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1章 アリアナの大冒険ー幼少期ー
悪ガキ集団の爆誕!!⑤
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体中が血塗れで、着ていた気品ある着物はボロボロだった。ミミアは前方にいるアリアナ達を睨み付けながら怒りに震えていた。
「何事です!!あれから少しも反省したと思ったら……救いようのないゴミが!!」
アリアナに殺意を向けるミミアだが、そこに割って入ったのはゼストだった。
「ミミア夫人、今回はアリアナではありません」
「ゼスト様!あなたがこんな小汚い人族を拾ってきたのがそもそもの間違えなのです!これを屋敷に閉じ込めておいて下さいな!」
怒りで喚き散らすミミアに飛びかかろうとする激おこのプニとピピデデ兄弟だが、ロウジに止められている。
「……おい、誰に向かって言っているんだ?口は災いの元だぞミミア」
静かな声だが、威圧感が半端ないゼストにミミアは少しずつ後ずさる。
「おいおい、これはわしの仕業じゃ!文句があるならわしに言え!!」
そこへミルキルズも加わりミミアを睨み牽制している。
「なっ!ミルキルズ様が愛する者にこんな事するわけありませんわ!」
ミミアの言葉にその場が静まり返る。アリアナはよちよちとミルキルズの元へやって来てジト目で見ていた。
「ミル爺はあんなオババが好きなんでしゅか?」
「アリアナよ!勘違いするでない!わしもあんな傲慢なオババはお断りじゃ!」
ジト目でこちらを見ている可愛い曾孫に誤解されたくないミルキルズは必死だ。
「ミル爺!あのオババはゴイ爺のオババでしゅよ!失礼でしゅ!」
「アリアナ、それじゃあミミアがわしの祖母みたいな言い方じゃぞ?」
アリアナを愛おしそうに抱っこしながら呆れるロウゴイヤだが、ミミアは怒りでワナワナと震えていた。
「オババですって!?この無礼者どもめがーーー!」
怒りが爆発して魔力を暴発させたミミアは、髪が逆立ち宙に浮いていた。
「おーー!!スーパーオババでしゅよ!!」
異様な光景だが、何故かおちび達は瞳をキラキラさせて大興奮だ。そんなおちび達を防御魔法で守っていたロウジも母親の姿に口をあんぐりと開けていた。
ミミアは魔力を暴発させるだけで、不思議とこちらに攻撃してこない。こちらに最強であるミルキルズやゼスト、それにロウゴイヤやロウジがいるからかもしれないがずっと宙に浮いたままだった。
しばらく宙に浮いていたが、ふと気を失って落ちて来たミミアをロウゴイヤが上手く抱き抱えた。
「全く傲慢で自分勝手じゃな!相手を見下して己のプライドを守る…本当は思ってもいない事を口にして敵を作り孤立して、一人で泣いている可哀想な人よ」
そう言いながらも傷だらけで眠るミミアを大事そうに抱えながら屋敷に入って行ったロウゴイヤを、アリアナは不思議そうに見送った。
「ミル爺、ゴイ爺はあのオババの事を嫌いじゃないんでしゅか?」
「男女は分からんもんじゃからのう~。あっ、わしは本当に嫌いじゃ!」
首を傾げるアリアナを見てそう答えるミルキルズに、ゼストやロウジは苦笑いするしかなかった。
竜族に生まれたのにも関わらず魔力を上手く扱えずに、両親や身内から蔑まれ、部屋に幽閉されていたミミア。憎しみと悲しさ、寂しさを抱えながら幼少期を過ごした。
だが、そんな状況を知ったミルキルズに助けられたミミアは彼に強い憧れを持つ。そんな憧れであるミルキルズの伴侶になる為に血反吐を吐くほど努力したが、“あの女”には勝てなかった。
悲しさでどうにかなりそうなミミアだったが、プライドが邪魔をして周りにはそれを悟られないように傲慢に振る舞った。そんな彼女に婚姻を申し込む男は誰一人いなかった。
だが、一人の男が彼女に結婚を申し込みに来たのだ。彼はミルキルズの右腕であり、竜族一の偉大なる戦士であるロウゴイヤであった。
竜族女性の憧れの的であった男が、今彼女の目の前に跪いてプロポーズしていた。
(何で私みたいなゴミ以下の女にプロポーズするの!?)
