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エピソード2:かたはら 1
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ナイフがあった。
刃渡りはそれほどない。だが、切れ味はよさそうだ。周囲に光源がなくとも、鈍い輝きを発しそうなほどの出来映え。
『彼』はいきなり、ナイフの刃を握った。そして力を加える。
ナイフの刃が、彼の右手を傷つけた。血がいくらか滴り落ちる。だが、それは皮膚表面だけだったらしい。彼は痛そうな顔一つせず、そのままさらに力を加えていった。腕の筋肉が緊張している。
「……んっ!」
気合いもろとも、彼の握り拳が小さくなった。手の中にあったナイフがへしゃげたらしい。その想像が正しかったことは、すぐに証明されることに――。
彼が手を開くと、そこからおもちゃのフェンシングの剣のような物体が転がり出た。ナイフの成れの果てだ。テーブルの上に落ちると、そいつはこつーんと音を立てて跳ね、床に転がっていった。
壁際で腕組みして見守っていた男がいた。腕組みを解くと、男は彼に聞いた。
「……手は? 大丈夫なのか」
「ええ、この通り」
彼――フランク・シュタイナーは、右手を大きく広げて見せた。そこにできたはずの傷は、すでに消えかかっている。
「ははあ……大したもんだ。もう、力が戻ったのか」
「そのようです、警部」
フランクはコナン警部にそう答えると、自分の身体を見下ろした。
刻み屋ニックことカインとの初の死闘で、かなり大きな傷を負った肉体だったが、それも一週間としない内に、ほぼ回復した。気になる『能力』――不死身の肉体や動きの素早さについては、まだ確かめていなかったのだが……。
「まずは、合格ということか」
「動くのも、以前と同じぐらいに戻っているし」
「そうなると、残るは」
コナン警部は、扉の方向を見た。
「アベルの研究が、どこまで進むかにかかってくるんだな」
重たげな石の扉の向こうでは、エフ・アベルが謎と格闘している。フランク、そしてカインの特殊能力を発露させた、魔玉の秘密を解かんとして。
魔玉――若かりし頃のアベルが偶然、手に入れた一種の貴石である。生命全般についてその仕組みの解明を目指していたアベルは、河原に露出していた遺跡から、拳ほどの大きさの魔玉を見つけた。
どうして魔玉を、他の石と識別できたのか。魔玉は、見た目の美しさに加え、もう一つの特徴があった。その石の周りにだけ、異常に植物が生い茂っていたのだ。どうやら、魔玉には生命力に正に作用する何かがあるらしい。アベルが、この石こそ生命の秘密を解き明かす手がかりになるのではないかとの仮説を立て、持ち帰っての研究を始めた。
それ以前から、生命の素となる物体を求めるというアベルの研究は、胡散臭い目で見られていた。魔玉に関わるにいたって、アベルは完全に学会から見放されることになる。が、それでも、彼は己の信じる道を追究した。それが現在の彼につながっている。
アベルは長く研究を進める内に、ある成果に達した。そこは最高の極みではないかもしれぬが、一つの頂点には違いない。成果とは、活動を停止した肉体を寄せ集め、それに新しい命を与える――死を打ち破り、再び生を宿すことである。そして生まれたのが、フランク・シュタイナー。フランクは魔玉の力のためか、蘇ったばかりか、不死身と思える肉体と、常人に数倍する素早さを身に着けていた。
「入っていいかね、アベル?」
コナン・ヒュークレイは、少しばかりの権利意識を垣間見せながらも、ノックする礼は忘れなかった。彼に限らず、警察関係者にしては珍しいことだ。
「かまわない」
短い返答が向こうからあった。
コナンとフランクは、続けてアベルの研究室に入った。
「何だ、魔玉の研究なんて言うから、もっとおどろおどろしいのを想像していたんだがな」
強がったような台詞は、もちろんコナン警部。
「薬品をフラスコで熱して、紫色の煙を出しているのかと思っていた」
「それに似たことも、しないでもない」
机に向かっていたアベルが、入ってきた二人の方を振り返った。彼は眼鏡を外すと、首をひねった。
「あまりはかどっていないようですね」
フランクは低い声で、遠慮がちに言った。
