6 / 15
1章 アリアナの大冒険ー幼少期ー
新種ランゴンザレス爆誕!
しおりを挟む
落ち着いてきたランゴンザレスは、アリアナに複雑な家庭事情を吐露し始めた。そんな事で悩んでいる自分を認めたく無いので、魔国では誰の前でも感情を押し殺して過ごしていた。だが、何故かアリアナには話を聞いてもらいたいと思った。自分でも弱味を見せるような行為に驚いているが自然と口が開くのだ。
「父上と母上の仲が悪くてな。特に父上は余り家に帰らず、多分だが浮気をしている。」
ぽつりぽつりと小さい声で話すランゴンザレス。
「母上が可哀想だ⋯父上が憎い⋯でも魔公爵の跡取りとして感情を表に出す事は決して許されない。命取りになる場合がある」
そんなランゴンザレスの話をただ黙って聞いていたアリアナだが、いきなり立ち上がるとプンスカ怒り出した。
「何ででしゅか!まこーしゃくでもこんにゃくでも怒る時は怒っていいんでしゅよ!ランしゃんはまだ子供なんでしゅから!」
そう言って鼻息荒くランゴンザレスに詰め寄るアリアナ。余りの迫力に驚きポカンとしていた少年は堰を切ったように笑い出した。
「あははは!お前は面白いな!こんにゃくっ⋯て何だよ!」
「まこーしゃくの⋯⋯お、お友達でしゅよ!そんな事も知らないんでしゅか!」
ランゴンザレスに笑われたが、魔公爵を知らないと今更言えないアリアナは更にムキになる。
「そうか⋯ブッ⋯!お友達か、知らなかったよ!べ⋯勉強になったよ!」
「うんうん。こんにゃくは⋯良い奴でしゅから許ちてくれましゅよ!って言うか浮気って何でしゅか?」
「⋯⋯。そう言えばあの本だが、まさか賭けで手に入れたとはな。帰ったらお祖父様に報告しないと、全くデイルズ様には困ったものだ」
幼いアリアナは純粋に聞いてくるが、まだ早いと判断したランゴンザレスは話を逸らすようにブツブツと独り言を呟く。横からのキラキラした好奇心という視線が痛いが、絶対に見ないようにする。
「無視でしゅか、まぁいいでしゅ。ランしゃんは真面目しゅぎでしゅよ!もっと殻を破るんでしゅよ!」
「殻を破るとは何だ?」
舌っ足らずながら一生懸命力説するアリアナの言葉に首を傾げるランゴンザレス。
「新しいランしゃんになるんでしゅよ!皆を驚かしてやるんでしゅ!」
「驚かすか⋯例えば?」
真剣に考えるランゴンザレスの横で何か企むアリアナ。
「フフフ、フフ⋯ランしゃんオネエしゃん計画でしゅよ!」
「お前、笑いすぎだろ」
自分で言いながら笑い転げている幼子を見て呆れているランゴンザレス。
「オネエしゃんになって周りを驚かせるんでしゅよ!きっと大騒ぎでしゅよ~キシシ!」
「ああ、驚きすぎてお祖父様は生涯を終えそうだ。」
だが自分がそうなった時の事を想定すると、案外面白いかもしれないと思ってしまった。父上はどう思うだろう、ますます家に寄り付かなくなるかもしれない。他の魔貴族達の反応も気になる。王は驚くだろうか?
