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第四部 サムスピジャポン編
67 過去と今
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その日の夜、シルク達に誘われて露天風呂に入った。今日がここに泊まる最終日だったので、是非とも覗きを成功させたいと考えていたのだが、その計画は頓挫する。流石に男性陣全員がいる中で隣の女湯を覗く事は不可能だった。
しかし、まだ朝風呂がある。
そう思っていたのだが……なんと翌朝に限って、シロマ達は朝風呂に入らなかったのだ。
結局、男湯にあった謎のギミックについても解明されないまま、俺は宿を背にするのだが、最後に女将さんが近づいてきて耳打ちする。
「サクセス様。男湯の秘密について聞きたい事があったのではないですか?」
(なぜそれを!?)
突然の耳打ちとその内容に驚きを隠せない。俺が覗きをしようとしていたなど、仲間も含めて誰も知らないはずだ。
「な、なんで……それを……。」
「私どもは全員クノイチにございます。ここでの全ての情報は残すところなく把握しております。」
その言葉に俺は顔を真っ赤にさせる。つまりは、俺が聞き耳を立てて息子と戯れていた事すら、女将は知っていると言っているのだ。その恐怖に背筋を凍らせながらも、俺は尋ねる。
「教えてくれるのか? あの謎のタイルについて。」
「はい。クエールのお礼もありますので、教える事は吝かではありません。あのタイルは特別な石板を上に置くことで、壁が透けて見える仕様となっております。」
「す、透けて見えるだと!?」
「はい。マジックロックという特殊な石でできておりまして、片側からのみ見える仕様になっております。疑問が解消されないままでは、悶々としてしまうでしょう。それですので、最後にお教えした次第でございます。」
何と言う事だ。そんなギミックだったなんて……。穴どころの話ではない。もしそのギミックが使えていたならば、俺は間違いなく天国へ召されていたはずだ。
悔しい。いや違う、何だろコノキモチ。後少しで届きそうで全く届かなかったような……。
「ちなみにその石板は、言えば貸してくれたのか?」
「もちろんでございます。有料でございますが。」
そう言って清々しいほどの笑顔を見せる女将。多分だが、この女将は俺の全てを見ていて楽しんでいたに違いない。だが俺はそれに対して怒りよりも恐怖が勝っていた。
(情報って怖い)
心からそう思う。
「サクセスさん、どうかしましたか? 何か宿に忘れ物でもありましたか?」
俺が女将と話していると、シロマが近づいてくる。
「いや……忘れ物はない……かな。ちょっと女将にお礼を言っていただけだよ。」
何となくバツが悪くて、言葉を濁す俺。すると、その言葉を聞いたシロマは女将に頭を下げる。
「色々とありがとうございました。素晴らしい宿でした。またいつかご利用させていただきたいと思います。」
「とんでもございません。こちらこそ、素敵なお客様の接待を出来て嬉しく思っております。是非、またのご利用をお待ちしております。」
「はい! また来ましょうね、サクセスさん!」
「あ、あぁ。……また一緒にな。」
満面の笑みを浮かべるシロマに対して、俺の表情は微妙だ。今回ギミックの事を知る事が出来たので、次回利用する際にはそれを使う事も可能だ。しかし、その全ての流れを旅館の者に見られているのであれば、俺にそれを選択することはできない。
見るのは好きだけど、見られるのは苦手なんだよね。
とまぁ、そんなこんながありながらも、俺達は邪魔大国に向けて再度進み始める。
※ ※ ※
それから俺達は、いくつもの国を通りながらも順調に邪魔大国に近づいていった。
具府、志賀を抜け、そして凶都を通り抜け、遂に邪魔大国のお膝元であるトビタティンティンに辿り着く。
ここまでとても順調な旅であった。出発当初のように凶悪な魔獣と戦う事もなければ、国の役人たちと揉める事もない。本当に何もなく順調に進めている。
変わった事があるとするならば、カリーとロゼッタの関係だろうか。
忍亭に宿泊して以降、二人の距離はとても近くなっている。あの頃はまだカリーに敬語を使って話していたロゼッタだが、今では完全に普通になっていた。
それどころか、お互いの呼び方も「カリーさん」「ロゼッタちゃん」から「カリー」「ロゼッタ」と名前を直接呼び合っている。
そんな二人だが、悔しいが俺の目から見てもお似合いだ。二人の掛け合いは、まるで昔からずっと一緒に育っていたかのようにすら思える。
「カリー、それ頂戴」
「あぁ、気を付けろよ。」
二人は現在壊れた馬車を仲良く修理しているのだが、阿吽の呼吸でテキパキと馬車を直している。
その姿は見ていて気持ちがいいくらいだ。
そんな二人の関係が気になった俺は、カリーにロゼッタをどう思っているのか聞いてみたのだが……どうもハッキリしない。
正直もう付き合っていると言われてもおかしくない程に、二人の距離は近く見えるんだけど、カリーは付き合っていないと否定した。
もしかしたら、カリーにとってロゼッタは妹みたいな存在なのかもしれない。
しかし、ロゼッタはどうだろうか?