アベルは、疲れた様子の笑みを浮かべながら、
「まあな」
とだけ答える。そしてすぐ、机に向かおうとした。
「根を詰めすぎるのはよくない。カインが気になるのは分かりますが……」
「カインか」
ぽつりと、アベル。かつての友人の名を口にする彼は、遠い目をしていた。
カインもアベル同様、生物学の研究者である(あった、と表記すべきかもしれない)。あくまで生物学の本道を行き、アベルのような異端の研究に対しては、鼻で笑って答える人間。それがエリートのカインだった。
だが、アベルがフランクを創造したことで己の運命を決定づけたと同時に、カインの運命も変わった。フランク誕生を目の当たりにしたカインが、もし並の人間であったならば、これまでの学問的知識によって形成された自我を崩壊させてしまい、悪くすれば落ちぶれていたかもしれない。しかし、カインはそんな脆い男ではなかった。蓄積してきた知識に眼前の事実を融合させ、新たな意識を獲得したらしい。そしてその意識は、狂気という最悪の形で花開き、実を結ぼうとしている。
「カインの奴のように、生きた連中に魔玉をはめ込む実験はしないのか」
コナン警部は不満げである。
彼に対し、アベルは首を横に振った。
「それはできない。魔玉が手に入らないことも大きいが、あのカインの変貌ぶりを見ても明らかなように、魔玉の力は生きた人間に与えられると、その者の精神までも悪く変化させてしまうのかもしれない。そんな恐ろしい実験、右から左へとできるものではないのです、警部」
「なるほどね。それにしても、魔玉が手に入らないのは問題だ。そのせいが大きいんでしょうが、研究が進まんのも」
「まあ、そうなりますか。今はせいぜい、魔玉の力の上下限を作用すると考えられる、惑星についての研究ですよ。太陽系の惑星の動きを詳細に調べることで、何かが得られればと思ったんだが……」
語尾を濁すアベル。それだけで、芳しい結果の得られていないことは明白であった。
「カインは、天文学には詳しいのですか」
フランクは、以前から気にかかっていた点を尋ねた。
「相当、知識があると考えていいだろうね。まだ僕らが机を並べて研究に取り組んでいた頃、カインの博識ぶりには感心させられた記憶がある。感心と言うよりも、呆れさせられた。人に置いて行かれるのを嫌う性格なのか、カインは新たな学説が出れば専門領域を問わず、一通り、関連する書物を読み漁っていたものだ」
「そのことが、カインが多くの魔玉を手に入れているらしいことにつながるんでしょうか?」
「分からないが、可能性はある。私は、魔玉が遺跡のすぐ側から見つかったことにも注目しているんだ。古代文明の中に、魔玉と関わりを持ったものがあったのかもしれない。古代文明について、カインが詳しいとすれば、魔玉を大量に手に入れられたって不思議じゃない」
「考古学も勉強しないといけないんですかい?」
半ばからかうように、警部は言った。
「それも分からない。だが、正体が見えてこない内は、なるべく広い範囲で調べなくてはならないのでね。やるしかない。ときに警部。カインの動きは?」
「カインの野郎も、真面目に魔玉の研究に没頭しているんでしょうな。フランクと闘うために」
吐き捨てるコナン。
「今んとこ、カイン――世間じゃあ刻み屋ニック――による十三人目の犠牲者は出ていないから、一安心ですが……。どうなることやら、先は見えない。あいつは、『優秀な人間』だけを残す目的のため、そうでない人間を殺すことに熱心だから」
「他に何か、奇怪な事件は起きていないだろうか?」
アベルは、鋭い視線を警部によこした。
「私んとこには、伝わってきてませんな。で、それが何か?」
「起こってないなら、まあいいんですが……。現在、私が気にしている一つに、カインは魔玉を複数個、手にしているのではないかということがある。奴の言葉から、そう判断できる。魔玉を使って、自分の他に魔玉の者を生み出せる訳だ。カインに仲間がいたって不思議じゃない。いや、あいつとしては仲間なんて作らないだろうな。下僕といったところか」
「魔玉の者がまだいるって?」
悲鳴にも似て、コナン警部は言った。
「そりゃあ、ないぜ。カイン一人でも手に負えないっていうのに」
「逃避しても光明は見えない。科学と同じですよ。新たな扉を開くには、目をそむけず、立ち向かうことだ」
