3 / 18
一章 出逢い編
友達は作れなそうですね。
しおりを挟む
今私は、檻の中にいるパンダの気分だ。
前を歩く宮ノ内理事長の後ろに隠れて目立たない様に歩いてはいるが、効果は全く無い。驚愕する生徒や教師陣の視線が愛華に集中していた。
「あの⋯教室はまだですか?」
「貴女は二年A組なので二階の一番奥ですね」
「そんな殺生な~」
そう言って頭を抱える愛華を見て嬉しそうに微笑む宮ノ内。その殺人級の笑顔に周りから悲鳴じみた歓声が聞こえてくるが、彼の笑顔を独占する形の私には妬み嫉みの視線が突き刺さる。
「宮ノ内様といる子誰!?」
(宮ノ内様!?様って⋯えっ何で!?)
「見た事ないわよ!」
花森学園に入ってまだ一時間も経っていないが、もう後悔し始めていた。
「あの、やっぱり⋯「転校は出来ませんよ?あと退学も」
愛華の考えている事が分かるのか、先手を打たれる。宮ノ内は爽やかな笑顔だが、目が全然笑っていない。だがそれに屈せず反論しようとした時だった。
「あ⋯み、宮ノ内理事長!」
職員室から走ってくる大人しそうな中年の男性。
「ああ、水口先生。」
先程までの笑顔はスッと消え、冷たい瞳で水口を見る宮ノ内。
「あっ⋯。すみません、理事長!高島さんは私が連れて行きます。」
「いえ、大丈夫です。貴方は先にクラスに行き準備をして下さい。」
有無を言わせない程の底知れぬ圧で水口を黙らせる宮ノ内に狂気じみた怖さすら感じる。
「は、はい!!」
水口は情けない声をあげながら急いで階段を駆け上がって行った。その後にすぐ校長と教頭らしき初老の男性達が宮ノ内に近づいてきたが、何故かいない者の様にずっと無視されている。
「あの、良いんですか?」
「ん?何がですか?」
愛華が冷や汗を拭いているおじさん二人を見る。
「⋯ああ、彼女は私が連れて行きますので職員室に戻っていて大丈夫ですよ。それと生徒達を教室に入れて下さい。彼女が怖がっていますよ。」
相変わらずの冷たい口調でおじさん二人に指示するともう振り返らなかった。指示されたおじさんは教師陣に指示を出して生徒達を急いで教室に促していく。
「あの⋯忙しいんじゃないですか?」
「いえ、この時期の転校生は初めてですから心配ですし、少しでも長く一緒にいたいですから」
「はぁ⋯⋯え?」
(この人今何て言った?聞き間違いかな?)
頭を傾げながら何やら考えている愛華と笑顔のままそんな愛華を見守る宮ノ内は目的地の二年A組に着いた。
「ありがとうございました」
礼を言って教室に入ろうとしたが、何故か一緒に宮ノ内も入っていく。騒つく教室で水口だけは流れる汗を懸命に拭いている。
宮ノ内に釘付けの女子生徒と愛華は何故か男子生徒に見つめられて凄く居心地が悪い。そう、高島愛華は自覚はないが年齢の割には大人びた雰囲気を持った美しい少女だった。
「あっ、高島さん。ここに立って自己紹介をお願いします」
水口は宮ノ内を気にしながらも愛華に話しかけてくる。
「はい。高島愛華です。⋯よろしくお願いします」
だが反応がない。女子生徒からは睨まれてしまい途方に暮れていると、黙って見守っていた宮ノ内が一歩前に出る。
「このクラスは返事というものが出来ないんですか?」
宮ノ内のその一言で水口を始め、クラス全員が盛大に拍手する。だが愛華はまだ気まずいので急いで指示された席に座ると、宮ノ内はまた様子を見に来ますと言い残して出ていった。
いなくなったと同時に各方向から視線が突き刺さりかなり居心地が悪い。
「先生~!高島さんに質問して良いですか~?」
すると一人の女子生徒が手を挙げ、水口が何かを言う前に話し始める。多分この担任は生徒から馬鹿にされているのだろう。
「宮ノ内理事長と知り合いなの?それに香坂理事長代理ともいたわよね?」
「あ、いいえ。今日初めて会いました。」
愛華の答えに納得していないのか、何故か不満顔の女子生徒。
「え~?だって宮ノ内様が直々にクラスまで案内するなんて考えられないし~」
「そう言われても⋯」
私は水口に助けを求めるように見るが逸らされてしまう。
(何なのこの担任!)