俺はロゼッタの胸の内については、忍亭で盗み聞きしていたので知っている。そう、ロゼッタはカリーを完全に男として好きなのだ。
それであれば、既にその想いを伝えていてもおかしくはないが……あの時に言っていたように胸の内に閉まっているのだろうか?
(うーん。気になる。どうして他人の恋路ってこんなに気になるんだ)
そんな事を悶々と考えていると、カリーから声が掛かった。
「サクセス、直ったぜ! いつでもいけるぞ。」
どうやら修理が終わったらしい。当初はイモコがやると言っていたのだが、ロゼッタが修理のやり方を知りたいと言ったので、カリーが教える事になったのである。
「早かったな。流石カリーだ。」
「いや、俺だけじゃこうも早くできねぇ。ロゼッタが頑張ったからだ。」
そういってロゼッタの頭にポンっと手を優しくのせるカリー。そしてその手の下では、ロゼッタが顔を真っ赤にさせていた。
「仲良いな。夫婦みたいだぞ、カリー。」
俺はそう言ってカリーを茶化すと、ロゼッタは見ていて面白いくらいアワアワしている。
ーーだが
「俺は結婚なんてできねぇよ。それにロゼッタだって、俺じゃ嫌だろ。」
カリーは俺の言葉に、ありえないとばかりに否定する。しかし、その内容は自分を卑下したものだ。
すると、それを聞いたロゼッタは驚く程大きな声を出す。
「そんなことない!!」
どうやら、俺はまたやってしまったようだ。
余計な事を口にしたせいで、いらぬトラブルが……。
しかし、そんなロゼッタにカリーは少し悲しそうな優しい目で言った……ロゼッタにとって残酷な事を。
「いや、ロゼッタは良い男を見つけて幸せに生きて欲しい。俺みたいな放浪癖のある男じゃなくてな。」
「それなら私も一緒に放浪するわ! だからお願い。そんな事言わないで……」
まずい。一気に雰囲気が修羅場と化してしまった。
何かいい言葉がないか考えるも、何も思い浮かばない。
カリーもロゼッタの返事を聞いて何も言わないし……ロゼッタは泣いてるし。
(……どうするよ、これ。)
そんな微妙な雰囲気になってしまったこの場だが、そこにシルクが現れる。
「カリー。ちょっと来るでがんす。」
シルクは二人の間に立つと、カリーを連れて行ってしまった。その顔は怒りを感じさせる顔。ロゼッタを泣かせた事に怒ったのかな? というか、悪いの俺なんすけど。
そんな訳でその場に取り残された俺は、とりあえずロゼッタに謝罪する。
「えっと。ごめんね、ロゼッタちゃん。俺が余計な事を口にしたから……」
「いいんです。私がハッキリ自分の気持ちを言えないでいるから……今の関係が心地よくて私は甘えているんです。」
(うーん。やっぱり気持ちを伝えていなかったか。だけど、こればっかりは二人で解決してもらうしかないからな。)
「あのさ。俺はカリーの過去もよく知らないし、良いアドバイスもできないけどさ……。過去は過去。今は今だと思うよ。だから……なんていうか……。何もせずに諦めないでくれ。少しづつ前に進めばいいさ。」
俺はそう言ってロゼッタを慰めると、その顔を上げて微笑んだ。
「ありがとうございます。少しだけシロマちゃんが好きになるのがわかった気がします。そうね、うん。頑張る!」
どうやら前を向いてくれたようだ。
だが、少しだけってなんだろ。
なんか……ロゼッタちゃんの中で俺は……。
まぁとりあえず、ロゼッタも元気が戻った事だし出発するか。
しかし、まだ朝風呂がある。
そう思っていたのだが……なんと翌朝に限って、シロマ達は朝風呂に入らなかったのだ。
結局、男湯にあった謎のギミックについても解明されないまま、俺は宿を背にするのだが、最後に女将さんが近づいてきて耳打ちする。
「サクセス様。男湯の秘密について聞きたい事があったのではないですか?」
(なぜそれを!?)
