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第三部 オーブを求めて
第四十四話 三馬鹿トリオ
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そしてお祈りを終えたシロマは、立ち上がり俺の下に戻る。
「お、終わったか?」
「はい。ありがたいお言葉を頂きました。次はサクセスさんですね。」
「あ、あぁ。じゃあ……行ってくる。」
俺は女神像の前まで行くと、シロマと同じ様に祈りを捧げた。
「どうも、お久しぶりです。ターニャさん。元気ですか? 元気ですよね。それではさようなら。」
それだけ言って立ち上がろうとすると、なぜか急に肩が重くなって、すぐに立ち上がれなかった。
「まぁちぃなぁさぁぁい! なんですか、今のは! せっかく戻って来たと思ったら、何も言わずに去ろうとするなんて! 酷い! 鬼畜! 女たっらし!」
「ちょ! 冗談だよ、冗談。つうか、別に話すことないしなぁ。まぁしいて言うなら、リヴァイアサンとか言うの倒したぞ。」
「えぇぇぇぇ! 嘘でしょ!? リヴァちゃん倒しちゃったの!?」
「あれ? 知り合いだった? 倒したけどさ、俺もまじで殺されかけたわ。あいつ、激やば。」
「当たり前でしょ!! だってリヴァちゃんは大精霊よ! 神の次に偉いというか、力を持っているわ。でもおかしいわね、リヴァちゃんは石に封印されて、魂は神界にいるはずなんだけどな。」
「まじか、やっぱとんでもねぇやつなんだな。なんか、ガンダッダとかいう悪党が石食ったら変身したんだ。いや、ほんと大変だったぜ。」
「サクセス君……そしてトンズラ! 聞いてるんでしょ? 一度しか言わないわ、二度と大精霊とは戦わないで。今回はたまたま勝てたのかもしれないけど、大精霊は魔王達とは比べ物にならない程の力を持っているわ。そして、この世界に与える影響も多きすぎるの。もしも、また大精霊を復活させようとする者が現れたら、必ず止めて下さい。」
今回のターニャたんは随分女神っぽいな。
大分慣れたのかな、俺達に。
というか、リヴァイアサンはそんなにやばかったんだな。
これからは、一応それも頭に入れて行動するか。
「お、おお。わかった。はい、じゃあ隠れているトンズラさんでておいでぇ~。」
はい、じゃあトンズラチェンジね~!
「ちょ! 待つっペ! 心の準備が……あっ! ちょッ! ……いやぁ、ターニャ久しぶりだっぺ。」
「久しぶりだっペじゃないわよ! なんですぐに出てこないのよ!」
「いや、なんつうか、まだ、ほら、何もできてないっちゃね。だから合わせる顔がないというか……。」
「んもぉ~! そんなことはどうでもいいの! そんな事よりもトンズラに会って話す事の方が大事だわ!」
「ヒューヒュー! 熱いねぇ、お二人さん。俺が邪魔なら……って出て行けないか……。」
「からかうなよ、サクセス。熱いって言ったって、俺は装備だし、ターニャは石だっぺよ……。」
「ちょっと! 石じゃないわ! 女神像よ! そこらへんの石と一緒にしないでよね。」
そこらへんの石って……。
石なのは認めるんかい!
「ターニャ、俺はできればちゃんとターニャを人に戻すまで、会うのが気まずいんだ。でも、こうやって話せるのはすれしいっぺ。あいすてるっぺよ。」
「トンズラ……私もよ……。」
「はいはい、そこまでにしてくれ。俺は忙しいんだ、ちゃんとお互い人になったらいちゃついてくれよ。」
「何よ! 久しぶりに会えたんだから、もう少しくらいいいじゃない! あなたはいつでもいちゃつけるからいいけど、私は……」
「ふざけんな。こちとら、トンズラの馬鹿な呪いのせいで毎日生殺しなんだよ。俺だって辛いんだ!」
「そ、それは……すまんっちゃ、サクセス。っぷぷ……。」
「いや、今お前笑ったよね? トンズラ! お前絶対面白がってるだろ。」
「当たり前だべ! 俺より先に卒業させてたまるか!」
「ちょっと! 二人ともやめて! 私の為に争わないで!!」
なんでターニャの為になるんだ、この駄女神!