「良いな⋯いや、良いわね~?」
「良いでしゅよ!面白いでしゅ!あははは!」
楽しそうに笑うアリアナを見てたら、自然と自分も笑っている事に気付いたランゴンザレスは心が温かくなる不思議な感覚が何か分からないまま今までに無い楽しい時を過ごしていた。
暫く経ってゼスト達が戻って来ると、アリアナとランゴンザレスは手を繋ぎスヤスヤと眠っていた。そんな二人を微笑ましく見つめ、ブランケットをかけてあげるため準備するオウメの横を通り過ぎて、ゼストは二人の繋いだ手を起こさないように引き離す事に成功したがオウメの鉄拳を食らったのだった。
「オウメ!加減してくれ!」
頭を摩りながら抗議するゼストを無視して二人にブランケットを掛けてあげると出て行こうとするオウメ。だがミル爺はそんな可愛らしい子供達の寝顔を見て二人の頭を優しく撫でたつもりが、力の加減を知らないので頭が割れるような凄まじい衝撃に飛び起きたアリアナとランゴンザレス。
「何でしゅか!多分頭が割れまちた!」
驚いて頭が割れてないかチェックするアリアナ。それを見たオウメが無言でミル爺に近付きヘッドロックを食らわせる。
「オウメ、ギブじゃ!」
眠りから覚めた子供達と対照的に倒れ込む大人二人であった。
「ごめんなさいね、今からおやつを食べましょうね。それから今後の事をお話ししましょう?」
オウメは頭を押さえているランゴンザレスに優しく話しかけるが、少年から返ってきた言葉に衝撃を受ける。
「あら、おやつですって!楽しみだわ~!」
先程の冷たい印象が嘘のようににこやかに笑いそして、独特の話し方になった少年に驚愕し動かなくなるオウメ。そして急いで飛び起きるゼストとミル爺。
「おいおい、爺様!今の衝撃でおかしくなったぞ!どうするんですか、人様の子ですよ?」
「ワシじゃない!ワ、ワシじゃないぞ!」
「ミルキルズ様、もう死にますか?」
ゼストに詰め寄られて焦るミル爺。そこへ思考が停止していたオウメがスッと立ち上がるとポキポキと手を鳴らして、それに気付き震えるミル爺に向かい笑顔で言った。
「父上と母上の仲が悪くてな。特に父上は余り家に帰らず、多分だが浮気をしている。」
ぽつりぽつりと小さい声で話すランゴンザレス。
「母上が可哀想だ⋯父上が憎い⋯でも魔公爵の跡取りとして感情を表に出す事は決して許されない。命取りになる場合がある」
そんなランゴンザレスの話をただ黙って聞いていたアリアナだが、いきなり立ち上がるとプンスカ怒り出した。
「何ででしゅか!まこーしゃくでもこんにゃくでも怒る時は怒っていいんでしゅよ!ランしゃんはまだ子供なんでしゅから!」
そう言って鼻息荒くランゴンザレスに詰め寄るアリアナ。余りの迫力に驚きポカンとしていた少年は堰を切ったように笑い出した。
「あははは!お前は面白いな!こんにゃくっ⋯て何だよ!」
「まこーしゃくの⋯⋯お、お友達でしゅよ!そんな事も知らないんでしゅか!」
ランゴンザレスに笑われたが、魔公爵を知らないと今更言えないアリアナは更にムキになる。
「そうか⋯ブッ⋯!お友達か、知らなかったよ!べ⋯勉強になったよ!」
「うんうん。こんにゃくは⋯良い奴でしゅから許ちてくれましゅよ!って言うか浮気って何でしゅか?」
「⋯⋯。そう言えばあの本だが、まさか賭けで手に入れたとはな。帰ったらお祖父様に報告しないと、全くデイルズ様には困ったものだ」
幼いアリアナは純粋に聞いてくるが、まだ早いと判断したランゴンザレスは話を逸らすようにブツブツと独り言を呟く。横からのキラキラした好奇心という視線が痛いが、絶対に見ないようにする。
「無視でしゅか、まぁいいでしゅ。ランしゃんは真面目しゅぎでしゅよ!もっと殻を破るんでしゅよ!」
「殻を破るとは何だ?」
舌っ足らずながら一生懸命力説するアリアナの言葉に首を傾げるランゴンザレス。
「新しいランしゃんになるんでしゅよ!皆を驚かしてやるんでしゅ!」
「驚かすか⋯例えば?」
真剣に考えるランゴンザレスの横で何か企むアリアナ。
「フフフ、フフ⋯ランしゃんオネエしゃん計画でしゅよ!」
「お前、笑いすぎだろ」
自分で言いながら笑い転げている幼子を見て呆れているランゴンザレス。
「オネエしゃんになって周りを驚かせるんでしゅよ!きっと大騒ぎでしゅよ~キシシ!」
「ああ、驚きすぎてお祖父様は生涯を終えそうだ。」
だが自分がそうなった時の事を想定すると、案外面白いかもしれないと思ってしまった。父上はどう思うだろう、ますます家に寄り付かなくなるかもしれない。他の魔貴族達の反応も気になる。王は驚くだろうか?
