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エピローグ
1 受け入れられぬ現実
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あの悲劇の日から三日後……。
この日は王女ローズを弔う為、国を挙げて盛大な葬儀が執り行われる……のだが、そこにカリーが姿を見せることはない。
あの日カリーは目が覚めた後、ローズが亡くなった事をフェイル達から聞くのだが、カリーはそれを信じようとはしなかった。
当然あの場にはカリーもおり、目の前であの悲劇が起きていたのだから知らない訳がない。
しかしそれでもなお、その事実をカリーの心は否定し続ける。
あんな現実があっていいはずがない!
あれは夢だ! 絶対に夢だ!
カリーはそう思い込む事で、何とか心が生を繋ぎ止めた。
だがその様子を見たフェイルは、こればかりは自分で乗り越えるしかないと知っているため、無常にも厳しい言葉を告げる。
「これが現実だ。受け止めるしかない。」
当然フェイルもそんな残酷な事を口にするのは憚られた(はばかられた)のだが、前に進む為には受け入れるしかない。
その結果、カリーの心が壊れたとしても誰が文句を言えようか。
そして実際にカリーの心は壊れてしまった。
それからカリーは3日間自分の部屋を出る事なく、ただただ自分の不甲斐なさを呪い、そして生きる意味を失う。
それを近くで見ているフェイル達もまた、胸が張り裂ける程苦しい気持ちになるが、しばらくはそっとしておこうと決めるのであった。
この日は王女ローズを弔う為、国を挙げて盛大な葬儀が執り行われる……のだが、そこにカリーが姿を見せることはない。
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当然あの場にはカリーもおり、目の前であの悲劇が起きていたのだから知らない訳がない。
しかしそれでもなお、その事実をカリーの心は否定し続ける。
あんな現実があっていいはずがない!
あれは夢だ! 絶対に夢だ!
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だがその様子を見たフェイルは、こればかりは自分で乗り越えるしかないと知っているため、無常にも厳しい言葉を告げる。
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