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第四部 サムスピジャポン編
24 オープンカフェ
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【サクセス視点】
遡る事、ソレイユとの謁見を終えた後、俺達はカリーを城に残して街のハロワに向かっていた。
「セイメイ。ハロワに行くのは分かったけど、そこで何をするつもりなんだ?」
「はい。昨日は色々と慌ただしくて調べられなかった事を調べようかと。私が前にこの大陸にいた時に、このような事はありませんでした。それですので、ハロワの書物庫でこれまでの記録を調べようかと思います。」
「それがいいかもしれません。私もこの大陸の書物に興味がありますし、この機会に色々調べる方がよさそうです。それに下手に動いてカリーさんを心配させてもいけませんし。」
セイメイの返答を聞くと、シロマは少し楽しそうに話し始めた。
そういえば、シロマの趣味は読書だったか?
まぁ確かにカリーを心配させてもあれだし、俺もこの機会に色々知っておいた方がよさそうだな。
「魔獣についての調べ物は私にお任せくださいませ。サクセス様は、シロマ殿やイモコ殿と一緒にくつろいでいただければよろしいかと。」
「くつろぐって……。だって書物庫行くんだろ?」
「はい。ですが、ここの書物庫はオープンカフェと呼ばれており、手に取った書物を椅子に座って飲食しながら読む事が可能なのです。」
ま、まじかよ……。
大丈夫なのか、その書物庫……。
「セイメイさん。それですと、貴重な書物が汚れる危険がありませんか? 正直、本を大事にしないような所に良い情報があるとは思えませんが……。」
シロマは当然の疑問を抱く。
本というのは、前の大陸では貴重な物であり、その価値は非常に高い。
一つ一つ手書きで作るのだから、当然複写も大変だからだ。
故に、シロマとしては本がぞんざいに扱われるのは許せないらしい。
と言っても、俺としてはまったり読書できるならそれに越した事はないっちゃないんだが……汚すのが怖いぜ。
本を汚した日には、どんな事をシロマに言われるか……想像するだけでガクブルだぜ。
俺がそんな不安を顔に表していると、セイメイは微笑みながら安心させるように説明し始めた。
「安心してください。書物には汚れ止めの術が掛けられております。それにサムスピジャポンでは、本の価値はそれほど高くはございません。」
「どういう事ですか? あまり読む人がいないという事でしょうか?」
「そうではございません。ここでは活版印刷と呼ばれる技術があり、それによって本の複写は簡単なのです。その為、複製品の価値はそれほど高くはございません。ですので、安心して読書を楽しんでいただければよろしいかと。」
なるほどなぁ。
大陸が違うと、色々と文化というか文明が違うんだなぁ。
こういう驚きがあるから、冒険は楽しいなぁ。
セイメイの話を聞いて少しワクワクしていると、隣を歩いているシロマもどうやら納得したようだ。
というより、むしろ俺と同じ様に目を輝かせている。
活版印刷が気になるのか……それとも飲食可能な読書が楽しみなのか……。
「さて、説明をしていましたらいつの間にか到着しましたね。こちらが皮肥のハロワになります。オープンカフェは四階ですね、ちなみに使用料は一人千円になります。」
早速ハロワに到着すると、セイメイは俺達をオープンカフェまで案内する。
一人千円という事は、四人で四千円……高いような気もするが今は金持ちだから問題ない。
「ちなみに、ペット同伴はオッケーなのか? 流石にゲロゲロをここに置いて行くのは可哀そうだぞ?」
俺はゲロゲロを抱きながらセイメイに尋ねる。
「はい、ここではモノノ怪を連れてくる人もおりますので問題はございません。ですが、その場合はそちらの料金も支払うことになるのですが……。」
「ならよかった、じゃあ五千円でいいのかな?」
「いいえ、人間以外は一万円になりますので、一万四千円になります。」
ふぁっつ!?
なぜ10倍も取られるんだ!!
