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第三部 オーブを求めて
第六十一話 BBQ②
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イモコは、最初からこんな立派な船には乗っていなかった。
そして、船員に恵まれて旅をしたのも、サムスピジャポンから剣闘士として派遣された時が初めてである。
それまでは、だらしない船員と一緒に航海したり、ボロボロの船にのって旅をしたことだって何度もあった。
その度に、命の危険を何度も脅かされながら、ここまで生きてきている。
つまり、今に至るまで海の怖さや航海の厳しさを身をもって体験しているのだった。
それゆえに、イモコの言葉は重い。
「ごめんな、イモコ……。そうだよな、これが当たり前じゃないんだよな。浮かれていた自分を殴りたい気分だぜ。」
「も、申し訳ないでござる! そんなつもりで言った訳ではないでござるよ! 師匠は良いでござる! この船も食材もメンバーも師匠が自分の力で手に入れたでござるよ。だから……。」
必死に弁解をしようとするイモコ。
しかし、満腹中枢が刺激され過ぎて、頭がうまく働かず、いい言葉が出てこない。
そこにカリーが割って入ってきた。
「そうだぜ、サクセス。楽しい時や幸せな時は、全力でそれを謳歌するのが冒険者ってもんだ。辛い事もあるだろうが、それはそれ。これはこれだ。」
よく見るとカリーの顔が赤い。
普段言わないようなくさいセリフを平然と吐いているところをみると……酔ってるな。
カリーはいつの間にか酒を飲んでいたようである。
別に悪いとは言わないけど、この後、会議の続きするつもりなんだがな。
「カリー殿の言う通りでござる。今はこの環境に感謝して、楽しみながら確実に目的地に向かうでござるよ。それに、師匠達がいればこの船は安全でござる。」
「ん? どういうことだ?」
「航海で船が沈む一番の原因は、強力な魔物の襲撃でござる。聖水を使った装置を装備しているため、比較的魔物は寄ってこないようにはなっているでござるが、100%ではないでござる。特に強い力を持った魔物は聖水があっても、襲撃してくるでござるよ。」
そうか、海だからと言って安心はできないのか。
すっかり忘れていたが、そう考えると、いつでも戦えるように装備だけはしっかりつけていなきゃだな。
「そうか、その時は任せてくれ。イモコ達に倒せない魔物がいるとも思えないが、戦闘になったら率先して戦えわせてもらうよ。俺にできることなんてそれくらいだしな。」
「それくらいってことはないでござる。航海で雇う冒険者への対価は非常に高いでござるよ。それが師匠レベルの戦闘力となったら、10万ゴールド積んでも足りないでござる。つまり、師匠達がいるだけで、この船は世界一安全な船になったでござるよ。」
なるほどなぁ~。
航海について全く知らないことばかりだったけど、そういう考えもあるのか。
とはいえ、やっぱり普段何もしないでいるのは、ちょっと申し訳ないな。
とりあえず手始めに、BBQの片づけくらいはやらせてもらおう。
「わかった。それでも言わせてくれ、イモコ。ありがとう。そして頼りにしている。じゃあ、この片づけは俺達に任せてくれ。」
「それはできないでござるっといっても、毎回師匠の厚意を断るのもしのびないでござるな。わかったでござる。一緒に片づけを手伝ってほしいでござるよ。それが終わったら、植物園に案内するでござる。」
今回も断られるかと思ったが、イモコは許可してくれた。
やはり、イモコは本当に空気が読める奴だな。
「カリー、片付けすんぞ!」
「おお? まだ飲んでるじゃねぇか。」
「それ以上は夜にしておきなよ。いつ魔物が襲ってくるかわからないんだし、ほどほどにしてくれ。」
「あ、あぁ……。そうだな、ちょっと俺も浮かれすぎたぜ。わかった、片付けるか。」
魔物っという言葉でカリーは酔いが覚めたらしい。
なんだかんだいって、カリーの危機意識は高いからな。
まぁ、とりあえずこの散らかしたゴミや皿洗い等は俺達がしなくてはならん。
誰かがやってくれるだろ?
とかいう奴は最低の人間、いわゆるクズだという事を小さい頃から俺は親に叩き込まれている。
自分の事すらせずに、周りを考えない奴は人間にあらず。
それは動物と変わらないと。
だから、みんなで片付ける。
誰かだけやらないという事を俺は許さないのだ。
ゲロゲロは除くけどね。
人間じゃないし……既に気持ちよさそうに寝ているからな。
ということで、俺とシロマとカリーそしてイモコと、全員で力を合わせて、せっせと片付けを始める。
周りの船員は、その光景をドギマギしながら見つめているが、手伝うことはなかった。
どうやら、イモコが話をしてくれたらしい。
毎回思うが、イモコはいつもどのタイミングで部下に指示をだしているのだろうか?
