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1章
デビュー
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私は今お城の舞踏会にいる。
ちなみに登場人物全員いる。
つい先日絶対に会わないと決めたのに。
しかし、私には拒否権がなかった。
この舞踏会はまだ社交界デビューしてない10歳以上の子供をデビューさせ、他の子供達と交流させ国の人間関係を強めるという大層な名目だが実際はちがう。王太子の婚約者、側近候補を選定する場だ。だから少女はうんと着飾り、少年達は自分の有能性をアピールしている。私はこの場に絶対くるべきではなかった。原作では王太子の婚約者だ。
多分決められたのもこの日だろう。
しかし、冒険に熱中してた私は社交界デビューのことをすっかり忘れていた。
そもそもデビューしてても、王命だったので断れないが‥
なので出来るだけ目立たないように
王太子に挨拶して壁の花となる。
王太子は穏やかで人当たりがいいので
たくさんの少女に囲まれて仕舞えば断れない。
なので王太子と話すことはない。
だから、ひたすらに用意されていた食事やデザートを食べる。
王宮のものだけあってすごい美味しい。
ひたすら食べていると
「ブフォ」
と突然ふきだした声が聞こえる。
失礼な奴だな、一応公爵令嬢だから
綺麗な所作を心がけているのに。
そう思い振り返ると
肩まである薄紫の髪にタレ目がちな赤い瞳をもち中性的であり甘い顔立ちをもつ少年が口を塞いで肩を震わせていた。
周りにいる少女達は王子に気に入られようと必死でこの美少年に気づいていない。
逃げなければ‥
私は即座に判断してその場を離れようとする。間違ってなければ彼は
アイビー・インパチェス
原作の登場人物で侯爵家長男であり次期魔術師団長を期待され、今は知らないが中性的な容姿から将来女性の噂が絶えない人物のはずだ。
絡まれては非常にめんどくさそうだ。
「待ってください‼︎アベリア嬢」
私が立ち去ろうとしているのに気づいたのか引き留めてきた。うざい。
しかし今はそれよりも
「なぜ今日デビューした私の名前を知っているの?」名前を知っているのが不自然だった。理由は1つ、この国はデビューすることで貴族の仲間入りとなる、なのでデビュー前の子供はまだ貴族とはいえない
なので名前を知ることはまずないのだ。
私はまだこの男に名乗っていない。
知るはずがないのだ。
「それは、王太子に挨拶してるのを聞いたからですよ」
胡散臭い笑みを向けてくる。
大抵はその笑顔で騙されるだろうけど
「あなた、それでは相当耳がいいのね。
その時会場の外に出ていなかったみたいだけど‥」
「えっ‥」
まさか私が自分の存在がいないことにきづいてるとは思わなかったのだろう。
舐めないでほしい、一応人類最強といわれているのだ。特定の人物の位置をずっと
把握しているなんて朝飯前だ。
私が危険人物達の場所を把握しないわけないじゃないか。さっきは少しデザートに夢中になっていたが、自分に向かってきてることはわかっていた‥食事が目的で私に話しかけるとは思わなかったんだ‥
「で?あなたはなぜ私の名前を知っているの。アイビー様?」
「あなたこそなぜ私の名を?」
「あなたは同年代だけど私より先にデビューしているじゃない。それにあなたは次期魔術師団長候補で有名よ」
さっきの彼と同じような胡散臭い笑みを私もうかべる
「はは‥
あなたの方が一枚上手ですね。
自己紹介が遅れました。インパチェス侯爵家長男のアイビーといいます。よろしくお願いします。」
「私はスターチス公爵家長女アベリアよ。」
「よろしくとは言わないのですね。」
「何のことかしら?」
「はぁ、質問に答えますから1曲お相手願えますか。少し話しここでは話しにくいので」
タイミングが良すぎるくらい
ちょうど曲が始まった。
この男と踊りたくないが私が誰とも踊らなかったら両親が心配するし、質問も答えなさそうだ。
「わかったわ」
わたしは差し出された彼の手をとった。
ちなみに登場人物全員いる。
つい先日絶対に会わないと決めたのに。
しかし、私には拒否権がなかった。
この舞踏会はまだ社交界デビューしてない10歳以上の子供をデビューさせ、他の子供達と交流させ国の人間関係を強めるという大層な名目だが実際はちがう。王太子の婚約者、側近候補を選定する場だ。だから少女はうんと着飾り、少年達は自分の有能性をアピールしている。私はこの場に絶対くるべきではなかった。原作では王太子の婚約者だ。
多分決められたのもこの日だろう。
しかし、冒険に熱中してた私は社交界デビューのことをすっかり忘れていた。
そもそもデビューしてても、王命だったので断れないが‥
なので出来るだけ目立たないように
王太子に挨拶して壁の花となる。
王太子は穏やかで人当たりがいいので
たくさんの少女に囲まれて仕舞えば断れない。
なので王太子と話すことはない。
だから、ひたすらに用意されていた食事やデザートを食べる。
王宮のものだけあってすごい美味しい。
ひたすら食べていると
「ブフォ」
と突然ふきだした声が聞こえる。
失礼な奴だな、一応公爵令嬢だから
綺麗な所作を心がけているのに。
そう思い振り返ると
肩まである薄紫の髪にタレ目がちな赤い瞳をもち中性的であり甘い顔立ちをもつ少年が口を塞いで肩を震わせていた。
周りにいる少女達は王子に気に入られようと必死でこの美少年に気づいていない。
逃げなければ‥
私は即座に判断してその場を離れようとする。間違ってなければ彼は
アイビー・インパチェス
原作の登場人物で侯爵家長男であり次期魔術師団長を期待され、今は知らないが中性的な容姿から将来女性の噂が絶えない人物のはずだ。
絡まれては非常にめんどくさそうだ。
「待ってください‼︎アベリア嬢」
私が立ち去ろうとしているのに気づいたのか引き留めてきた。うざい。
しかし今はそれよりも
「なぜ今日デビューした私の名前を知っているの?」名前を知っているのが不自然だった。理由は1つ、この国はデビューすることで貴族の仲間入りとなる、なのでデビュー前の子供はまだ貴族とはいえない
なので名前を知ることはまずないのだ。
私はまだこの男に名乗っていない。
知るはずがないのだ。
「それは、王太子に挨拶してるのを聞いたからですよ」
胡散臭い笑みを向けてくる。
大抵はその笑顔で騙されるだろうけど
「あなた、それでは相当耳がいいのね。
その時会場の外に出ていなかったみたいだけど‥」
「えっ‥」
まさか私が自分の存在がいないことにきづいてるとは思わなかったのだろう。
舐めないでほしい、一応人類最強といわれているのだ。特定の人物の位置をずっと
把握しているなんて朝飯前だ。
私が危険人物達の場所を把握しないわけないじゃないか。さっきは少しデザートに夢中になっていたが、自分に向かってきてることはわかっていた‥食事が目的で私に話しかけるとは思わなかったんだ‥
「で?あなたはなぜ私の名前を知っているの。アイビー様?」
「あなたこそなぜ私の名を?」
「あなたは同年代だけど私より先にデビューしているじゃない。それにあなたは次期魔術師団長候補で有名よ」
さっきの彼と同じような胡散臭い笑みを私もうかべる
「はは‥
あなたの方が一枚上手ですね。
自己紹介が遅れました。インパチェス侯爵家長男のアイビーといいます。よろしくお願いします。」
「私はスターチス公爵家長女アベリアよ。」
「よろしくとは言わないのですね。」
「何のことかしら?」
「はぁ、質問に答えますから1曲お相手願えますか。少し話しここでは話しにくいので」
タイミングが良すぎるくらい
ちょうど曲が始まった。
この男と踊りたくないが私が誰とも踊らなかったら両親が心配するし、質問も答えなさそうだ。
「わかったわ」
わたしは差し出された彼の手をとった。
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