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ナシュルク解放戦
四将総攻撃
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戀王国の先陣を任された我昌明と于詮は水塞の東口を猛然と攻めた。
高い城壁には梯子や熊手縄を掛け、銃や弓で登城する味方兵を援護し、撃ち返される矢弾には鉄製の盾で応じる。
「斬撃烈士・于詮! ここに先陣果たしたり! 皆の者、俺に続けェーー!!」
「おぉ! 于詮将軍が突入口を築いたぞ! そぉれ! 将軍に続いて一気に駆け上がれぇ!」
何より于詮に至っては、変わらぬ突出癖を活かして城壁に一番乗りを果たす。水塞攻めを始めてから僅か三十分後の事であった。
「ゴハハハハ! 銃兵を三百名ほど于詮の持ち場に回してやれ! 一度火が付いたあいつに便乗するのが勝利への近道だ!」
一方の我昌明は兵の力に頼る戦いをしていた。
于詮以上の武力を持つ彼が後方で部隊指揮に専念する理由は、彼曰く「もう歳だから城壁をよじ登るのは結構しんどいんじゃよ」……らしい。一個中隊を軽々と蹴散らす人型台風がどの口で言うのだ、とはナイト談。
「ふっははは! 順調順調! このまま行けば今日中に水塞を陥落させられそうだが」
第二陣として慾彭と共に控えるナイトは、優勢の味方を見て高笑いする。
だが、その余裕がいつまでも通用しない事は充分理解していた。
案の定、彼が大言を吐き終える前に、城壁の上で異変が起きた。
于詮に続いて城壁に登り、突入口を我昌明側に押し広げんと進撃した戀王国兵の小隊が、大きく切り飛ばされると同時に肉片となって、水塞の外へ押し出されたのだ。
「戀王国の弱卒たれが!! 寄って集ったところで我に敵うと思うてか!!」
「出たな。臧褒の息子・張真」
「ぁっ、兎人形のおじさん。にぃににぃに、おじさん出た」
城壁上で高らかに威圧して見せる猛将・張真。
得物の大剣を風車の如くブォンブォンと振り回し、果敢に挑む戀王国兵を圧倒的な武力で屠り、切り伏せ、薙ぎ払い、押し潰す。
彼の登場にナイトは眉根を寄せ、涼周は木彫りの兎人形を取り出して兄に見せる。
戦に集中するナイツは静かに頷く傍ら、弟の頭を優しく撫でて張真を見詰めた。
涼周もそれに倣って再度張真を見ると、やはり涼周の目にもナイトの目にも、張真は守るべきを知る猛将として映って見えた。
「…………さぁて、我昌明と于詮はどう出るのかな」
それだけにマノトの仇の子供でありながら、ナイトは張真の処遇を決めかねていた。
彼はマノトを知る我昌明と于詮が、仇の子供を前にどう出るのかを、半ば二人へ一任する様に他人事らしく呟いた。
「お前達はこの場の維持に専念しろ! 俺が張真を、討つ!!」
真っ先に動いたのは斬撃烈士の名を冠する于詮だった。
先の敗戦の雪辱を晴らす事も兼ねて、猛然と張真に向かっていく。
途中に立ち塞がる敵兵など草芝が如く切り払い、見る者が見れば于詮が突撃した跡だと分かる程に、血肉の道を築きながら突き進む。
「だああぁーー!!」
「ぬおぉぉっ!!」
切れ味を重視した于詮の刃と、破壊力を重視した張真の刃。
互いの魔力を込めた得物が激しく激突すると銀の火花が飛び散り、二人の足元だけで収まりきらなかった衝撃波が周囲一帯に波及。斬撃と威風が広範囲に飛び、敵味方を無差別で殺傷した。
「は、離れろ!? 巻き込まれるぞ!」
万全の状態で殺り合う于詮と張真から、ゲルファン王国兵も戀王国兵も距離をとる。
一撃毎に巻き添えの刃を撒き散らす二人の傍になど、誰であっても居たくはないだろう。
「ゴッホッホ! そうだぞお前達。我輩らの近くに居っては無事では済まされんぞ」
だが、距離をとるのは兵達だけであり、彼等に反して我昌明は嬉々として出動した。
