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第三部 オーブを求めて
第七十一話 ありがとう
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ちょっと色んな意味でドキドキしてしまった俺だが、ちらっと脱衣所に目を向けるとまだ人影が残っている。
どうやらシロマは脱衣所から出ていないらしい。
混乱しているのかな?
「あ、あの……サクセスさん。聞こえますか?」
そして、そのシロマから声を掛けられた。
なんだ?
何を言う気だ?
まさか……
思ったより、あそこは子供なんですね?
それでマックスですか? プークスクス
とか言われたら、泣くぞマジで。
いや、シロマがそんなビッチなわけがない!
シロマを信じろ!
「ど、どうしたんだ、シロマ?」
よくわからない緊張から声が震える。
「もしよければ……私も一緒に入っていいですか? あっ! 違うんです。 このまま私が出ると鍵が開けっ放しになっちゃうし、それでその……。」
ふぁっつ!?
なんか必死にシロマは弁解しているが、そんな事はどうでもいい。
今、なんっつった?
一緒に入るだと!?
どういうことだ。
シロマがそんな大胆な事をするわけがねぇ。
まさか、モンスターがシロマに化けて……。
いやモンスターでもなんでも、この際ウェルカムだ!
シロマの裸を堂々と見れるなら、おつりがくるぜ!
「いい……よ。とりあえず、俺は窓の方見てるから……。」
「はい、よろしくお願いします。」
よろしくお願いされちまった。
どうしよ。
さっきから心臓がバクバクいってるんですけど。
これフラグだよね?
絶対そうだよね!?
「は、はいります……ね。」
「お、おう、ゆっくりしていってくれ!」
俺は何を言っているんだ?
テンパり過ぎて何を言っているのか自分でもわからん。
ザバァ……
シロマが掛け湯をする音が聞こえる。
早く見たい!
けど、見れない!
俺は見たい気持ちが昂るものの、いざとなると、顔が窓から離れない。
どうする俺……っは!
ガ、ガラスが……反射しているだと!?
本来海の景色を見ることができる強化ガラスは、海が真っ暗な事もあり、内側の光を反射して鏡のように俺の見たい後方を映していた。
ついてるぜ!
それに気づいた俺は、バレないようにそっと、掛け湯をしているシロマをガラス越しにガン見する。
っち!
タオルだと!
お風呂にタオルはマナー違反ですよ!!
残念な事にシロマは裸ではなく、大きめのタオルを体に巻き付けていた。
ん? まてよ……。
シロマはともかく、俺は大きなタオルなんてないぞ。
つまり……俺だけはこのパーフェクトエレファントをさらけ出さなければならないということ!?
恥ずかしいやら……嬉しいやら……興奮するやら……
パァァァァァァァ
あぁ、扉が開きました!
エロ神様!
また私の新しい扉を開いてくれるのですね?
「サ、サクセスさん。入ってもよろしいですか? あと、恥ずかしいので灯りは消しますね。」
シロマはそう言うと、壁に設置されている魔法のランプの灯を消す。
真っ暗じゃねぇか!!
なんも見えんし、見せられんわ!!
ちゃぽっ……
そしてシロマがお湯に浸かってくる。
この風呂桶は、大人三人は入れそうだが、そこまで大きくはない。
つまり、ちょっと動けば密着する大きさだ。
「あっ……。」
そして案の定、俺の伸ばした足が何か柔らかい物に当たる。
どこだ?
今俺が触れたのはどこだ!!
見るんだ! 心の瞳で!
「ごめん、ちょっと狭いな。てか、暗くて全然見えないんだけど、灯りつけちゃダメ?」
「ま、まだダメです!」
まだ?
何期待させるような事いってんの?
オラ、もう限界だべよ。
「そうだ、サクセスさん。背中流しましょうか?」
「え? いいの? っていうか、見えなくない?」
「はい、でも少しづつですが目が慣れてきました。」
確かに少しづつだが、周りが見え始めている。
消えた瞬間は真っ暗だったが、今は朧気ながらも形くらいは見れるようになった。
その時俺はある物を発見する。
ん? なんだあれは?
白くて、長い……あれは! まさか!?
さっきまでシロマがつけていたタオル!?
……という事は、今俺の目の前にいるのは、マッパの女神!?
パ、パオォォォォーン!!
遂に俺のエレファントが第二形態に進化する。
こいつわ、やばいぜ。
はっはっは、見てるかトンズラ?
お前の呪いなんてうち滅ぼしてくれるわ!
