92 / 194
第五章
十話【思惑】
しおりを挟む
ツツの転移屋でも惣一郎が幻腕を出すと、直ぐに行きたい場所へと案内してくれた。
転移屋が味方についてくれるのは大きい!
そのままユースエル街まで転移する。
着いたユースエル街は、賑わう歓楽街であった。
昼間っから酔った人が通りに倒れ、派手な看板の店が並ぶ。
「あれ…… ここで間違いないよな?」
「賑わってるね~」
「主人よ、聞き間違えたのではないか?」
首を傾げる3人。
「まぁ確認はしとくか。壁の外でドラミに調べてもらおう」
すると突然話しかけて来る人影が!
「やっと会えたな、ハニー!」
通りに出ている、店の看板に片足を乗せ、帽子で顔半分を隠す男。
キッドだ。
思ったより看板が高いのか、やや姿勢がぎこちない。
「[セリスの街]で蟲の情報を集めてる奴がいると聞いてな、情報を流せば会えると思ったぜ!」
どうやら上手くこの街に、誘導された様だ。
惣一郎がわかりやすく、刀を2本出し浮かせると、ベンゾウはキッドの背後から黒い小刀を首に構える。
「騙したのか?」
スワロも杖を構え、ジワジワと燃える様な黒いオーラを身体から出し始める。
やはりベンゾウのと似ている。
「まっ、待て待て、情報は本当だ! 街から南に数日行った所に、本当に蟲の巣があるんだ」
首の小刀に気付き、慌てて両手を上げるキッド。
「南だな」
っと、刀を仕舞う惣一郎。
「あっ、ああ。こうでもしなきゃ、もう会えないかと……」
ベンゾウとスワロも、キッドに興味を無くす。
歩き出す惣一郎に、キッドが、
「待て、俺が案内する!」
「必要ない」
「俺じゃなきゃ、わかりずらい場所だ!」
「必要ない。情報が正しければ感謝するが、もう騙す様な真似はしないでくれ」
「頼む! 俺も…」
キッドが言い終える前に、姿を消す3人。
瞬間移動で街の外れ、外壁まで来ていた。
「ご主人様、いいの?」
「使える奴でも性格に難ありだ」
「あんなのが仲間になったら、敵より注意が必要になるぞ! ベンゾウ殿」
「まぁゴゴ達もいるしな、まずはそっちを鍛えないと」
騎士のみんなも訓練は続けている。
惣一郎の出す食事だけでも、大分強くなって来ていた。
数人には武器も渡してある。
あっさり瞬間移動で壁を越える惣一郎達。
種を置くとドラミが現れる。
「話は聞いとったで! 確かに南の崖におるなぁ。崖の中腹に洞窟があるわ」
「嘘ではなかったか」
「でも、上位種は見当たらんなぁ~ 洞窟の奥じゃウチには分からん。行って確かめるしかないで」
「距離も結構あるそうだし、急ぐ事も無いかな? 少し街で休んでから行くか?」
「ご主人様、なんか来る」
すると勢い良く壁の門から飛び出す、蟻に乗ったカウボーイ。
こちらに気付かず、真っ直ぐ南に向かって行った。
「しつこい男だ!」
「あの勢いで先に突っ込んでったら、あの男、死ぬんちゃう?」
面倒臭い奴だ……
転移屋が味方についてくれるのは大きい!
そのままユースエル街まで転移する。
着いたユースエル街は、賑わう歓楽街であった。
昼間っから酔った人が通りに倒れ、派手な看板の店が並ぶ。
「あれ…… ここで間違いないよな?」
「賑わってるね~」
「主人よ、聞き間違えたのではないか?」
首を傾げる3人。
「まぁ確認はしとくか。壁の外でドラミに調べてもらおう」
すると突然話しかけて来る人影が!
「やっと会えたな、ハニー!」
通りに出ている、店の看板に片足を乗せ、帽子で顔半分を隠す男。
キッドだ。
思ったより看板が高いのか、やや姿勢がぎこちない。
「[セリスの街]で蟲の情報を集めてる奴がいると聞いてな、情報を流せば会えると思ったぜ!」
どうやら上手くこの街に、誘導された様だ。
惣一郎がわかりやすく、刀を2本出し浮かせると、ベンゾウはキッドの背後から黒い小刀を首に構える。
「騙したのか?」
スワロも杖を構え、ジワジワと燃える様な黒いオーラを身体から出し始める。
やはりベンゾウのと似ている。
「まっ、待て待て、情報は本当だ! 街から南に数日行った所に、本当に蟲の巣があるんだ」
首の小刀に気付き、慌てて両手を上げるキッド。
「南だな」
っと、刀を仕舞う惣一郎。
「あっ、ああ。こうでもしなきゃ、もう会えないかと……」
ベンゾウとスワロも、キッドに興味を無くす。
歩き出す惣一郎に、キッドが、
「待て、俺が案内する!」
「必要ない」
「俺じゃなきゃ、わかりずらい場所だ!」
「必要ない。情報が正しければ感謝するが、もう騙す様な真似はしないでくれ」
「頼む! 俺も…」
キッドが言い終える前に、姿を消す3人。
瞬間移動で街の外れ、外壁まで来ていた。
「ご主人様、いいの?」
「使える奴でも性格に難ありだ」
「あんなのが仲間になったら、敵より注意が必要になるぞ! ベンゾウ殿」
「まぁゴゴ達もいるしな、まずはそっちを鍛えないと」
騎士のみんなも訓練は続けている。
惣一郎の出す食事だけでも、大分強くなって来ていた。
数人には武器も渡してある。
あっさり瞬間移動で壁を越える惣一郎達。
種を置くとドラミが現れる。
「話は聞いとったで! 確かに南の崖におるなぁ。崖の中腹に洞窟があるわ」
「嘘ではなかったか」
「でも、上位種は見当たらんなぁ~ 洞窟の奥じゃウチには分からん。行って確かめるしかないで」
「距離も結構あるそうだし、急ぐ事も無いかな? 少し街で休んでから行くか?」
「ご主人様、なんか来る」
すると勢い良く壁の門から飛び出す、蟻に乗ったカウボーイ。
こちらに気付かず、真っ直ぐ南に向かって行った。
「しつこい男だ!」
「あの勢いで先に突っ込んでったら、あの男、死ぬんちゃう?」
面倒臭い奴だ……
2
お気に入りに追加
253
あなたにおすすめの小説
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
チートなかったからパーティー追い出されたけど、お金無限増殖バグで自由気ままに暮らします
寿司
ファンタジー
28才、彼女・友達なし、貧乏暮らしの桐山頼人(きりやま よりと)は剣と魔法のファンタジー世界に"ヨリ"という名前で魔王を倒す勇者として召喚される。
しかしそこでもギフトと呼ばれる所謂チート能力がなかったことから同じく召喚された仲間たちからは疎まれ、ついには置き去りにされてしまう。
「ま、良いけどね!」
ヨリはチート能力は持っていないが、お金無限増殖というバグ能力は持っていた。
大金を手にした彼は奴隷の美少女を買ったり、伝説の武具をコレクションしたり、金の力で無双したりと自由気ままに暮らすのだった。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。
いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成!
この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。
戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。
これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。
彼の行く先は天国か?それとも...?
誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。
小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中!
現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
女神様から同情された結果こうなった
回復師
ファンタジー
どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる