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心角郡平定戦
共闘者との再会
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連合軍二万五千は毅然とした進軍で樹海内部に構える丘の小城・ホゥロ城へ迫った。
そんな中、斥候によって変な報告がもたらされ、ナイツ達は突然足を止めさせられる。
「報告! この先の道で、白髪の女性を背負った巨漢が心角兵と交戦しております!」
「白髪の女性を背負った巨漢……いやまさか……。そいつはその……裸だったり、する?」
「はっ! 上半身まっ裸でございます!」
自信満々に報告する斥候を見て、ナイツは頭の中に彼が想像できた。
「……ねぇ若、絶対にあの二人だと思うんですけど、絶対に道が違いますよね。確かあの変態ゴリラ、西に向かって旅してるって言ってた気が……」
嫌悪感に満ちた顔を作るメスナが、過去の会話からとある矛盾に気付く。
確かに彼女の言う通り、変態ゴリラと盲目の白髪美女の行き先は西方の筈。海賊討伐から二ヶ月が経過している今になって、群州の東の梓州を彷徨いている意味が分からない。
「……とにかく行ってみよう。敵兵に襲われているなら助けないと」
怪力無双のゴリラ一人ならば、心角兵相手に助けは要らないだろうが、彼の背中に妹がいる状況では不測の事態もあり得る。
ナイツは軍の指揮を韓任に任せ、メスナとキャンディと三十名の輝士兵を伴って先行。
涼周と飛昭も二十名のカイヨー兵を率いてそれに続く。
「ナイツ様、あれです! あの男です!」
二百五十メートルほど先の場所にて、群がる心角兵を怒号とともに蹴散らす巨漢あり。
彼の拳は鎧を砕き、盛り上がった筋肉は敵の刃を弾き折る。唯一の弱点たる背中にも神経を尖らせ、時には巨体に似合わぬ俊敏さを以て敵の攻撃を避けもする。
体術の達人にして鋼の筋肉戦士は、相も変わらぬ彫像的美しさを誇る肉体を、敵味方に遺憾なく見せびらかしていた。
「うわぁー、敵さん可哀想」
「言ってないで行くよメスナ。涼周と飛昭は援護。母上は周囲の索敵をお願いします。残りの兵は俺とメスナに続け! 楽荘を助け出すぞ!」
ナイツはメスナと兵達を引き連れて楽荘兄妹に刃を向けている心角兵に切り掛かる。
「ナイツ殿に涼周殿! この様な場所で汝等に出会えるとは!」
「話は後だ楽荘。見たところ敵の数は百前後。勢いを武器に蹴散らすぞ!」
「承知! うおおぉ雑魚ども! 汝等に勝ち目はなし! いざ参る!」
ナイツ達は楽荘と合流し、圧倒的な強さを見せて敵の小隊を蹴散らす。
数にして倍ほどの兵力が敵にはあろうと、此方は一騎当千のナイツにキャンディに楽荘までいるのだ。彼等には劣るがメスナや涼周に飛昭、それに兵達だって実力者。
取り分け相当の精鋭でもない心角兵達が敵う理由はなかった。
「駄目だ、こいつら強すぎる! 逃げろ!」
味方の死傷者があっという間に半数を越え、心角兵達は這々の体で逃げ出した。
「二人を助けただけで良い。追撃は無用だ」
少数を率いて敵地に先行しているだけあって、ナイツは追撃を控えた。
彼は知人の救助に成功した事と、味方の死者が零である事だけで良しとしたのだ。
そして楽荘と彼の妹を連れて後方に下がり、韓任との合流を果たした後に進軍を再開。歩を進めながら楽荘兄妹に事情を聞く事とした。
「確か二人は、西方の治癒魔法使いを捜して旅していた筈だ。何で共闘した群州の東で再開するんだ? 明らかに真逆の方向だろ」
ナイツの問いに、楽荘は声音を落として答える。
「…………旅の道中、かの魔法使いが十数年も前に没していたとの情報があった。魔法使いと実際に取引していたと言う大きな旅商団体の話……信じるには充分であろう」
「その魔法使いには、弟子とか後継者がいなかったのか?」
「居ないわよ。彼にはね」
続けて尋ねたナイツに答えた者は、楽荘でも彼の妹でもなかった。
「……母上は、その治癒魔法使いと知り合いなのですか?」
返答の主はキャンディであり、彼女は何時になく真剣な表情を見せていた。
多くの魔法に心得があるキャンディは当然の様に治癒魔法も使う。そんな彼女だからこそ、楽荘兄妹が探し求め、ナイツが知りたがっている魔法使いの正体も知っているかの様に思えた。
然し、結論を先に言うならば、それは違った。
キャンディも実際には会った事のない人物だという。
「彼の名は哲緋儀。俗世を嫌って山に籠っていた大魔法使いよ。私達仲間衆も、旅の最中に故あって彼を尋ねようとしたんだけど……結果は今さっき言った通りだった。私達の場合は……たった三ヶ月、遅かったのよ」
キャンディは悲壮な色を浮かべた。その色は得も言えぬ美しさを誇り、何とも映えるものだったが、同時に堪らなく心が痛むものだった。
彼女達がどの様な経緯で哲緋儀とやらを尋ねたかは、彼女自身も続けて語らず、ナイトがナイツに聞かせていた武勇伝の中にもない。
ナイツが韓任に目配せしても、彼は小さく首を横に振るだけ。
そこから察するに、哲緋儀を尋ねたのは前半期の仲間衆だと分かる。
だが、ナイトやバスナ、ファーリム、安楽武達は哲緋儀の存在を知っているだろうに、彼に関する事は一切口に出さなかった。
それはまるで、哲緋儀の存在を隠すよりも、彼を求めた理由を隠すかの様だった。
「そう……でしたか」
深く探るべきではない。ナイツはそう解釈して、これ以上の追求を止めた。
「でも、彼が楽荘殿の妹さんと同じ病を治したのは事実。そして彼に匹敵する治癒魔法使いが、この中央地域に居るというのも事実」
「如何にも。我もその情報を旅商団体より聞き、こうして中央に舞い戻った次第」
キャンディと楽荘が言うには、まだ希望は絶たれていないそうだ。
ここで韓任がある事に気付く。
「奥方様は、楽荘殿の妹が患っている病を知っておられるのですね?」
韓任の問いにキャンディは静かに頷いたが、兵達の目と耳がある場で語りはしなかった。
彼女はまた今度ね、とでも言いたげな微笑を浮かべ、それ以降は押し黙ってしまう。
「ともかく、我等はまたも汝等に救われた。この恩義、一先ずはこの戦の武働きで返そう」
沈黙したキャンディに代わり、大陸中央部の旅に切り替えた楽荘が今戦の協力を表明。
連合軍はホゥロ城攻めを前に、心強い味方を得た。
「しっかし、何で合戦中の樹海内部なんかに来たんだ?」
「ん、何で襲われてた?」
今度は飛昭と涼周が質問した。
二人の意見は他の者も同様に思っており、皆の視線が筋肉戦士に集まる。
筋肉戦士曰く――
「海上での涼周殿の戦ぶりを思い出していたら、自ずとここに迷い込んでしまった。何を隠そう、ここは樹「海」であり、涼周殿の進軍経路。汝の姿をもう一目見たかっただけの事」
「樹の海であって水の海ではないだろ。んで、その挙げ句に不審者扱いされた……と」
「真、その通りなり」
呆れ顔を作った飛昭の言葉に、楽荘は堂々と答えた。
そして彼に続いて妹が襲われた時の状況を語ると、皆が一様に呆れ顔を作る。
「お兄様が、警備隊の兵隊さんに、道を開けねば愛の抱擁をするなんて、言ったからです」
「否、厳密に言うならば、愛の筋肉抱擁なり」
(…………限りなく、合戦場で言うべき台詞じゃあない)
ナイツとメスナは、やっぱりこの男はナイト色が強いアホだなと思ったという。
それでもナイツは楽荘との再開を純粋に喜び、かつて共闘した飛昭も交えて海賊討伐以降に起きた戦の経緯等を話してやった。
「何と、その様な事があったか! 真、優しいのだな、涼周殿は」
「兄である俺が困る程に……な」
楽荘が最も食い付いた話は、トーチュー騎軍の侵攻時に、甘録が悪者に見えないからと言って見逃した涼周の事であった。
そんな中、斥候によって変な報告がもたらされ、ナイツ達は突然足を止めさせられる。
「報告! この先の道で、白髪の女性を背負った巨漢が心角兵と交戦しております!」
「白髪の女性を背負った巨漢……いやまさか……。そいつはその……裸だったり、する?」
「はっ! 上半身まっ裸でございます!」
自信満々に報告する斥候を見て、ナイツは頭の中に彼が想像できた。
「……ねぇ若、絶対にあの二人だと思うんですけど、絶対に道が違いますよね。確かあの変態ゴリラ、西に向かって旅してるって言ってた気が……」
嫌悪感に満ちた顔を作るメスナが、過去の会話からとある矛盾に気付く。
確かに彼女の言う通り、変態ゴリラと盲目の白髪美女の行き先は西方の筈。海賊討伐から二ヶ月が経過している今になって、群州の東の梓州を彷徨いている意味が分からない。
「……とにかく行ってみよう。敵兵に襲われているなら助けないと」
怪力無双のゴリラ一人ならば、心角兵相手に助けは要らないだろうが、彼の背中に妹がいる状況では不測の事態もあり得る。
ナイツは軍の指揮を韓任に任せ、メスナとキャンディと三十名の輝士兵を伴って先行。
涼周と飛昭も二十名のカイヨー兵を率いてそれに続く。
「ナイツ様、あれです! あの男です!」
二百五十メートルほど先の場所にて、群がる心角兵を怒号とともに蹴散らす巨漢あり。
彼の拳は鎧を砕き、盛り上がった筋肉は敵の刃を弾き折る。唯一の弱点たる背中にも神経を尖らせ、時には巨体に似合わぬ俊敏さを以て敵の攻撃を避けもする。
体術の達人にして鋼の筋肉戦士は、相も変わらぬ彫像的美しさを誇る肉体を、敵味方に遺憾なく見せびらかしていた。
「うわぁー、敵さん可哀想」
「言ってないで行くよメスナ。涼周と飛昭は援護。母上は周囲の索敵をお願いします。残りの兵は俺とメスナに続け! 楽荘を助け出すぞ!」
ナイツはメスナと兵達を引き連れて楽荘兄妹に刃を向けている心角兵に切り掛かる。
「ナイツ殿に涼周殿! この様な場所で汝等に出会えるとは!」
「話は後だ楽荘。見たところ敵の数は百前後。勢いを武器に蹴散らすぞ!」
「承知! うおおぉ雑魚ども! 汝等に勝ち目はなし! いざ参る!」
ナイツ達は楽荘と合流し、圧倒的な強さを見せて敵の小隊を蹴散らす。
数にして倍ほどの兵力が敵にはあろうと、此方は一騎当千のナイツにキャンディに楽荘までいるのだ。彼等には劣るがメスナや涼周に飛昭、それに兵達だって実力者。
取り分け相当の精鋭でもない心角兵達が敵う理由はなかった。
「駄目だ、こいつら強すぎる! 逃げろ!」
味方の死傷者があっという間に半数を越え、心角兵達は這々の体で逃げ出した。
「二人を助けただけで良い。追撃は無用だ」
少数を率いて敵地に先行しているだけあって、ナイツは追撃を控えた。
彼は知人の救助に成功した事と、味方の死者が零である事だけで良しとしたのだ。
そして楽荘と彼の妹を連れて後方に下がり、韓任との合流を果たした後に進軍を再開。歩を進めながら楽荘兄妹に事情を聞く事とした。
「確か二人は、西方の治癒魔法使いを捜して旅していた筈だ。何で共闘した群州の東で再開するんだ? 明らかに真逆の方向だろ」
ナイツの問いに、楽荘は声音を落として答える。
「…………旅の道中、かの魔法使いが十数年も前に没していたとの情報があった。魔法使いと実際に取引していたと言う大きな旅商団体の話……信じるには充分であろう」
「その魔法使いには、弟子とか後継者がいなかったのか?」
「居ないわよ。彼にはね」
続けて尋ねたナイツに答えた者は、楽荘でも彼の妹でもなかった。
「……母上は、その治癒魔法使いと知り合いなのですか?」
返答の主はキャンディであり、彼女は何時になく真剣な表情を見せていた。
多くの魔法に心得があるキャンディは当然の様に治癒魔法も使う。そんな彼女だからこそ、楽荘兄妹が探し求め、ナイツが知りたがっている魔法使いの正体も知っているかの様に思えた。
然し、結論を先に言うならば、それは違った。
キャンディも実際には会った事のない人物だという。
「彼の名は哲緋儀。俗世を嫌って山に籠っていた大魔法使いよ。私達仲間衆も、旅の最中に故あって彼を尋ねようとしたんだけど……結果は今さっき言った通りだった。私達の場合は……たった三ヶ月、遅かったのよ」
キャンディは悲壮な色を浮かべた。その色は得も言えぬ美しさを誇り、何とも映えるものだったが、同時に堪らなく心が痛むものだった。
彼女達がどの様な経緯で哲緋儀とやらを尋ねたかは、彼女自身も続けて語らず、ナイトがナイツに聞かせていた武勇伝の中にもない。
ナイツが韓任に目配せしても、彼は小さく首を横に振るだけ。
そこから察するに、哲緋儀を尋ねたのは前半期の仲間衆だと分かる。
だが、ナイトやバスナ、ファーリム、安楽武達は哲緋儀の存在を知っているだろうに、彼に関する事は一切口に出さなかった。
それはまるで、哲緋儀の存在を隠すよりも、彼を求めた理由を隠すかの様だった。
「そう……でしたか」
深く探るべきではない。ナイツはそう解釈して、これ以上の追求を止めた。
「でも、彼が楽荘殿の妹さんと同じ病を治したのは事実。そして彼に匹敵する治癒魔法使いが、この中央地域に居るというのも事実」
「如何にも。我もその情報を旅商団体より聞き、こうして中央に舞い戻った次第」
キャンディと楽荘が言うには、まだ希望は絶たれていないそうだ。
ここで韓任がある事に気付く。
「奥方様は、楽荘殿の妹が患っている病を知っておられるのですね?」
韓任の問いにキャンディは静かに頷いたが、兵達の目と耳がある場で語りはしなかった。
彼女はまた今度ね、とでも言いたげな微笑を浮かべ、それ以降は押し黙ってしまう。
「ともかく、我等はまたも汝等に救われた。この恩義、一先ずはこの戦の武働きで返そう」
沈黙したキャンディに代わり、大陸中央部の旅に切り替えた楽荘が今戦の協力を表明。
連合軍はホゥロ城攻めを前に、心強い味方を得た。
「しっかし、何で合戦中の樹海内部なんかに来たんだ?」
「ん、何で襲われてた?」
今度は飛昭と涼周が質問した。
二人の意見は他の者も同様に思っており、皆の視線が筋肉戦士に集まる。
筋肉戦士曰く――
「海上での涼周殿の戦ぶりを思い出していたら、自ずとここに迷い込んでしまった。何を隠そう、ここは樹「海」であり、涼周殿の進軍経路。汝の姿をもう一目見たかっただけの事」
「樹の海であって水の海ではないだろ。んで、その挙げ句に不審者扱いされた……と」
「真、その通りなり」
呆れ顔を作った飛昭の言葉に、楽荘は堂々と答えた。
そして彼に続いて妹が襲われた時の状況を語ると、皆が一様に呆れ顔を作る。
「お兄様が、警備隊の兵隊さんに、道を開けねば愛の抱擁をするなんて、言ったからです」
「否、厳密に言うならば、愛の筋肉抱擁なり」
(…………限りなく、合戦場で言うべき台詞じゃあない)
ナイツとメスナは、やっぱりこの男はナイト色が強いアホだなと思ったという。
それでもナイツは楽荘との再開を純粋に喜び、かつて共闘した飛昭も交えて海賊討伐以降に起きた戦の経緯等を話してやった。
「何と、その様な事があったか! 真、優しいのだな、涼周殿は」
「兄である俺が困る程に……な」
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