アベルは自嘲気味に言った。
続く
刃渡りはそれほどない。だが、切れ味はよさそうだ。周囲に光源がなくとも、鈍い輝きを発しそうなほどの出来映え。
『彼』はいきなり、ナイフの刃を握った。そして力を加える。
ナイフの刃が、彼の右手を傷つけた。血がいくらか滴り落ちる。だが、それは皮膚表面だけだったらしい。彼は痛そうな顔一つせず、そのままさらに力を加えていった。腕の筋肉が緊張している。
「……んっ!」
気合いもろとも、彼の握り拳が小さくなった。手の中にあったナイフがへしゃげたらしい。その想像が正しかったことは、すぐに証明されることに――。
彼が手を開くと、そこからおもちゃのフェンシングの剣のような物体が転がり出た。ナイフの成れの果てだ。テーブルの上に落ちると、そいつはこつーんと音を立てて跳ね、床に転がっていった。
壁際で腕組みして見守っていた男がいた。腕組みを解くと、男は彼に聞いた。
「……手は? 大丈夫なのか」
「ええ、この通り」
彼――フランク・シュタイナーは、右手を大きく広げて見せた。そこにできたはずの傷は、すでに消えかかっている。
「ははあ……大したもんだ。もう、力が戻ったのか」
「そのようです、警部」
フランクはコナン警部にそう答えると、自分の身体を見下ろした。
刻み屋ニックことカインとの初の死闘で、かなり大きな傷を負った肉体だったが、それも一週間としない内に、ほぼ回復した。気になる『能力』――不死身の肉体や動きの素早さについては、まだ確かめていなかったのだが……。
「まずは、合格ということか」
「動くのも、以前と同じぐらいに戻っているし」
「そうなると、残るは」
コナン警部は、扉の方向を見た。
「アベルの研究が、どこまで進むかにかかってくるんだな」
重たげな石の扉の向こうでは、エフ・アベルが謎と格闘している。フランク、そしてカインの特殊能力を発露させた、魔玉の秘密を解かんとして。
魔玉――若かりし頃のアベルが偶然、手に入れた一種の貴石である。生命全般についてその仕組みの解明を目指していたアベルは、河原に露出していた遺跡から、拳ほどの大きさの魔玉を見つけた。
どうして魔玉を、他の石と識別できたのか。魔玉は、見た目の美しさに加え、もう一つの特徴があった。その石の周りにだけ、異常に植物が生い茂っていたのだ。どうやら、魔玉には生命力に正に作用する何かがあるらしい。アベルが、この石こそ生命の秘密を解き明かす手がかりになるのではないかとの仮説を立て、持ち帰っての研究を始めた。
それ以前から、生命の素となる物体を求めるというアベルの研究は、胡散臭い目で見られていた。魔玉に関わるにいたって、アベルは完全に学会から見放されることになる。が、それでも、彼は己の信じる道を追究した。それが現在の彼につながっている。
アベルは長く研究を進める内に、ある成果に達した。そこは最高の極みではないかもしれぬが、一つの頂点には違いない。成果とは、活動を停止した肉体を寄せ集め、それに新しい命を与える――死を打ち破り、再び生を宿すことである。そして生まれたのが、フランク・シュタイナー。フランクは魔玉の力のためか、蘇ったばかりか、不死身と思える肉体と、常人に数倍する素早さを身に着けていた。
「入っていいかね、アベル?」
コナン・ヒュークレイは、少しばかりの権利意識を垣間見せながらも、ノックする礼は忘れなかった。彼に限らず、警察関係者にしては珍しいことだ。
「かまわない」
短い返答が向こうからあった。
コナンとフランクは、続けてアベルの研究室に入った。
「何だ、魔玉の研究なんて言うから、もっとおどろおどろしいのを想像していたんだがな」
強がったような台詞は、もちろんコナン警部。
「薬品をフラスコで熱して、紫色の煙を出しているのかと思っていた」
「それに似たことも、しないでもない」
机に向かっていたアベルが、入ってきた二人の方を振り返った。彼は眼鏡を外すと、首をひねった。
「あまりはかどっていないようですね」
フランクは低い声で、遠慮がちに言った。
アベルは、疲れた様子の笑みを浮かべながら、
「まあな」
とだけ答える。そしてすぐ、机に向かおうとした。
「根を詰めすぎるのはよくない。カインが気になるのは分かりますが……」
「カインか」
ぽつりと、アベル。かつての友人の名を口にする彼は、遠い目をしていた。
カインもアベル同様、生物学の研究者である(あった、と表記すべきかもしれない)。あくまで生物学の本道を行き、アベルのような異端の研究に対しては、鼻で笑って答える人間。それがエリートのカインだった。
だが、アベルがフランクを創造したことで己の運命を決定づけたと同時に、カインの運命も変わった。フランク誕生を目の当たりにしたカインが、もし並の人間であったならば、これまでの学問的知識によって形成された自我を崩壊させてしまい、悪くすれば落ちぶれていたかもしれない。しかし、カインはそんな脆い男ではなかった。蓄積してきた知識に眼前の事実を融合させ、新たな意識を獲得したらしい。そしてその意識は、狂気という最悪の形で花開き、実を結ぼうとしている。
「カインの奴のように、生きた連中に魔玉をはめ込む実験はしないのか」
コナン警部は不満げである。
彼に対し、アベルは首を横に振った。
「それはできない。魔玉が手に入らないことも大きいが、あのカインの変貌ぶりを見ても明らかなように、魔玉の力は生きた人間に与えられると、その者の精神までも悪く変化させてしまうのかもしれない。そんな恐ろしい実験、右から左へとできるものではないのです、警部」
「なるほどね。それにしても、魔玉が手に入らないのは問題だ。そのせいが大きいんでしょうが、研究が進まんのも」
「まあ、そうなりますか。今はせいぜい、魔玉の力の上下限を作用すると考えられる、惑星についての研究ですよ。太陽系の惑星の動きを詳細に調べることで、何かが得られればと思ったんだが……」
語尾を濁すアベル。それだけで、芳しい結果の得られていないことは明白であった。
「カインは、天文学には詳しいのですか」
フランクは、以前から気にかかっていた点を尋ねた。
「相当、知識があると考えていいだろうね。まだ僕らが机を並べて研究に取り組んでいた頃、カインの博識ぶりには感心させられた記憶がある。感心と言うよりも、呆れさせられた。人に置いて行かれるのを嫌う性格なのか、カインは新たな学説が出れば専門領域を問わず、一通り、関連する書物を読み漁っていたものだ」
「そのことが、カインが多くの魔玉を手に入れているらしいことにつながるんでしょうか?」
「分からないが、可能性はある。私は、魔玉が遺跡のすぐ側から見つかったことにも注目しているんだ。古代文明の中に、魔玉と関わりを持ったものがあったのかもしれない。古代文明について、カインが詳しいとすれば、魔玉を大量に手に入れられたって不思議じゃない」
「考古学も勉強しないといけないんですかい?」
半ばからかうように、警部は言った。
「それも分からない。だが、正体が見えてこない内は、なるべく広い範囲で調べなくてはならないのでね。やるしかない。ときに警部。カインの動きは?」
「カインの野郎も、真面目に魔玉の研究に没頭しているんでしょうな。フランクと闘うために」
吐き捨てるコナン。
「今んとこ、カイン――世間じゃあ刻み屋ニック――による十三人目の犠牲者は出ていないから、一安心ですが……。どうなることやら、先は見えない。あいつは、『優秀な人間』だけを残す目的のため、そうでない人間を殺すことに熱心だから」
「他に何か、奇怪な事件は起きていないだろうか?」
アベルは、鋭い視線を警部によこした。
「私んとこには、伝わってきてませんな。で、それが何か?」
「起こってないなら、まあいいんですが……。現在、私が気にしている一つに、カインは魔玉を複数個、手にしているのではないかということがある。奴の言葉から、そう判断できる。魔玉を使って、自分の他に魔玉の者を生み出せる訳だ。カインに仲間がいたって不思議じゃない。いや、あいつとしては仲間なんて作らないだろうな。下僕といったところか」
「魔玉の者がまだいるって?」
悲鳴にも似て、コナン警部は言った。
「そりゃあ、ないぜ。カイン一人でも手に負えないっていうのに」
「逃避しても光明は見えない。科学と同じですよ。新たな扉を開くには、目をそむけず、立ち向かうことだ」
アベルは自嘲気味に言った。
続く
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