79 / 99
ユリア、新しいお友達に出会う
閑話 ユリアの日常①
しおりを挟む
これはまだユリアが森に住んでいた時のお話です。
今日は赤い蜘蛛と天狼の子供達と遊ぶ日だ。ユリアは珍しく早起きして身支度を整えていた。
「ふんふんふ~ん」
自然と鼻歌が出るくらい楽しみにしているユリア。そんな娘と反対にエンペラースパイダーと天狼という遊び相手に苦笑いの両親。
「ユリア、あまり遠くに行っては駄目よ?」
アネモネはパンケーキを頬張る娘に言い聞かせる。
「あい!きょうはクロじいのとこりょにいく~!」
「「ああ、クロじいなら大丈夫ね(だな)」」
両親はクロじいと聞いて孫を預かってくれる祖父の様な感覚なのだろうが、実際はジャイアントグリズリーの変異種である。
「それにシロもいるし大丈夫でしょう」
アネモネがユリアの横に座っているシロを見ると、肯定するように頷いている。そして食べ終わったタイミングで玄関のドアを叩く音がする。
出掛けようとしていたオーウェンがドアを開けると誰もいない。首をかしげるオーウェンは足元に違和感を感じて下を見ると、そこには丁寧にお辞儀をする赤い蜘蛛とそんな蜘蛛の真似をして頭を下げる天狼の子供達。
「おおっ!いたんだな、悪いな。ちょっと待ってろ?ユリアーー!お友達が来たぞ!……お友達?」
オーウェンは小さな魔物達を見てまたもや首をかしげたのであった。
ユリアはお気に入りのピンクの肩掛けカバンを持ってよちよちと歩いてきた。その後ろからアネモネもやって来たが赤い蜘蛛を見て一歩下がる。
「くもしゃん、わんわんおはよー!」
『おはようごじゃいましゅ!』
赤い蜘蛛は丁寧に挨拶をする。
『おはよー、ユリア!』
『『おはよー!』』
尻尾を振り、元気いっぱいに挨拶をする天狼の子供達。ユリアはアネモネにシロの背中に乗せてもらうと、赤い蜘蛛を抱っこする。周りが子供達なのでゆっくりペースで移動するシロと、その後ろを天狼の子供達がよちよちと続く。
両親に挨拶をして出発したユリアと一同は、暫く森を進んでいるとクロじいが迎えにきてくれた。
『ホホホ、可愛い子供達が増えているのう』
「クロじい~!」
ユリアは一生懸命クロじいへ向けて手を振り、赤い蜘蛛は丁寧にお辞儀をする。
『『『こんにちわ!よろちくおねがいしましゅ!』』』
天狼の子供達は元気良く挨拶して、クロじいの前にお行儀良くお座りしていた。
『うむ。良い子達じゃな!』
そう言って皆はクロじいの棲みかに向かう。そんな一同を見つめている存在にシロとクロじいは気付いて警戒するのだった。
※すみません、この閑話が終わったら本編の続きを再開します。もう少しお待ちください!
今日は赤い蜘蛛と天狼の子供達と遊ぶ日だ。ユリアは珍しく早起きして身支度を整えていた。
「ふんふんふ~ん」
自然と鼻歌が出るくらい楽しみにしているユリア。そんな娘と反対にエンペラースパイダーと天狼という遊び相手に苦笑いの両親。
「ユリア、あまり遠くに行っては駄目よ?」
アネモネはパンケーキを頬張る娘に言い聞かせる。
「あい!きょうはクロじいのとこりょにいく~!」
「「ああ、クロじいなら大丈夫ね(だな)」」
両親はクロじいと聞いて孫を預かってくれる祖父の様な感覚なのだろうが、実際はジャイアントグリズリーの変異種である。
「それにシロもいるし大丈夫でしょう」
アネモネがユリアの横に座っているシロを見ると、肯定するように頷いている。そして食べ終わったタイミングで玄関のドアを叩く音がする。
出掛けようとしていたオーウェンがドアを開けると誰もいない。首をかしげるオーウェンは足元に違和感を感じて下を見ると、そこには丁寧にお辞儀をする赤い蜘蛛とそんな蜘蛛の真似をして頭を下げる天狼の子供達。
「おおっ!いたんだな、悪いな。ちょっと待ってろ?ユリアーー!お友達が来たぞ!……お友達?」
オーウェンは小さな魔物達を見てまたもや首をかしげたのであった。
ユリアはお気に入りのピンクの肩掛けカバンを持ってよちよちと歩いてきた。その後ろからアネモネもやって来たが赤い蜘蛛を見て一歩下がる。
「くもしゃん、わんわんおはよー!」
『おはようごじゃいましゅ!』
赤い蜘蛛は丁寧に挨拶をする。
『おはよー、ユリア!』
『『おはよー!』』
尻尾を振り、元気いっぱいに挨拶をする天狼の子供達。ユリアはアネモネにシロの背中に乗せてもらうと、赤い蜘蛛を抱っこする。周りが子供達なのでゆっくりペースで移動するシロと、その後ろを天狼の子供達がよちよちと続く。
両親に挨拶をして出発したユリアと一同は、暫く森を進んでいるとクロじいが迎えにきてくれた。
『ホホホ、可愛い子供達が増えているのう』
「クロじい~!」
ユリアは一生懸命クロじいへ向けて手を振り、赤い蜘蛛は丁寧にお辞儀をする。
『『『こんにちわ!よろちくおねがいしましゅ!』』』
天狼の子供達は元気良く挨拶して、クロじいの前にお行儀良くお座りしていた。
『うむ。良い子達じゃな!』
そう言って皆はクロじいの棲みかに向かう。そんな一同を見つめている存在にシロとクロじいは気付いて警戒するのだった。
※すみません、この閑話が終わったら本編の続きを再開します。もう少しお待ちください!
50
お気に入りに追加
10,220
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!
akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。
そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。
※コメディ寄りです。
転生幼女の怠惰なため息
(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉
ファンタジー
ひとり残業中のアラフォー、清水 紗代(しみず さよ)。異世界の神のゴタゴタに巻き込まれ、アッという間に死亡…( ºωº )チーン…
紗世を幼い頃から見守ってきた座敷わらしズがガチギレ⁉💢
座敷わらしズが異世界の神を脅し…ε=o(´ロ`||)ゴホゴホッ説得して異世界での幼女生活スタートっ!!
もう何番煎じかわからない異世界幼女転生のご都合主義なお話です。
全くの初心者となりますので、よろしくお願いします。
作者は極度のとうふメンタルとなっております…
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
わがまま姉のせいで8歳で大聖女になってしまいました
ぺきぺき
ファンタジー
ルロワ公爵家の三女として生まれたクリスローズは聖女の素質を持ち、6歳で教会で聖女の修行を始めた。幼いながらも修行に励み、周りに応援されながら頑張っていたある日突然、大聖女をしていた10歳上の姉が『妊娠したから大聖女をやめて結婚するわ』と宣言した。
大聖女資格があったのは、その時まだ8歳だったクリスローズだけで…。
ー---
全5章、最終話まで執筆済み。
第1章 6歳の聖女
第2章 8歳の大聖女
第3章 12歳の公爵令嬢
第4章 15歳の辺境聖女
第5章 17歳の愛し子
権力のあるわがまま女に振り回されながらも健気にがんばる女の子の話を書いた…はず。
おまけの後日談投稿します(6/26)。
番外編投稿します(12/30-1/1)。
作者の別作品『人たらしヒロインは無自覚で魔法学園を改革しています』の隣の国の昔のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。