38 / 234
34.国際会議⑲ Side.カリン王子
しおりを挟む
国際会議を終え、ガヴァム王国へと帰ってきた。
暗部に確認すると父はフランシス公爵の私兵によって追い詰められ、彼の用意した邸で隠居生活を送っているとのこと。
ちなみに母とは離縁し、実家に帰したらしい。
王位を退いたら母は不要だったということなのか…。
愛のない政略結婚も虚しいものだなと思った。
けれどこれで死ぬのは父一人となったと言っても過言ではないだろう。
後はただ死を待つだけだ。
(父上…)
ロキには恨み言は死体に言ってやれと言ったものの、自分にとっては昔から目を掛けてくれていた父だ。
思うところがないとは言わない。
けれどロキを殺す手段にブルーグレイの王太子を巻き込んだ時点で既に父は詰んでいたのだ。
この国がなくならずに済んだのは、ひとえにブルーグレイの王太子がロキを見極めた結果に過ぎない。
ロキが生にも国にも何一つ執着を見せなかったことがたまたまいい方向に転がって、あの王太子にガヴァムを潰すのは無駄だと思わせた。ただそれだけ────。
そして彼はロキに王となれと言った。
あの王太子がロキを気に入ったのは意外だったが、元々父を退位に追い込むつもりだった自分にとっては僥倖だった。
渋々ながらもロキは王になると言ってくれたのだから。
後は周囲の者達を使って全力でロキを支えるだけだ。
「宰相」
「は…」
「溜まっている仕事で暫くは忙しいだろうが、王のなすべき仕事は一先ず簡単なものからロキに回していくように。残りはできる限り俺が判断する」
「かしこまりました」
「カスターニュ侯爵」
「はっ」
「不穏分子の情報は?」
「こちらに」
「…………手の者を十分に使い、足を引っ張る者はすべて排除しろ」
「すでに動き始めておりますので、どうぞご安心を」
「財務大臣」
「はいっ!」
「大臣達で協力し、ロキの戴冠式と俺との結婚式に向けての準備を頼む。結婚式の分も含め花は全てミラルカに頼むことになった。外務大臣にも詳細は伝えてあるから失礼のないよう対応してくれ」
「かしこまりました」
「法務大臣」
「はい」
「法の改正案をまとめた。直ちに議会を開き、速やかに承認を取れ。国民達にも周知するように」
「承りました」
「騎士団長」
「はっ!」
「騎士団内部の規律を見直し、速やかに統制を取り直すよう徹底せよ。たるんでいる者は容赦なく鍛え直し、戴冠式に間に合うよう矯正をしておくように」
「かしこまりました!」
「皆、急なロキの王位継承に苦労を掛けてしまうが、ブルーグレイの王太子の温情と思い、良く支えてやって欲しい」
本当はそんなものがなくてもロキを支えてやって欲しいが、こう言っておけば手を抜く者など出てこないことだろう。
その証拠に皆が皆、気を引き締め直すのを感じた。
***
「あ、兄上」
部屋に戻るとロキがミュゼとリヒターに帝王学の勉強を教えてもらっていた。
ここ最近ミュゼの変態具合が落ち着いたからか、嫌悪感も減ったようだ。
リヒターと二人がかりで調教してやった甲斐があった。
「ロキ。勉強は順調か?」
「はい。リヒターは教えるのが上手ですし、ミュゼもわかりやすく要点を教えてくれます」
「そうか。多少詰め込みになってしまうが、無理を押してでもなんとかこなしてくれ」
すまないと言ってそっと抱き寄せてやると、それだけで幸せそうに笑ってくれたので少し安心する。
「大丈夫です。それよりも兄上に色々任せっぱなしですみません」
「いや。俺は元々王太子だったからな。やるべきことを大体把握できている。それほど負担でもないから気にするな」
「そうですか?…俺も兄上の隣に立てるようにこれからは努力しますね」
そして国際会議でロッシュ卿に大事なことを教えてもらえたから、それを実践していきたいと言ってくれた。
正直あの日は引き合わせて失敗してしまったかと後悔したものだが、なんだかんだで気に入ってもらえたのか、ロッシュ卿はロキに王としての矜持のようなものを伝えてくれたらしい。
これからは俺以外にも目を向け、ロキの目に映る世界を広げていってもらえたらいいと思う。
いずれにせよ、今回の国際会議でのロキの外交は成功したと言えるだろう。
暗殺の危険を冒してでも行って良かったと思えるほどの成果は出た。
最大の利は言うまでもなくブルーグレイの王太子に気に入られたこと。
次いでミラルカのレオナルド皇子始め王族全てに気に入られたこと。
他にもクレメンツの宰相サーディ卿、フォルクスリーニアスの宰相ロッシュ卿、フォルティエンヌの鬼才魔道具師のジョン=カーター、隣国レトロンの外交官であり公爵位にあるクリス=ハルネスなどなど、力ある権力者達と知り合いになれたこと。
たとえ狙ってのことでなかったとしても彼等との繋がりは大きく、これらの功績は非常に大きいと言えた。
これに加えて宰相や外務大臣などが新たに強固にしてきたパイプを使えばまずロキの地位が揺らぐことはない。
それ即ち周辺諸国に戦争を仕掛けられる危機は当面訪れないということに他ならないのだ。
後は、内部を整えて行くだけ。
それもいつの間にかロキの味方になっていた情報局長のカスターニュ侯爵がいれば容易になるだろう。
「そうだ、兄上。結婚式の衣装は俺が決めてもいいですか?」
どこかはにかむようにそんなことを言ってくるロキにもちろんだと答えを返しながらも、先に戴冠式の準備をしないとなと言ってやる。
けれどそちらに関してはどうでもいいとでも言いたげな顔を向けてきた。
この弟は王になるよりも俺との結婚の方が待ち遠しいらしい。
本当に困った弟だ。
仕方がないから戴冠式にも多少興味が持てるようにしてやろうか。
「ロキ。戴冠式は俺の手からお前に王冠を授けることになるはずだ」
「え?」
「父上が生きていれば父上がお前の頭に王冠を授けるが、その頃にはいないだろう?」
「あ……」
ガヴァムの王族の血は国で一番尊いと言われているため、戴冠の儀では王族の誰かが新王に冠を授けるのが習わしだ。
歴史上母である王妃の手でということもなくはなかったが、母と父はすでに離縁が成立してしまっているため俺以外に王族は他にいない。
だからこそ、俺の手でロキを王にしてやることができるのだ。
「兄上の手で…王に」
「そうだ」
だからその時の衣装も一緒に決めようと言ってやりながら、手順も一緒に覚えようと口にしてやると俄然やる気を出してきた。
「頑張ります」
「その意気だ」
とは言え本当に俺を中心に回っているロキが少々心配になる。
俺がロキを利用しようとしていたらどうする気なのだろうか?
(まあ…元々王位に興味がないようだし、仕方がないか…)
基本破滅思考だものなと思いながらも、今では別にそれが悪いことばかりでもないと思っている自分に少し笑ってしまった。
こんなロキを幸せにしてやれる楽しみを、既に自分が見出してしまっているからだ。
セドリック王子はロキを立派な王にするのは大変だろうがと言ってはいたが、別に立派な王にする必要はない。
ロキにはロキらしく、これからはずっと幸せに笑っていて欲しい。
敢えて言うのなら、立派な王というよりは幸せな王になってくれたらそれでいい。
それを見た民達が喜んでくれるような施政を行っていけば別に不可能なことではないだろう。
その為に俺や周囲の者達がいるのだから。
はっきり言ってアンシャンテ王から優秀な暗部を引き抜けたのは幸いだった。
ざっくりと経歴を聞いた上でロキへの思いを語ってもらったが、その忠誠心は本物で疑う余地さえないほどの妄信っぷり。
どうしてそうなったんだと思い話を聞いてみたら納得がいった。
ご主人様は絶対だ。特にロキは最高だ。抗う気になれない気持ちは誰よりもよくわかる。
あの男は絶対にこれから役に立つことだろう。
暗部の上手な使い方もこれからロキにきちんと教えてやらないと。
やるべきことは山積みでまだまだ暫く落ち着きそうにはないが、きっと何とかなる事だろう。
「ロキ。お前の頭に王冠を被せる日を楽しみにしている」
そう言って俺は愛しい弟に笑いかけた。
****************
※完全にまともそうに見えても、ちょっと『ご主人様LOVE思考』が出ちゃってるカリン王子の心境でした。
暗部に確認すると父はフランシス公爵の私兵によって追い詰められ、彼の用意した邸で隠居生活を送っているとのこと。
