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203話 祝 本編開幕!?
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北の最果て、その生ける物の絶えた氷の大地に、巍然(ぎぜん)とそびえ立つ大魔王城──
その地の底からは、まるで巨大な蛇のような螺旋の隧道(トンネル)が延々とあり、それは墨のように暗い水面の地下湖へと通じており、そこから渡し船に乗って、ようやく城外へと出られる造りになっていた。
そして今まさに、その湖面を滑る小舟に立つ女影があり。水押(みよ)しに、ひとつきり置かれたランタンの灯を下から浴びていた。
「……トーネ様ァ。今日はまた、何を狩りに往(ゆ)かれるか?」
後方の死神じみた黒いローブの渡し守が、陰鬱そのものに気味の悪い声で問うた。
「言えるか莫迦(ばか)。黙って漕げ」
トーネと呼ばれた女影は短く言い、ただ無限の闇の、その先を見据えているばかりだった。
「ヒェヒェヒェ……おお怖い怖い。エヘン。女頭目様はご機嫌斜めでヨォー。独り任務にお出かけますればヨォー、サァトーサトー菊や椿の冠がヨォー、ポトリー、ポトリとまた落ちるゥー」
フードで顔の暗い渡し守は、濃密な闇へと不気味な船唄を響かせながら、鯨の骨のような古びたオールで黒い湖面をかき混ぜるのだった。
「フフ……フ……。なんだいその文句は。まったく酔狂なヤツだね。いいよいいよ、お前にゃ特別教えたげる。
あのね。明後日は女を、それも、とびきり美人の女ばかりを、うーんと殺すのさ」
「アララ……仰有る通り、あたしぁ莫迦だい。わざわざ訊くんじゃなかったネ、上玉狩りたぁエラク寝覚めの悪いこった」
「なに。死にゃ真っ赤で、どれがどれだか見分けもつきゃしないよ」
しっとり冷えた闇の直中で残忍な笑みを溢したトーネは、ふと自らの左手の薬指、そこの指輪に眼を落とした。
その洒落っ気のないリングの台座には、水晶の珠が据わり、その中には毬藻(マリモ)の出来損ないのような、小さな小さな緑の惑星としかいえぬものがあり、それが幽(かす)かに光っていた。
「ん?どーかなすったかい?」
「……なんでもないよ。フン。ちょいと寄り道が出来ちまったね」
トーネはようやく見えてきた向こう岸を睨んで、露骨なため息をついた。
続く二幕目の舞台は、麗(うら)らかな見渡す限りの無辺の園であり、大輪から楚々(そそ)たる佇まいの無数の花ばなが、色とりどりの花弁を誇り、緩やかな風に香りを乗せては華やいでいた。
また、そこには壮麗なる白石の柱と門が築かれ、それらに四角く囲われた、人手による庭園の匂い立つような青い空気に、今、恐ろしく場違いに土足で荒れ狂う臭気があった。
それは誰がどう嗅いでも、直火にて獣の肉を焼く薫りであり、この夢のような園の真ん中にて、ひどく脂っこい狼煙となって天空へと伸びていた。
その生命力に満ち溢れた緑の生け垣に囲まれし、美麗なる大理石の組み敷かれた麗しき憩いの一角にいるのが、端的に小柄といってもよい、赤と黒の毒々しい軽装備に戦闘長靴履きという、先の女であった。
この女こそ、魔王軍の懐刀──その対外的、超・戦闘特化型の闇の一党、"蠱毒(こどく)部隊"の女頭トーネである。
その蠱惑の女魔族は、貴人の前に在るがごとく凛然として立ち、石の七輪に向かって腰を屈め、荒れ狂う煙に目を細めつつ、忙しなく肉を焼く人型を見つめていた。
