上 下
26 / 63

25※

しおりを挟む
楚々と室内に入って来たメイドたちが灯りをつけるとネロを一瞥もせずに部屋から出て行く

やがて、再び扉が開くと金髪の碧眼が美しい青年が入ってきた

あいも変わらず美しいミネルバは見事な筋肉質な体躯に悍ましいくらいの美貌で辺りを圧倒する

冷たい碧玉の瞳は、この日は冷淡な視線ではなかった

部屋の隅に蹲るネロを見てはいるが、いつものような蔑むような雰囲気ではなく今日は少し違うので戸惑う

「こんなに怯えて、ピークパッツァの下は辛かったろう?クロ、ベッドに上がりなさい」

ミネルバが怖くて怯えているのだが、ミネルバには違う風に見えるらしい

気遣うような声に弾かれたように顔を上げると、優しげなミネルバの表情に胸が波打つ

もしかして、誤解だと解ったのだろうか?ネロだと気付いてくれたのだろうか?

期待に頬が紅潮し俯いたままベッドに上がり、ドキドキしながら次の命令を待つ

「服、脱いで背中を見せて」

震える手で、腰帯を解き、羽織をパサリと脱ぎ捨てる

ミネルバは検分するように背中を見ている

柔らかく背中を撫でられ、労わるように触れられ心臓が飛び出そうだ

そのままミネルバは血が滲んだ包帯を、そっと解いていく

不意に背中の傷をべろりと舐められ、痛みに身体が跳ねる

「……酷いな、このままでは傷痕が残ってしまう。クロ、これを覚えているか?」

ミネルバが手にした見覚えのある光るソレはオンズの花の露が入った瓶だ

白く長い指に摘まれた鈍色の瓶には虹色に光る液体が入っている

「これを残してクロは消えてしまったからね。飲みなさい」

ミネルバは丁寧に瓶を開けて、ネロの唇につける

静かな深い碧眼を信じられない気持ちで見つめながら嚥下すると、光の粒が身体を包み背中からみるみる熱さや痛みがひいていく

治った背中を意味ありげに指先で撫でて、ミネルバは後ろから腕を回して肩から耳に唇を当ててくる

ミネルバの匂いに頭がくらくらする

「誓約を変更する。私に嘘はつくな、喋ってもいい。私から離れていた3ヶ月間の事を教えておくれ。此処か、此処に誰かを咥え込んだ?」

まだ乾いている股間と尻を意味深にミネルバに撫でられて、ぶるぶると首を振る

ネロのそんなところを触るのはミネルバくらいしかいない

「お前は私に嘘はつけない。誰かに身体を許した?」

「だ、誰ともしてない…」

首を振りながら答えると、股間ではミネルバが摩るように指を這わせているので、痛いくらい勃起してきた。緩やかに混ぜるような優しい触り方に下半身がぞくぞくする

「こんな身体を目の前にして抱いてくれなかったのか?お前を拾った奴は。質問を変えよう、今まで誰かに身体を許したか?」

「ひ、拾ってくれた人は、こ、子供だった。そんな事出来ない。それに今まで…ミネルバだけだ…」

羞恥に身体が熱くなる。こんな事を聞いてどうしようというのだろう

ミネルバは驚いたように目を見開いている

そのまま柔らかく、ミネルバの指先でただただ触れるだけの触り方はたまらなかった。乳首も、前も女の部分も、お尻も

「あの子のブレスレットはどうやって奪ったんだ?」

首筋を舐められながら快感を拾い、怖くて泣いているネロにミネルバは続ける

「う、奪ってな…いぃ…」

泣きじゃくるネロに、ミネルバは訝しむ表情になる

「あの子を殺しただろう?」

先走りや、溢れる愛液を指に絡め、ミネルバは柔らかな触り方をやめない

身体がぶるぶると震え、やめてほしいような、ずっと続けて欲しいような執拗な触れ方に妙な声が喉から溢れそうだった

「こ、殺してない…」

顔を真っ赤にし、涙をボロボロ溢すネロをミネルバはゆっくりとベッドに横たえる

脚を割り開き、優しく指を突き立て、ゆるゆると刺激する

「あ、ぁ…ミネ、ルバ…も、やだ、これ、や…」

「……ネロは生きているのか?」