ちなみに母とは離縁し、実家に帰したらしい。
王位を退いたら母は不要だったということなのか…。
愛のない政略結婚も虚しいものだなと思った。
けれどこれで死ぬのは父一人となったと言っても過言ではないだろう。
後はただ死を待つだけだ。
(父上…)
ロキには恨み言は死体に言ってやれと言ったものの、自分にとっては昔から目を掛けてくれていた父だ。
思うところがないとは言わない。
けれどロキを殺す手段にブルーグレイの王太子を巻き込んだ時点で既に父は詰んでいたのだ。
この国がなくならずに済んだのは、ひとえにブルーグレイの王太子がロキを見極めた結果に過ぎない。
ロキが生にも国にも何一つ執着を見せなかったことがたまたまいい方向に転がって、あの王太子にガヴァムを潰すのは無駄だと思わせた。ただそれだけ────。
そして彼はロキに王となれと言った。
あの王太子がロキを気に入ったのは意外だったが、元々父を退位に追い込むつもりだった自分にとっては僥倖だった。
渋々ながらもロキは王になると言ってくれたのだから。
後は周囲の者達を使って全力でロキを支えるだけだ。
「宰相」
「は…」
「溜まっている仕事で暫くは忙しいだろうが、王のなすべき仕事は一先ず簡単なものからロキに回していくように。残りはできる限り俺が判断する」
「かしこまりました」
「カスターニュ侯爵」
「はっ」
「不穏分子の情報は?」
「こちらに」
「…………手の者を十分に使い、足を引っ張る者はすべて排除しろ」
「すでに動き始めておりますので、どうぞご安心を」
「財務大臣」
「はいっ!」
「大臣達で協力し、ロキの戴冠式と俺との結婚式に向けての準備を頼む。結婚式の分も含め花は全てミラルカに頼むことになった。外務大臣にも詳細は伝えてあるから失礼のないよう対応してくれ」
「かしこまりました」
「法務大臣」
「はい」
「法の改正案をまとめた。直ちに議会を開き、速やかに承認を取れ。国民達にも周知するように」
「承りました」
「騎士団長」
「はっ!」
「騎士団内部の規律を見直し、速やかに統制を取り直すよう徹底せよ。たるんでいる者は容赦なく鍛え直し、戴冠式に間に合うよう矯正をしておくように」
「かしこまりました!」
「皆、急なロキの王位継承に苦労を掛けてしまうが、ブルーグレイの王太子の温情と思い、良く支えてやって欲しい」
本当はそんなものがなくてもロキを支えてやって欲しいが、こう言っておけば手を抜く者など出てこないことだろう。
その証拠に皆が皆、気を引き締め直すのを感じた。
***
「あ、兄上」
部屋に戻るとロキがミュゼとリヒターに帝王学の勉強を教えてもらっていた。
ここ最近ミュゼの変態具合が落ち着いたからか、嫌悪感も減ったようだ。
リヒターと二人がかりで調教してやった甲斐があった。
「ロキ。勉強は順調か?」
「はい。リヒターは教えるのが上手ですし、ミュゼもわかりやすく要点を教えてくれます」
「そうか。多少詰め込みになってしまうが、無理を押してでもなんとかこなしてくれ」
すまないと言ってそっと抱き寄せてやると、それだけで幸せそうに笑ってくれたので少し安心する。
「大丈夫です。それよりも兄上に色々任せっぱなしですみません」
「いや。俺は元々王太子だったからな。やるべきことを大体把握できている。それほど負担でもないから気にするな」
「そうですか?…俺も兄上の隣に立てるようにこれからは努力しますね」
そして国際会議でロッシュ卿に大事なことを教えてもらえたから、それを実践していきたいと言ってくれた。
正直あの日は引き合わせて失敗してしまったかと後悔したものだが、なんだかんだで気に入ってもらえたのか、ロッシュ卿はロキに王としての矜持のようなものを伝えてくれたらしい。
これからは俺以外にも目を向け、ロキの目に映る世界を広げていってもらえたらいいと思う。
いずれにせよ、今回の国際会議でのロキの外交は成功したと言えるだろう。
暗殺の危険を冒してでも行って良かったと思えるほどの成果は出た。
最大の利は言うまでもなくブルーグレイの王太子に気に入られたこと。