「良いな⋯いや、良いわね~?」
「良いでしゅよ!面白いでしゅ!あははは!」
楽しそうに笑うアリアナを見てたら、自然と自分も笑っている事に気付いたランゴンザレスは心が温かくなる不思議な感覚が何か分からないまま今までに無い楽しい時を過ごしていた。
暫く経ってゼスト達が戻って来ると、アリアナとランゴンザレスは手を繋ぎスヤスヤと眠っていた。そんな二人を微笑ましく見つめ、ブランケットをかけてあげるため準備するオウメの横を通り過ぎて、ゼストは二人の繋いだ手を起こさないように引き離す事に成功したがオウメの鉄拳を食らったのだった。
「オウメ!加減してくれ!」
頭を摩りながら抗議するゼストを無視して二人にブランケットを掛けてあげると出て行こうとするオウメ。だがミル爺はそんな可愛らしい子供達の寝顔を見て二人の頭を優しく撫でたつもりが、力の加減を知らないので頭が割れるような凄まじい衝撃に飛び起きたアリアナとランゴンザレス。
「何でしゅか!多分頭が割れまちた!」
驚いて頭が割れてないかチェックするアリアナ。それを見たオウメが無言でミル爺に近付きヘッドロックを食らわせる。
「オウメ、ギブじゃ!」
眠りから覚めた子供達と対照的に倒れ込む大人二人であった。
「ごめんなさいね、今からおやつを食べましょうね。それから今後の事をお話ししましょう?」
オウメは頭を押さえているランゴンザレスに優しく話しかけるが、少年から返ってきた言葉に衝撃を受ける。
「あら、おやつですって!楽しみだわ~!」
先程の冷たい印象が嘘のようににこやかに笑いそして、独特の話し方になった少年に驚愕し動かなくなるオウメ。そして急いで飛び起きるゼストとミル爺。
「おいおい、爺様!今の衝撃でおかしくなったぞ!どうするんですか、人様の子ですよ?」
「ワシじゃない!ワ、ワシじゃないぞ!」
「ミルキルズ様、もう死にますか?」
ゼストに詰め寄られて焦るミル爺。そこへ思考が停止していたオウメがスッと立ち上がるとポキポキと手を鳴らして、それに気付き震えるミル爺に向かい笑顔で言った。
73
お気に入りに追加
531
あなたにおすすめの小説
転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
ヤンデレ騎士団の光の聖女ですが、彼らの心の闇は照らせますか?〜メリバエンド確定の乙女ゲーに転生したので全力でスキル上げて生存目指します〜
たかつじ楓*LINEマンガ連載中!
恋愛
攻略キャラが二人ともヤンデレな乙女ーゲームに転生してしまったルナ。
「……お前も俺を捨てるのか? 行かないでくれ……」
黒騎士ヴィクターは、孤児で修道院で育ち、その修道院も魔族に滅ぼされた過去を持つ闇ヤンデレ。
「ほんと君は危機感ないんだから。閉じ込めておかなきゃ駄目かな?」
大魔導師リロイは、魔法学園主席の天才だが、自分の作った毒薬が事件に使われてしまい、責任を問われ投獄された暗黒微笑ヤンデレである。
ゲームの結末は、黒騎士ヴィクターと魔導師リロイどちらと結ばれても、戦争に負け命を落とすか心中するか。
メリーバッドエンドでエモいと思っていたが、どっちと結ばれても死んでしまう自分の運命に焦るルナ。
唯一生き残る方法はただ一つ。
二人の好感度をMAXにした上で自分のステータスをMAXにする、『大戦争を勝ちに導く光の聖女』として君臨する、激ムズのトゥルーエンドのみ。
ヤンデレだらけのメリバ乙女ゲーで生存するために奔走する!?
ヤンデレ溺愛三角関係ラブストーリー!
※短編です!好評でしたら長編も書きますので応援お願いします♫
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
聖女の娘に転生したのに、色々とハードな人生です。
みちこ
ファンタジー
乙女ゲームのヒロインの娘に転生した主人公、ヒロインの娘なら幸せな暮らしが待ってると思ったけど、実際は親から放置されて孤独な生活が待っていた。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる