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エピローグ
8 姉への心配
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ローズのお葬式?
姉さんは頭がおかしくなったのだろうか?
ローズが死ぬわけがないだろ、ほら、あそこでローズは子供達と遊んでいるじゃないか。
そしてカリーは姉がいなくなった扉を一瞥(いちべつ)した後、再び窓の外を見る。
すると、いつの間にか子供と遊んでいたローズがいなくなっていた。
すぐに自分が出ていかなかったから、いつもの場所にいると勘違いして行ってしまったのかもしれない。
いつもの場所とは、当然、カリーがローズを待つために行く釣り場だ。
そう思ったカリーはすぐに準備して行こうとするが、なぜかその足がうまく動かない。
まるで見えない重りが足につけられているようだ。
それでもなんとか足を引きずりながらも、部屋の隅に立てかけられている竿を手に取って部屋の扉を開けると、突然下の方から姉の泣き声が聞こえてきた。
またあの男と喧嘩をしたのか……。
いつの間にか我が家に住み着いた謎の男……よくわからないが、たまに自分の部屋に現れてはずっと黙ったまま自分の事を見ている。
なぜかその目が悲しそうにも見えたが、こっちからしたら気持ち悪いったらありゃしない。
声を掛けるのも嫌だったので、いつも放置しているが、気付くとそのまま部屋を出て行ってしまう。
なんとも訳の分からない男だが、姉さんはどうやらそいつに好意を抱いているようだ。
まぁ姉さんがそいつを選ぶのであれば何も言うつもりはないが、女を泣かせる男は最低だ。
今日という今日こそ、出て行ってもらおう。そしてもう二度と姉に付き纏わないと約束させてやる。
そう決意するカリーだが、どうやらその男は既に家を出てしまったっぽい。
下から男の声は聞こえない。
戻ってきたらバシッと言ってやるからな。
そう心に決めたカリーは、ゆっくりと下に降りていく。
姉さんは頭がおかしくなったのだろうか?
ローズが死ぬわけがないだろ、ほら、あそこでローズは子供達と遊んでいるじゃないか。
そしてカリーは姉がいなくなった扉を一瞥(いちべつ)した後、再び窓の外を見る。
すると、いつの間にか子供と遊んでいたローズがいなくなっていた。
すぐに自分が出ていかなかったから、いつもの場所にいると勘違いして行ってしまったのかもしれない。
いつもの場所とは、当然、カリーがローズを待つために行く釣り場だ。
そう思ったカリーはすぐに準備して行こうとするが、なぜかその足がうまく動かない。
まるで見えない重りが足につけられているようだ。
それでもなんとか足を引きずりながらも、部屋の隅に立てかけられている竿を手に取って部屋の扉を開けると、突然下の方から姉の泣き声が聞こえてきた。
またあの男と喧嘩をしたのか……。
いつの間にか我が家に住み着いた謎の男……よくわからないが、たまに自分の部屋に現れてはずっと黙ったまま自分の事を見ている。
なぜかその目が悲しそうにも見えたが、こっちからしたら気持ち悪いったらありゃしない。
声を掛けるのも嫌だったので、いつも放置しているが、気付くとそのまま部屋を出て行ってしまう。
なんとも訳の分からない男だが、姉さんはどうやらそいつに好意を抱いているようだ。
まぁ姉さんがそいつを選ぶのであれば何も言うつもりはないが、女を泣かせる男は最低だ。
今日という今日こそ、出て行ってもらおう。そしてもう二度と姉に付き纏わないと約束させてやる。
そう決意するカリーだが、どうやらその男は既に家を出てしまったっぽい。
下から男の声は聞こえない。
戻ってきたらバシッと言ってやるからな。
そう心に決めたカリーは、ゆっくりと下に降りていく。
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