くそ~、思い出したら腹が立ってきたぞ。
「わかった……お前らがそのつもりなら、俺にも考えがある。俺のこの装備を女神像に装備させてやる! それでめでたく合体だ! そしたら俺の呪いを解けよな!」
「ばっばか! 落ち着くっペよ! そんな合体は嫌だっペ! 悪かったっペよ、落ち着くんだべ。」
「わ、私は別に構わないわよ。もっと近くでトンズラを感じたいわ。」
そんなこんなでくだらない言い争いを続ける俺達であったが、時間は無限ではなかった。
「あ、この感じ……。もう時間か、じゃあな、ターニャちゃん。気が向いたらまた来るよ。多分来ないけど。」
「ちょっと!! お願い、絶対来てよね! ねぇ、ちょっとぉ! 来なかったら泣くからね!!」
その言葉を最後に、また俺は現実に戻る。
うん、やはり来たのは失敗だった。
なんだか、ろくな事を話していなかったな。
まぁ、気を取り直してシロマの下に戻るか。
「随分と長くお祈りしていましたね? もしかしてリーチュンとイーゼについて聞いていたのですか?」
戻って来た俺にシロマが質問をする。
あぁぁぁぁ!!
そうだ!
あんなくだらない話じゃなくて、二人について聞けばよかった!
くそぉぉ! あの駄女神と童貞野郎め!
「あ、あぁ。でもわからないみたいだった。だけど、俺は二人なら乗り越えられると信じてるから。」
「そうですね。私だって乗り越えられたんですもの。二人なら絶対戻ってきますよね。じゃあ、みんなのいる町に戻りましょう。」
とりあえず適当な事を言ってごまかしてしまった。
罪悪感を感じる俺。
でも、信じているのは嘘じゃない。
早く二人にも会いたいな……。
「お、終わったか?」
「はい。ありがたいお言葉を頂きました。次はサクセスさんですね。」
「あ、あぁ。じゃあ……行ってくる。」
俺は女神像の前まで行くと、シロマと同じ様に祈りを捧げた。
「どうも、お久しぶりです。ターニャさん。元気ですか? 元気ですよね。それではさようなら。」
それだけ言って立ち上がろうとすると、なぜか急に肩が重くなって、すぐに立ち上がれなかった。
「まぁちぃなぁさぁぁい! なんですか、今のは! せっかく戻って来たと思ったら、何も言わずに去ろうとするなんて! 酷い! 鬼畜! 女たっらし!」
「ちょ! 冗談だよ、冗談。つうか、別に話すことないしなぁ。まぁしいて言うなら、リヴァイアサンとか言うの倒したぞ。」
「えぇぇぇぇ! 嘘でしょ!? リヴァちゃん倒しちゃったの!?」
「あれ? 知り合いだった? 倒したけどさ、俺もまじで殺されかけたわ。あいつ、激やば。」
「当たり前でしょ!! だってリヴァちゃんは大精霊よ! 神の次に偉いというか、力を持っているわ。でもおかしいわね、リヴァちゃんは石に封印されて、魂は神界にいるはずなんだけどな。」
「まじか、やっぱとんでもねぇやつなんだな。なんか、ガンダッダとかいう悪党が石食ったら変身したんだ。いや、ほんと大変だったぜ。」
「サクセス君……そしてトンズラ! 聞いてるんでしょ? 一度しか言わないわ、二度と大精霊とは戦わないで。今回はたまたま勝てたのかもしれないけど、大精霊は魔王達とは比べ物にならない程の力を持っているわ。そして、この世界に与える影響も多きすぎるの。もしも、また大精霊を復活させようとする者が現れたら、必ず止めて下さい。」
今回のターニャたんは随分女神っぽいな。
大分慣れたのかな、俺達に。
というか、リヴァイアサンはそんなにやばかったんだな。
これからは、一応それも頭に入れて行動するか。
「お、おお。わかった。はい、じゃあ隠れているトンズラさんでておいでぇ~。」
はい、じゃあトンズラチェンジね~!
