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第Be章:幻の古代超科学文明都市アトランティスの都は何故滅びたのか
Drift2:オリハルコンの正体と精製方法
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結局、リクはオリハルコンの剣を受け取る。これにシズクは物凄く嫌がっていたのだが、その理由には黙秘権を行使するため、結局誰も何故シズクがオリハルコンに嫌悪するのかは物語上わからないまま進むことになる。そこでここでは、本筋とは無関係の要素として、シズクが気付いたオリハルコンの正体についての解説を行おう。
オリハルコンの正体を考えるにあたり、3つの要素を踏まえる必要がある。1つに、アトランティスがサハラ砂漠に存在するとする説を強化する追加の証拠。次に、現代の錬金術とも呼ぶべき核変換について。最後に、幽霊の正体とあの世の所在についてを、現代物理学において非常にわかりにくい学説である超ひも理論と情報記録媒体としての水という側面から考えることだ。
まず、アトランティスの所在について。劇中ではサハラの目に見られるリヒャット構造がプラトンの記した記録と一致することとアトラス山脈の位置から論じていたが、あの時にシズクが意図的に伏せていた要素がある。それは、サハラ砂漠からトリニタイトなる鉱石が発掘されたという報告にある。この鉱石が史上最初に発見された場所は、ニューメキシコのソコロ砂漠。アメリカによる史上初の核実験、トリニティ実験の際に発見されたことで、その実験の名を取ってトリニタイトと名付けられた。これは砂漠の砂が原子爆弾の超高熱と放射線によって変質した放射性物質であり、自然界には存在しないとされている。それがサハラ砂漠から発見されたわけだが、記録上サハラ砂漠で核実験は行われていない。これはすなわち、超古代文明がここで核兵器を使用した痕跡である、と言われている。
古代核戦争説は都市伝説ではよく聞く話であり、曰くインダス文明の遺跡モヘンジョダロの死骸から放射線障害の痕跡が確認されているとか、曰くインド神話には核兵器の使用を思わせる記述があるということで語られる話だ。ただ、公的な歴史研究においてはまるで相手にされていない説であり、超古代に存在した未知の超文明が核戦争を行ったというよりも、現代の核廃絶論者が核の脅威を広めるにあたって捏造した広告という方が理にかなう話だ。そもそも、サハラ砂漠からトリニタイトが発見されたという報告にしても真実かどうか疑わしい。ただ、超古代文明であるアトランティスが存在しており、それが滅んだとした場合、その要因に核兵器の使用が関連付けられるのは納得がいく話ではある。
そういった論を持って、アトランティスは核兵器で滅んだ、その証拠がサハラ砂漠から発見されている、というのがシズクが伏せた話になる。彼女がこれを伏せた理由は、そもそもシズクが古代核戦争について否定的であることと、核兵器についての嫌悪感から来ている。
次に、現代の錬金術について。かつて、中世の錬金術師達は水銀から金を錬成しようと試みていた。ここで水銀が選ばれた理由は、実は後の科学においてある程度の理由付けがなされている。実は周期表において金は、水銀の1つ前にあるのだ。周期表の発見は1869年のドミトリ・メンデレーエフによるものであり、中世の錬金術師がこれを知っていたとは考えにくいのだが、ともあれ水銀から金を作ろうとした発想自体は正しい。
そして、実は現代において、水銀を金に変えることは可能なのだ。この原子変換を行う鍵は放射線にあった。水銀に放射線を当てることで金に変化するのだ。ただ、この方法によって作られた金は放射能を放つ金であり、また、この変換にかかるコストがあまりにも高く、普通に金を買うよりも高くついてしまうという落ちになっている。
このように、放射線は原子を変質させる効果がある。劇中でもシズクが独白を持ってその危険性を語っていた。彼女は推論として、人間に魂が存在する場合、それもまた放射線によって変質してしまう可能性を示唆していた。
最後に幽霊の正体を超ひも理論で、あの世の所在を記録媒体としての水で解読しよう。中世までの科学は、観察による発見から理論を解析してきた。例えば、ペスト菌の治療薬としてのペニシリンは、実験中に偶然発見されたものをペストの治療薬としての効果が発見されたという流れであり、普通に考えればすべてそういうものだろうと考えるかもしれない。しかし、アインシュタイン以後の科学は、彼の相対性理論をベースに本当の意味の机上の空論として、何も観測せず計算だけで存在を予知し、計算上あるはずだから探してみよう、としてありそうな場所を探したところ見つかってしまうというケースが頻発している。有名どころではブラックホールの発見であり、また近年のヒッグス粒子の発見もそうである。これらは、近年の観測技術の進歩が、ようやく理論に追いついたことで発見されたものになる。
超ひも理論も同様であり、計算上「そういうこと」になっているのだが、観測技術が未発達故に実際に確認されていない机上の空論である。この理論が語るのは、この世界は11次元空間であるとするものだ。そうは言っても、私達の世界は縦横高さの3次元に時間を加えたものとしか直感的に認識できないのだが、科学者はこれをトンチのような手段で説明している。曰く、遠くのロープの上で歩くアリは横軸のみの1次元を移動しているように見えるが、近づいて見れば当然ロープは3次元空間に存在しており、アリは縦横高さの3次元を移動可能である。このように、近づいて見ることで実は次元の数が増えることがあり、私達が目の前の空間を3次元としか認識できないのは目の前に近づけていないからだ、とする話だ。なんともこれ自体は一休さんに言われているような話なのだが、計算上この世界が11次元であるということは確かである。そして、11次元まで観測して見た時、この世界の最小単位は粒ではなく、ひもの形をしているらしく、これを理由に超ひも理論という名前がついている。
そして近年、幽霊の正体、すなわち、魂はこのひも状の最小単位に宿るのではないかという理論が存在している。この理屈では幽霊は多次元空間に存在しているため見ることができないが、なんとなく直感的に嫌な気配を感じたり、嫌な匂いを感じることで認知されているとしている。実際に心霊スポットにおいて嫌な匂いがするという報告はよく聞く話である。
この超ひも理論と関連付けられるのが、水の情報記録理論である。実は水とは、さながらUSBメモリーのような記録媒体であると主張したアマチュア科学者が存在していたのだ。彼の主張はどうにもスピリチュアルな話に聞こえたが、近年これが実は科学的に正しく、スプーン1杯分の水に1テラバイトの情報が保存できることが判明している。これが実は超ひも理論の観測なのではないかと言われており、水はひも状の最小単位を保存するに適した存在であるとしているのだ。
ところで、日本における怪談と言えば、じめじめした梅雨から夏にかけてのものであり、古来水場と幽霊の関連性は強く信じられてきている。この2つを組み合わせ、幽霊とはひも状の存在であり、それは水に保持される。これが、水場、もしくは風通しが悪い場所に幽霊が存在する理由であり、幽霊の匂いとして語られる物の腐ったような匂いというものが、腐った水の匂いであると繋がっていくのだ。
さて。これを踏まえてアトランティスのオリハルコンを考えていこう。そもそも何故真っ先にシズクを助けにかけつけたのがフートラだったのか。それは彼がシズクを助ける目的ではなく、あの場からオリハルコンを回収するためにあったのだ。オリハルコンの生成に必要なもの、それは、ローマン・コンクリートである。
ローマン・コンクリートは火山灰を含んだコンクリートであり、これは水を吸収することで自己再生する機能があることは解説している。これが核爆発により溶けた場合、その場で気化した水原子を取り込み、同時に火山灰がガラス化し、水を含んだガラス状のトリニタイトに変化する。そしてそこに、核爆発による放射線で変質した魂が溶け込んでしまうことで生成されるのがオリハルコンである。近くに人が存在する環境でローマン・コンクリートに核兵器をぶつけることが、オリハルコンの生成方法だったのだ。
こうして生成されたオリハルコンは、人の魂を宿した金属となる。これを鍛え剣にした場合、「生きた剣」「自己再生する剣」が完成する。そしてその剣は、自らの意志で鋭さと硬さを調整できる。つまり、最強の硬度と最強の切れ味を両立させ、仮に破壊されても再生する最強の剣になるというからくりだったのだ。