「いき、てるぅ……っ!あ、や…」

信じられないように首を振りミネルバは、ネロを見下ろす

ネロは涙でぐちゃぐちゃになった顔で微笑み、ミネルバの右手をとり乳首に擦り付ける

ミネルバは手を止めずにお尻の指を増やしていく

「まさか!生きて、いるのか…!信じられない…クロは、ネロの何だ?」

嬉しいのか、顔に生気の戻ったミネルバは指を抜くと前を寛げて、ネロの脚の間に入ってくる

このまま、本人と答えようとして口を開くのを躊躇う

ミネルバはどうせ嘘をついていると思うだろう

首を振るネロに、ミネルバは目を細める

脚を掴み、ネロの中に侵入してきた

ミネルバの巨大なそれは熱く濡れており、緩やかな刺激しか与えられなかったネロの身体は激しい圧迫感に身体を痙攣させ吐精した

「クロ、すまなかった。今まで誤解していた。許してくれないか?あと………クロは好きな人はいないのか?」

ミネルバの甘い声に首を振りながら、真っ赤になる

好きな人、それはミネルバだ

顔を真っ赤にして口を噤むネロに、ミネルバは少し傷ついた顔をした

「あ、あの…誓約、全部解呪して?ぁ、あ!」

「何故?お前は私の奴隷だ。解放なんてしない。クロ、クロ…」

抱きしめながら、腰を打ちつけられる

唇を合わせ、舌を絡ませあい、脚を腰に回されてミネルバのなすがままになる

「こっちにも、入れてみる?」

綺麗な金髪を汗で額にはりつかせ、碧眼を嬉しそうに細めるミネルバは妖艶だった

こっちと言われ、首を傾げるネロの尻穴より手前の濡れそぼった女の部分を撫でられ身を強張らせる

そこは、怖い

首を振るネロに笑いかけながら、ミネルバは尻に入っていた巨大なブツを引き抜き大事な部分に先っぽをくっつける

欲しいような、怖いような

「あ、ミネルバ、やめて…そこは、怖い…」

首を振るネロの目を見つめたまま、ミネルバはゆっくりと身体を沈めていく

筋肉質な美しい身体は壮絶な色気を放ち、狭いせいか、顔を歪める姿も美しい

「ひ、ぎぃ!んん!ミネルバ、やめて、やめて!痛い、痛いよぉ…」

痛みに手足をめちゃくちゃに動かすネロに構わず、ミネルバは根元まで挿入し、息を吐いた

痛みに痙攣するネロの身体を宥めるように撫でて馴染むのを待つ

「息を吐いて…大丈夫、今は痛いかもしれないけれど、物凄く気持ちよくなるから…」

ネロの顔を撫でて、ミネルバは容赦なく腰を引いた

抜けていく圧迫感にネロは喉をそらす

「あああ!あ!ん!いっ、いたっ、いや!いや、お願っ、やめてぇ…いたいのぉ…」

やめさせようと、ミネルバのお腹辺りを手で突っ張るけれど、何の抑止にもならず、ミネルバは腰を動かす

「ゆっくりするから…大丈夫、力、抜いて…」

ミネルバもきついだろうに、絶対に腰を動かす事をやめない

「あ、う、ん、いや、だめ、あっ、あ…」

痛みだけだったそこは熱を持ち、中に侵入されるたびに、びりびりとした、また違った刺激、快楽に翻弄される

やがて、ネロの身体が快感を拾いだした事がわかったのか、ミネルバの律動が少しだけはやくなる

「女より、やらしいな…」

「あっ…ん、ふ、う、ぁあ…」

弱々しい喘ぎしか出ず、ミネルバの首に腕を回すと、唇を塞がれた

熱い舌が口内を動きまわり、気持ちがいい

口の中が感じるなんて

引き裂かれたように痛かった下半身は、痛みは熱に変わり、ずっといっているような快楽が、ネロを苛む

緩慢な腰の動きに、焦ったくなり自らの腰も、もじもじさせながら動かすとミネルバが笑った気配がした

あまりの羞恥に顔を両手で覆うと優しい手つきで手を外された

ゆっくりと、ミネルバは中を責め続ける

「どうして欲しい?ちゃんと言いなさい」

優しい碧眼が、ネロに注がれる

ネロはそれが堪らなく嬉しかった

「あ、激し、くして…ん、お願、ちょうだい…もっと、もっとしてぇ…」

ミネルバはネロの腰を持ち直すと、深く腰を引き、一気に突き入れた

あまりの圧迫感と、今まで抉られなかった場所が抉られ欲しかった刺激が与えられ喉から悲鳴が溢れた

身体をびくびくと震わせ、涙が流れた

「あひ、ぃ、い、あ、あ、あん!いいぃ…!あっ…」

男の背中に縋り、爪を立てる

激し過ぎる抽挿に、ミネルバの顔は快楽を追う肉食獣のようで、恐ろしくなり思わず悲鳴を上げてしまった

ギラギラとした目に、恐ろしいくらい猛った巨大なものを下半身に突き立てられている

しかし、それがどうしようもなく気持ちよく身も世もなく喘ぎ揺すぶられる

「あ、ひん…ひっ、あっ…も、だめ、いく、やめ…いくっ…!ぁああ!」

突き上げられながら、前でいき、中も甘いきしている。しかし、男はやめる気配もなくネロを苛み続ける

「ひ、あ、も、いったからぁ…!やめ、やだ、やぁあ!」

びゅくびゅくと精液を吐き出すと、それを絡められ扱かれ、掴まれた腰にミネルバの指が痛いくらい食い込む

細い息を吐き出しながら、ネロはふと不安に思った

今、女の部分を使われていて、避妊具を着けていない

子供が出来るんじゃないだろうか?

快楽に流されながらも、それは恐怖に陥るのに充分な思考だった

もう男はぐちゃぐちゃになった自分が準備した媚肉の中に欲望を吐き出すことしか考えていないだろう。男ならば当然だ

ネロはシーツを握りしめて、無駄だとはわかりながらも抵抗するしかなかった

「ひ、ぁ…や、やめ、外に、外に出してっ…中、ダメ、やっあ、だめ、怖いっ!外に、外にぃ…!!」

ミネルバはネロの頭を抱え込み、逃げれないように押し潰しながら、精液を塗り込むように腰を回す

最奥に出された感覚に、ネロは呆然とした

「…全部中に出す。逆らうな、あの日本当ならば、ゆっくりとお前で楽しむつもりだった。あの日するつもりだった事を、今から全部する…」

熱い上がった息のままミネルバはネロの耳元で囁く

まだ硬いままのそれを、ゆっくりと再び動かすと、次は後ろに差し込まれる

「ひ、ぁ、あああ!やめ、やだぁ、やめて!もう、あ…」

乳首を引っ張られ、舐められ捏ねられながら、なんなく尻に受け入れられたそれは、ごりごりと内壁を抉り、思考が吹っ飛ぶ部分を擦り上げる

「…捕縛、簡単にいっていたら体力がもたないだろう。此処を縛って、簡単にはいかないようにしてあげたぞ。中いきを、覚えような」

汗で額にはりついた髪を撫でられ、括られた可哀想なくらい勃起した陰茎を撫でられる

涎を垂らしながら朦朧とし、涙でけぶる視界は、もうまともな思考回路ではなかった

「あ、あ、とって、これ、とってぇ…!」

ネロが紐を取ろうともがくと、両手を押さえられた

「楽しもう、まだまだ時間はある…」

淫靡に笑うミネルバに、ネロは見惚れた

雄らしい逞しい身体に、この世のものとは思えない美貌の顔が乗っている。深い碧眼にうつる欲望にされるがままになる

この行為が終わったら、またミネルバは冷たく、残酷になるのだろうか?

求めてくる手に答えながら、ネロは目を瞑った









目が覚めると、ミネルバはいなかった。身体に残る夥しい量の鬱血痕と歯形に眩暈がする

身体は綺麗にしてくれたのか、スッキリと綺麗になっていた

昨日脱がされたままになっていた服は見当たらず、思わず服を探す

陽の高さから、もうすぐ昼だろう。教会に行かなくてはならないが昨日の行為のせいで身体は怠く、あらぬところは痛みまである

ベッドで再び丸くなっていると、ノックが聞こえて、慌ててシーツに潜り込む。返事をするとアクロワナが入ってきた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寵妃にすべてを奪われ下賜された先は毒薔薇の貴公子でしたが、何故か愛されてしまいました!

