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商品名は自重します

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「マジでっ?!ちなみになにがイケる?」

「ん~全部?」

「全部っ?!」

「舌で舐めなきゃダメとかそーいうのじゃなければ、苦いのも飲み込みにくいのもある程度はなんとかなると思います」

「さすがは少年っ!!薬界の救世主っ!!」

……なんか変な称号つけられた。

現金なもので「我慢して飲め」派だった騎士たちも大盛り上がりな様子に、クラレンスはささっと父の隣へ移動した。
ノリで胴上げされたら怖いので。

「加工には適さない素材もたくさんあると思うのですが……」

「前みたいに薬草そのものを加工じゃなくて飲み方を変えればいけると思います」

腰をかがめて目線を合わせてくれるイザークに答えつつ、「けど……」とクラレンスは続けた。

「魔物素材つかうんで、心理的に受け付けない人はむりかもです」

クラレンスが思いついたのは幼児にお薬を飲ませるのに最適な

色々とあれなので商品名は伏せますが、イチゴ味やらお子さまの好きそうな味のゼリーで味や臭いを包み込んでくれるやつです。

味や臭いを感じにくくさせるだけでなく、するっと喉の通りもよくなる。

もちろんこの世界にあの商品は存在しない。
……が、最適な代用品があったりする。

それがウォータースライムという魔物だ。

某有名RPGでおなじみのスライムのようにユーモラスな目、口などは存在しない。
それこそ水で作った球体という感じの魔物でぽよんぽよんと動き回る。ものすっごく弱いので危険性はほぼなし。

生きている間は謎の弾力で球体を保っているのだが、中央にある核を取り除くとぐにゃりと崩れてゆるーいゼリー状になる。

無味無臭で食べても人体に影響なし。

「なんで食べてみようとおもったんですかねー?」

思い付きを説明しつつ、さらりとこぼしたクラレンスの疑問には一同激しく同意した。

最初に食べてみようとした人はいったい何を思って魔物の死骸を口にしたのか……。

まぁ、日本でもなんでこれ食べてみようと思ったのかな?って食材はわりとありますよね。
グルメを追い求める精神、恐るべし!
だけどその挑戦あってこそ口にできる美味しい食材もあるので最初の勇者に感謝。

ちなみにウォータースライムには成分的にも有害なものは含まれていないが、栄養となるようなものも含まれていないことは、さきほどお城の研究者ことアイザックに確認済みです。

「お薬のむのにつかっても問題ないですか?」って聞いたら「問題ない」って言われたし、面白そうだから気になるなら臨床実験もしてくれるとのこと。

ただお子さま御用達のあの商品の代わりに普通のゼリーを使うのは成分的に問題がある場合もありますので、代用品をお使いの際はお気をつけくださいませ!
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