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アイシングカップケーキ

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「お仕事がんばって!」とフェリックとエドワードを見送ったあともランチ会はつづいた。

……というより、時間のないフェリックらの分を優先してつくっていたからクラレンスたちはまだあまり食べていない。

「あなたもそろそろ戻らなくて平気なの?」

王妃様が王様にそう聞いたのはフェリックたちが去ってさらに30分ぐらいあと。

「そうだな。そろそろ執務室の奴らも泣いてるかもしれないから戻るか」

……それはぜひ戻ってあげてください。

会話を聞きつつクラレンスはそう思った。
王族の人たちはわりと自由人みたいです

王様がお付きの人に声をかけると頷いたお付きの人が部屋を出て行った。

あれ?王様は戻らないのかな?と座ったままの王様を見ているとにこりと笑った王様に頭を撫でられる。そうしてすぐにお付きの人が戻ってきた。

お付きの人の腕には大き目の3つの箱。

「美味しいランチのお礼に私からのお返しだ」

箱の1つを受け取った王様はそれを開くと中身をクラレンスたちに見せてくれた。

白い箱の中には色とりどりの可愛いお花が咲いていた。

「わぁ!すっごく綺麗で可愛いですわ!素敵!!」

一番反応したのはシルクだった。
箱を覗き込むようにして歓声をあげている。

「おはなのケーキ」

「すごーい!これ全部アイシングですか?」

シルクほどテンション高くはしゃいではいないがエリシュオンとクラレンスも興味津々だ。

6つのカップケーキにはお花のアイシングが施されていた。

ひとつひとつ違うそのお花はどれも精巧さがハンパなく食べるのがもったいないくらい美しい。

「お土産に持って帰りなさい」

わーい!と喜びつつお礼をいった。


「さて、次はリングの所有者登録のときかな」

「はい!おじ様もおば様もどうぞよろしくお願いしますわ」

満面の笑顔で頭を下げるシルクにならってクラレンスもぺこり。
エリシュオンも二人をマネっこしてぺこり。

リングの話題に女性陣はきゃあきゃあと盛り上がる。

「もう現物は見たの?」

「ええ、先日お店に行ったわ。あとは仕上げで受け取りは来週よ」

そしてそのまま日程の話合い。

王様に王妃様、両家の両親の都合の会う日を話し合う姿をみて、うわぁー……本当に王家立ち合いなんだーと改めてちょっと遠い目になるクラレンス。

いまさらなにか言ってもしょうがないし、先日の話を聞く限り強力な後ろ盾はありがたいが顔が引きつるのは仕方がない。だってVIPがすぎる。

「リングの完成、楽しみですね!」

花が咲くような笑顔で笑うシルクは本当に楽しみにしているようで。

「そうだね」

その笑顔にほわりと笑みを浮かべてクラレンスも微笑んだ。


……ところで王様はそろそろ本当に戻らなくていいんですか?

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