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突っ込みの嵐 2
しおりを挟む「大丈夫かい?」
「もっちろんです!」
無事を確信しつつ、念の為に尋ねれば返ってきたのは元気なお答え。
シュールな外観とのギャップが酷い。
そしてコイツは確実に隠密行動向いてないな。そもそも灯りをつけるから襲われんだよ。
そのことを咎めれば、
「えーだってっ、暗いんですもん!ここに来る時だっていっぱい脚とかぶつけたし。ここならもう灯り付けてもいっかなって思ったんです」
ランとサスケが残党の無力化と捕縛を音もなく進める中、俺達は舞台袖のカーテンに隠れてこそこそと話す。
リリー嬢はサフィアに手を繋がれていた。
暗闇の中、サフィアが手を引いてあげたっぽい。流石紳士。
因みに俺はランに恭しく手を引かれて来ましたよ。
だって何も見えないし。
あとメラルドが使った剣はソラの転移。
仮面舞踏会は武器持ち込めないからね。事前にメラルドの剣預かって会場に隠しといた。勿論俺も愛用の剣を装備してますよ。
暗闇の中、少し眼が慣れだした会場の数人が動き出そうとしたその時。
「誰が呼んだか、呼ばれたか」
高らかに澄んだ声と共に一人の女が舞台へと現れた。
光を纏ったその人物の登場に広がる新たな騒めき。
「美少女仮面、ここに見参!!!
罪のない人や魔獣を商品にするような悪党共は、月に代わっておしおきよ!!」
○ーラームーン的な決めポーズを作って名乗りを挙げたのは、勿論リリアだ。
誰が呼んだか、呼ばれたかっていうか…確実に誰も呼んでねぇし。
光を纏ってっていうと後光が差してるみたいな聖女とか英雄的な登場をイメージするかも知れないが、実際の彼女は……、
蛍光緑に全身が光っている。
リリアの異能、『発光』によるものである。
水色のドレスを纏い、金の装飾や銀のラインストーンが散りばめられた派手な赤の仮面で目元を隠した女。
それだけならばこの仮面舞踏会に置いて異質ではないが、そのドレスから覗く手足や顔は暗闇の中、蛍光緑に発光してる。
端的にいって、異様である。
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