「高島さんは転校してきたんだよね?何処から来たの?」
「地元の徳山高校です」
「へぇ~?家柄じゃないなら成績評価?スポーツ特待生?」
家柄じゃないと分かったら、彼女は愛華を見下す雰囲気に変わった。
「⋯成績?」
自分でも分からないので疑問形になってしまう。
「何で疑問形なの~?成績評価なら学年十位以内には入らないと退学になるわよ?」
「そうなんだ」
じゃあすぐに退学かなと思いながら教科書を鞄から出していると、その女子生徒が立ち上がるり愛華の目の前にやって来る。
「⋯何?」
「あんまり調子に乗らないでね?」
「乗ってないけど?」
怯まずにそう言い返した瞬間、愛華の筆箱が床に落ちて散らばる。そう、この女子生徒がわざと落としたのだ。それを見てクスクス笑う生徒達と、見て見ぬふりする担任。
愛華が気にする事なく落ちた筆箱を拾っていると、拾っていた手に激痛が走る。
「あ、ごめんね~?ゴミだと思って~!」
その女子生徒が上履きで私の手を思いっきり踏みつけたのだ。だが、その光景を見ても誰も止める事も心配する者もいない。それどころか見て楽しんでさえいる者もいる。
赤くなった手で我慢しながら受けた一限目が終わり、また絡まれる前に保健室に行こうと立ち上がる。
(あ、保健室って何処だろう⋯)
ただでさえ広大な校内を一人で探すのは困難だ。困って途方に暮れていると、一人の女子生徒が近づいて来た。
「あの⋯保健室探しているの?」
三つ編みに眼鏡という絶滅危惧種キャラの大人しそうな女子生徒が周りを気にしながらも私に声をかけてくれた。
「うん、どこかな?」
「一階の職員室は分かる?」
「うん。」
「職員室の向かいにあるからすぐに分かると思う。それと⋯見て見ぬふりしてごめんね」
彼女、同じクラスの片桐明奈の話によると、先程の女子生徒は近藤茉莉奈と言いクラスのリーダー格で父親も名のある企業の社長な為にやりたい放題なのだそう。
「近藤さんは宮ノ内理事長の大ファンだから⋯これから気をつけて」
片桐はそう言い残してそそくさとクラスに入って行った。愛華は他の生徒達からの好奇な視線を耐え抜いて保健室の前までやって来た時だった。
「高島さん」
今一番会いたくない人物の登場に一歩後退りしてしまう。
「宮ノ内理事長⋯あの⋯こんにちは」
だが、宮ノ内の視線は愛華の痛々しい手に向けられていた。
「その手はどうしたんですか?こんなに赤く腫れて⋯何があったんですか?」
「あ~⋯ちょっと転んでしまって」
「転んだ怪我には見えませんね。とりあえず、手当てしてもらいましょう」
そう言って強引に愛華と共に保健室に入って行く宮ノ内を見つめる視線がすぐ近くにあった。
前を歩く宮ノ内理事長の後ろに隠れて目立たない様に歩いてはいるが、効果は全く無い。驚愕する生徒や教師陣の視線が愛華に集中していた。
「あの⋯教室はまだですか?」
「貴女は二年A組なので二階の一番奥ですね」
「そんな殺生な~」
そう言って頭を抱える愛華を見て嬉しそうに微笑む宮ノ内。その殺人級の笑顔に周りから悲鳴じみた歓声が聞こえてくるが、彼の笑顔を独占する形の私には妬み嫉みの視線が突き刺さる。
「宮ノ内様といる子誰!?」
(宮ノ内様!?様って⋯えっ何で!?)
「見た事ないわよ!」
花森学園に入ってまだ一時間も経っていないが、もう後悔し始めていた。
「あの、やっぱり⋯「転校は出来ませんよ?あと退学も」
愛華の考えている事が分かるのか、先手を打たれる。宮ノ内は爽やかな笑顔だが、目が全然笑っていない。だがそれに屈せず反論しようとした時だった。
「あ⋯み、宮ノ内理事長!」
職員室から走ってくる大人しそうな中年の男性。
「ああ、水口先生。」
先程までの笑顔はスッと消え、冷たい瞳で水口を見る宮ノ内。
「あっ⋯。すみません、理事長!高島さんは私が連れて行きます。」
「いえ、大丈夫です。貴方は先にクラスに行き準備をして下さい。」
有無を言わせない程の底知れぬ圧で水口を黙らせる宮ノ内に狂気じみた怖さすら感じる。
「は、はい!!」
水口は情けない声をあげながら急いで階段を駆け上がって行った。その後にすぐ校長と教頭らしき初老の男性達が宮ノ内に近づいてきたが、何故かいない者の様にずっと無視されている。
「あの、良いんですか?」
「ん?何がですか?」
愛華が冷や汗を拭いているおじさん二人を見る。
「⋯ああ、彼女は私が連れて行きますので職員室に戻っていて大丈夫ですよ。それと生徒達を教室に入れて下さい。彼女が怖がっていますよ。」
相変わらずの冷たい口調でおじさん二人に指示するともう振り返らなかった。指示されたおじさんは教師陣に指示を出して生徒達を急いで教室に促していく。
「あの⋯忙しいんじゃないですか?」
「いえ、この時期の転校生は初めてですから心配ですし、少しでも長く一緒にいたいですから」
「はぁ⋯⋯え?」
(この人今何て言った?聞き間違いかな?)