つまり、リクが受け取った剣には、あの殺人鬼の魂が宿っている。それも、放射線によって変質した、人ならざるものとしての状態で、だ。それ故に、シズクが嫌がり、語ることを避けたという話だった。まさに、知らぬが仏である。
オリハルコンの正体を考えるにあたり、3つの要素を踏まえる必要がある。1つに、アトランティスがサハラ砂漠に存在するとする説を強化する追加の証拠。次に、現代の錬金術とも呼ぶべき核変換について。最後に、幽霊の正体とあの世の所在についてを、現代物理学において非常にわかりにくい学説である超ひも理論と情報記録媒体としての水という側面から考えることだ。
まず、アトランティスの所在について。劇中ではサハラの目に見られるリヒャット構造がプラトンの記した記録と一致することとアトラス山脈の位置から論じていたが、あの時にシズクが意図的に伏せていた要素がある。それは、サハラ砂漠からトリニタイトなる鉱石が発掘されたという報告にある。この鉱石が史上最初に発見された場所は、ニューメキシコのソコロ砂漠。アメリカによる史上初の核実験、トリニティ実験の際に発見されたことで、その実験の名を取ってトリニタイトと名付けられた。これは砂漠の砂が原子爆弾の超高熱と放射線によって変質した放射性物質であり、自然界には存在しないとされている。それがサハラ砂漠から発見されたわけだが、記録上サハラ砂漠で核実験は行われていない。これはすなわち、超古代文明がここで核兵器を使用した痕跡である、と言われている。
古代核戦争説は都市伝説ではよく聞く話であり、曰くインダス文明の遺跡モヘンジョダロの死骸から放射線障害の痕跡が確認されているとか、曰くインド神話には核兵器の使用を思わせる記述があるということで語られる話だ。ただ、公的な歴史研究においてはまるで相手にされていない説であり、超古代に存在した未知の超文明が核戦争を行ったというよりも、現代の核廃絶論者が核の脅威を広めるにあたって捏造した広告という方が理にかなう話だ。そもそも、サハラ砂漠からトリニタイトが発見されたという報告にしても真実かどうか疑わしい。ただ、超古代文明であるアトランティスが存在しており、それが滅んだとした場合、その要因に核兵器の使用が関連付けられるのは納得がいく話ではある。
そういった論を持って、アトランティスは核兵器で滅んだ、その証拠がサハラ砂漠から発見されている、というのがシズクが伏せた話になる。彼女がこれを伏せた理由は、そもそもシズクが古代核戦争について否定的であることと、核兵器についての嫌悪感から来ている。
次に、現代の錬金術について。かつて、中世の錬金術師達は水銀から金を錬成しようと試みていた。ここで水銀が選ばれた理由は、実は後の科学においてある程度の理由付けがなされている。実は周期表において金は、水銀の1つ前にあるのだ。周期表の発見は1869年のドミトリ・メンデレーエフによるものであり、中世の錬金術師がこれを知っていたとは考えにくいのだが、ともあれ水銀から金を作ろうとした発想自体は正しい。
そして、実は現代において、水銀を金に変えることは可能なのだ。この原子変換を行う鍵は放射線にあった。水銀に放射線を当てることで金に変化するのだ。ただ、この方法によって作られた金は放射能を放つ金であり、また、この変換にかかるコストがあまりにも高く、普通に金を買うよりも高くついてしまうという落ちになっている。
このように、放射線は原子を変質させる効果がある。劇中でもシズクが独白を持ってその危険性を語っていた。彼女は推論として、人間に魂が存在する場合、それもまた放射線によって変質してしまう可能性を示唆していた。
最後に幽霊の正体を超ひも理論で、あの世の所在を記録媒体としての水で解読しよう。中世までの科学は、観察による発見から理論を解析してきた。例えば、ペスト菌の治療薬としてのペニシリンは、実験中に偶然発見されたものをペストの治療薬としての効果が発見されたという流れであり、普通に考えればすべてそういうものだろうと考えるかもしれない。しかし、アインシュタイン以後の科学は、彼の相対性理論をベースに本当の意味の机上の空論として、何も観測せず計算だけで存在を予知し、計算上あるはずだから探してみよう、としてありそうな場所を探したところ見つかってしまうというケースが頻発している。有名どころではブラックホールの発見であり、また近年のヒッグス粒子の発見もそうである。これらは、近年の観測技術の進歩が、ようやく理論に追いついたことで発見されたものになる。