突然の耳打ちとその内容に驚きを隠せない。俺が覗きをしようとしていたなど、仲間も含めて誰も知らないはずだ。
「な、なんで……それを……。」
「私どもは全員クノイチにございます。ここでの全ての情報は残すところなく把握しております。」
その言葉に俺は顔を真っ赤にさせる。つまりは、俺が聞き耳を立てて息子と戯れていた事すら、女将は知っていると言っているのだ。その恐怖に背筋を凍らせながらも、俺は尋ねる。
「教えてくれるのか? あの謎のタイルについて。」
「はい。クエールのお礼もありますので、教える事は吝かではありません。あのタイルは特別な石板を上に置くことで、壁が透けて見える仕様となっております。」
「す、透けて見えるだと!?」
「はい。マジックロックという特殊な石でできておりまして、片側からのみ見える仕様になっております。疑問が解消されないままでは、悶々としてしまうでしょう。それですので、最後にお教えした次第でございます。」
何と言う事だ。そんなギミックだったなんて……。穴どころの話ではない。もしそのギミックが使えていたならば、俺は間違いなく天国へ召されていたはずだ。
悔しい。いや違う、何だろコノキモチ。後少しで届きそうで全く届かなかったような……。
「ちなみにその石板は、言えば貸してくれたのか?」
「もちろんでございます。有料でございますが。」
そう言って清々しいほどの笑顔を見せる女将。多分だが、この女将は俺の全てを見ていて楽しんでいたに違いない。だが俺はそれに対して怒りよりも恐怖が勝っていた。
(情報って怖い)
心からそう思う。
「サクセスさん、どうかしましたか? 何か宿に忘れ物でもありましたか?」
俺が女将と話していると、シロマが近づいてくる。
「いや……忘れ物はない……かな。ちょっと女将にお礼を言っていただけだよ。」
何となくバツが悪くて、言葉を濁す俺。すると、その言葉を聞いたシロマは女将に頭を下げる。
「色々とありがとうございました。素晴らしい宿でした。またいつかご利用させていただきたいと思います。」
「とんでもございません。こちらこそ、素敵なお客様の接待を出来て嬉しく思っております。是非、またのご利用をお待ちしております。」
「はい! また来ましょうね、サクセスさん!」
「あ、あぁ。……また一緒にな。」
満面の笑みを浮かべるシロマに対して、俺の表情は微妙だ。今回ギミックの事を知る事が出来たので、次回利用する際にはそれを使う事も可能だ。しかし、その全ての流れを旅館の者に見られているのであれば、俺にそれを選択することはできない。
見るのは好きだけど、見られるのは苦手なんだよね。
とまぁ、そんなこんながありながらも、俺達は邪魔大国に向けて再度進み始める。
※ ※ ※
それから俺達は、いくつもの国を通りながらも順調に邪魔大国に近づいていった。
具府、志賀を抜け、そして凶都を通り抜け、遂に邪魔大国のお膝元であるトビタティンティンに辿り着く。
ここまでとても順調な旅であった。出発当初のように凶悪な魔獣と戦う事もなければ、国の役人たちと揉める事もない。本当に何もなく順調に進めている。
変わった事があるとするならば、カリーとロゼッタの関係だろうか。
忍亭に宿泊して以降、二人の距離はとても近くなっている。あの頃はまだカリーに敬語を使って話していたロゼッタだが、今では完全に普通になっていた。
それどころか、お互いの呼び方も「カリーさん」「ロゼッタちゃん」から「カリー」「ロゼッタ」と名前を直接呼び合っている。
そんな二人だが、悔しいが俺の目から見てもお似合いだ。二人の掛け合いは、まるで昔からずっと一緒に育っていたかのようにすら思える。
「カリー、それ頂戴」
「あぁ、気を付けろよ。」
二人は現在壊れた馬車を仲良く修理しているのだが、阿吽の呼吸でテキパキと馬車を直している。
その姿は見ていて気持ちがいいくらいだ。
そんな二人の関係が気になった俺は、カリーにロゼッタをどう思っているのか聞いてみたのだが……どうもハッキリしない。
正直もう付き合っていると言われてもおかしくない程に、二人の距離は近く見えるんだけど、カリーは付き合っていないと否定した。
もしかしたら、カリーにとってロゼッタは妹みたいな存在なのかもしれない。
しかし、ロゼッタはどうだろうか?
