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転生メイドは挫けない! 1
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(リリア視点)
これがゲームの『強制力』ってものなのかしら?
誰も居ない部屋、一人瞳を閉じてそんなことを考える。
鈍い痛みを訴える足。
ジンジンとした痛みを伝えていた足はもはやほどんど感覚がなく、きっと暫くは使い物にならないだろう。
解放された時の苦痛を思えば今から嫌な汗が背を伝う。
だけど、
逃げることなど赦されない。
この状況から上手く逃げ出したところで、すぐに見つかるのはわかりきっている。
どれ程に機転を利かせようともきっと私では逃げ切れない。
見つかってしまう。暴かれてしまう。
だからただ、
今の私に出来ることは耐えることだけ。
この後に訪れるだろう地獄を知っていても尚、耐え続けることしか出来ない。
「だけど絶対に……ベアトリクス様は私が守ってみせるわっ…!」
違和感に気づいたのは何歳の時だっただろう?
知っているのに、私以外は誰も知らない知識や言葉。
何気なく発した言葉に、首を傾げて「何を言っているの?」と笑うお母様たち。
小さなときから私は“変わった子”だった。
何も変なことをしていない。変なことも言っていない。
だけど皆は私を“変わった子”という。それがいつも不思議だった。
だけど、ある時、
買い物に出かけた街で王族の姿絵を眼にした私は叫んだ。
「王子っ?!この顔知ってるっ!!!これ『亡国のレガリアと王国の秘宝』のキャラだし。えっ?転生っ?転生なの??乙ゲーの世界に転生キタコレっ!!??」
あまりの混乱と興奮に街中でガッツポーズしながら叫んだ私は医者を呼ばれた。
そして思わず握り締めた王族の姿絵は買い取りだった。
『亡国のレガリアと王国の秘宝』は珍しく私が嵌った乙女ゲームだ。
ゲームは嫌いじゃなかったけど、乙女ゲームはあまり手をださないジャンルだった。
だって難しいから。
普通に選択肢を選んだらまずバッドエンドか良くて友情エンドにしか辿り着かない。
攻略本なしにクリア出来る人とか相当なゲーマーだと思う。
ゲーマーでない私は手を出しにくいジャンルだったけど、『亡国のレガリアと王国の秘宝』は絵柄が兎に角好みだった。
特に金髪のお嬢様系女の子が超可愛いくて一目惚れ。
これがゲームの『強制力』ってものなのかしら?
誰も居ない部屋、一人瞳を閉じてそんなことを考える。
鈍い痛みを訴える足。
ジンジンとした痛みを伝えていた足はもはやほどんど感覚がなく、きっと暫くは使い物にならないだろう。
解放された時の苦痛を思えば今から嫌な汗が背を伝う。
だけど、
逃げることなど赦されない。
この状況から上手く逃げ出したところで、すぐに見つかるのはわかりきっている。
どれ程に機転を利かせようともきっと私では逃げ切れない。
見つかってしまう。暴かれてしまう。
だからただ、
今の私に出来ることは耐えることだけ。
この後に訪れるだろう地獄を知っていても尚、耐え続けることしか出来ない。
「だけど絶対に……ベアトリクス様は私が守ってみせるわっ…!」
違和感に気づいたのは何歳の時だっただろう?
知っているのに、私以外は誰も知らない知識や言葉。
何気なく発した言葉に、首を傾げて「何を言っているの?」と笑うお母様たち。
小さなときから私は“変わった子”だった。
何も変なことをしていない。変なことも言っていない。
だけど皆は私を“変わった子”という。それがいつも不思議だった。
だけど、ある時、
買い物に出かけた街で王族の姿絵を眼にした私は叫んだ。
「王子っ?!この顔知ってるっ!!!これ『亡国のレガリアと王国の秘宝』のキャラだし。えっ?転生っ?転生なの??乙ゲーの世界に転生キタコレっ!!??」
あまりの混乱と興奮に街中でガッツポーズしながら叫んだ私は医者を呼ばれた。
そして思わず握り締めた王族の姿絵は買い取りだった。
『亡国のレガリアと王国の秘宝』は珍しく私が嵌った乙女ゲームだ。
ゲームは嫌いじゃなかったけど、乙女ゲームはあまり手をださないジャンルだった。
だって難しいから。
普通に選択肢を選んだらまずバッドエンドか良くて友情エンドにしか辿り着かない。
攻略本なしにクリア出来る人とか相当なゲーマーだと思う。
ゲーマーでない私は手を出しにくいジャンルだったけど、『亡国のレガリアと王国の秘宝』は絵柄が兎に角好みだった。
特に金髪のお嬢様系女の子が超可愛いくて一目惚れ。
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