堕ちて逝った塊 上

佐野絹子

文字の大きさ
上 下
5 / 40
01

04

しおりを挟む
 以下の通りに行動して下さい

 01
 02
 03
 04
 05
 06

 扉の奥にお進み下さい
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 扉…?

 俺は疑問に思いながらも辺りを見渡すと
 背後に巨大な扉が聳(そび)え立っている

「なっ!?」

 この場所はさっきからおかしい
 色んな物が音もなく現れる

「奇妙ですね 」

 秀一が拳を顎に当て言った

「先程から、音もなく
 こんなにも巨大な物が現れる
 まるで魔法でも起こされたかの様に…

 秀一の言葉に、俺も同様の事を思っている

「考えても仕方ねぇじゃん
 モニター様に従うのは、気に喰わねぇが
 俺様は先に行かせてもらうぜ」

 龍は言葉を吐き捨て、扉の前に立つ

「開かねぇ…おい!!くそメガネ!!開かねぇぞ!!」

 龍は扉が開かない事に苛立
 秀一に怒鳴る

「僕に言われましても」

 秀一が扉の前に立つ、が
 扉は全く開く気配は無い

「開きませんね…すみません、皆さん
 扉の前に立って下さい」

 秀一が皆に声を掛けると
 皆が顔を見合わせ
 躊躇(ちゅうちょ)しながらも
 足を進め、扉の前に立つ
 皆が扉に揃った瞬間
 扉は音を立てて開いた

「なるほど…」

 秀一が理解したように呟く

「おいメガネ、どーゆう事だ」

 龍が秀一に問う

「恐らく、この扉は
 モニターの指示に従わないと開かない
 と言う事です」

「へぇー」

 秀一の解答に、アルが不敵な笑みを浮かべる
 俺はアルの言葉に鳥肌が立つ

 こいつが苦手だ、気色が悪い 

 隣に秀一がいる事に気がつく

 気まずい…

 通路で秀一に手を出してしまったからだ

 頭に血が登ったとしても
 決して人に手を出してはいけない

「太郎さん…先程はすみませんでした」

 秀一が小声で謝罪をして来る

 俺は驚き秀一を見ると
 秀一は微笑んではいるが
 眉が少し下がっている

「貴方を助けるにはしかたなかった」

「俺もすまなかった
 冷静じゃあなかった
 ありがとう…助かった」

 俺も謝罪とお礼を言うと秀一は微笑む

 秀一と俺は和解をした

 しかし目の前の現状は変わらない
 取り敢えず
 目の前の事に取り組もう
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 6人全員が扉の奥に進むと、扉が閉まり
 鍵が施錠される音が聞こえた

 秀一が一息つく

「何が起きても驚かなくなりました」


 部屋の広さは教室程ある
 この部屋は薄暗い部屋だ

 部屋の中央には
 鉄製の粗末テーブルと椅子が
 並ばれて置かれている

 テーブルには
 食事がトレイのごと置かれている

「おぉー!!飯だ!!」

 龍はテーブルに置かれている食事を見て喜ぶ


 龍は近寄り手掴みで
 料理を掴もうとした時
 秀一が急いで龍の傍に駆け寄り
 龍の手首を掴む

「駄目です!!むやみに口にしては!!
 毒が入っているかもしれません!!」

 秀一の大声で龍は驚く

「すみません…大きな声を出して」

 龍の驚き様を見て
 秀一は直ぐに謝る

 先程いた部屋と
 同様のモニターが
 テーブルの前に現れた

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夕闇怪異物語

swimmy
ホラー
ある日、深淵を身に纏っているような真っ黒な木と出遭った。その日以来、身体に増えていく不可解な切り傷。 俺は、心霊相談を受け付けていると噂される占い部の部室のドアを叩いた。 病的なまでに白い肌。 夕焼けを宿すような鮮やかな紅い瞳。 夕闇鴉と名乗る幽霊のような出立ちの少女がそこに立っていた。 『それは幽霊ではない、恐らく怪異の仕業よ』 爛々と目を輝かせながら言い放つ彼女との出逢いから、事態は悪化の一途を辿っていく。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 学園×青春×ホラーな物語です。 章ごとに話が区切られており、1話完結なので、どこからでも気軽に読めます。

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

破壊用の祠を大量に建立して観光客を呼び込みたくさん破壊させて村おこしプロジェクト

イカダ詫び寂
ホラー
祠壊村(ほこわむら)はあまりにも限界集落なので村おこしが必須。そこで目をつけたのが昨今の祠壊したんかブーム!適当に怪談をでっち上げてそれっぽいYouTuberとかライターを呼び祠を壊させて話題にすれば、そして壊してもいい祠がたくさんあれば観光客がたくさん!……という半ば強引かつ無茶苦茶な村おこしは成功するのか……? ※ホラー要素があります

藍沢響は笑わない

橘しづき
ホラー
 椎名ひなのは、毎日必死に働く新米看護師だ。    揉まれながら病院に勤める彼女は、ぱっと見普通の女性だが、実は死んだ人間が視えるという、不思議な力を持っていた。だが普段は見て見ぬふりをし、関わらないように過ごしている。    そんな彼女にある日、一人の男が声をかけた。同じ病棟に勤める男前医師、藍沢響だった。無口で無愛想な彼は、ひなのに言う。 「君、死んだ人が見えるんでしょう」   同じ力を持つ藍沢は、とにかく霊と関わらないことをひなのに忠告する。しかし直後、よく受け持っていた患者が突然死する……。    とにかく笑わない男と、前向きに頑張るひなの二人の、不思議な話。そして、藍沢が笑わない理由とは?

令和百物語 ~妖怪小話~

はの
ホラー
今宵は新月。 部屋の灯りは消しまして、百本の蝋燭に火を灯し終えております。 魔よけのために、刀も一本。 さあさあ、役者もそろいましたし、始めましょうか令和四年の百物語。 ルールは簡単、順番に怪談を語りまして、語り終えたら蠟燭の火を一本吹き消します。 百本目の蝋燭の火が消えた時、何が起きるのかを供に見届けましょう。

女子高校生集団で……

望悠
大衆娯楽
何人かの女子高校生のおしっこ我慢したり、おしっこする小説です

ゆるゾン

二コ・タケナカ
ホラー
ゆるっと時々ゾンビな女子高生達による日常ものです。 (騙されるなッ!この小説、とんだ猫かぶりだぞ!)

女体化入浴剤

シソ
ファンタジー
康太は大学の帰りにドラッグストアに寄って、女体化入浴剤というものを見つけた。使ってみると最初は変化はなかったが…

処理中です...