「どうしたんですか? サクセスさんから出てもらわないと困ります。」
「い、いや。なんでもないっぺ。んじゃでるっちゃよ。」
そう言いながら、一瞬シロマの方を見てお湯から出るが、やはり完全に目が慣れていないせいで、よく見えない。
そして、俺は椅子桶に座ると、シロマも出てきて、優しくタオルで背中をコスリ始める。
ゴシゴシ……ゴシゴシ……。
ざぱぁぁぁ!
「やっぱりサクセスさんは男の人ですね。お父様と同じように背中が広いです。」
「お、おう。俺の事は親父と呼んでもいいべさ。」
俺は何を言っているんだ?
さっきから、擦られる快感と膨らむ妄想で現実世界に戻れないぞ。
「ふふっ。照れてるんですね、サクセスさん。可愛いですね。」
「照れてないっぺよ! ちょっと気持ちいいだけだべ。」
「言葉に出てますよ。」
あぁ、またか。
くそ、これのせいでいつも俺は……。
「はい、終わりました。前は自分で洗ってくださいね。」
「は、はい。」
「それとそのまま前を向いていて下さい。私も体を洗いますので。」
「お、おでが洗うべさ。」
「サクセスさんのエッチ! ダメです。まだ……。」
まだ?
さっきからまだって何の事なんだ?
これは期待していいのか?
いいよね? エロ神様?
だが期待空しく、その後も特に何も起こることなくお互い体と頭を洗い終えてしまった。
そして、意を決して振り返ってシロマを見ると、既にその体にはタオルが巻かれている。
どうすんだよぉぉぉ!
この期待に溢れたマンモスさんを!
泣いてるじゃないか!
くそ、どういうことだ。
今日は随分シロマの手で踊らされているぞ。
いつの間にこんなにビッチになったんだ。
そんな事を考えてシロマを見ると、なぜかシロマは泣いていた。
なんで?
ちょっとまって?
まじで意味わからない。
「シ、シロマ? どうしたんだ? いきなり? オラ、まだ何もしてねぇっぺよ!」
焦る俺。
まるで俺が何かしたかのようじゃないか。
「ごめんなさい。違うんです。なんだかホッとしてしまって。私、本当はこっちの世界に戻れないかもしれないと思っていました。そして戻ってこれたらやっぱりサクセスさんはサクセスさんで……ごめんなさい。ちょっと何言ってるかわかりませんよね。」
どうやら、俺が何かしたせいで泣いているわけではなさそうだ。
しかし、まぁなんつうか、そうだよな。
シロマは多分口にしてはいないけど、かなり厳しい時を過ごしてきたはずだ。
それなのに、そんな素振り一切見せずに……。
ごめんな、シロマ。
「よく頑張ったなシロマ。俺はシロマが転職できなかったとしても、戻ってきてくれたことが一番嬉しいんだ。ありがとう。今更だけど、俺からシロマに帰還祝いをしてあげるよ。【レミオール】」
俺はそう言うと、強化ガラスの外に向けて光魔法を放つ。
レミオールはガラスをすり抜けて、海に光を灯した。
すると、強化ガラス越しに幻想的な海の神秘が映し出される。
「綺麗……。」
その光景を見て、シロマは言葉を漏らす。
ふとシロマの顔を見ると、嬉しいような、悲しいような、そんな複雑な表情と涙の跡が見て取れた。
「凄いな。海って……。普段見えないのに、こんなに素敵な世界が広がっているんだな。」
「そうですね。本当に素敵です。リーチュンやイーゼさんにも……見せてあげたいです。」
あぁ、そうか。
さっきからシロマが気にしていたのは二人の事か。
そうだよな、実際に自分が経験している分、二人の事が心配なんだろう。
まだって言うのはそういうことか……。
「ありがとうございます、サクセスさん。」
「ん? こんな事ならいつでもやってあげるよ。」
「そうじゃありません。生きていてくれてありがとうございます。そして、私と出会ってくれてありがとうございます。」
シロマはまたしても瞳に涙を浮かべながら、その笑顔を俺に向ける。
儚くも、憂いを含んだその笑顔に、俺の胸はギュッと締め付けられた。
守らなきゃ。
何があっても、俺はこの子を守らなくてはいけない!
そして、二人はそのまま……
という事にはならず……
バタん!
「え? サクセスさん!? 大丈夫ですか!?」
俺はそのまま湯あたりして気を失うのであった。
これこそが童貞の呪いの効果なのかもしれない。
とんずらぁぁぁぁぁぁぁ!