その人型は、この大陸ではちょっと見かけない形状の、強(し)いていえば、緩やかなローブに似通った金色の法衣らしきモノを纏っており、その頭髪と言わず、顔と言わず、スラリとした肢体の面(おもて)も含めたすべてが、目もあやな金無垢のごとき、きらびやかな黄金色であり、一目で、凡(およ)そ人間の範疇にはなかろうと見える。
その金の飾り鎖が五月雨(さみだれ)のように下がる、奇妙な形状の冕冠(べんかん)らしきモノを被った若い男の象(かたち)は、これまた金色の長い顎髭が特徴的であり、ただその目だけが碁石のように、つるりと黒かった。
そして、その全体からは線の細さと共に、そこはかとない高貴な者特有の気品の風采が伺えた。
だが──
「おお、トネ公。んなとこで、ボーッとつっ立ってないで、焼けたのからおやり」
それは神々しいといってもよい外見に似ず、度外れに気さく、いや、妙に面倒見のよさそうな骨柄を想わせるように、少しも構えたところのない人語を発したのである。
そうかと思うと、ひょいとトーネを向いて、白い卓に並んだ四角張った金色の食器群、また銚子(ちょうし)へと顎をしゃくった。
「は、煉皇(れんおう)様。では遠慮なく」
言下に応えたトーネは、本当に畏(おそ)れげも外連味(けれんみ)もなく動き、箸と蒔絵の皿を手に取るや、ジュウジュウと肉が反る網へと寄った。
「おいおい驚いたね。お前、この"修羅の煉皇"を前にして、本当に遠慮しないヤツがあるもんかい。
いいかい?こーいうときゃあね、いいえ煉皇様、この私が焼き方をお代わり致しましょう、と、こう気い遣って言うもんだい。これだから武家の娘はいけないよ。
アハハハ、まあいいや。やれと言ったのは、このあたしだ。うん。遠慮なくそこの酒もおやりなよ」
金の顔を崩し、莞爾(かんじ)として笑いながらも、その手元は気忙しく動かし、しきりと肉の面倒を見る煉皇だった。
「は、では」
またトーネは淀みなく動き、鶴のような銚子を取り、トクトクと猪口(ちょこ)へと注ぐ。
「まぁトネ公たら。本当、お前は気の利かない娘(こ)だよ。
それ、自分だけ注いでどうすんのさ。まったく躾がなっちゃいないねえ」
煉皇は、また軽妙な叱言(こごと)を繰り出した。
だが、今度のトーネはそれを黙殺して、手にした猪口を傾け、すっと干しただけだった。
「アハハ。いい呑みっぷりだよ。ま、やりながらお聞き──」
煉皇は菜箸を卓へと置いて、自分も手酌でやりだした。
「はっ」
最前から、ニコリともしないトーネだったが、さていよいよ本題かと、白い人差し指を折って、黒く艶めく唇を拭(ぬぐ)った。
「うん。彼是(アレコレ)と前置きは止(よ)しにして話そうね。
トネ公。お前、上手いこと血の気の多い女魔族を演(や)ってくれてるみたいだね。ご苦労さん。
で、魔王のとこの田舎目付に挑んだ、太(ふて)え冒険者達を狩るって名目で、今日明日にも南の険、ブルカノンに飛ぶんだっけかね?」
「は、予(かね)てよりの煉皇様の御意向に沿いまして、あの人間族の競美会を血の海にいたします──」
「あー、それなんだがね。場所はおんなじブルカノンなんだけど、ちょいとその標的を代えて欲しいのさ。
うん、いつもの気まぐれ、あの"天部"からの急な命の変更でね。そればっかしじゃ足りないてんだよ。
それがね、なんでもこの度、また困った坊やのあのドラクロワがね、ほんの酔狂で邪神の帰りを遅らせるわ、その配下が苦労してこさえた、新手の兵器の試作壱號(いちごう)とやらを軽く捻っちまうわで、やりたい放題なんだよ。
本当、強過ぎるってえのも困りもんだよねえ」
「ドラクロワ……歴代最強の魔王──」
「おや?おかしな目付きをするもんじゃないよ。分かっちゃいるだろうけど、あのドラクロワってな、お前やあたしなんかが、どう逆立ちしたって敵う相手じゃないんだよ?
アハハ。まあいいや、お前のように若いうちは、そんくらい野暮天のほうが先が明るいってもんだ。アハハ、て笑えないよ──
で、その現魔王なんだけど、前々からどうしようもない利かん坊で、これまた、大の戦(いくさ)嫌いの怠け者でいけねぇんだってねぇ。
で、天部がいうにはさ、折角、光の勇者を三つも結実させたってえのに、それが仇の魔王とつるんで、仲良く旅してりゃ世話ねえやっ、て。アハハ!ホントだね──
で、このままいつまでも"流転"しないってのは、流石に宜しかないねぇってことで、ここらで発破(はっぱ)かけに、光の勇者の内、えーと……はて、名前はなんて言ったかな?
んー……もうここまで出掛かってるんだけどねー。やだやだ、とんと出てこないよ。
まぁ、その何とかってぇのを贄(にえ)にしろって言ってきてんのさ。
で、その弔い合戦とばかりに尻に火がついた光の勇者達を、そのまんま北の魔王城に攻め入らそうって算段みたいなんだ。
そうして上手くすりゃ、それを見た人間、亜人(デミ)共が発奮して、よしきた!前々から魔王軍にゃ我慢がならねえと思ってたとこよ!てな具合で蜂起してさ、あのドラクロワとは関係なしに大戦が始まんじゃねぇか、てね。
ああ、それ焦げてるから無理しておあがんなくていいよ。こら、意地汚いのはお止し」
「……は。では、速やかにその者を討ちましょう。
それで、その標的の人相なりはどういったモノにございましょう?」
「うんうん。ええとね、天部が言うには、なんでも"神聖魔法が達者な娘"から邪魔だってんだよ。
あぁそれと、他の二人はまた今度でいいってことなんで、今は手出し無用だとさ。
うん、まぁそういうことだから、ひとつ派手に、それもなるたけ大舞台で殺っておくれよ、ね」
「は。ではその様に……」
トーネは猛虎のごとき黄色い瞳を伏せ、恭しく漆黒と真紅の入り交じる頭を垂れると、間接的とはいえ、天より授けられた任務に取り掛かろうと、もう席を立った。
「ああ、お待ち。標的の名前が思い出せなかったお詫びだよ。今、ブルカノンへの近道を開けるから、其処(そこ)を通ってお行き」
言った煉皇は右の腕を挙げ、美しい園の景色を撫で始めた。
その地の底からは、まるで巨大な蛇のような螺旋の隧道(トンネル)が延々とあり、それは墨のように暗い水面の地下湖へと通じており、そこから渡し船に乗って、ようやく城外へと出られる造りになっていた。
そして今まさに、その湖面を滑る小舟に立つ女影があり。水押(みよ)しに、ひとつきり置かれたランタンの灯を下から浴びていた。
「……トーネ様ァ。今日はまた、何を狩りに往(ゆ)かれるか?」
後方の死神じみた黒いローブの渡し守が、陰鬱そのものに気味の悪い声で問うた。
「言えるか莫迦(ばか)。黙って漕げ」
トーネと呼ばれた女影は短く言い、ただ無限の闇の、その先を見据えているばかりだった。
「ヒェヒェヒェ……おお怖い怖い。エヘン。女頭目様はご機嫌斜めでヨォー。独り任務にお出かけますればヨォー、サァトーサトー菊や椿の冠がヨォー、ポトリー、ポトリとまた落ちるゥー」
フードで顔の暗い渡し守は、濃密な闇へと不気味な船唄を響かせながら、鯨の骨のような古びたオールで黒い湖面をかき混ぜるのだった。
「フフ……フ……。なんだいその文句は。まったく酔狂なヤツだね。いいよいいよ、お前にゃ特別教えたげる。
あのね。明後日は女を、それも、とびきり美人の女ばかりを、うーんと殺すのさ」
「アララ……仰有る通り、あたしぁ莫迦だい。わざわざ訊くんじゃなかったネ、上玉狩りたぁエラク寝覚めの悪いこった」
「なに。死にゃ真っ赤で、どれがどれだか見分けもつきゃしないよ」
しっとり冷えた闇の直中で残忍な笑みを溢したトーネは、ふと自らの左手の薬指、そこの指輪に眼を落とした。