「ちょ! 待つっペ! 心の準備が……あっ! ちょッ! ……いやぁ、ターニャ久しぶりだっぺ。」
「久しぶりだっペじゃないわよ! なんですぐに出てこないのよ!」
「いや、なんつうか、まだ、ほら、何もできてないっちゃね。だから合わせる顔がないというか……。」
「んもぉ~! そんなことはどうでもいいの! そんな事よりもトンズラに会って話す事の方が大事だわ!」
「ヒューヒュー! 熱いねぇ、お二人さん。俺が邪魔なら……って出て行けないか……。」
「からかうなよ、サクセス。熱いって言ったって、俺は装備だし、ターニャは石だっぺよ……。」
「ちょっと! 石じゃないわ! 女神像よ! そこらへんの石と一緒にしないでよね。」
そこらへんの石って……。
石なのは認めるんかい!
「ターニャ、俺はできればちゃんとターニャを人に戻すまで、会うのが気まずいんだ。でも、こうやって話せるのはすれしいっぺ。あいすてるっぺよ。」
「トンズラ……私もよ……。」
「はいはい、そこまでにしてくれ。俺は忙しいんだ、ちゃんとお互い人になったらいちゃついてくれよ。」
「何よ! 久しぶりに会えたんだから、もう少しくらいいいじゃない! あなたはいつでもいちゃつけるからいいけど、私は……」
「ふざけんな。こちとら、トンズラの馬鹿な呪いのせいで毎日生殺しなんだよ。俺だって辛いんだ!」
「そ、それは……すまんっちゃ、サクセス。っぷぷ……。」
「いや、今お前笑ったよね? トンズラ! お前絶対面白がってるだろ。」
「当たり前だべ! 俺より先に卒業させてたまるか!」
「ちょっと! 二人ともやめて! 私の為に争わないで!!」
なんでターニャの為になるんだ、この駄女神!
くそ~、思い出したら腹が立ってきたぞ。
「わかった……お前らがそのつもりなら、俺にも考えがある。俺のこの装備を女神像に装備させてやる! それでめでたく合体だ! そしたら俺の呪いを解けよな!」
「ばっばか! 落ち着くっペよ! そんな合体は嫌だっペ! 悪かったっペよ、落ち着くんだべ。」
「わ、私は別に構わないわよ。もっと近くでトンズラを感じたいわ。」
そんなこんなでくだらない言い争いを続ける俺達であったが、時間は無限ではなかった。
「あ、この感じ……。もう時間か、じゃあな、ターニャちゃん。気が向いたらまた来るよ。多分来ないけど。」
「ちょっと!! お願い、絶対来てよね! ねぇ、ちょっとぉ! 来なかったら泣くからね!!」
その言葉を最後に、また俺は現実に戻る。
うん、やはり来たのは失敗だった。
なんだか、ろくな事を話していなかったな。
まぁ、気を取り直してシロマの下に戻るか。
「随分と長くお祈りしていましたね? もしかしてリーチュンとイーゼについて聞いていたのですか?」
戻って来た俺にシロマが質問をする。
あぁぁぁぁ!!
そうだ!
あんなくだらない話じゃなくて、二人について聞けばよかった!
くそぉぉ! あの駄女神と童貞野郎め!
「あ、あぁ。でもわからないみたいだった。だけど、俺は二人なら乗り越えられると信じてるから。」
「そうですね。私だって乗り越えられたんですもの。二人なら絶対戻ってきますよね。じゃあ、みんなのいる町に戻りましょう。」
とりあえず適当な事を言ってごまかしてしまった。
罪悪感を感じる俺。
でも、信じているのは嘘じゃない。
早く二人にも会いたいな……。
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