224 / 397
第三部 オーブを求めて
第六十七話 サムスピ伝記
しおりを挟む
サムスピジャポンとは、かつて初めての人魔大戦がはじまる以前より繁栄してきた国。
その大陸には、なぜか魔王のような存在も現れず、また外界の魔王に襲われることもなかった。
しかし、それには秘密があったのだ。
サムスピジャポンが生まれた大陸は、本来神獣の住処として、この世界から隔離された大陸。
その神獣が強力な結界を張っていたために、魔に属するものはそこに踏み入れることができなかったのである。
しかしある時、そこに偶然辿り着いた人族達がいた。
辿り着いた人族達は、そこにある豊富な資源や大地の恵みに驚き、そこに根を張り始める。
やがて長い時を経て、人族はその大陸にどんどん増えていく。
すると人が増え続けた事で、次第に山は切り崩されていき、海は汚れ、昔あった本来の姿は消えていく。
更には、くだらない人同士の争いで、残り少ない豊かな恵みさえも汚染されていてしまった。
そのような状況になっていても、神獣は動かなかった。
それほど愚かな種族であれば、やがて自然に滅びるであろうと考えたからである。
だが予想とは裏腹に、やがて人族は一つの国に統率されていき、更なる繁栄を遂げていった。
これ以上はまずい
と思った神獣は、遂に人族を殲滅し始める。
しかし、その時人族に特別な力……そう巫女と呼ばれる者が行う
【神落とし】
と呼ばれる儀式により、人族に神が舞い降りた。
その神は人族に力を与え、最終的には神獣を退けることになる。
これで完全に人による世界が約束されたと思われた人族だったが、地上に落ちてきた神は良い神だけではなかった。
邪神と呼ばれる神も一緒に舞い降りて、今度は邪神によって人は滅ぼされそうになる。
邪神によって、他の神達は天界とよばれるところに送り返され、人が頼りにできる神は残り一人だけになった。
その神もまた、大陸に封印されてしまい、もはや邪神に抗う術はなくなった。
しかし、そこに救いの神……いや、救いの神獣が現れる。
人族によって大陸の隅に追いやられた神獣であったが、ある一人の人間と出会い、その人間の為だけに邪神に挑んだのだ。
神獣は強かった。
力を蓄え続けた神獣は、本来神ですら手が出せない程に強い。
故に邪神でも神獣には歯が立たない。
以前、神獣が人族から退けられたのも負けたからではない。
人族が落とした神の中に、神獣の愛する神がおり、その神に諭されて神獣は退いたのである。
しかしその神は、邪神によって天界送りではなく、滅ぼされてしまった。
神獣は悲しむと同時に、これも一つの運命であると考え、静かに眠りにつく。
だが、その眠りを覚ました者がおり、その者は神獣が愛した神の欠片を宿した者だった。
神獣は、その者と出会い、その者を守るためだけに邪神と戦う事を決意する。
その後、神獣はその者と共に邪神を倒す事になるが、神獣もまた全ての力を使い果たし、卵に戻ってしまった。
ここで終わればハッピーエンドといったところであったが、実は終わっていない。
邪神は死ぬ間際に、大陸に1匹の魔獣を産み落としたのだ。
それこそが、最悪にして災厄とよばれる【ウロボロス】と呼ばれる魔獣。
神獣がいなくなったその大陸で、今度はウロボロスが暴れまわり、破壊の限りを尽くす。
神獣がいなくなってしまったその大陸に、抗う術はない。
しかし、そこで立ち上がったのが、神獣と一緒に戦った者【ダイワタケル】である。
神獣が卵に戻り、悲しみにくれたダイワタケルであったが、神獣が守ってくれた国を今度は自分が守る番だと、命をなげうってウロボロスに挑み、そして遂にはその命と共に封印を成功させる。
そして現在に至るのであるが、その封印が間もなく解けるらしい。
そうなれば、今度こそサムスピジャポンは滅びるであろう。
その来たる決戦に向けて戦力を集めるため、外界に派遣されたのがイモコ達という事だった。
ウロボロスの封印が解け始めるにつれて、サムスピジャポンにも凶悪な魔物が現れだす。
その討伐に多くの戦士たちは割かれ、派遣されたのはごく一部だそうだ。
ちなみにだが、封印が解けるまでまだ3年あるらしい。
つまり、俺達が行く頃にはまだまだ先の話だ。
だが、卑弥呼に俺達の事を伝えれば、間違いなく厄災が復活するまで拘束される可能性が高いとのこと。
困ったな。
直ぐにでも戦えるならともかく、3年は無理。
俺は直ぐにでもオーブを集め、そしてビビアンを救わなければならない。
とはいえ必ず戦いに戻ってくるから、待っててくれってのは無理だろうなぁ。
どうしたもんか。
まぁでも、キマイラの翼を登録しちゃえばよくね?