ユウ
恋愛
エリーゼは、王妃になる予定だった。 故郷を失い後ろ盾を失くし代わりに王妃として選ばれたのは後から妃候補となった侯爵令嬢だった。 聖女の資格を持ち国に貢献した暁に正妃となりエリーゼは側妃となったが夜の渡りもなく周りから冷遇される日々を送っていた。 日陰の日々を送る中、婚約者であり唯一の理解者にも忘れされる中。 長らく魔物の侵略を受けていた東の大陸を取り戻したことでとある騎士に妃を下賜することとなったのだが、選ばれたのはエリーゼだった。 下賜される相手は冷たく人をよせつけず、猛毒を持つ薔薇の貴公子と呼ばれる男だった。 用済みになったエリーゼは殺されるのかと思ったが… 「私は貴女以外に妻を持つ気はない」 愛されることはないと思っていたのに何故か甘い言葉に甘い笑顔を向けられてしまう。 その頃、すべてを手に入れた側妃から正妃となった聖女に不幸が訪れるのだった。

BL短編集②

田舎
BL
タイトル通り。Xくんで呟いたショートストーリーを加筆&修正して短編にしたやつの置き場。 こちらは♡描写ありか倫理観のない作品となります。

いつも余裕そうな先輩をグズグズに啼かせてみたい

作者
BL
2個上の余裕たっぷりの裾野先輩をぐちゃぐちゃに犯したい山井という雄味たっぷり後輩くんの話です。所構わず喘ぎまくってます。 BLなので注意!! 初投稿なので拙いです

兄の恋人(♂)が淫乱ビッチすぎる

すりこぎ
BL
受験生の直志の悩みは、自室での勉強に集中できないこと。原因は、隣室から聞こえてくる兄とその交際相手(男)のセックスが気になって仕方ないからだ。今日も今日とて勉強そっちのけで、彼らをオカズにせっせと自慰に励んでいたのだが―― ※過去にpixivに掲載した作品です。タイトル、本文は一部変更、修正しています。

私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。 彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。 それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。 そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。 公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。 そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。 「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」 こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。 彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。 同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。

【BL】白豚皇帝と呼ばれた俺が革命で死に戻ったら、俺を殺した弟が滅茶苦茶慕ってくるようになって可愛いけど怖い

砂礫レキ
BL
「暗愚皇帝レオンハルト、何か言い残すことはあるか?」 「別に白豚と呼んで構わんぞ。咎めはしない」 レオンハルト・ライゼンハイマーは愚かな皇帝だった。 五歳下の腹違いの弟カインにコンプレックスを抱き、僻地へ追放してから本格的に人生が狂いだした。 自分に甘い言葉を囁く人間だけ重用した結果、国は荒れ結果クーデターを起こされる。 そして革命軍を率いていたのは「黒髪の獅子」と呼ばれるようになった弟だった。 彼の剣によって命を落としたレオンハルトは、しかし次に目覚めた時少年の姿に戻っていた。 それはカインの腹心であるリヒトの仕業だった。彼はレオンハルトに命じる。 「弟をベタベタに可愛がって死ぬまで仲良く暮らさないと地獄に落とす」 十二歳に戻ったレオンハルトは仕方なく、ぎこちなくも弟とスキンシップを取り始めた。 結果カインは堂々としたブラコンに成長し天才と呼ばれるカインに慕われるレオンハルトの評価も上がっていくが……? 光のヤンデレブラコンと苦労性ツンデレ賢者と反省系鈍感主人公がゆるく悲劇回避する話になる予定です。 他のキャラも出ます。 FANBOXの方にたまに短編など投下しています。

超絶美形だらけの異世界に普通な俺が送り込まれた訳だが。

篠崎笙
BL
斎藤一は平均的日本人顔、ごく普通の高校生だったが、神の戯れで超絶美形だらけの異世界に送られてしまった。その世界でイチは「カワイイ」存在として扱われてしまう。”夏の国”で保護され、国王から寵愛を受け、想いを通じ合ったが、春、冬、秋の国へと飛ばされ、それぞれの王から寵愛を受けることに……。  ※子供は出来ますが、妊娠・出産シーンはありません。自然発生。 ※複数の攻めと関係あります。(3Pとかはなく、個別イベント) ※「黒の王とスキーに行く」は最後まではしませんが、ザラーム×アブヤドな話になります。

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

処理中です...