テレパシーでも使っているのかと思うほど、伝達能力が高すぎる。
そしてそんな事を考えていると、あっという間に片づけは終わった。
「ふぅ~。いい食後の運動になったな。んじゃ、植物園とやらをみせてもらったら、もう一度ブリーフィングルームにいこうか。」
「御意……でござる。それでは、某についてくるでござるよ。こっちでござる。」
こうして、最高のBBQを片付けまで含めて全て満喫した俺達は、今度は植物園という謎の船内施設を見て回るのであった。
そして、船員に恵まれて旅をしたのも、サムスピジャポンから剣闘士として派遣された時が初めてである。
それまでは、だらしない船員と一緒に航海したり、ボロボロの船にのって旅をしたことだって何度もあった。
その度に、命の危険を何度も脅かされながら、ここまで生きてきている。
つまり、今に至るまで海の怖さや航海の厳しさを身をもって体験しているのだった。
それゆえに、イモコの言葉は重い。
「ごめんな、イモコ……。そうだよな、これが当たり前じゃないんだよな。浮かれていた自分を殴りたい気分だぜ。」
「も、申し訳ないでござる! そんなつもりで言った訳ではないでござるよ! 師匠は良いでござる! この船も食材もメンバーも師匠が自分の力で手に入れたでござるよ。だから……。」
必死に弁解をしようとするイモコ。
しかし、満腹中枢が刺激され過ぎて、頭がうまく働かず、いい言葉が出てこない。
そこにカリーが割って入ってきた。
「そうだぜ、サクセス。楽しい時や幸せな時は、全力でそれを謳歌するのが冒険者ってもんだ。辛い事もあるだろうが、それはそれ。これはこれだ。」
よく見るとカリーの顔が赤い。
普段言わないようなくさいセリフを平然と吐いているところをみると……酔ってるな。
カリーはいつの間にか酒を飲んでいたようである。
別に悪いとは言わないけど、この後、会議の続きするつもりなんだがな。
「カリー殿の言う通りでござる。今はこの環境に感謝して、楽しみながら確実に目的地に向かうでござるよ。それに、師匠達がいればこの船は安全でござる。」
「ん? どういうことだ?」
「航海で船が沈む一番の原因は、強力な魔物の襲撃でござる。聖水を使った装置を装備しているため、比較的魔物は寄ってこないようにはなっているでござるが、100%ではないでござる。特に強い力を持った魔物は聖水があっても、襲撃してくるでござるよ。」
そうか、海だからと言って安心はできないのか。
すっかり忘れていたが、そう考えると、いつでも戦えるように装備だけはしっかりつけていなきゃだな。
「そうか、その時は任せてくれ。イモコ達に倒せない魔物がいるとも思えないが、戦闘になったら率先して戦えわせてもらうよ。俺にできることなんてそれくらいだしな。」
「それくらいってことはないでござる。航海で雇う冒険者への対価は非常に高いでござるよ。それが師匠レベルの戦闘力となったら、10万ゴールド積んでも足りないでござる。つまり、師匠達がいるだけで、この船は世界一安全な船になったでござるよ。」
なるほどなぁ~。
航海について全く知らないことばかりだったけど、そういう考えもあるのか。
とはいえ、やっぱり普段何もしないでいるのは、ちょっと申し訳ないな。
とりあえず手始めに、BBQの片づけくらいはやらせてもらおう。
「わかった。それでも言わせてくれ、イモコ。ありがとう。そして頼りにしている。じゃあ、この片づけは俺達に任せてくれ。」
「それはできないでござるっといっても、毎回師匠の厚意を断るのもしのびないでござるな。わかったでござる。一緒に片づけを手伝ってほしいでござるよ。それが終わったら、植物園に案内するでござる。」
今回も断られるかと思ったが、イモコは許可してくれた。
やはり、イモコは本当に空気が読める奴だな。
「カリー、片付けすんぞ!」
「おお? まだ飲んでるじゃねぇか。」
「それ以上は夜にしておきなよ。いつ魔物が襲ってくるかわからないんだし、ほどほどにしてくれ。」
「あ、あぁ……。そうだな、ちょっと俺も浮かれすぎたぜ。わかった、片付けるか。」
魔物っという言葉でカリーは酔いが覚めたらしい。
なんだかんだいって、カリーの危機意識は高いからな。
まぁ、とりあえずこの散らかしたゴミや皿洗い等は俺達がしなくてはならん。
誰かがやってくれるだろ?
とかいう奴は最低の人間、いわゆるクズだという事を小さい頃から俺は親に叩き込まれている。
自分の事すらせずに、周りを考えない奴は人間にあらず。
それは動物と変わらないと。
だから、みんなで片付ける。
誰かだけやらないという事を俺は許さないのだ。
ゲロゲロは除くけどね。
人間じゃないし……既に気持ちよさそうに寝ているからな。
ということで、俺とシロマとカリーそしてイモコと、全員で力を合わせて、せっせと片付けを始める。
周りの船員は、その光景をドギマギしながら見つめているが、手伝うことはなかった。
どうやら、イモコが話をしてくれたらしい。
毎回思うが、イモコはいつもどのタイミングで部下に指示をだしているのだろうか?
テレパシーでも使っているのかと思うほど、伝達能力が高すぎる。
そしてそんな事を考えていると、あっという間に片づけは終わった。
「ふぅ~。いい食後の運動になったな。んじゃ、植物園とやらをみせてもらったら、もう一度ブリーフィングルームにいこうか。」
「御意……でござる。それでは、某についてくるでござるよ。こっちでござる。」
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