頭を傾げながら何やら考えている愛華と笑顔のままそんな愛華を見守る宮ノ内は目的地の二年A組に着いた。
「ありがとうございました」
礼を言って教室に入ろうとしたが、何故か一緒に宮ノ内も入っていく。騒つく教室で水口だけは流れる汗を懸命に拭いている。
宮ノ内に釘付けの女子生徒と愛華は何故か男子生徒に見つめられて凄く居心地が悪い。そう、高島愛華は自覚はないが年齢の割には大人びた雰囲気を持った美しい少女だった。
「あっ、高島さん。ここに立って自己紹介をお願いします」
水口は宮ノ内を気にしながらも愛華に話しかけてくる。
「はい。高島愛華です。⋯よろしくお願いします」
だが反応がない。女子生徒からは睨まれてしまい途方に暮れていると、黙って見守っていた宮ノ内が一歩前に出る。
「このクラスは返事というものが出来ないんですか?」
宮ノ内のその一言で水口を始め、クラス全員が盛大に拍手する。だが愛華はまだ気まずいので急いで指示された席に座ると、宮ノ内はまた様子を見に来ますと言い残して出ていった。
いなくなったと同時に各方向から視線が突き刺さりかなり居心地が悪い。
「先生~!高島さんに質問して良いですか~?」
すると一人の女子生徒が手を挙げ、水口が何かを言う前に話し始める。多分この担任は生徒から馬鹿にされているのだろう。
「宮ノ内理事長と知り合いなの?それに香坂理事長代理ともいたわよね?」
「あ、いいえ。今日初めて会いました。」
愛華の答えに納得していないのか、何故か不満顔の女子生徒。
「え~?だって宮ノ内様が直々にクラスまで案内するなんて考えられないし~」
「そう言われても⋯」
私は水口に助けを求めるように見るが逸らされてしまう。
(何なのこの担任!)
「高島さんは転校してきたんだよね?何処から来たの?」
「地元の徳山高校です」
「へぇ~?家柄じゃないなら成績評価?スポーツ特待生?」
家柄じゃないと分かったら、彼女は愛華を見下す雰囲気に変わった。
「⋯成績?」
自分でも分からないので疑問形になってしまう。
「何で疑問形なの~?成績評価なら学年十位以内には入らないと退学になるわよ?」
「そうなんだ」
じゃあすぐに退学かなと思いながら教科書を鞄から出していると、その女子生徒が立ち上がるり愛華の目の前にやって来る。
「⋯何?」
「あんまり調子に乗らないでね?」
「乗ってないけど?」
怯まずにそう言い返した瞬間、愛華の筆箱が床に落ちて散らばる。そう、この女子生徒がわざと落としたのだ。それを見てクスクス笑う生徒達と、見て見ぬふりする担任。
愛華が気にする事なく落ちた筆箱を拾っていると、拾っていた手に激痛が走る。
「あ、ごめんね~?ゴミだと思って~!」
その女子生徒が上履きで私の手を思いっきり踏みつけたのだ。だが、その光景を見ても誰も止める事も心配する者もいない。それどころか見て楽しんでさえいる者もいる。
赤くなった手で我慢しながら受けた一限目が終わり、また絡まれる前に保健室に行こうと立ち上がる。
(あ、保健室って何処だろう⋯)
ただでさえ広大な校内を一人で探すのは困難だ。困って途方に暮れていると、一人の女子生徒が近づいて来た。
「あの⋯保健室探しているの?」
三つ編みに眼鏡という絶滅危惧種キャラの大人しそうな女子生徒が周りを気にしながらも私に声をかけてくれた。
「うん、どこかな?」
「一階の職員室は分かる?」
「うん。」
「職員室の向かいにあるからすぐに分かると思う。それと⋯見て見ぬふりしてごめんね」
彼女、同じクラスの片桐明奈の話によると、先程の女子生徒は近藤茉莉奈と言いクラスのリーダー格で父親も名のある企業の社長な為にやりたい放題なのだそう。
「近藤さんは宮ノ内理事長の大ファンだから⋯これから気をつけて」
片桐はそう言い残してそそくさとクラスに入って行った。愛華は他の生徒達からの好奇な視線を耐え抜いて保健室の前までやって来た時だった。
「高島さん」
今一番会いたくない人物の登場に一歩後退りしてしまう。
「宮ノ内理事長⋯あの⋯こんにちは」
だが、宮ノ内の視線は愛華の痛々しい手に向けられていた。
「その手はどうしたんですか?こんなに赤く腫れて⋯何があったんですか?」
「あ~⋯ちょっと転んでしまって」
「転んだ怪我には見えませんね。とりあえず、手当てしてもらいましょう」
そう言って強引に愛華と共に保健室に入って行く宮ノ内を見つめる視線がすぐ近くにあった。
0
お気に入りに追加
81
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
妻と夫と元妻と
キムラましゅろう
恋愛
復縁を迫る元妻との戦いって……それって妻(わたし)の役割では?
