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俺的には今の状況が割とカオス 3

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 俺のイメージでは魔族の王様、一番の親玉が魔王でRPGとかでよくあるように城にドドンと魔王がいてその下に四天王的な幹部、さらに系統だって序列があり、その他の魔族が居る的なイメージだったがそんなことはないらしい。

 稀にその手のタイプも居るには居るが、“魔王”とは“魔王種”として生まれた者。

 故に魔王とは一人ではないし、魔王が常にその他の魔物を管理し、従えているわけではない。というか魔族、中でも人型を取れるような能力と知能の高い魔人は基本個人主義だから普段はあまり群れない。

「人間の王だの国だのみたいなくだらんしきたりはない」

 とジストが言っていた。

 ナチュラルにディスられた。

 そして“魔王種”は必要とされる時に生まれるらしい。
 必要とされる時とは、大きな危機が訪れる時。あるいは歴史の変革、転換時。

 “魔族”という“種族の存続”のためには統率が必要になることもある。
 王制も国という制度もない、されど魔族は弱肉強食という絶対の掟がある。

 だからこそ魔族を従えることの出来るものとしてそういった存在が生まれることがある。
 数匹、数十匹程度ではなく、幾多もの魔族を従えることが出来るだけの存在が。

 その危機が大きければ大きい程、大きな力を秘めた存在が。

 あれだ……。
 英雄は時代が必要とする時に生まれる、的な事を聞いたことがあるがそれと同じようなものだろうか。
 確かに激動の時代には英雄的な存在の名が多いよな。

 ……とはいえ、そうして生まれた魔王が役目に興味を持つかは未知らしい。
 魔族の危機など尻目に悠遊自適に過ごす魔王も居るんだとか。

 なんじゃそりゃ!!って心の中で突っ込んだ。

 魔王種でない魔族が他の魔族を従えることもあるし、危機が未然に終わり魔王種が必要なくなる時もある。一概にはいえないがまぁ危機にはそういった存在が生まれやすいよ、ってことらしい。

 そして人間とのゴタゴタが発生している今、魔王っぽい奴が居た。

 コイツ、魔王かっ!!?ってなったらしい。
 知らんがな、俺人間だしっ!!

 因みに勘違いの要因がもう一つ。
 魔獣の大量発生。

 先程言ったように、魔族は弱肉強食。強い者に従う。

 故に魔獣を従わせることが出来る強い存在、もしくは魔獣達が逃げ出すような強い存在。つまり魔王や高位の魔人が居るのではないかと思ったらしい。

 魔術の気配を感じて学園に降り立ったのもそれもあってのことだった。

 魔獣の大量発生、とても覚えのある現象だ。
 アレクサンドラやシリウスを見れば、同じ驚きを浮かべる彼らに頷く。

「先日の合宿、その際の魔獣の大量発生も関係あるかも知れません」


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