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第三章
26 油断の代償
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「お兄様っ!!」
「くくく……ふはははははは! シルク王子、探しているのはこれの事かな?」
なんとそこにいたのは、振り切ったはずのダークマドウだった。
そしてその手に抱えられている【これ】と呼ばれのは……最愛の妹ローズ。
ダークマドウはシルク達が逃げ出している状況を見てこの場所まで先回りすると、シルクがローズを離した瞬間に呪いの鎖で引き付けたのだ。
(クソっ!! なんてざまだ。後少しで……。)
その状況にシルクは動揺していたが、ゼンは違った。
ダークマドウが声を発した瞬間には、駆け出して斬りかかる。
「もらったぁぁぁ!!」
「ふん。お前はいらぬな。」
両者の声がシルクの耳に届いたその直後、大きな爆裂音が響き渡った。
ーーそして、ゼンがシルクに向かって吹き飛んでくる。
「ぐあぁぁはぁぁぁっ!」
目の前で仰向けに倒れるゼン。
その前方には片手を前に突き出しているダークマドウがいた。
どうやらゼンの攻撃が届く前に、ダークマドウが強烈な魔法を放ったらしい。
ゼンの体は黒く焼け焦げており、大ダメージを受けているのは明らかだった。
「ゼン!! しっかりしろ! きっさまぁぁぁぁぁぁ!」
「ふむ、脆弱。やはり特別なのは勇者だけであるな。さて、これも取り返した事だ、次は……。」
「待て!! 貴様が欲しいのは俺の命だろ! 俺を殺すのはいい、だが妹は離してくれ!」
ゼンが一瞬で倒れたのを見て、シルクは一時怒りを抑えて嘆願する。
この状況で斬りかかっても一瞬で殺されるのは火を見るより明らかだった。
ならば自分の命を代償に交渉するしかない。
ーーしかし
「くくく……ふはははははは! シルク王子、探しているのはこれの事かな?」
なんとそこにいたのは、振り切ったはずのダークマドウだった。
そしてその手に抱えられている【これ】と呼ばれのは……最愛の妹ローズ。
ダークマドウはシルク達が逃げ出している状況を見てこの場所まで先回りすると、シルクがローズを離した瞬間に呪いの鎖で引き付けたのだ。
(クソっ!! なんてざまだ。後少しで……。)
その状況にシルクは動揺していたが、ゼンは違った。
ダークマドウが声を発した瞬間には、駆け出して斬りかかる。
「もらったぁぁぁ!!」
「ふん。お前はいらぬな。」
両者の声がシルクの耳に届いたその直後、大きな爆裂音が響き渡った。
ーーそして、ゼンがシルクに向かって吹き飛んでくる。
「ぐあぁぁはぁぁぁっ!」
目の前で仰向けに倒れるゼン。
その前方には片手を前に突き出しているダークマドウがいた。
どうやらゼンの攻撃が届く前に、ダークマドウが強烈な魔法を放ったらしい。
ゼンの体は黒く焼け焦げており、大ダメージを受けているのは明らかだった。
「ゼン!! しっかりしろ! きっさまぁぁぁぁぁぁ!」
「ふむ、脆弱。やはり特別なのは勇者だけであるな。さて、これも取り返した事だ、次は……。」
「待て!! 貴様が欲しいのは俺の命だろ! 俺を殺すのはいい、だが妹は離してくれ!」
ゼンが一瞬で倒れたのを見て、シルクは一時怒りを抑えて嘆願する。
この状況で斬りかかっても一瞬で殺されるのは火を見るより明らかだった。
ならば自分の命を代償に交渉するしかない。
ーーしかし
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