と思って聞いてみたのだが、聞いた俺が馬鹿だった。
そもそも、そんな手が使えるなら、イモコ達がいるのにわざわざ船を使ってサムスピジャポンを目指さない。
要は、キマイラの翼は使えないってことである。
神獣がかつて張った結界が、今もまだ健在であるため、霊獣のキマイラが入る事はできないらしい。
とまぁそんな訳で、サムスピジャポンに到着したところで【ウロボロス】とは戦えないし、また、大陸から逃げる方法もわからない。
最終的に【ウロボロス】と戦うのはいいんだが、拘束期間が長すぎだ。
そして肝心のウロボロスの情報が全くないというのも、頭を痛めてしまう。
伝承に伝わるウロボロスは、沢山ある伝承事に姿形が全く異なり、どれも信憑性がないらしい。
つまり、確実な情報はなし。
しいて言うならば、卑弥呼だけは何か知っている可能性があるとのこと。
いずれにしても、決して油断できる相手ではなさそうだ。
イモコがあれだけ修行に執着していた理由が、今ならわかる。
俺もまた、サムスピジャポンに行くまでにできる事を精一杯やっておこう。
そして、難しい事は全てシロマに投げてしまおう!!
任せたぞ! 天才シロマ!
その大陸には、なぜか魔王のような存在も現れず、また外界の魔王に襲われることもなかった。
しかし、それには秘密があったのだ。
サムスピジャポンが生まれた大陸は、本来神獣の住処として、この世界から隔離された大陸。
その神獣が強力な結界を張っていたために、魔に属するものはそこに踏み入れることができなかったのである。
しかしある時、そこに偶然辿り着いた人族達がいた。
辿り着いた人族達は、そこにある豊富な資源や大地の恵みに驚き、そこに根を張り始める。
やがて長い時を経て、人族はその大陸にどんどん増えていく。
すると人が増え続けた事で、次第に山は切り崩されていき、海は汚れ、昔あった本来の姿は消えていく。
更には、くだらない人同士の争いで、残り少ない豊かな恵みさえも汚染されていてしまった。
そのような状況になっていても、神獣は動かなかった。
それほど愚かな種族であれば、やがて自然に滅びるであろうと考えたからである。
だが予想とは裏腹に、やがて人族は一つの国に統率されていき、更なる繁栄を遂げていった。
これ以上はまずい
と思った神獣は、遂に人族を殲滅し始める。
しかし、その時人族に特別な力……そう巫女と呼ばれる者が行う
【神落とし】
と呼ばれる儀式により、人族に神が舞い降りた。
その神は人族に力を与え、最終的には神獣を退けることになる。
これで完全に人による世界が約束されたと思われた人族だったが、地上に落ちてきた神は良い神だけではなかった。
邪神と呼ばれる神も一緒に舞い降りて、今度は邪神によって人は滅ぼされそうになる。
邪神によって、他の神達は天界とよばれるところに送り返され、人が頼りにできる神は残り一人だけになった。
その神もまた、大陸に封印されてしまい、もはや邪神に抗う術はなくなった。
しかし、そこに救いの神……いや、救いの神獣が現れる。
人族によって大陸の隅に追いやられた神獣であったが、ある一人の人間と出会い、その人間の為だけに邪神に挑んだのだ。
神獣は強かった。
力を蓄え続けた神獣は、本来神ですら手が出せない程に強い。
故に邪神でも神獣には歯が立たない。
以前、神獣が人族から退けられたのも負けたからではない。
人族が落とした神の中に、神獣の愛する神がおり、その神に諭されて神獣は退いたのである。
しかしその神は、邪神によって天界送りではなく、滅ぼされてしまった。