理解できないミミアは蔑まれる自分を揶揄っているのだと思い、彼を辛辣に罵って断りその場を去った。去り際はミミアに周りの非難の目が突き刺さった。
(私は一人で生きていかないと周りを不愉快にする)
そう思い部屋に篭った。……が、次の日から彼はめげずにミミアに会いに来た。どんなに罵られ、見下され、睨まれても一輪の花を持ち、雨の日も風の日も嵐の日も雪の日も満面の笑みで毎日やって来たのだ。
なのに彼女はその一輪の花を踏み付けて、彼を怒鳴りつけた。
「何で毎日毎日来るのよ!迷惑なの!私に相応しいのはミルキルズ様だけよ!」
そう言うと、彼はミミアの目を見てにっこりと笑っていつもこう言った。
「お前が一途で優しい女だって分かっているのは俺だけでいい!だから一人で泣くな!俺の前で泣けばいい!」
その言葉に我慢ができずに、ミミアは崩れ落ち泣き続けた。そんな彼女を支えるロウゴイヤは知っていた。
ゴミのように踏み付けた一輪の花を、大事に押し花にしてしまっている事。そしてロウゴイヤが大規模な狩りに行く時は、毎日祈ってくれている事。
傲慢でプライドが高い、そして誰よりも傷つきやすく繊細で臆病な愛しい人。
「じゃが、今回はやり過ぎじゃぞ!」
ミミアの怪我を治しつつ、怒るロウゴイヤ。
「………。あの子が皆に見下されて蔑まれる前に人族の元へ帰した方がいいと思ったのよ。私はこのやり方しかできないから」
「……。可愛がってくれ。本当は可愛いって思っとるんじゃろう?」
ミミアはロウゴイヤの問いかけに答えなかったが、反論もしなかった。
一連の話を聞いたランゴンザレスは呆れていた。
「規模が違うわ…」
そんなランゴンザレスを無視して、キラキラした瞳でスーパーオババの事を話すアリアナだった。
「何事です!!あれから少しも反省したと思ったら……救いようのないゴミが!!」
アリアナに殺意を向けるミミアだが、そこに割って入ったのはゼストだった。
「ミミア夫人、今回はアリアナではありません」
「ゼスト様!あなたがこんな小汚い人族を拾ってきたのがそもそもの間違えなのです!これを屋敷に閉じ込めておいて下さいな!」
怒りで喚き散らすミミアに飛びかかろうとする激おこのプニとピピデデ兄弟だが、ロウジに止められている。
「……おい、誰に向かって言っているんだ?口は災いの元だぞミミア」
静かな声だが、威圧感が半端ないゼストにミミアは少しずつ後ずさる。
「おいおい、これはわしの仕業じゃ!文句があるならわしに言え!!」
そこへミルキルズも加わりミミアを睨み牽制している。
「なっ!ミルキルズ様が愛する者にこんな事するわけありませんわ!」
ミミアの言葉にその場が静まり返る。アリアナはよちよちとミルキルズの元へやって来てジト目で見ていた。
「ミル爺はあんなオババが好きなんでしゅか?」
「アリアナよ!勘違いするでない!わしもあんな傲慢なオババはお断りじゃ!」
ジト目でこちらを見ている可愛い曾孫に誤解されたくないミルキルズは必死だ。
「ミル爺!あのオババはゴイ爺のオババでしゅよ!失礼でしゅ!」
「アリアナ、それじゃあミミアがわしの祖母みたいな言い方じゃぞ?」
アリアナを愛おしそうに抱っこしながら呆れるロウゴイヤだが、ミミアは怒りでワナワナと震えていた。
「オババですって!?この無礼者どもめがーーー!」
怒りが爆発して魔力を暴発させたミミアは、髪が逆立ち宙に浮いていた。
「おーー!!スーパーオババでしゅよ!!」
異様な光景だが、何故かおちび達は瞳をキラキラさせて大興奮だ。そんなおちび達を防御魔法で守っていたロウジも母親の姿に口をあんぐりと開けていた。