「え? それは高すぎませんか!?」
俺に代わってシロマが声を上げた。
「はい。それはですね、書物自体は汚される心配はないのですが、テーブルでしたり、椅子でしたり、そういったものは保護されておりません。ですので、ペット等が壊す事が多発したため、人間以外は値段が高く設定されているのです。」
「納得だわ。まぁ、うちのゲロゲロは悪戯なんてしないけどね!!」
「ゲロォ(おなかすいた!!)」
「ほら! 今だってお腹すいた……っておい、ゲロゲロ! 待て! それは食べるんじゃない!!」
そんな事を言った傍からゲロゲロは俺の手から離れ、飾ってある植物に成っている実を食べようとしていた。
「サクセスさん……ちゃんとゲロちゃんを見ててくださいね!」
シロマに怒られてしまった……。
なぜ、俺が……。
おのれゲロゲロめぇーー。
「さーせん……。ゲロゲロ、直ぐにご飯を頼むから我慢してくれ。」
「ゲロ!! (やったーー)」
そんな俺の心も知らずに嬉しそうにするゲロゲロ。
それを見たら、もう文句なんか言えないわ。
だって、可愛いからね。可愛いは正義だ!
そんなこんなもありながらも、俺達はオープンカフェに辿り着く。
「お、お、おぉぉぉ!! すっげ!」
「はい! これは……予想以上に素晴らしいですね!」
カフェに着くや否や、俺とシロマは感嘆の声をあげる。
目の前に広がるのは、なんともくつろげそうな食事スペース。
セイメイがいうには、これがカフェというものらしいのだが、その奥には本がびっしり並んだ本棚が無数に置かれている。
四階の半分は書物庫で、半分はカフェとなっているらしい。
横を見ると、食事や飲み物の受け渡しカウンターも見えるから、きっとあそこで注文するのだろう。
だが驚いたのはそれだけではない。
なんとここには、ソファと呼ばれる背の低い柔らかそうな椅子が沢山置かれており、その前にはガラス張りのテーブルが設置されていた。
「サクセスさん! 来てください! これ、凄くふわふわです!!」
興奮したシロマは、さっそくソファに座るとその柔らかさに感激する。
「うわっ! まじだ! 凄いなこれ。これならいくら座ってもお尻が痛くならないな。」
「ゲロゲロォ~(気持ちいぃ~)」
「お気に召していただいたようで良かったです。それでは私は早速目的の物を探してまいりますので、どうぞごゆるりとしていてください。」
「セイメイ! 某も一緒に探すでござるよ。某も色々と気になっているでござる。」
「はい、そのつもりでしたので問題ありません。では行きましょう。」
セイメイはそういうと、イモコを引き付れて奥の本棚ゾーンに向かっていった。
するとそれを見たシロマも我に返り、ソファから直ぐに立ち上がる。
「あ、サクセスさん。私も本を探してきますので、この席取っておいてくださいね!」
「え、あ、ちょ、ちょっと!!」
シロマもそれだけ言うと、セイメイと同じ方に向かって行ってしまった。
「俺、お留守番かよ……。まぁいいや、じゃあなんか飲み物やゲロゲロのご飯でも頼んでくるか。」
みんないなくなってしまったしまうと、俺は一人寂しくつぶやくと飲食カウンターに向かう。
ちなみに、ゲロゲロはソファの感触が気に入ってしまい、ソファの上で丸くなってゴロゴロしていた。
「みんな勝手なんだから! そんなに本が好きかよ……。ん? 本? 本と言えばまさか……!?」
俺はある事に気付いてしまった。
ここにどんな本があるかはわからないが、ここが書物庫であるというならば、庶民が読むような本もあるはずだ。
つまりは……た、例えば芸術関係等も……
芸術……そう芸術だ。
女体の神秘も芸術に入るはずだ!
ーーという事は……
エロ本があるかもしれねぇぇぇぇ!!
ゴクッ!!