血が滾ってきたとばかりに目を輝かせ、護衛を置いてきぼりにする速さで戦場を疾走し、味方兵が落とされて無人梯子となった登り口を見付けては、そこ目掛けて飛び上がった。
「うわあぁー!? 我昌明だ! 我昌明が飛んできて、おわぁっ!?」
大矛を城壁に突き刺して張り付く事に成功した我昌明。
刃から伝えた震動でゲルファン王国兵が動揺している内に梯子へ足をかけ、矛を抜き取るや否や、手も使わずに一段飛ばしで駆け上がる。
「絶対に登らせるな! 張真様もお下げしろ!」
「遅いわヒヨッコ共!!」
張真指揮下のシュクーズ兵が身を乗り出した迎撃に当たるより先に、熊もとい我昌明は梯子を登りきって城壁の上に仁王立ち。
やっぱり彼に歳なんて関係なく、張りきり過ぎた我昌明が使用した梯子は熊の進撃を支えるだけで力尽き、大破してしまう。
「ごっ……! 豪牙天剛・我昌め――」
「邪魔くさいわ!! 失せよヒヨコ共!!」
「がばあぁっ!?」
飛び上がりから僅か二十数秒たらずで登城を果たした我昌明は、彼の気迫に呑まれて呆然と立ち尽くすシュクーズ兵達を矛の柄で吹き飛ばす。
たったそれだけの動作で、そこに新たな突入口が作られてしまい、当然ながら戀王国兵は二人目の将軍に続いて攻め上がる。
「この場はお主等に任せるぞ。我輩は張真の首を狙う」
「はっ! 我昌明様もお気を付けを!」
あっという間に高所の利を失い、獰猛が過ぎる将軍の気配と兵士達の勢いに気圧されたシュクーズ兵はとても弱く、そして脆かった。
我昌明は自分が居なくともこの場は回ると一目で判断すると、以降の進撃及び指揮を部下に一任し、当初の目的たる張真へ向かって突撃する。
「いかん! もっと兵を送れ! 我昌明を阻んで張真殿を一旦下げよ!」
その様子を司令塔から見ていたシュクーズは、自らと張真の兵士に指示を飛ばす。
するとザエンの予備隊として待機していたシュハールとシュマーユが兄の命令にすぐさま応え、殆どの戦力を張真救援に当てた。
数にしておよそ三千。それを二千と一千に分けて、二千をシュハールが率いて我昌明の迎撃に向かい、一千をシュマーユが率いて張真の離脱補助に向かう。
これによって元々の守備兵を含んだ大密集の乱戦が展開され、于詮隊が攻めている城壁南側は乱れに乱れた。
「………………!!」
「慾彭隊、出陣!! 于詮将軍の部隊を援護するぞ!!」
更には慾彭も、逸早く壁上の動きを察知。掲げた手を于詮の攻め口に向けて勇ましく振り下ろし、彼の意図を察した側近が出陣の号令を下す。
そして三将が動いたとならば、この男も黙ってはいなかった。
「おぅ、慾彭が攻め刻と見たか。ならば俺達も我昌明隊に続いて水塞に迫るとしよう。
――ナイト隊の勇者達よ、今こそ決戦の時!! 諸君の力を勝利の為に、ナシュルク解放の為に貸してくれ!! 仲間と共に敵を討ち、戦勝の盃を掲げるのだ!! 全軍、突撃ィーー!!」
「ウオオォォーー!!」
我昌明の後陣であるナイトも、戀王国軍側に傾いた流れに乗った。
「父上、御武運を!」
聞こえはしないだろうし、見えてもないだろうし、弟が服を引っ張るせいで不恰好になるものの、遊撃隊として有事に備えるナイツは父の背中に向けて拳を重ね合わせる。
大分離れた場所に居て、且つ周りの喚声に意識を持っていかれては、如何なナイトでも聞き取れるものではない。
返事はないと思ったナイツはすぐに手を戻し、意識を戦場へ向け直そうとした。
「おおぅう息子よ!! 健気なりー!!」
『ウオオォォーー!! ケナゲナリィーー!!』
だぁがしかし、これが聞こえていた様だ。
聞こえていて、兵達と共に振り返り様、親指と真っ白い歯を見せて応えた。
よく見れば一緒に出陣したキャンディも横目でナイツと涼周とメスナを見やり、ナイトに倣って手をヒラヒラと振っている。
「…………返ってきたよ。……まじか……」
「えっ!? 嘘……大殿、どんだけ地獄耳なんですか……」
然り気無く味方兵の鼓舞を兼ねた反応にナイツは唖然。メスナもナイトが見せる相変わらずの非人間ぶりに苦笑したという。
高い城壁には梯子や熊手縄を掛け、銃や弓で登城する味方兵を援護し、撃ち返される矢弾には鉄製の盾で応じる。
「斬撃烈士・于詮! ここに先陣果たしたり! 皆の者、俺に続けェーー!!」
「おぉ! 于詮将軍が突入口を築いたぞ! そぉれ! 将軍に続いて一気に駆け上がれぇ!」
何より于詮に至っては、変わらぬ突出癖を活かして城壁に一番乗りを果たす。水塞攻めを始めてから僅か三十分後の事であった。
「ゴハハハハ! 銃兵を三百名ほど于詮の持ち場に回してやれ! 一度火が付いたあいつに便乗するのが勝利への近道だ!」
一方の我昌明は兵の力に頼る戦いをしていた。
于詮以上の武力を持つ彼が後方で部隊指揮に専念する理由は、彼曰く「もう歳だから城壁をよじ登るのは結構しんどいんじゃよ」……らしい。一個中隊を軽々と蹴散らす人型台風がどの口で言うのだ、とはナイト談。
「ふっははは! 順調順調! このまま行けば今日中に水塞を陥落させられそうだが」
第二陣として慾彭と共に控えるナイトは、優勢の味方を見て高笑いする。
だが、その余裕がいつまでも通用しない事は充分理解していた。
案の定、彼が大言を吐き終える前に、城壁の上で異変が起きた。
于詮に続いて城壁に登り、突入口を我昌明側に押し広げんと進撃した戀王国兵の小隊が、大きく切り飛ばされると同時に肉片となって、水塞の外へ押し出されたのだ。
「戀王国の弱卒たれが!! 寄って集ったところで我に敵うと思うてか!!」
「出たな。臧褒の息子・張真」
「ぁっ、兎人形のおじさん。にぃににぃに、おじさん出た」
城壁上で高らかに威圧して見せる猛将・張真。
得物の大剣を風車の如くブォンブォンと振り回し、果敢に挑む戀王国兵を圧倒的な武力で屠り、切り伏せ、薙ぎ払い、押し潰す。
彼の登場にナイトは眉根を寄せ、涼周は木彫りの兎人形を取り出して兄に見せる。
戦に集中するナイツは静かに頷く傍ら、弟の頭を優しく撫でて張真を見詰めた。
涼周もそれに倣って再度張真を見ると、やはり涼周の目にもナイトの目にも、張真は守るべきを知る猛将として映って見えた。
「…………さぁて、我昌明と于詮はどう出るのかな」
それだけにマノトの仇の子供でありながら、ナイトは張真の処遇を決めかねていた。
彼はマノトを知る我昌明と于詮が、仇の子供を前にどう出るのかを、半ば二人へ一任する様に他人事らしく呟いた。
「お前達はこの場の維持に専念しろ! 俺が張真を、討つ!!」
真っ先に動いたのは斬撃烈士の名を冠する于詮だった。
先の敗戦の雪辱を晴らす事も兼ねて、猛然と張真に向かっていく。
途中に立ち塞がる敵兵など草芝が如く切り払い、見る者が見れば于詮が突撃した跡だと分かる程に、血肉の道を築きながら突き進む。
「だああぁーー!!」
「ぬおぉぉっ!!」
切れ味を重視した于詮の刃と、破壊力を重視した張真の刃。
互いの魔力を込めた得物が激しく激突すると銀の火花が飛び散り、二人の足元だけで収まりきらなかった衝撃波が周囲一帯に波及。斬撃と威風が広範囲に飛び、敵味方を無差別で殺傷した。
「は、離れろ!? 巻き込まれるぞ!」
万全の状態で殺り合う于詮と張真から、ゲルファン王国兵も戀王国兵も距離をとる。
一撃毎に巻き添えの刃を撒き散らす二人の傍になど、誰であっても居たくはないだろう。
「ゴッホッホ! そうだぞお前達。我輩らの近くに居っては無事では済まされんぞ」
だが、距離をとるのは兵達だけであり、彼等に反して我昌明は嬉々として出動した。
血が滾ってきたとばかりに目を輝かせ、護衛を置いてきぼりにする速さで戦場を疾走し、味方兵が落とされて無人梯子となった登り口を見付けては、そこ目掛けて飛び上がった。
「うわあぁー!? 我昌明だ! 我昌明が飛んできて、おわぁっ!?」
大矛を城壁に突き刺して張り付く事に成功した我昌明。
刃から伝えた震動でゲルファン王国兵が動揺している内に梯子へ足をかけ、矛を抜き取るや否や、手も使わずに一段飛ばしで駆け上がる。
「絶対に登らせるな! 張真様もお下げしろ!」
「遅いわヒヨッコ共!!」
張真指揮下のシュクーズ兵が身を乗り出した迎撃に当たるより先に、熊もとい我昌明は梯子を登りきって城壁の上に仁王立ち。
やっぱり彼に歳なんて関係なく、張りきり過ぎた我昌明が使用した梯子は熊の進撃を支えるだけで力尽き、大破してしまう。
「ごっ……! 豪牙天剛・我昌め――」
「邪魔くさいわ!! 失せよヒヨコ共!!」
「がばあぁっ!?」
飛び上がりから僅か二十数秒たらずで登城を果たした我昌明は、彼の気迫に呑まれて呆然と立ち尽くすシュクーズ兵達を矛の柄で吹き飛ばす。
たったそれだけの動作で、そこに新たな突入口が作られてしまい、当然ながら戀王国兵は二人目の将軍に続いて攻め上がる。
「この場はお主等に任せるぞ。我輩は張真の首を狙う」
「はっ! 我昌明様もお気を付けを!」
あっという間に高所の利を失い、獰猛が過ぎる将軍の気配と兵士達の勢いに気圧されたシュクーズ兵はとても弱く、そして脆かった。
我昌明は自分が居なくともこの場は回ると一目で判断すると、以降の進撃及び指揮を部下に一任し、当初の目的たる張真へ向かって突撃する。
「いかん! もっと兵を送れ! 我昌明を阻んで張真殿を一旦下げよ!」
その様子を司令塔から見ていたシュクーズは、自らと張真の兵士に指示を飛ばす。
するとザエンの予備隊として待機していたシュハールとシュマーユが兄の命令にすぐさま応え、殆どの戦力を張真救援に当てた。
数にしておよそ三千。それを二千と一千に分けて、二千をシュハールが率いて我昌明の迎撃に向かい、一千をシュマーユが率いて張真の離脱補助に向かう。
これによって元々の守備兵を含んだ大密集の乱戦が展開され、于詮隊が攻めている城壁南側は乱れに乱れた。
「………………!!」
「慾彭隊、出陣!! 于詮将軍の部隊を援護するぞ!!」
更には慾彭も、逸早く壁上の動きを察知。掲げた手を于詮の攻め口に向けて勇ましく振り下ろし、彼の意図を察した側近が出陣の号令を下す。
そして三将が動いたとならば、この男も黙ってはいなかった。
「おぅ、慾彭が攻め刻と見たか。ならば俺達も我昌明隊に続いて水塞に迫るとしよう。
――ナイト隊の勇者達よ、今こそ決戦の時!! 諸君の力を勝利の為に、ナシュルク解放の為に貸してくれ!! 仲間と共に敵を討ち、戦勝の盃を掲げるのだ!! 全軍、突撃ィーー!!」
「ウオオォォーー!!」
我昌明の後陣であるナイトも、戀王国軍側に傾いた流れに乗った。
「父上、御武運を!」
聞こえはしないだろうし、見えてもないだろうし、弟が服を引っ張るせいで不恰好になるものの、遊撃隊として有事に備えるナイツは父の背中に向けて拳を重ね合わせる。
大分離れた場所に居て、且つ周りの喚声に意識を持っていかれては、如何なナイトでも聞き取れるものではない。
返事はないと思ったナイツはすぐに手を戻し、意識を戦場へ向け直そうとした。
「おおぅう息子よ!! 健気なりー!!」
『ウオオォォーー!! ケナゲナリィーー!!』
だぁがしかし、これが聞こえていた様だ。
聞こえていて、兵達と共に振り返り様、親指と真っ白い歯を見せて応えた。
よく見れば一緒に出陣したキャンディも横目でナイツと涼周とメスナを見やり、ナイトに倣って手をヒラヒラと振っている。
「…………返ってきたよ。……まじか……」
「えっ!? 嘘……大殿、どんだけ地獄耳なんですか……」
然り気無く味方兵の鼓舞を兼ねた反応にナイツは唖然。メスナもナイトが見せる相変わらずの非人間ぶりに苦笑したという。
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