ミミアは魔力を暴発させるだけで、不思議とこちらに攻撃してこない。こちらに最強であるミルキルズやゼスト、それにロウゴイヤやロウジがいるからかもしれないがずっと宙に浮いたままだった。
しばらく宙に浮いていたが、ふと気を失って落ちて来たミミアをロウゴイヤが上手く抱き抱えた。
「全く傲慢で自分勝手じゃな!相手を見下して己のプライドを守る…本当は思ってもいない事を口にして敵を作り孤立して、一人で泣いている可哀想な人よ」
そう言いながらも傷だらけで眠るミミアを大事そうに抱えながら屋敷に入って行ったロウゴイヤを、アリアナは不思議そうに見送った。
「ミル爺、ゴイ爺はあのオババの事を嫌いじゃないんでしゅか?」
「男女は分からんもんじゃからのう~。あっ、わしは本当に嫌いじゃ!」
首を傾げるアリアナを見てそう答えるミルキルズに、ゼストやロウジは苦笑いするしかなかった。
竜族に生まれたのにも関わらず魔力を上手く扱えずに、両親や身内から蔑まれ、部屋に幽閉されていたミミア。憎しみと悲しさ、寂しさを抱えながら幼少期を過ごした。
だが、そんな状況を知ったミルキルズに助けられたミミアは彼に強い憧れを持つ。そんな憧れであるミルキルズの伴侶になる為に血反吐を吐くほど努力したが、“あの女”には勝てなかった。
悲しさでどうにかなりそうなミミアだったが、プライドが邪魔をして周りにはそれを悟られないように傲慢に振る舞った。そんな彼女に婚姻を申し込む男は誰一人いなかった。
だが、一人の男が彼女に結婚を申し込みに来たのだ。彼はミルキルズの右腕であり、竜族一の偉大なる戦士であるロウゴイヤであった。
竜族女性の憧れの的であった男が、今彼女の目の前に跪いてプロポーズしていた。
(何で私みたいなゴミ以下の女にプロポーズするの!?)
理解できないミミアは蔑まれる自分を揶揄っているのだと思い、彼を辛辣に罵って断りその場を去った。去り際はミミアに周りの非難の目が突き刺さった。
(私は一人で生きていかないと周りを不愉快にする)
そう思い部屋に篭った。……が、次の日から彼はめげずにミミアに会いに来た。どんなに罵られ、見下され、睨まれても一輪の花を持ち、雨の日も風の日も嵐の日も雪の日も満面の笑みで毎日やって来たのだ。
なのに彼女はその一輪の花を踏み付けて、彼を怒鳴りつけた。
「何で毎日毎日来るのよ!迷惑なの!私に相応しいのはミルキルズ様だけよ!」
そう言うと、彼はミミアの目を見てにっこりと笑っていつもこう言った。
「お前が一途で優しい女だって分かっているのは俺だけでいい!だから一人で泣くな!俺の前で泣けばいい!」
その言葉に我慢ができずに、ミミアは崩れ落ち泣き続けた。そんな彼女を支えるロウゴイヤは知っていた。
ゴミのように踏み付けた一輪の花を、大事に押し花にしてしまっている事。そしてロウゴイヤが大規模な狩りに行く時は、毎日祈ってくれている事。
傲慢でプライドが高い、そして誰よりも傷つきやすく繊細で臆病な愛しい人。
「じゃが、今回はやり過ぎじゃぞ!」
ミミアの怪我を治しつつ、怒るロウゴイヤ。
「………。あの子が皆に見下されて蔑まれる前に人族の元へ帰した方がいいと思ったのよ。私はこのやり方しかできないから」
「……。可愛がってくれ。本当は可愛いって思っとるんじゃろう?」
ミミアはロウゴイヤの問いかけに答えなかったが、反論もしなかった。
一連の話を聞いたランゴンザレスは呆れていた。
「規模が違うわ…」
そんなランゴンザレスを無視して、キラキラした瞳でスーパーオババの事を話すアリアナだった。
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