その洒落っ気のないリングの台座には、水晶の珠が据わり、その中には毬藻(マリモ)の出来損ないのような、小さな小さな緑の惑星としかいえぬものがあり、それが幽(かす)かに光っていた。
「ん?どーかなすったかい?」
「……なんでもないよ。フン。ちょいと寄り道が出来ちまったね」
トーネはようやく見えてきた向こう岸を睨んで、露骨なため息をついた。
続く二幕目の舞台は、麗(うら)らかな見渡す限りの無辺の園であり、大輪から楚々(そそ)たる佇まいの無数の花ばなが、色とりどりの花弁を誇り、緩やかな風に香りを乗せては華やいでいた。
また、そこには壮麗なる白石の柱と門が築かれ、それらに四角く囲われた、人手による庭園の匂い立つような青い空気に、今、恐ろしく場違いに土足で荒れ狂う臭気があった。
それは誰がどう嗅いでも、直火にて獣の肉を焼く薫りであり、この夢のような園の真ん中にて、ひどく脂っこい狼煙となって天空へと伸びていた。
その生命力に満ち溢れた緑の生け垣に囲まれし、美麗なる大理石の組み敷かれた麗しき憩いの一角にいるのが、端的に小柄といってもよい、赤と黒の毒々しい軽装備に戦闘長靴履きという、先の女であった。
この女こそ、魔王軍の懐刀──その対外的、超・戦闘特化型の闇の一党、"蠱毒(こどく)部隊"の女頭トーネである。
その蠱惑の女魔族は、貴人の前に在るがごとく凛然として立ち、石の七輪に向かって腰を屈め、荒れ狂う煙に目を細めつつ、忙しなく肉を焼く人型を見つめていた。
その人型は、この大陸ではちょっと見かけない形状の、強(し)いていえば、緩やかなローブに似通った金色の法衣らしきモノを纏っており、その頭髪と言わず、顔と言わず、スラリとした肢体の面(おもて)も含めたすべてが、目もあやな金無垢のごとき、きらびやかな黄金色であり、一目で、凡(およ)そ人間の範疇にはなかろうと見える。
その金の飾り鎖が五月雨(さみだれ)のように下がる、奇妙な形状の冕冠(べんかん)らしきモノを被った若い男の象(かたち)は、これまた金色の長い顎髭が特徴的であり、ただその目だけが碁石のように、つるりと黒かった。
そして、その全体からは線の細さと共に、そこはかとない高貴な者特有の気品の風采が伺えた。
だが──
「おお、トネ公。んなとこで、ボーッとつっ立ってないで、焼けたのからおやり」
それは神々しいといってもよい外見に似ず、度外れに気さく、いや、妙に面倒見のよさそうな骨柄を想わせるように、少しも構えたところのない人語を発したのである。
そうかと思うと、ひょいとトーネを向いて、白い卓に並んだ四角張った金色の食器群、また銚子(ちょうし)へと顎をしゃくった。
「は、煉皇(れんおう)様。では遠慮なく」
言下に応えたトーネは、本当に畏(おそ)れげも外連味(けれんみ)もなく動き、箸と蒔絵の皿を手に取るや、ジュウジュウと肉が反る網へと寄った。
「おいおい驚いたね。お前、この"修羅の煉皇"を前にして、本当に遠慮しないヤツがあるもんかい。
いいかい?こーいうときゃあね、いいえ煉皇様、この私が焼き方をお代わり致しましょう、と、こう気い遣って言うもんだい。これだから武家の娘はいけないよ。
アハハハ、まあいいや。やれと言ったのは、このあたしだ。うん。遠慮なくそこの酒もおやりなよ」
金の顔を崩し、莞爾(かんじ)として笑いながらも、その手元は気忙しく動かし、しきりと肉の面倒を見る煉皇だった。
「は、では」
またトーネは淀みなく動き、鶴のような銚子を取り、トクトクと猪口(ちょこ)へと注ぐ。
「まぁトネ公たら。本当、お前は気の利かない娘(こ)だよ。
それ、自分だけ注いでどうすんのさ。まったく躾がなっちゃいないねえ」
煉皇は、また軽妙な叱言(こごと)を繰り出した。
だが、今度のトーネはそれを黙殺して、手にした猪口を傾け、すっと干しただけだった。