どうやらシロマは脱衣所から出ていないらしい。
混乱しているのかな?
「あ、あの……サクセスさん。聞こえますか?」
そして、そのシロマから声を掛けられた。
なんだ?
何を言う気だ?
まさか……
思ったより、あそこは子供なんですね?
それでマックスですか? プークスクス
とか言われたら、泣くぞマジで。
いや、シロマがそんなビッチなわけがない!
シロマを信じろ!
「ど、どうしたんだ、シロマ?」
よくわからない緊張から声が震える。
「もしよければ……私も一緒に入っていいですか? あっ! 違うんです。 このまま私が出ると鍵が開けっ放しになっちゃうし、それでその……。」
ふぁっつ!?
なんか必死にシロマは弁解しているが、そんな事はどうでもいい。
今、なんっつった?
一緒に入るだと!?
どういうことだ。
シロマがそんな大胆な事をするわけがねぇ。
まさか、モンスターがシロマに化けて……。
いやモンスターでもなんでも、この際ウェルカムだ!
シロマの裸を堂々と見れるなら、おつりがくるぜ!
「いい……よ。とりあえず、俺は窓の方見てるから……。」
「はい、よろしくお願いします。」
よろしくお願いされちまった。
どうしよ。
さっきから心臓がバクバクいってるんですけど。
これフラグだよね?
絶対そうだよね!?
「は、はいります……ね。」
「お、おう、ゆっくりしていってくれ!」
俺は何を言っているんだ?
テンパり過ぎて何を言っているのか自分でもわからん。
ザバァ……
シロマが掛け湯をする音が聞こえる。
早く見たい!
けど、見れない!
俺は見たい気持ちが昂るものの、いざとなると、顔が窓から離れない。
どうする俺……っは!
ガ、ガラスが……反射しているだと!?
本来海の景色を見ることができる強化ガラスは、海が真っ暗な事もあり、内側の光を反射して鏡のように俺の見たい後方を映していた。
ついてるぜ!
それに気づいた俺は、バレないようにそっと、掛け湯をしているシロマをガラス越しにガン見する。
っち!
タオルだと!
お風呂にタオルはマナー違反ですよ!!
残念な事にシロマは裸ではなく、大きめのタオルを体に巻き付けていた。
ん? まてよ……。
シロマはともかく、俺は大きなタオルなんてないぞ。
つまり……俺だけはこのパーフェクトエレファントをさらけ出さなければならないということ!?
恥ずかしいやら……嬉しいやら……興奮するやら……
パァァァァァァァ
あぁ、扉が開きました!
エロ神様!
また私の新しい扉を開いてくれるのですね?
「サ、サクセスさん。入ってもよろしいですか? あと、恥ずかしいので灯りは消しますね。」
シロマはそう言うと、壁に設置されている魔法のランプの灯を消す。
真っ暗じゃねぇか!!
なんも見えんし、見せられんわ!!
ちゃぽっ……
そしてシロマがお湯に浸かってくる。
この風呂桶は、大人三人は入れそうだが、そこまで大きくはない。
つまり、ちょっと動けば密着する大きさだ。
「あっ……。」
そして案の定、俺の伸ばした足が何か柔らかい物に当たる。
どこだ?
今俺が触れたのはどこだ!!
見るんだ! 心の瞳で!
「ごめん、ちょっと狭いな。てか、暗くて全然見えないんだけど、灯りつけちゃダメ?」
「ま、まだダメです!」
まだ?
何期待させるような事いってんの?
オラ、もう限界だべよ。
「そうだ、サクセスさん。背中流しましょうか?」
「え? いいの? っていうか、見えなくない?」
「はい、でも少しづつですが目が慣れてきました。」
確かに少しづつだが、周りが見え始めている。
消えた瞬間は真っ暗だったが、今は朧気ながらも形くらいは見れるようになった。
その時俺はある物を発見する。
ん? なんだあれは?
白くて、長い……あれは! まさか!?
さっきまでシロマがつけていたタオル!?
……という事は、今俺の目の前にいるのは、マッパの女神!?
パ、パオォォォォーン!!
遂に俺のエレファントが第二形態に進化する。
こいつわ、やばいぜ。
はっはっは、見てるかトンズラ?
お前の呪いなんてうち滅ぼしてくれるわ!