静かなカフェに唾をのみ込む音が響く。
「これだけ広いなら……ぐへ……ぐへへへ……げへへへ。」
俺は高まる期待を胸に、いやらしい笑みを浮かべながら食事を注文しに向かうのであった。
遡る事、ソレイユとの謁見を終えた後、俺達はカリーを城に残して街のハロワに向かっていた。
「セイメイ。ハロワに行くのは分かったけど、そこで何をするつもりなんだ?」
「はい。昨日は色々と慌ただしくて調べられなかった事を調べようかと。私が前にこの大陸にいた時に、このような事はありませんでした。それですので、ハロワの書物庫でこれまでの記録を調べようかと思います。」
「それがいいかもしれません。私もこの大陸の書物に興味がありますし、この機会に色々調べる方がよさそうです。それに下手に動いてカリーさんを心配させてもいけませんし。」
セイメイの返答を聞くと、シロマは少し楽しそうに話し始めた。
そういえば、シロマの趣味は読書だったか?
まぁ確かにカリーを心配させてもあれだし、俺もこの機会に色々知っておいた方がよさそうだな。
「魔獣についての調べ物は私にお任せくださいませ。サクセス様は、シロマ殿やイモコ殿と一緒にくつろいでいただければよろしいかと。」
「くつろぐって……。だって書物庫行くんだろ?」
「はい。ですが、ここの書物庫はオープンカフェと呼ばれており、手に取った書物を椅子に座って飲食しながら読む事が可能なのです。」
ま、まじかよ……。
大丈夫なのか、その書物庫……。
「セイメイさん。それですと、貴重な書物が汚れる危険がありませんか? 正直、本を大事にしないような所に良い情報があるとは思えませんが……。」
シロマは当然の疑問を抱く。
本というのは、前の大陸では貴重な物であり、その価値は非常に高い。
一つ一つ手書きで作るのだから、当然複写も大変だからだ。
故に、シロマとしては本がぞんざいに扱われるのは許せないらしい。
と言っても、俺としてはまったり読書できるならそれに越した事はないっちゃないんだが……汚すのが怖いぜ。
本を汚した日には、どんな事をシロマに言われるか……想像するだけでガクブルだぜ。
俺がそんな不安を顔に表していると、セイメイは微笑みながら安心させるように説明し始めた。
「安心してください。書物には汚れ止めの術が掛けられております。それにサムスピジャポンでは、本の価値はそれほど高くはございません。」
「どういう事ですか? あまり読む人がいないという事でしょうか?」
「そうではございません。ここでは活版印刷と呼ばれる技術があり、それによって本の複写は簡単なのです。その為、複製品の価値はそれほど高くはございません。ですので、安心して読書を楽しんでいただければよろしいかと。」
なるほどなぁ。
大陸が違うと、色々と文化というか文明が違うんだなぁ。
こういう驚きがあるから、冒険は楽しいなぁ。
セイメイの話を聞いて少しワクワクしていると、隣を歩いているシロマもどうやら納得したようだ。
というより、むしろ俺と同じ様に目を輝かせている。
活版印刷が気になるのか……それとも飲食可能な読書が楽しみなのか……。
「さて、説明をしていましたらいつの間にか到着しましたね。こちらが皮肥のハロワになります。オープンカフェは四階ですね、ちなみに使用料は一人千円になります。」
早速ハロワに到着すると、セイメイは俺達をオープンカフェまで案内する。
一人千円という事は、四人で四千円……高いような気もするが今は金持ちだから問題ない。
「ちなみに、ペット同伴はオッケーなのか? 流石にゲロゲロをここに置いて行くのは可哀そうだぞ?」
俺はゲロゲロを抱きながらセイメイに尋ねる。
「はい、ここではモノノ怪を連れてくる人もおりますので問題はございません。ですが、その場合はそちらの料金も支払うことになるのですが……。」
「ならよかった、じゃあ五千円でいいのかな?」
「いいえ、人間以外は一万円になりますので、一万四千円になります。」
ふぁっつ!?
なぜ10倍も取られるんだ!!
