孤島の丘

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「………でも追いかけられてたし」

焼けた魚を駿隆と花音に渡して、自分の魚を俯きながら頬張る

………うまい

失恋と駿隆への嫉妬を飲み下すように魚の肉を飲み下す

泣かないだけましだといえよう

「しょうがないな。我々は砂浜に移動しよう」

「え、あ、うん」

そう言った駿隆に綾継も魚をかじりながら返事をする

まさか駿隆がこうもあっさり入り江を花音に譲るとは思わなかった

駿隆なりに花音に気をつかっているのかもしれない

「えー、あたしぃ、1人は怖いですぅ」

駿隆に花音が縋ろうとしたが駿隆は表情も変えず一顧だにしない

あまりに無下にするなよと不満を抱きながらも駿隆が花音に興味がなさそうなので、どこか安心する

結局、入り江を出て温泉に入った後、駿隆についていけば流れついた砂浜の近くにあった洞窟まで案内された

「元々あの入り江がなければ、ここの予定だった。あの船の残骸から拾ったマットも予備があるし…」

急に駿隆が声を潜めたので駿隆の視線を辿ると、丘の中腹の奥に小さな赤い火の光が見えた

「あの女を追いかけていたのは、あれだろうな。全くこちらは寝場所まで変えなくてはいけない。いい迷惑だ」

ぶちぶちと言う駿隆に曖昧に笑うことで答えると、駿隆は少し不満そうに鼻を鳴らした

確かに入江より手狭になったが、駿隆が予備にとっておいたマットのおかげで、体がガチガチにならなくて済みそうだ

「ん?ていうかマット2つあったなら別に一緒のマットで寝なくてよかったんじゃ…?」

「運ぶの面倒だろう?さあ、寝た寝た」

誤魔化すように手をたたいて横臥する駿隆の横で綾継も寝転がる

なんとなく今日は疲れた

綾継が小さく欠伸を噛み殺して目を閉じるとすぐに眠りが訪れた



寝苦しくて体が熱い

「……ん、んぅ…はぁ…」

夢のなかでは花音の裸体が妖しく綾継を誘う

手を伸ばせば花音は柔らかい肉体で綾継を抱き締めてくれた

「……か…のん」

呟き猛る己を感じて緩く瞳を開くと辺りは真っ暗だった

洞窟の中では駿隆の寝息と小さな虫の音が聞こえる

「……やべ」

下を見れば立ち上がった己の下半身はパンツを押し上げて立派に育ってしまっている

もそりと寝返りをうつ駿隆の背中にあたり、罪悪感が湧いたが、綾継はもう一度寝転ぶとパンツを下げてゆるゆると己の猛りをおさめる為に右手を上下させてしごく

もう何日も抜いてないのだ

綾継は決して性欲は弱いほうではない

すぐに久しぶりの感覚に夢中になった

「はっ…ぁ…かの…ん…んっ、んぅ」


先走りを指に絡めて扱く

身を震わせる快感に身を委ねようとしたその時、大きな手が綾継の手を包み込んできた

ビクリと身体が強張る

「……たまってたのか?手伝ってやろう」

駿隆が興奮したような声で、綾継の耳元で囁くと濡れた感触が耳を舐めて

大きな手が綾継の手を添えたまま上下に動き始めた

ピタリとくっつけられた背中は熱気を帯び、淫靡な空気が流れる

駿隆の手が巧みにエロく動き綾継は嫌悪や拒否より先に快楽に飲まれた

「…ん、はぁ…ぅ…」

「アノ女の事、考えてるのか?どんなふうにやろうか…とか?」

耳元で熱い息と共に囁く駿隆の手は止まらない

止まらないどころか、綾継の身体をまさぐり、やがて胸を撫でまわす

キュッと乳首を摘まれた時には、綾継はヒッと短い悲鳴を上げて吐精してしまったほどだ

首筋をなめあげられ、整わない息に、また扱くように手を動かされる

「はぁ…ちょっ…いったばっかりで…き…ちぃ…」

「ん?なぁに?」

余裕ある声で、駿隆はゆるゆると綾継の猛りを扱く

胸を舐められ乳首を口に含まれ歯や舌で潰すように甘く愛撫をくわえられる

あと一歩で達するその時、不意に体をひっくり返されて、上に駿隆がのしかかってきた

圧巻される肉体美に加え恐ろしいぐらいに情欲に餓えた顔で綾継の頬を舐める

「あの女とやりたい?」

くすくすと笑うような響きで、それはどこか空恐ろしかった

爪先で綾継の猛りをくすぐりながら、顔はまったきなく真剣だった

「……んぁ!」

背筋が伸びるくらい急激に猛りの根元を指で締め付けられ、綾継の目尻に生理的な涙が浮かんだ

そのまま駿隆はどこか冷酷な表情を浮かべて、いやらしく笑うと、綾継が達することが出来ない状態にしてから激しく上下に扱き綾継の唇を唇で塞いだ

クチュクチュと音を立てて扱かれる下半身の熱に綾継は狂わんばかりなのに、口内は舌で塞がれ絡められ、それすら綾継を煽るのだから始末に終えない
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