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第八章

二十三話【教皇とは名ばかり】

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階段を降り奥へ進む惣一郎達。

奥の大部屋から数人の反応を感じ、手を広げ皆を止める。

「思ったより少ないな…… みんな、奥に7人の反応がある。多分これが最後みたいだ」

そう言うと惣一郎は目の前の扉を開け、普通に中に入って行く。

奥に祭壇の様な台があり、豪華な椅子に座る小太りの派手な服を着た男を、両脇に男女が3人づつ並び、こちらを見ていた。

「よく来たな勇者よ!」

偉そうに頬杖を突く派手な男が、座ったまま話しかけて来た。

正直相手をしたく無い、勘違いした成金の印象を受けた惣一郎。

「主人よ、あれが教皇だ」

後ろからスワロが小声で話しかける。

まぁ、そんな感じだな……

話すのも面倒臭くなった惣一郎が、盾と鉄球を浮かせると、ベンゾウ達も武器を構えだす。

「待て慌てる事もあるまい。少し話をせぬか?」

「お前ら御神体ってのを喰ったんだろ? 今更話す事はないよ。お前らの目的に興味も失せたし、倒して終いだ」

ツナマヨが腰の刀に手をかけ微笑む。

「確かに時間の無駄だな」

戦斧を肩に乗せる弁慶。

ベンゾウもステップを踏み始める。

「いや、待て! 話によっては見逃すと言っておるのだ」

慌てる教皇。

両脇の男女も慌てて武器を構え様とするが、惣一郎の鉄球が先に襲う!

2人を後ろに吹き飛ばし、3人が耐え、1人は避けた。

それを合図に弁慶とツナマヨが斬りかかる!

ベンゾウはすでに居ない!

出遅れたスワロも杖を構え、光剣を出す!

教皇は椅子からずれ落ち叫んでいたが、聞く耳を持っていなかった。



案の定、6人は蟲と混ざっている様だが先手を取られ、自慢だろう高価そうな武器をまともに構える事も出来ずにいた。

何か言いかけた教皇は、弁慶の足の裏に言葉にする事も出来ずに転がる。

余裕を見せ並んでいたが、今はバラバラの蟲人間。

アジト奥でのボス戦は、あっという間に方が付いた。

教皇も弁慶の足の下で、ウネウネと腹から生えた無数の脚を動かし必死に逃げようとしていたが、ベンゾウの小刀が頭に刺さると、ゆっくりと動かなくなっていった。

「フンッ、相手にもならん!」

「確かにゲルなんとかの方が、よっぽど手応えがあったな」

「まぁ、教皇なんて何処もそんなもんだろう」

「ご主人様、これで終わり?」

「ああ、魔女を喰った奴はもう、このアジトには居ない様だ」

「主人よ、まだ3人程知った顔が居ないのだが……」

「はい?」

「2人の少女と、ダークエルフの女が居ないのだが、本当に此処には他に誰も居ないのか?」

「ああ、サーチには反応が…… 今倒した取巻きに居るんじゃないのか?」

「いや、見ればわかる! まだ何処かに居るはずなんだが……」

スワロの言葉に惣一郎は改めて、気合いの入ったサーチを広げる。

だがやはり、このアジトには……

「あっ、外だ! 外の入り口でミコと戦ってるのがいるぞ! しまった、蟲も沢山囲んでる! 急いで戻るぞ!」

慌てて惣一郎は倒した教皇達を収納し、また出す。

魔女の目は落ちない。

「急ぐぞ!」

慌てて来た道を走り出す惣一郎達!

慣れた転移も使えないと、もどかしさを感じる。







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