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エピローグ
しおりを挟む水の精であるウンディーネは人に似て、だけど魂を持たない。
空っぽの心を埋める方法。
人間の愛を得ればそれによって不滅の魂を得るという。
もしも愛した男が別の女に愛を抱けば、その男を殺さなければならない。
様々な制約を持ちながらも、ウンディーネは人を愛さずにはいられない。
例えそれが悲劇に終わろうとも。
空っぽの心のままでは生きられない。
人魚姫も同じだったのだろうか。
悲恋も無理矢理なハッピーエンドも欲しくはない。
だけど_______
いつか全てが終わる日に、
大好きだったあの海の蒼へと一緒に沈んでいけるなら、そんな終わりも悪くないかも知れない。
恋をするつもりなんてなかった。
全てはおままごとで偽物で、ほんの一時の夢を見ただけ。
本気になんてなるつもりはなかったし
想い出を胸に綺麗に終われると思ってた。
否、本当は綺麗に終われなくても構わなかった。
綺麗な想い出のまま心残りを果たすのでも、
深い絶望に心を砕かれたって構わなかった。
ただ、
終わりが欲しかっただけ。
どんな方法でもいい、
何処にも行けないままの幼い恋心に止めを刺して欲しかった。
だから、
おままごとみたいな夢を見た。
いつか終わりが来るのを知って、
それでも尚、おままごとみたいな日々を重ねた。
全部全部偽物で、恋なんてするつもりはなかったのに_______
そしてまた
おままごとみたいな恋をした。
お伽噺と違ってこの恋に結末はなくて、この物語人生が何処へ向かうのかはわからない。
幸福なラストを迎えるのか、悲劇の果てに深い海の底に沈むのか。
だけど
その先にあの蒼と共に在れるならば。
もう一度、おままごとから始めてみよう。
甘くて、幸せで、夢のような。
愚かで、滑稽で、醜悪な。
おままごとみたいな恋をした。
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