俺はロゼッタの胸の内については、忍亭で盗み聞きしていたので知っている。そう、ロゼッタはカリーを完全に男として好きなのだ。
それであれば、既にその想いを伝えていてもおかしくはないが……あの時に言っていたように胸の内に閉まっているのだろうか?
(うーん。気になる。どうして他人の恋路ってこんなに気になるんだ)
そんな事を悶々と考えていると、カリーから声が掛かった。
「サクセス、直ったぜ! いつでもいけるぞ。」
どうやら修理が終わったらしい。当初はイモコがやると言っていたのだが、ロゼッタが修理のやり方を知りたいと言ったので、カリーが教える事になったのである。
「早かったな。流石カリーだ。」
「いや、俺だけじゃこうも早くできねぇ。ロゼッタが頑張ったからだ。」
そういってロゼッタの頭にポンっと手を優しくのせるカリー。そしてその手の下では、ロゼッタが顔を真っ赤にさせていた。
「仲良いな。夫婦みたいだぞ、カリー。」
俺はそう言ってカリーを茶化すと、ロゼッタは見ていて面白いくらいアワアワしている。
ーーだが
「俺は結婚なんてできねぇよ。それにロゼッタだって、俺じゃ嫌だろ。」
カリーは俺の言葉に、ありえないとばかりに否定する。しかし、その内容は自分を卑下したものだ。
すると、それを聞いたロゼッタは驚く程大きな声を出す。
「そんなことない!!」
どうやら、俺はまたやってしまったようだ。
余計な事を口にしたせいで、いらぬトラブルが……。
しかし、そんなロゼッタにカリーは少し悲しそうな優しい目で言った……ロゼッタにとって残酷な事を。
「いや、ロゼッタは良い男を見つけて幸せに生きて欲しい。俺みたいな放浪癖のある男じゃなくてな。」
「それなら私も一緒に放浪するわ! だからお願い。そんな事言わないで……」
まずい。一気に雰囲気が修羅場と化してしまった。
何かいい言葉がないか考えるも、何も思い浮かばない。
カリーもロゼッタの返事を聞いて何も言わないし……ロゼッタは泣いてるし。
(……どうするよ、これ。)
そんな微妙な雰囲気になってしまったこの場だが、そこにシルクが現れる。
「カリー。ちょっと来るでがんす。」
シルクは二人の間に立つと、カリーを連れて行ってしまった。その顔は怒りを感じさせる顔。ロゼッタを泣かせた事に怒ったのかな? というか、悪いの俺なんすけど。
そんな訳でその場に取り残された俺は、とりあえずロゼッタに謝罪する。
「えっと。ごめんね、ロゼッタちゃん。俺が余計な事を口にしたから……」
「いいんです。私がハッキリ自分の気持ちを言えないでいるから……今の関係が心地よくて私は甘えているんです。」
(うーん。やっぱり気持ちを伝えていなかったか。だけど、こればっかりは二人で解決してもらうしかないからな。)
「あのさ。俺はカリーの過去もよく知らないし、良いアドバイスもできないけどさ……。過去は過去。今は今だと思うよ。だから……なんていうか……。何もせずに諦めないでくれ。少しづつ前に進めばいいさ。」
俺はそう言ってロゼッタを慰めると、その顔を上げて微笑んだ。
「ありがとうございます。少しだけシロマちゃんが好きになるのがわかった気がします。そうね、うん。頑張る!」
どうやら前を向いてくれたようだ。
だが、少しだけってなんだろ。
なんか……ロゼッタちゃんの中で俺は……。
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