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あざとさは天然モノであることが肝心 1
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(リリー視点)
「手合わせして下さいっ!!」
カイザー様の腰に抱き着いてキラキラ光る瞳を向けるワンコ。
……違った。
無い筈の尻尾と耳をふりふりピコピコしてるのは攻略対象者であり、ここには居ない筈のメラルド。
居るしね……。
来年まで出会わない筈が、入学数日目にして早くも邂逅。
しかもヒロインになんて欠片も意識を向けてないしね。
カイザー様に懐く姿は飼い主に懐くワンコそのもので、ぶっちゃけ私たちなんて眼中にもない。私はただ立ち尽くしてその光景を眺めることしか出来ない。
「何でここにいるんだい、メラルド?」
「カイザー様に会いに来ました!」
「メラルド様、勝手に高等部に来てはまたガーネスト様に叱られてしまいますよ」
「あっ、サフィア様ー。こんにちはー」
「えっ、いつも来てるの?」
「はい。ガーネスト様や騎士志望の先輩方にもよく突撃してますね」
「サフィア様も異能でお強いって聞きました。今度手合わせしましょう!」
そして自由……。
ゲームのメラルドも自由な仔犬キャラだったけど磨きが掛かってる気すらする。
そしてカイザー様、弟妹であるガーネスト様たちや王子のダイア様は兎も角、普通にサフィア様やメラルド君とも交流あるっぽいし。
もうストーリーがわからない……。
思わず遠い眼になった。
「高等部は少し離れてるんだから授業に遅れてしまったら大変だよ」
「大丈夫ですっ!次、嫌いな数学なんで!」
「全然大丈夫じゃないよ。ほら、早く教室に戻りなさい」
「えー!!!」
「えー!じゃない。手合わせなら今度放課後にでも付き合ってあげるから休み時間に高等部に来ては駄目だよ」
ドヤ顔で言い放ったメラルド君は当たり前に注意されてぷくりと頬を膨らませた。
可愛いっ!
何だその顔っ!
思わず机を叩きそうになったのを気合で堪えた。
「手合わせして下さいっ!!」
カイザー様の腰に抱き着いてキラキラ光る瞳を向けるワンコ。
……違った。
無い筈の尻尾と耳をふりふりピコピコしてるのは攻略対象者であり、ここには居ない筈のメラルド。
居るしね……。
来年まで出会わない筈が、入学数日目にして早くも邂逅。
しかもヒロインになんて欠片も意識を向けてないしね。
カイザー様に懐く姿は飼い主に懐くワンコそのもので、ぶっちゃけ私たちなんて眼中にもない。私はただ立ち尽くしてその光景を眺めることしか出来ない。
「何でここにいるんだい、メラルド?」
「カイザー様に会いに来ました!」
「メラルド様、勝手に高等部に来てはまたガーネスト様に叱られてしまいますよ」
「あっ、サフィア様ー。こんにちはー」
「えっ、いつも来てるの?」
「はい。ガーネスト様や騎士志望の先輩方にもよく突撃してますね」
「サフィア様も異能でお強いって聞きました。今度手合わせしましょう!」
そして自由……。
ゲームのメラルドも自由な仔犬キャラだったけど磨きが掛かってる気すらする。
そしてカイザー様、弟妹であるガーネスト様たちや王子のダイア様は兎も角、普通にサフィア様やメラルド君とも交流あるっぽいし。
もうストーリーがわからない……。
思わず遠い眼になった。
「高等部は少し離れてるんだから授業に遅れてしまったら大変だよ」
「大丈夫ですっ!次、嫌いな数学なんで!」
「全然大丈夫じゃないよ。ほら、早く教室に戻りなさい」
「えー!!!」
「えー!じゃない。手合わせなら今度放課後にでも付き合ってあげるから休み時間に高等部に来ては駄目だよ」
ドヤ顔で言い放ったメラルド君は当たり前に注意されてぷくりと頬を膨らませた。
可愛いっ!
何だその顔っ!
思わず机を叩きそうになったのを気合で堪えた。
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