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闇の眷属感ハンパない 2
しおりを挟む気絶してる四人を見下ろした。
“四人”、つまりは誰も死んでいない。
俺が突き立てたのは剣の柄だしね。
このイベント、攻略対象者がヒロインを無事守るんだけど肝心の犯罪者サンたちは捕まらないんだよな。
裏家業なだけあってか、口割る前に皆逃げるか自害しちゃうし。現に来る途中も深手を負わされた奴らは絶命してたし。
剣突き立てたのは舌噛み防止。
汚っねぇ口に手突っ込むとか嫌だし、ちょっと乱暴だけど剣で代用してみた。
見事に油断してくれて良かった、良かった。
この後自害する可能性もあるけど、一人ぐらい防げないかなー。
「彼らの捕縛を頼む。ハンゾー、出来れば話を聞きたいんだけどな」
口から生えた剣を見ながら告げれば、意味は伝わったのか。
「昏倒させましたし、毒も無害化したので大丈夫かと」
「無害化…?」
「任務に失敗した時用に毒を含むなど有りがちですから。当然解毒薬とて準備してあります」
マジっスか!
パネェっス、ハンゾーさん!!
じゃあゲームと違って大元の犯罪組織まで割り出せるかも。
流石、蛇の道は蛇。
寧ろ彼ら影とこのフードたちを同列に語るのは失礼だな。
見ろ!この風格を!闇に紛れしこの様を。
夜の森に影の皆さんとか、ガチで闇に同化してるからね!
「何より」
闇が蠢くような低く、重い声。
「我が君に対する無礼と侮辱、
楽に死ねるわけなどありますまい?」
闇が、闇に呼応する。
ゾワリと全身を、否、森全体を包み込むような濃密な殺気。
こ、怖っわっっ!?
刃を押し当てられた時、「止めてくれ」って制止したのは俺の命乞いなんかじゃなくて、ハンゾーさん達がフードを瞬殺しちゃうんじゃないかって危惧だったんだけど……。
殺されるどころか、死ぬよりヤバい眼に合うパターンじゃないか?
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