「アハハ。いい呑みっぷりだよ。ま、やりながらお聞き──」
煉皇は菜箸を卓へと置いて、自分も手酌でやりだした。
「はっ」
最前から、ニコリともしないトーネだったが、さていよいよ本題かと、白い人差し指を折って、黒く艶めく唇を拭(ぬぐ)った。
「うん。彼是(アレコレ)と前置きは止(よ)しにして話そうね。
トネ公。お前、上手いこと血の気の多い女魔族を演(や)ってくれてるみたいだね。ご苦労さん。
で、魔王のとこの田舎目付に挑んだ、太(ふて)え冒険者達を狩るって名目で、今日明日にも南の険、ブルカノンに飛ぶんだっけかね?」
「は、予(かね)てよりの煉皇様の御意向に沿いまして、あの人間族の競美会を血の海にいたします──」
「あー、それなんだがね。場所はおんなじブルカノンなんだけど、ちょいとその標的を代えて欲しいのさ。
うん、いつもの気まぐれ、あの"天部"からの急な命の変更でね。そればっかしじゃ足りないてんだよ。
それがね、なんでもこの度、また困った坊やのあのドラクロワがね、ほんの酔狂で邪神の帰りを遅らせるわ、その配下が苦労してこさえた、新手の兵器の試作壱號(いちごう)とやらを軽く捻っちまうわで、やりたい放題なんだよ。
本当、強過ぎるってえのも困りもんだよねえ」
「ドラクロワ……歴代最強の魔王──」
「おや?おかしな目付きをするもんじゃないよ。分かっちゃいるだろうけど、あのドラクロワってな、お前やあたしなんかが、どう逆立ちしたって敵う相手じゃないんだよ?
アハハ。まあいいや、お前のように若いうちは、そんくらい野暮天のほうが先が明るいってもんだ。アハハ、て笑えないよ──
で、その現魔王なんだけど、前々からどうしようもない利かん坊で、これまた、大の戦(いくさ)嫌いの怠け者でいけねぇんだってねぇ。
で、天部がいうにはさ、折角、光の勇者を三つも結実させたってえのに、それが仇の魔王とつるんで、仲良く旅してりゃ世話ねえやっ、て。アハハ!ホントだね──
で、このままいつまでも"流転"しないってのは、流石に宜しかないねぇってことで、ここらで発破(はっぱ)かけに、光の勇者の内、えーと……はて、名前はなんて言ったかな?
んー……もうここまで出掛かってるんだけどねー。やだやだ、とんと出てこないよ。
まぁ、その何とかってぇのを贄(にえ)にしろって言ってきてんのさ。
で、その弔い合戦とばかりに尻に火がついた光の勇者達を、そのまんま北の魔王城に攻め入らそうって算段みたいなんだ。
そうして上手くすりゃ、それを見た人間、亜人(デミ)共が発奮して、よしきた!前々から魔王軍にゃ我慢がならねえと思ってたとこよ!てな具合で蜂起してさ、あのドラクロワとは関係なしに大戦が始まんじゃねぇか、てね。
ああ、それ焦げてるから無理しておあがんなくていいよ。こら、意地汚いのはお止し」
「……は。では、速やかにその者を討ちましょう。
それで、その標的の人相なりはどういったモノにございましょう?」
「うんうん。ええとね、天部が言うには、なんでも"神聖魔法が達者な娘"から邪魔だってんだよ。
あぁそれと、他の二人はまた今度でいいってことなんで、今は手出し無用だとさ。
うん、まぁそういうことだから、ひとつ派手に、それもなるたけ大舞台で殺っておくれよ、ね」
「は。ではその様に……」
トーネは猛虎のごとき黄色い瞳を伏せ、恭しく漆黒と真紅の入り交じる頭を垂れると、間接的とはいえ、天より授けられた任務に取り掛かろうと、もう席を立った。
「ああ、お待ち。標的の名前が思い出せなかったお詫びだよ。今、ブルカノンへの近道を開けるから、其処(そこ)を通ってお行き」
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