拶をし、自分の部屋に入る。

マジックバッグから買った服と、白熊の代金を取り出してアイテムボックスに入れ直す。

脳内にちゃんとボックス内の情報が浮かび上がる。

麻袋の金貨は、麻袋30個で認識される様だ。

麻袋を一つ取り出して、ネットショップスキルを唱えると、画面が目の前に現れた。

画面に麻袋の中身を入れると画面内の所持金が、¥500.000-と表記される。

麻袋1つに金貨50枚、50ギーが入っていたらしく、画面上は円でわかりやすく変換されていた。

さてさて、牛丼、牛丼!

画面を進み検索するが、レトルトの牛丼しか見当たらない。

惣一郎は有名チェーンの店で出てくる牛丼をイメージしていたのだが......
 
良く考えたら、そりゃそっか。

渋々、有名店のレトルト牛丼とチンするご飯、鍋やカセットコンロ、水など必要なものを買い精算すると、目の前に買ったものが並ぶ。

おお~ なんて便利な......

湯煎で温め、異世界で割高な牛丼を食べ始める惣一郎。

美味い……

満足し食べ終えると、今度はネットショップスキルで、下着やウエットティッシュを購入する。

服はいいけど、下着は元の世界の物がいい。

概ねスキルを理解し、改めて異世界に来た自分には、ありがたいスキルだと感謝する。

この世界でこのスキルをどう活かして行くか、考えている内に眠りに落ちる惣一郎。

やはり集中力は、続かなかった。






翌朝、宿屋の受付を済ませ食堂で朝食をいただく。

朝食を作っているのは太った60代の男性。

女将は既婚者だった......

黒パンに野菜スープだけだったが、まぁ感動はない味であった。




朝食を終えると、商人ギルドへも商人登録を済ましておこうと、場所を宿屋のおっさんに教わる。

商人になってスローライフは、異世界に来ての目標だ。



商人ギルドに着くと、流石に冒険者ギルドと違って小綺麗な建物で、コレまた小綺麗な30代の女性が案内してくれた。

商人同士の取引でもギルドを利用するらしく、商談用の小部屋が並んでいる。

すでに冒険者のギルドカードを持っている為、登録自体はすぐに終った。

同じプレートに上書きされるらしく、指先に針を刺して血をプレートに塗ると光出す。

あれ? ナイフは?

商人ギルドの説明を、親切に教えてくれていた女性が、

「冒険者の方なら、護衛の方は要らないですかね~」

っと、意味深な事を言い出した。

詳しく聞くと、商人として成功する人は大金を扱うし、商売上敵も出来やすいので、ボディーガードの様な従業員を雇ってる人が多いらしい。

ジュグルータさんも騎士団連れてたし、ニールさんも元冒険者と言っていた。

なるほど盲点だった…… が、急ぐ事も無いか。

商人ギルドでは、そういった人員の斡旋も行っているらしく、一応費用など詳しく聞くと、流石危険を伴う仕事なだけに中々の高額であった。

その場その場で、短期で契約する方法もあるみたいだし、商売が上手く軌道に乗れば、無理な金額ではないのだが......

ジュグルータさん、結構な商人だったんだな~

「初期費用はかかりますが、長い目で見ると奴隷をお求めになる方も少なくありません」

「奴隷ですか......」

「一度見てみてはいかがですか? この街で奴隷商を営んでいるのは、向かいの建物[ゴルゾ奴隷売買所]の一軒のみです」

検討する旨を伝え、商人ギルドをあとにする。

元冒険者のニールさんみたいに、あの冒険者ギルドのお姉様でも雇えればな~

奴隷か~ 紹介状の出番かな?





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