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探偵登場
探偵の推理
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「それは、その佐川という警部が怪しいですね」
王冠が盗まれるまでの詳細を聞くと、白夜は自らの唇をなぞりながら考え込んだ。
「佐川警部は、頰をつねられていない時点で怪しいですし、王冠が無くなる直前に、ガラスケースに触れたのも、何かしら割れるよう細工をした可能性がありますね」
白夜は、スラスラと早口で話す。
「じゃあ、ナイトウォーカーが佐川に化けてるってのかよ」
渡辺警部が、身を乗り出して聞く。
「いや・・・もしかしたら、佐川警部自身が、怪盗ナイトウォーカーの正体なのかもしれません」
ふぅ、と白夜は長い息を吐く。
「あ?怪盗ナイトウォーカーは男だろ。何言ってる」
再び苛立ちながら渡辺警部は舌打ちをした。
「そうだよ、彼は男だ」
香坂刑事も続ける。怪盗ナイトウォーカーが男であることは、誰よりも知っていた。
「男性が女性に変装するより、女性が男性に変装する方が自然に出来るんですよ。それに、ナイトウォーカーはよく女装をすると聞きましたし」
白夜は得意げに語る。
違うんだよ。と、香坂刑事は内心で叫んだ。
俺は、アイツのチンコを扱いたり、しゃぶったりした事があるんだから、男なのは間違い無いんだ。
しかし、当然言えるはずもなく、香坂刑事は黙り込んでポーカーフェイスを決める。
こんな的外れの推理をするようじゃ、イギリスの探偵も当てにならないな、と急に冷静になっていった。
「うぅん、確かに」
一方、渡辺警部は、白夜に納得させられた。
「だが、王冠はどこに隠
その時、キキィィィィッと音を立てて、列車はブレーキをかけて止まった。窓からは駅が見える。
「警部!大変です!大勢の記者が、王冠が盗まれたことに関して取材に来てます!!」
食堂車に走り入ってきた警官が叫ぶ。
「なんだと!俺が行くから、誰も列車に入れたり、中の乗客を外に出したりするんじゃねぇぞ!!」
渡辺警部は、列車の出入り口に走っていった。
「・・・香坂刑事、ちょっと」
呼びに来た警官が、香坂刑事を食堂車の外に呼び出した。
「今、乗客は全員、食堂車にいるのに、トイレから妙な物音がするんです。奴が隠れているのかもしれません」
「分かった。援護してくれ」
香坂刑事は、銃を構え、そっとトイレに近付いた。
警官と目配せで合図をし、タイミングを合わせてドアを開ける。
しかし、中には誰もいなかった。
「どうやら勘違いのよう・・・
言い終わる前に、香坂刑事は、口をガムテープで塞がれる。抵抗しようとするも、手首を捻られ、トイレの給水管に手錠で繋がれた。
「ごめんね、香坂刑事」
聞き覚えのある声で耳元に囁かれる。
香坂刑事が振り向くと、警官はゴム製のマスクを剥ぎ、素顔を見せた。
「もうちょっとだけ、辛抱しててくださいね」
警官に変装していた怪盗は、刑事の尻を撫で、耳にキスをした。
トイレの扉が、ゆっくりと閉められた。
王冠が盗まれるまでの詳細を聞くと、白夜は自らの唇をなぞりながら考え込んだ。
「佐川警部は、頰をつねられていない時点で怪しいですし、王冠が無くなる直前に、ガラスケースに触れたのも、何かしら割れるよう細工をした可能性がありますね」
白夜は、スラスラと早口で話す。
「じゃあ、ナイトウォーカーが佐川に化けてるってのかよ」
渡辺警部が、身を乗り出して聞く。
「いや・・・もしかしたら、佐川警部自身が、怪盗ナイトウォーカーの正体なのかもしれません」
ふぅ、と白夜は長い息を吐く。
「あ?怪盗ナイトウォーカーは男だろ。何言ってる」
再び苛立ちながら渡辺警部は舌打ちをした。
「そうだよ、彼は男だ」
香坂刑事も続ける。怪盗ナイトウォーカーが男であることは、誰よりも知っていた。
「男性が女性に変装するより、女性が男性に変装する方が自然に出来るんですよ。それに、ナイトウォーカーはよく女装をすると聞きましたし」
白夜は得意げに語る。
違うんだよ。と、香坂刑事は内心で叫んだ。
俺は、アイツのチンコを扱いたり、しゃぶったりした事があるんだから、男なのは間違い無いんだ。
しかし、当然言えるはずもなく、香坂刑事は黙り込んでポーカーフェイスを決める。
こんな的外れの推理をするようじゃ、イギリスの探偵も当てにならないな、と急に冷静になっていった。
「うぅん、確かに」
一方、渡辺警部は、白夜に納得させられた。
「だが、王冠はどこに隠
その時、キキィィィィッと音を立てて、列車はブレーキをかけて止まった。窓からは駅が見える。
「警部!大変です!大勢の記者が、王冠が盗まれたことに関して取材に来てます!!」
食堂車に走り入ってきた警官が叫ぶ。
「なんだと!俺が行くから、誰も列車に入れたり、中の乗客を外に出したりするんじゃねぇぞ!!」
渡辺警部は、列車の出入り口に走っていった。
「・・・香坂刑事、ちょっと」
呼びに来た警官が、香坂刑事を食堂車の外に呼び出した。
「今、乗客は全員、食堂車にいるのに、トイレから妙な物音がするんです。奴が隠れているのかもしれません」
「分かった。援護してくれ」
香坂刑事は、銃を構え、そっとトイレに近付いた。
警官と目配せで合図をし、タイミングを合わせてドアを開ける。
しかし、中には誰もいなかった。
「どうやら勘違いのよう・・・
言い終わる前に、香坂刑事は、口をガムテープで塞がれる。抵抗しようとするも、手首を捻られ、トイレの給水管に手錠で繋がれた。
「ごめんね、香坂刑事」
聞き覚えのある声で耳元に囁かれる。
香坂刑事が振り向くと、警官はゴム製のマスクを剥ぎ、素顔を見せた。
「もうちょっとだけ、辛抱しててくださいね」
警官に変装していた怪盗は、刑事の尻を撫で、耳にキスをした。
トイレの扉が、ゆっくりと閉められた。
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