わたし、アシュリ=スタングレイの夫は王宮魔術師だ。
数多くの魔術師の御多分に漏れず、夫のシグルドも魔術バカの変人である。
しかも二十一歳という若さで既にバツイチの身。
そんな事故物件のような夫にいつの間にか絆され絡めとられて結婚していたわたし。
まぁわたしの方にもそれなりに事情がある。
なので夫がバツイチでもとくに気にする事もなく、わたしの事が好き過ぎる夫とそれなりに穏やかで幸せな生活を営んでいた。
そんな中で、国王肝入りで魔術研究チームが組まれる事になったのだとか。そしてその編成されたチームメイトの中に、夫の別れた元妻がいて………
相も変わらずご都合主義、ノーリアリティなお話です。
不治の誤字脱字病患者の作品です。
作中に誤字脱字が有ったら「こうかな?」と脳内変換を余儀なくさせられる恐れが多々ある事をご了承下さいませ。
性描写はありませんがそれを連想させるワードが出てくる恐れがありますので、破廉恥がお嫌いな方はご自衛下さい。
小説家になろうさんでも投稿します。
軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
妹にすべてを奪われましたが、最愛の人を見つけました
桜月雪兎
恋愛
リーシェン・ルージュは父親に無視され、母親に虐待を受け、一歳しか変わらない妹サーシャにも蔑まされる生活をしていた。
その為、リーシェンは諦め癖と周りを信じず、頼らない癖が付いてしまっていた。
そんなある日、サーシャに婚約者であるグレンタス王国の王太子アーノルド・グレンタスを奪われた。
その結果としてリーシェンは『国外追放』を受けた。
名目は他国に嫁ぐというものだったが、相手の国は決して仲が良好とは言えない隣国オリフィア皇国としか決まっていなかった。
リーシェンがオリフィアに着くと、一応の歓迎会が開かれ、そこでオリフィア皇国皇太子ユリウス・オリフィアに見初められた。
これは自らの境遇故に人を信じることが出来ない令嬢が溺愛され、少しずつ心を癒し、開かれ、人らしくなっていく。
そして、本人の預かり知らないところで貶めた者たちが『ざまぁ』をされるお話。
好きすぎて、壊れるまで抱きたい。
すずなり。
恋愛
ある日、俺の前に現れた女の子。
「はぁ・・はぁ・・・」
「ちょっと待ってろよ?」
息苦しそうにしてるから診ようと思い、聴診器を取りに行った。戻ってくるとその女の子は姿を消していた。
「どこいった?」
また別の日、その女の子を見かけたのに、声をかける前にその子は姿を消す。
「幽霊だったりして・・・。」
そんな不安が頭をよぎったけど、その女の子は同期の彼女だったことが判明。可愛くて眩しく笑う女の子に惹かれていく自分。無駄なことは諦めて他の女を抱くけれども、イくことができない。
だめだと思っていても・・・想いは加速していく。
俺は彼女を好きになってもいいんだろうか・・・。
※お話の世界は全て想像の世界です。現実世界とは何の関係もありません。
※いつもは1日1~3ページ公開なのですが、このお話は週一公開にしようと思います。
※お気に入りに登録してもらえたら嬉しいです。すずなり。
いつも読んでくださってありがとうございます。体調がすぐれない為、一旦お休みさせていただきます。
【完結】やさしい嘘のその先に
鷹槻れん
恋愛
妊娠初期でつわり真っ只中の永田美千花(ながたみちか・24歳)は、街で偶然夫の律顕(りつあき・28歳)が、会社の元先輩で律顕の同期の女性・西園稀更(にしぞのきさら・28歳)と仲睦まじくデートしている姿を見かけてしまい。
妊娠してから律顕に冷たくあたっていた自覚があった美千花は、自分に優しく接してくれる律顕に真相を問う事ができなくて、一人悶々と悩みを抱えてしまう。
※30,000字程度で完結します。
(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
---------------------
○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
(pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274
---------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる