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アリスはしばらく、つまらなそうに唇を尖らせていたが、やがて
「なによお。
ずるいわ、シェイマスばっかりネリー様と仲良くなっちゃって。
私だってネリー様とたくさんお話したいのにい」
と小走りに駆けていくと、するりとシェイマスの腕に自分の腕を絡ませた。
そして
「ネリー様、私ともお喋りして下さいね?」
と、こちらを見て微笑んだ……はずなのに。
その目が全く笑っていないことに、ネリーはすぐに気が付いた。
「は、はい」
と、ぎこちない笑みを浮かべて答えはしたものの、みるみる冷汗が額に浮かんでくる。
な、なんで私が睨まれなきゃならないのよ……。
すっかりネリーはゲンナリしてしまった。
しかし話はそこで終わらなかったのである。
さらに悪いことには、彼女は、あることに気が付いてしまったのだ。
黙りこくっているものだから、すっかり存在を忘れていたのだが、いつのまにか隣にマーティが立っていた。
それは良いのだが、彼は物凄い形相で、シェイマスにすり寄っているアリスをじっと見ていたのである。
分かりやすすぎるでしょう……。
一応彼の婚約者であるはずのネリーだったが、もう諦めの境地だった。
アリスがチラチラと窺うように、ネリーとマーティの様子を横目で見ていることにも、もちろん気が付いていた。
その中で唯一、シェイマスだけは、気遣うような視線を何度もこちらに向けてはくれていたけれど。
これ以上何もしたくなくて、ネリーは、何も気にしていないとでもいうふうに微笑んで見せただけだった。
ああ、もう……だから来たくなかったのよ!
と、油断すればすぐにも叫びだしそうになるのを、ぐっとこらえて、気づかれぬように、そっとため息をつく。
しかし、すっかり上機嫌に戻ってしまったアリスの話は、まだまだ終わりそうにはなくて。
したがって、ネリーには退屈でしかないお茶会も、当分終わりそうにはないのであった。
「なによお。
ずるいわ、シェイマスばっかりネリー様と仲良くなっちゃって。
私だってネリー様とたくさんお話したいのにい」
と小走りに駆けていくと、するりとシェイマスの腕に自分の腕を絡ませた。
そして
「ネリー様、私ともお喋りして下さいね?」
と、こちらを見て微笑んだ……はずなのに。
その目が全く笑っていないことに、ネリーはすぐに気が付いた。
「は、はい」
と、ぎこちない笑みを浮かべて答えはしたものの、みるみる冷汗が額に浮かんでくる。
な、なんで私が睨まれなきゃならないのよ……。
すっかりネリーはゲンナリしてしまった。
しかし話はそこで終わらなかったのである。
さらに悪いことには、彼女は、あることに気が付いてしまったのだ。
黙りこくっているものだから、すっかり存在を忘れていたのだが、いつのまにか隣にマーティが立っていた。
それは良いのだが、彼は物凄い形相で、シェイマスにすり寄っているアリスをじっと見ていたのである。
分かりやすすぎるでしょう……。
一応彼の婚約者であるはずのネリーだったが、もう諦めの境地だった。
アリスがチラチラと窺うように、ネリーとマーティの様子を横目で見ていることにも、もちろん気が付いていた。
その中で唯一、シェイマスだけは、気遣うような視線を何度もこちらに向けてはくれていたけれど。
これ以上何もしたくなくて、ネリーは、何も気にしていないとでもいうふうに微笑んで見せただけだった。
ああ、もう……だから来たくなかったのよ!
と、油断すればすぐにも叫びだしそうになるのを、ぐっとこらえて、気づかれぬように、そっとため息をつく。
しかし、すっかり上機嫌に戻ってしまったアリスの話は、まだまだ終わりそうにはなくて。
したがって、ネリーには退屈でしかないお茶会も、当分終わりそうにはないのであった。
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