超ひも理論も同様であり、計算上「そういうこと」になっているのだが、観測技術が未発達故に実際に確認されていない机上の空論である。この理論が語るのは、この世界は11次元空間であるとするものだ。そうは言っても、私達の世界は縦横高さの3次元に時間を加えたものとしか直感的に認識できないのだが、科学者はこれをトンチのような手段で説明している。曰く、遠くのロープの上で歩くアリは横軸のみの1次元を移動しているように見えるが、近づいて見れば当然ロープは3次元空間に存在しており、アリは縦横高さの3次元を移動可能である。このように、近づいて見ることで実は次元の数が増えることがあり、私達が目の前の空間を3次元としか認識できないのは目の前に近づけていないからだ、とする話だ。なんともこれ自体は一休さんに言われているような話なのだが、計算上この世界が11次元であるということは確かである。そして、11次元まで観測して見た時、この世界の最小単位は粒ではなく、ひもの形をしているらしく、これを理由に超ひも理論という名前がついている。
そして近年、幽霊の正体、すなわち、魂はこのひも状の最小単位に宿るのではないかという理論が存在している。この理屈では幽霊は多次元空間に存在しているため見ることができないが、なんとなく直感的に嫌な気配を感じたり、嫌な匂いを感じることで認知されているとしている。実際に心霊スポットにおいて嫌な匂いがするという報告はよく聞く話である。
この超ひも理論と関連付けられるのが、水の情報記録理論である。実は水とは、さながらUSBメモリーのような記録媒体であると主張したアマチュア科学者が存在していたのだ。彼の主張はどうにもスピリチュアルな話に聞こえたが、近年これが実は科学的に正しく、スプーン1杯分の水に1テラバイトの情報が保存できることが判明している。これが実は超ひも理論の観測なのではないかと言われており、水はひも状の最小単位を保存するに適した存在であるとしているのだ。
ところで、日本における怪談と言えば、じめじめした梅雨から夏にかけてのものであり、古来水場と幽霊の関連性は強く信じられてきている。この2つを組み合わせ、幽霊とはひも状の存在であり、それは水に保持される。これが、水場、もしくは風通しが悪い場所に幽霊が存在する理由であり、幽霊の匂いとして語られる物の腐ったような匂いというものが、腐った水の匂いであると繋がっていくのだ。
さて。これを踏まえてアトランティスのオリハルコンを考えていこう。そもそも何故真っ先にシズクを助けにかけつけたのがフートラだったのか。それは彼がシズクを助ける目的ではなく、あの場からオリハルコンを回収するためにあったのだ。オリハルコンの生成に必要なもの、それは、ローマン・コンクリートである。
ローマン・コンクリートは火山灰を含んだコンクリートであり、これは水を吸収することで自己再生する機能があることは解説している。これが核爆発により溶けた場合、その場で気化した水原子を取り込み、同時に火山灰がガラス化し、水を含んだガラス状のトリニタイトに変化する。そしてそこに、核爆発による放射線で変質した魂が溶け込んでしまうことで生成されるのがオリハルコンである。近くに人が存在する環境でローマン・コンクリートに核兵器をぶつけることが、オリハルコンの生成方法だったのだ。
こうして生成されたオリハルコンは、人の魂を宿した金属となる。これを鍛え剣にした場合、「生きた剣」「自己再生する剣」が完成する。そしてその剣は、自らの意志で鋭さと硬さを調整できる。つまり、最強の硬度と最強の切れ味を両立させ、仮に破壊されても再生する最強の剣になるというからくりだったのだ。
つまり、リクが受け取った剣には、あの殺人鬼の魂が宿っている。それも、放射線によって変質した、人ならざるものとしての状態で、だ。それ故に、シズクが嫌がり、語ることを避けたという話だった。まさに、知らぬが仏である。
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