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19.イザベスのウソ
天空の魔女 リプルとペブル
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19.イザベスのウソ
学校に向かって、一目散に走ったリプルたちは、4時ぎりぎりに学校の教室へ飛び込むことができた。
「あら、間に合ったわね。あなたたちで最後よ」
ホキントン先生が、ニコリと笑いながら
「なかなか帰ってこないから、てっきりケルクスのえさか、もしくは、トリックの木の栄養になってしまったかと思ったわ」
と、明るく言う。
それを聞いたイザベスは顔を引きつらせ思わず叫んだ。
「トリックの木!」
すると、ホキントン先生が「あら、イザベス、何かあったの?」と、小首をかしげた。
イザベスは、しまったというふうに口に手をあてた。
イザベスはすぐに表情をとりつくろうと、自らの失敗をリプルたちに押し付けることにした。
「あの~。じつは、このリプルとバブルが、トリックの木に邪魔をされていたものですから、私とマーサで助けたんですのよ。それで時間を取られてしまいましたの」
イザベスは、早口で一気にそんなことを言った。
「ちょっと待って、逆でしょ」「名前間違えるのはしょうがないけど、『バブル』って何よ!」
リプルとペブルが同時にそう言ったが、先生は、首をかしげて
「どうなの?マーサ」
とマーサにたずねた。
先生に見つめられたマーサは、小さく小さく縮こまって、下を向いている。
「あの…」
真っ赤になってうつむいているマーサのとなりで、イザベスが
「ほら、早く言いなさいよ。私たちが助けた側だって。もし、私の言った通りに言わなかったら、分かってるんでしょうね」
と、小声で耳打ちする。
マーサはますます困ってしまって、ちらっとリプルたちの方を見た。
そして、悲しそうな目をして
「あの、ペブルたちがつかまって、それをイザベスが助けました」
と、つぶやくように言った。
「ちがうでしょ。反対だってば」
と、怒った声で言いかけたペブルをリプルが制する。
そして、リプルは先生をまっすぐ見つめた。
「真実は、いつかかならず自ずから現れるものです」
と、きっぱり言った。
「なんでよ?リプル。私たちじゃないのに」
ペブルはなおも怒りが収まらず、そう言いつのったが、耳元で、しずくが
「しーっ、ここは黙って」
と、言ったので、ペブルは、いっぱいに詰まった不満と怒りでぱんぱんに膨らんだ体をツンツンにとがらせた口でギュツと固く縛って押し黙った。
円を描いて座っていたクラスの女の子たちは、ざわざわと今の出来事について、となり同士でささやきあったりしていたが、ペブルたちがその円の中に入ると、静かになって、先生の方を向いた。
ただひとり、マーサだけが、うつむいたまま青い顔をしていた。
学校に向かって、一目散に走ったリプルたちは、4時ぎりぎりに学校の教室へ飛び込むことができた。
「あら、間に合ったわね。あなたたちで最後よ」
ホキントン先生が、ニコリと笑いながら
「なかなか帰ってこないから、てっきりケルクスのえさか、もしくは、トリックの木の栄養になってしまったかと思ったわ」
と、明るく言う。
それを聞いたイザベスは顔を引きつらせ思わず叫んだ。
「トリックの木!」
すると、ホキントン先生が「あら、イザベス、何かあったの?」と、小首をかしげた。
イザベスは、しまったというふうに口に手をあてた。
イザベスはすぐに表情をとりつくろうと、自らの失敗をリプルたちに押し付けることにした。
「あの~。じつは、このリプルとバブルが、トリックの木に邪魔をされていたものですから、私とマーサで助けたんですのよ。それで時間を取られてしまいましたの」
イザベスは、早口で一気にそんなことを言った。
「ちょっと待って、逆でしょ」「名前間違えるのはしょうがないけど、『バブル』って何よ!」
リプルとペブルが同時にそう言ったが、先生は、首をかしげて
「どうなの?マーサ」
とマーサにたずねた。
先生に見つめられたマーサは、小さく小さく縮こまって、下を向いている。
「あの…」
真っ赤になってうつむいているマーサのとなりで、イザベスが
「ほら、早く言いなさいよ。私たちが助けた側だって。もし、私の言った通りに言わなかったら、分かってるんでしょうね」
と、小声で耳打ちする。
マーサはますます困ってしまって、ちらっとリプルたちの方を見た。
そして、悲しそうな目をして
「あの、ペブルたちがつかまって、それをイザベスが助けました」
と、つぶやくように言った。
「ちがうでしょ。反対だってば」
と、怒った声で言いかけたペブルをリプルが制する。
そして、リプルは先生をまっすぐ見つめた。
「真実は、いつかかならず自ずから現れるものです」
と、きっぱり言った。
「なんでよ?リプル。私たちじゃないのに」
ペブルはなおも怒りが収まらず、そう言いつのったが、耳元で、しずくが
「しーっ、ここは黙って」
と、言ったので、ペブルは、いっぱいに詰まった不満と怒りでぱんぱんに膨らんだ体をツンツンにとがらせた口でギュツと固く縛って押し黙った。
円を描いて座っていたクラスの女の子たちは、ざわざわと今の出来事について、となり同士でささやきあったりしていたが、ペブルたちがその円の中に入ると、静かになって、先生の方を向いた。
ただひとり、マーサだけが、うつむいたまま青い顔をしていた。
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