256 / 402
その褒め言葉は素直に喜んでよいものか… 2
しおりを挟む「あとはこれを」
ダイアナ嬢に手渡された深紅の薔薇を胸に着け、感嘆の声を上げられた俺は促されカーテンの向こうへ。
「きゃぁーーーーーーーーーーーーーー!!!」
『きゃあぁーーーーーーーーー!!!!』
入学式の悪夢再び。
やっべぇ、久々に鼓膜と頭にキーンってきたわ。
「すっっごい、恰好いいっ!!」
「神!?違った、髪下ろしてるしっ!!色気が、色気が…」
「むしろ襲われたいっ!!」
うむ、大絶賛のようである。
「お兄様っ!!すっごく恰好いいです!!本物みたいっ!!」
「お似合いです」
頬を染めて褒めてくれるのは有り難いけど、本物みたいってどう受け取ればいいかな?
俺の仮装、ズバリテーマはヴァンパイア・ロード。
ヴァンパイアの上位種、美形で高貴で退廃的なイメージのあるヴァンパイアの中でも選ばれし存在ヴァンパイアの王・ヴァンパイアロード。
衣装選んでくれた子が熱弁してた。
服装は……ぶっちゃけいつもとさほど大差はない…。
白のフリルシャツにグレーのベスト、漆黒の上下。首元には臙脂色のリボンに胸元には深紅の薔薇。襟の大きな漆黒のマント。
全体の系統としてはいつもと変わらないから抵抗感も薄くて助かる。
もはや安定の黒仕様。
顔はほんのり白粉と紅。だけど元々色白で唇が紅いから殆ど何も要らないって言われた。
長い髪は解いて背におろし、口元には長い牙。
うっかり唇を噛まないよう気をつけよう。
「とてもお似合いです」
俺と同じく仮装させられたリフからも声を掛けられる。
元凶、俺だけど。
114
お気に入りに追加
478
あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています


メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!
よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。

傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。

魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。

転生ヒロインは乙女ゲームを始めなかった。
よもぎ
ファンタジー
転生ヒロインがマトモな感性してる世界と、シナリオの強制力がある世界を混ぜたらどうなるの?という疑問への自分なりのアンサーです。転生ヒロインに近い視点でお話が進みます。激しい山場はございません。

大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる