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第二章
十五話【蛮族と隷属】
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「じゃ、このまま街を出るので、何かあればドリーに言ってくれ!」
「ああ、了解した主人よ」
そう言うと惣一郎だけ家を出る。
ツリーハウスをそのままに、街外れまで瞬間移動する惣一郎。
スワロは……
やはり木の中なら強制転移はされない様だ。
なるほど、単独行動出来るのは大きいな!
ツリーハウスまで戻り種にすると、惣一郎はポケットに仕舞い、外壁の上まで転移する。
上から見下ろす瓦礫の山。
外には森が何処までも広がっていた。
これならサクサク進めるし、やはりツリーハウスは正解だ。
まぁ、変なのが居るが……
惣一郎は理喪棍にまたがり、北東に向け飛び立つ。
時折転移を繰り返しながら飛び進める惣一郎が、地面に散乱する荷物を見つける。
先に逃げ出した人達が襲われたのだろうか?
街からすでに大分離れている。
降りると、壊れた荷車の周りに5人ほど人が倒れており、スライムが群がっていた。
手遅れだったか……
惣一郎はサーチを飛ばし辺りを調べるが、特に反応は無い。
何に襲われたのだろう……
既に大分スライムに喰われた遺体からは、何も分からない。
だが、壊れた荷車から必要以上に荒らされた荷。
厄災や魔獣より、盗賊の類いなのだろうか?
惣一郎は種を木に戻し、ミネアを呼ぶ。
スワロと出て来たミネアが遺体を見ると、地面に膝を突く。
「ああ、なんて事!」
見せない方が良かったか……
「知り合いか?」
「ええ、多分…… やはり無理なのです、歩いてザイサイを目指すなんて……」
「何かいるのか?」
「………」
「ミネアよ、主人は其方らを助けた様に、信用できるお人だ! 抱え込まず話したらどうだ?」
「あっ、いえ、そう言う訳では…… 惣一郎様はルルリカに来たのは初めてなのですよね?」
「えっ、ああ、初めてだし、遠くから来たのでこの辺りの事も良く知らないんだ」
「ルルリカは交易で潤う街でしたが、その多くは奴隷売買でした。その中でも小型の蟲や蛮族などの魔物を隷属させ、奴隷としていたのです」
「隷属? 蟲や魔物をか?」
「やはりご存じありませんか…… 奴隷契約とはまた別の契約魔法です。扱いも酷く、戦奴などに多く、馬などもこれに……」
あの馬車を引いてた蟲か……
「その隷属させる魔物を、この先の森などから集めていたのです。特に安く売れる蛮族を」
「蛮族って?」
「緑色の肌の牙を生やした魔物です」
「オークか!」
「おーく? その様な名かは分かりませんが、街からザイサイに向かう途中に、その蛮族の住む森があるのです。彼らは仲間を攫うエルフを酷く憎んでおります」
この世界に居ない訳じゃ無かったのか…… オーク。
「ですが、街のこんな近くで襲われるなんて」
「あ、いや結構街から離れたよ」
「えっ、ですが惣一郎様がお出になられてまだ……」
まぁ、相手が魔物なら問題ないか。
「ありがとう! 他の避難した人も心配だ。俺はこのまま先に進むよ。スワロはミネア達と木の中にいてくれ」
「そんな、私も戦うぞ主人よ!」
「おひとりでなんて無謀です! やはり引き返しましょう」
「大丈夫よ、ひとりの方がフットワーク軽いし」
半ば強引に説得する惣一郎は、また種をポケットに入れ、飛び立つ。
時間が経ち過ぎている。
無事だといいが……
「ああ、了解した主人よ」
そう言うと惣一郎だけ家を出る。
ツリーハウスをそのままに、街外れまで瞬間移動する惣一郎。
スワロは……
やはり木の中なら強制転移はされない様だ。
なるほど、単独行動出来るのは大きいな!
ツリーハウスまで戻り種にすると、惣一郎はポケットに仕舞い、外壁の上まで転移する。
上から見下ろす瓦礫の山。
外には森が何処までも広がっていた。
これならサクサク進めるし、やはりツリーハウスは正解だ。
まぁ、変なのが居るが……
惣一郎は理喪棍にまたがり、北東に向け飛び立つ。
時折転移を繰り返しながら飛び進める惣一郎が、地面に散乱する荷物を見つける。
先に逃げ出した人達が襲われたのだろうか?
街からすでに大分離れている。
降りると、壊れた荷車の周りに5人ほど人が倒れており、スライムが群がっていた。
手遅れだったか……
惣一郎はサーチを飛ばし辺りを調べるが、特に反応は無い。
何に襲われたのだろう……
既に大分スライムに喰われた遺体からは、何も分からない。
だが、壊れた荷車から必要以上に荒らされた荷。
厄災や魔獣より、盗賊の類いなのだろうか?
惣一郎は種を木に戻し、ミネアを呼ぶ。
スワロと出て来たミネアが遺体を見ると、地面に膝を突く。
「ああ、なんて事!」
見せない方が良かったか……
「知り合いか?」
「ええ、多分…… やはり無理なのです、歩いてザイサイを目指すなんて……」
「何かいるのか?」
「………」
「ミネアよ、主人は其方らを助けた様に、信用できるお人だ! 抱え込まず話したらどうだ?」
「あっ、いえ、そう言う訳では…… 惣一郎様はルルリカに来たのは初めてなのですよね?」
「えっ、ああ、初めてだし、遠くから来たのでこの辺りの事も良く知らないんだ」
「ルルリカは交易で潤う街でしたが、その多くは奴隷売買でした。その中でも小型の蟲や蛮族などの魔物を隷属させ、奴隷としていたのです」
「隷属? 蟲や魔物をか?」
「やはりご存じありませんか…… 奴隷契約とはまた別の契約魔法です。扱いも酷く、戦奴などに多く、馬などもこれに……」
あの馬車を引いてた蟲か……
「その隷属させる魔物を、この先の森などから集めていたのです。特に安く売れる蛮族を」
「蛮族って?」
「緑色の肌の牙を生やした魔物です」
「オークか!」
「おーく? その様な名かは分かりませんが、街からザイサイに向かう途中に、その蛮族の住む森があるのです。彼らは仲間を攫うエルフを酷く憎んでおります」
この世界に居ない訳じゃ無かったのか…… オーク。
「ですが、街のこんな近くで襲われるなんて」
「あ、いや結構街から離れたよ」
「えっ、ですが惣一郎様がお出になられてまだ……」
まぁ、相手が魔物なら問題ないか。
「ありがとう! 他の避難した人も心配だ。俺はこのまま先に進むよ。スワロはミネア達と木の中にいてくれ」
「そんな、私も戦うぞ主人よ!」
「おひとりでなんて無謀です! やはり引き返しましょう」
「大丈夫よ、ひとりの方がフットワーク軽いし」
半ば強引に説得する惣一郎は、また種をポケットに入れ、飛び立つ。
時間が経ち過ぎている。
無事だといいが……
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