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第三章
30 姉弟の絆
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それからしばらくして、カリーはある異変に気づく。
「……敵が増えていない?」
そう、今まではいくら倒しても新しい魔物が地中から這い出てきたのだが、ここにきて魔物が目に見えて減っていったのである。
魔物が増えない理由は一つしかない。
ここにダークマドウがいなくなったという事。
そして当然奴が向かう先はローズが逃げた場所。
それに気づいたカリーはダークマドウがいた位置を改めて確認すると、やはりそこに奴の姿はなかった。
「姉さん!」
カリーがその状況を伝えようと叫ぶと、バンバーラはカリーの視線を見て察する。
どうやらバンバーラも気づいたようだ。
そして一言……
「カリー! 行きなさい!」
その言葉だけで、カリーは姉が何を言いたいかを理解した。
それ意味するのは、残りの魔物全てを姉に押し付けて、自分はローズを助けに向かえという事。
だがそんな事できるわけない。
まだこの場には多くの魔物が残っている。
特に前線で敵を引き付ける自分がいなくなれば、敵は一斉に姉へと襲いかかってくるだろう。
流石の姉さんでもこれは無理だ。
そう口にしようとしたが、先にバンバーラの口が開いた。
「大丈夫とは言わない。でも信じて、あなたの姉を。」
その目は完全に覚悟を決めた目だった。
こうなった姉は何を言っても聞き入れてはくれないだろう。
姉さんは自分を信じろと言った。
そして間違いなく姉さんは自分が必ずローズを救うと信じている。
なら……俺も……信じるしかないだろ!
「わかったよ、姉さん。でも最後に敵を引き付けるから、俺がいるところに向けて魔法を放ってくれ。大丈夫、俺は避けてみせるさ。逃げ足には自信があるんだ。」
それでも少しでも敵を減らしておきたいと考えたカリーは、せめてもの譲歩として最後の作戦を提案する。
ただでは従わない弟を見て、バンバーラは呆れたように笑った。
しかし、その顔を嬉しそうである。
「ほんっと、アンタは……わかったわ! 私の魔法でその生意気な尻に火をつけて上げるわよ。」
……そして次の瞬間に動き出す。
「……敵が増えていない?」
そう、今まではいくら倒しても新しい魔物が地中から這い出てきたのだが、ここにきて魔物が目に見えて減っていったのである。
魔物が増えない理由は一つしかない。
ここにダークマドウがいなくなったという事。
そして当然奴が向かう先はローズが逃げた場所。
それに気づいたカリーはダークマドウがいた位置を改めて確認すると、やはりそこに奴の姿はなかった。
「姉さん!」
カリーがその状況を伝えようと叫ぶと、バンバーラはカリーの視線を見て察する。
どうやらバンバーラも気づいたようだ。
そして一言……
「カリー! 行きなさい!」
その言葉だけで、カリーは姉が何を言いたいかを理解した。
それ意味するのは、残りの魔物全てを姉に押し付けて、自分はローズを助けに向かえという事。
だがそんな事できるわけない。
まだこの場には多くの魔物が残っている。
特に前線で敵を引き付ける自分がいなくなれば、敵は一斉に姉へと襲いかかってくるだろう。
流石の姉さんでもこれは無理だ。
そう口にしようとしたが、先にバンバーラの口が開いた。
「大丈夫とは言わない。でも信じて、あなたの姉を。」
その目は完全に覚悟を決めた目だった。
こうなった姉は何を言っても聞き入れてはくれないだろう。
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そして間違いなく姉さんは自分が必ずローズを救うと信じている。
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ただでは従わない弟を見て、バンバーラは呆れたように笑った。
しかし、その顔を嬉しそうである。
「ほんっと、アンタは……わかったわ! 私の魔法でその生意気な尻に火をつけて上げるわよ。」
……そして次の瞬間に動き出す。
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