「え? それは高すぎませんか!?」
俺に代わってシロマが声を上げた。
「はい。それはですね、書物自体は汚される心配はないのですが、テーブルでしたり、椅子でしたり、そういったものは保護されておりません。ですので、ペット等が壊す事が多発したため、人間以外は値段が高く設定されているのです。」
「納得だわ。まぁ、うちのゲロゲロは悪戯なんてしないけどね!!」
「ゲロォ(おなかすいた!!)」
「ほら! 今だってお腹すいた……っておい、ゲロゲロ! 待て! それは食べるんじゃない!!」
そんな事を言った傍からゲロゲロは俺の手から離れ、飾ってある植物に成っている実を食べようとしていた。
「サクセスさん……ちゃんとゲロちゃんを見ててくださいね!」
シロマに怒られてしまった……。
なぜ、俺が……。
おのれゲロゲロめぇーー。
「さーせん……。ゲロゲロ、直ぐにご飯を頼むから我慢してくれ。」
「ゲロ!! (やったーー)」
そんな俺の心も知らずに嬉しそうにするゲロゲロ。
それを見たら、もう文句なんか言えないわ。
だって、可愛いからね。可愛いは正義だ!
そんなこんなもありながらも、俺達はオープンカフェに辿り着く。
「お、お、おぉぉぉ!! すっげ!」
「はい! これは……予想以上に素晴らしいですね!」
カフェに着くや否や、俺とシロマは感嘆の声をあげる。
目の前に広がるのは、なんともくつろげそうな食事スペース。
セイメイがいうには、これがカフェというものらしいのだが、その奥には本がびっしり並んだ本棚が無数に置かれている。
四階の半分は書物庫で、半分はカフェとなっているらしい。
横を見ると、食事や飲み物の受け渡しカウンターも見えるから、きっとあそこで注文するのだろう。
だが驚いたのはそれだけではない。
なんとここには、ソファと呼ばれる背の低い柔らかそうな椅子が沢山置かれており、その前にはガラス張りのテーブルが設置されていた。
「サクセスさん! 来てください! これ、凄くふわふわです!!」
興奮したシロマは、さっそくソファに座るとその柔らかさに感激する。
「うわっ! まじだ! 凄いなこれ。これならいくら座ってもお尻が痛くならないな。」
「ゲロゲロォ~(気持ちいぃ~)」
「お気に召していただいたようで良かったです。それでは私は早速目的の物を探してまいりますので、どうぞごゆるりとしていてください。」
「セイメイ! 某も一緒に探すでござるよ。某も色々と気になっているでござる。」
「はい、そのつもりでしたので問題ありません。では行きましょう。」
セイメイはそういうと、イモコを引き付れて奥の本棚ゾーンに向かっていった。
するとそれを見たシロマも我に返り、ソファから直ぐに立ち上がる。
「あ、サクセスさん。私も本を探してきますので、この席取っておいてくださいね!」
「え、あ、ちょ、ちょっと!!」
シロマもそれだけ言うと、セイメイと同じ方に向かって行ってしまった。
「俺、お留守番かよ……。まぁいいや、じゃあなんか飲み物やゲロゲロのご飯でも頼んでくるか。」
みんないなくなってしまったしまうと、俺は一人寂しくつぶやくと飲食カウンターに向かう。
ちなみに、ゲロゲロはソファの感触が気に入ってしまい、ソファの上で丸くなってゴロゴロしていた。
「みんな勝手なんだから! そんなに本が好きかよ……。ん? 本? 本と言えばまさか……!?」
俺はある事に気付いてしまった。
ここにどんな本があるかはわからないが、ここが書物庫であるというならば、庶民が読むような本もあるはずだ。
つまりは……た、例えば芸術関係等も……
芸術……そう芸術だ。
女体の神秘も芸術に入るはずだ!
ーーという事は……
エロ本があるかもしれねぇぇぇぇ!!
ゴクッ!!
静かなカフェに唾をのみ込む音が響く。
「これだけ広いなら……ぐへ……ぐへへへ……げへへへ。」
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