「どうしたんですか? サクセスさんから出てもらわないと困ります。」
「い、いや。なんでもないっぺ。んじゃでるっちゃよ。」
そう言いながら、一瞬シロマの方を見てお湯から出るが、やはり完全に目が慣れていないせいで、よく見えない。
そして、俺は椅子桶に座ると、シロマも出てきて、優しくタオルで背中をコスリ始める。
ゴシゴシ……ゴシゴシ……。
ざぱぁぁぁ!
「やっぱりサクセスさんは男の人ですね。お父様と同じように背中が広いです。」
「お、おう。俺の事は親父と呼んでもいいべさ。」
俺は何を言っているんだ?
さっきから、擦られる快感と膨らむ妄想で現実世界に戻れないぞ。
「ふふっ。照れてるんですね、サクセスさん。可愛いですね。」
「照れてないっぺよ! ちょっと気持ちいいだけだべ。」
「言葉に出てますよ。」
あぁ、またか。
くそ、これのせいでいつも俺は……。
「はい、終わりました。前は自分で洗ってくださいね。」
「は、はい。」
「それとそのまま前を向いていて下さい。私も体を洗いますので。」
「お、おでが洗うべさ。」
「サクセスさんのエッチ! ダメです。まだ……。」
まだ?
さっきからまだって何の事なんだ?
これは期待していいのか?
いいよね? エロ神様?
だが期待空しく、その後も特に何も起こることなくお互い体と頭を洗い終えてしまった。
そして、意を決して振り返ってシロマを見ると、既にその体にはタオルが巻かれている。
どうすんだよぉぉぉ!
この期待に溢れたマンモスさんを!
泣いてるじゃないか!
くそ、どういうことだ。
今日は随分シロマの手で踊らされているぞ。
いつの間にこんなにビッチになったんだ。
そんな事を考えてシロマを見ると、なぜかシロマは泣いていた。
なんで?
ちょっとまって?
まじで意味わからない。
「シ、シロマ? どうしたんだ? いきなり? オラ、まだ何もしてねぇっぺよ!」
焦る俺。
まるで俺が何かしたかのようじゃないか。
「ごめんなさい。違うんです。なんだかホッとしてしまって。私、本当はこっちの世界に戻れないかもしれないと思っていました。そして戻ってこれたらやっぱりサクセスさんはサクセスさんで……ごめんなさい。ちょっと何言ってるかわかりませんよね。」
どうやら、俺が何かしたせいで泣いているわけではなさそうだ。
しかし、まぁなんつうか、そうだよな。
シロマは多分口にしてはいないけど、かなり厳しい時を過ごしてきたはずだ。
それなのに、そんな素振り一切見せずに……。
ごめんな、シロマ。
「よく頑張ったなシロマ。俺はシロマが転職できなかったとしても、戻ってきてくれたことが一番嬉しいんだ。ありがとう。今更だけど、俺からシロマに帰還祝いをしてあげるよ。【レミオール】」
俺はそう言うと、強化ガラスの外に向けて光魔法を放つ。
レミオールはガラスをすり抜けて、海に光を灯した。
すると、強化ガラス越しに幻想的な海の神秘が映し出される。
「綺麗……。」
その光景を見て、シロマは言葉を漏らす。
ふとシロマの顔を見ると、嬉しいような、悲しいような、そんな複雑な表情と涙の跡が見て取れた。
「凄いな。海って……。普段見えないのに、こんなに素敵な世界が広がっているんだな。」
「そうですね。本当に素敵です。リーチュンやイーゼさんにも……見せてあげたいです。」
あぁ、そうか。
さっきからシロマが気にしていたのは二人の事か。
そうだよな、実際に自分が経験している分、二人の事が心配なんだろう。
まだって言うのはそういうことか……。
「ありがとうございます、サクセスさん。」
「ん? こんな事ならいつでもやってあげるよ。」
「そうじゃありません。生きていてくれてありがとうございます。そして、私と出会ってくれてありがとうございます。」
シロマはまたしても瞳に涙を浮かべながら、その笑顔を俺に向ける。
儚くも、憂いを含んだその笑顔に、俺の胸はギュッと締め付けられた。
守らなきゃ。
何があっても、俺はこの子を守らなくてはいけない!
そして、二人はそのまま……
という事にはならず……
バタん!
「え? サクセスさん!? 大丈夫ですか!?」
俺はそのまま湯あたりして気を失うのであった。
これこそが童貞の呪いの効果なのかもしれない。
とんずらぁぁぁぁぁぁぁ!
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