神獣は悲しむと同時に、これも一つの運命であると考え、静かに眠りにつく。
だが、その眠りを覚ました者がおり、その者は神獣が愛した神の欠片を宿した者だった。
神獣は、その者と出会い、その者を守るためだけに邪神と戦う事を決意する。
その後、神獣はその者と共に邪神を倒す事になるが、神獣もまた全ての力を使い果たし、卵に戻ってしまった。
ここで終わればハッピーエンドといったところであったが、実は終わっていない。
邪神は死ぬ間際に、大陸に1匹の魔獣を産み落としたのだ。
それこそが、最悪にして災厄とよばれる【ウロボロス】と呼ばれる魔獣。
神獣がいなくなったその大陸で、今度はウロボロスが暴れまわり、破壊の限りを尽くす。
神獣がいなくなってしまったその大陸に、抗う術はない。
しかし、そこで立ち上がったのが、神獣と一緒に戦った者【ダイワタケル】である。
神獣が卵に戻り、悲しみにくれたダイワタケルであったが、神獣が守ってくれた国を今度は自分が守る番だと、命をなげうってウロボロスに挑み、そして遂にはその命と共に封印を成功させる。
そして現在に至るのであるが、その封印が間もなく解けるらしい。
そうなれば、今度こそサムスピジャポンは滅びるであろう。
その来たる決戦に向けて戦力を集めるため、外界に派遣されたのがイモコ達という事だった。
ウロボロスの封印が解け始めるにつれて、サムスピジャポンにも凶悪な魔物が現れだす。
その討伐に多くの戦士たちは割かれ、派遣されたのはごく一部だそうだ。
ちなみにだが、封印が解けるまでまだ3年あるらしい。
つまり、俺達が行く頃にはまだまだ先の話だ。
だが、卑弥呼に俺達の事を伝えれば、間違いなく厄災が復活するまで拘束される可能性が高いとのこと。
困ったな。
直ぐにでも戦えるならともかく、3年は無理。
俺は直ぐにでもオーブを集め、そしてビビアンを救わなければならない。
とはいえ必ず戦いに戻ってくるから、待っててくれってのは無理だろうなぁ。
どうしたもんか。
まぁでも、キマイラの翼を登録しちゃえばよくね?
と思って聞いてみたのだが、聞いた俺が馬鹿だった。
そもそも、そんな手が使えるなら、イモコ達がいるのにわざわざ船を使ってサムスピジャポンを目指さない。
要は、キマイラの翼は使えないってことである。
神獣がかつて張った結界が、今もまだ健在であるため、霊獣のキマイラが入る事はできないらしい。
とまぁそんな訳で、サムスピジャポンに到着したところで【ウロボロス】とは戦えないし、また、大陸から逃げる方法もわからない。
最終的に【ウロボロス】と戦うのはいいんだが、拘束期間が長すぎだ。
そして肝心のウロボロスの情報が全くないというのも、頭を痛めてしまう。
伝承に伝わるウロボロスは、沢山ある伝承事に姿形が全く異なり、どれも信憑性がないらしい。
つまり、確実な情報はなし。
しいて言うならば、卑弥呼だけは何か知っている可能性があるとのこと。
いずれにしても、決して油断できる相手ではなさそうだ。
イモコがあれだけ修行に執着していた理由が、今ならわかる。
俺もまた、サムスピジャポンに行くまでにできる事を精一杯やっておこう。
そして、難しい事は全てシロマに投げてしまおう!!
任せたぞ! 天才シロマ!
0
お気に入りに追加
290
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。
聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる