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恋人ではない 3

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 通りがかったボーイからシャンパンを受け取り、あたかも舞踏会を楽しんでいる風を装いながらも貸し切ったボックスへと向かう。
 そこには一足先に侵入を果たしていた皆が居た。

「あっ!カイザー様!!」

 元気に呼び掛けてくるメラルドをサフィアが慌てて止める。

 バタンっ、と少々乱暴にドアを閉め、扉に凭れ掛かって大きく溜息を吐いた。

「メラルド様、駄目ですよ。個室とはいえあまり大きな声は控えて下さい」

 サフィアの注意にあっと口元を覆うメラルド。

 遅いからな?
 そしてリリアも同じように口を抑えてた。

「頼むから、外で名前を呼ばないでくれよ?」

 げんなりと頼む。
 潜入中に名前呼ばれるとか一発アウトだから。

 仮装の意味がなくなるからお願いだからやめてね。
 やりそうで怖い…。

 そんなメラルドはリリアとペアだ。

 何?この不安しかない組み合わせ…。
 大丈夫かな??

 それはリリー嬢の守りを安心できるサフィアに任せた結果だから仕方ないんだけどさ。

 そんなメラルドはまさかの「ペスト医師」の仮面だった。しかも服は割と華やかな色彩。
 明るくシュールなちょっとよくわからない感じの仕上がりだった。

 本人曰く「この仮面、恰好良くないですか!」と、その感性もちょっと不明。

 一方、サフィアは長い髪を高い位置で一つに括り、銀と蒼のストライプの衣装に羽飾りのついたハーフタイプの仮面。
 顔の半分が隠れていても全然麗しさを隠しきれていない。美形は仮面をつけてても美形だった。

 女性陣はそれぞれ華やかなドレスに豪華な装飾の施されたハーフタイプの仮面。

 もう散々話し合ったが、ざっと段取りを話し合う。

 計画はこうだ。

 まず仮面舞踏会に侵入したハンゾーたち影数人は別行動で主催者らの捕獲と護衛の無力化。
 あと諸々の悪事の証拠やら情報収集。

 そして時間が来たらサスケが会場の光源を落とす。
 暗闇に乗じて俺やサフィア達は舞台裏へと向かい、の運搬と見張りを兼ねている連中を無力化。

 その際、注目を集める囮役をリリアが務め、ソラが被害者たちを転移で逃すというシンプルなものだ。

 その後はサフィアたちとは別行動。
 彼らは舞踏会へと戻り、俺達はハンゾーたちと合流する。
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