次いでミラルカのレオナルド皇子始め王族全てに気に入られたこと。
他にもクレメンツの宰相サーディ卿、フォルクスリーニアスの宰相ロッシュ卿、フォルティエンヌの鬼才魔道具師のジョン=カーター、隣国レトロンの外交官であり公爵位にあるクリス=ハルネスなどなど、力ある権力者達と知り合いになれたこと。
たとえ狙ってのことでなかったとしても彼等との繋がりは大きく、これらの功績は非常に大きいと言えた。
これに加えて宰相や外務大臣などが新たに強固にしてきたパイプを使えばまずロキの地位が揺らぐことはない。
それ即ち周辺諸国に戦争を仕掛けられる危機は当面訪れないということに他ならないのだ。
後は、内部を整えて行くだけ。
それもいつの間にかロキの味方になっていた情報局長のカスターニュ侯爵がいれば容易になるだろう。
「そうだ、兄上。結婚式の衣装は俺が決めてもいいですか?」
どこかはにかむようにそんなことを言ってくるロキにもちろんだと答えを返しながらも、先に戴冠式の準備をしないとなと言ってやる。
けれどそちらに関してはどうでもいいとでも言いたげな顔を向けてきた。
この弟は王になるよりも俺との結婚の方が待ち遠しいらしい。
本当に困った弟だ。
仕方がないから戴冠式にも多少興味が持てるようにしてやろうか。
「ロキ。戴冠式は俺の手からお前に王冠を授けることになるはずだ」
「え?」
「父上が生きていれば父上がお前の頭に王冠を授けるが、その頃にはいないだろう?」
「あ……」
ガヴァムの王族の血は国で一番尊いと言われているため、戴冠の儀では王族の誰かが新王に冠を授けるのが習わしだ。
歴史上母である王妃の手でということもなくはなかったが、母と父はすでに離縁が成立してしまっているため俺以外に王族は他にいない。
だからこそ、俺の手でロキを王にしてやることができるのだ。
「兄上の手で…王に」
「そうだ」
だからその時の衣装も一緒に決めようと言ってやりながら、手順も一緒に覚えようと口にしてやると俄然やる気を出してきた。
「頑張ります」
「その意気だ」
とは言え本当に俺を中心に回っているロキが少々心配になる。
俺がロキを利用しようとしていたらどうする気なのだろうか?
(まあ…元々王位に興味がないようだし、仕方がないか…)
基本破滅思考だものなと思いながらも、今では別にそれが悪いことばかりでもないと思っている自分に少し笑ってしまった。
こんなロキを幸せにしてやれる楽しみを、既に自分が見出してしまっているからだ。
セドリック王子はロキを立派な王にするのは大変だろうがと言ってはいたが、別に立派な王にする必要はない。
ロキにはロキらしく、これからはずっと幸せに笑っていて欲しい。
敢えて言うのなら、立派な王というよりは幸せな王になってくれたらそれでいい。
それを見た民達が喜んでくれるような施政を行っていけば別に不可能なことではないだろう。
その為に俺や周囲の者達がいるのだから。
はっきり言ってアンシャンテ王から優秀な暗部を引き抜けたのは幸いだった。
ざっくりと経歴を聞いた上でロキへの思いを語ってもらったが、その忠誠心は本物で疑う余地さえないほどの妄信っぷり。
どうしてそうなったんだと思い話を聞いてみたら納得がいった。
ご主人様は絶対だ。特にロキは最高だ。抗う気になれない気持ちは誰よりもよくわかる。
あの男は絶対にこれから役に立つことだろう。
暗部の上手な使い方もこれからロキにきちんと教えてやらないと。
やるべきことは山積みでまだまだ暫く落ち着きそうにはないが、きっと何とかなる事だろう。
「ロキ。お前の頭に王冠を被せる日を楽しみにしている」
そう言って俺は愛しい弟に笑いかけた。
****************
※完全にまともそうに見えても、ちょっと『ご主人様LOVE思考』が出ちゃってるカリン王子の心境でした。
21
お気に入りに追加
1,078
あなたにおすすめの小説
転生したらチートすぎて逆に怖い
至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん
愛されることを望んでいた…
神様のミスで刺されて転生!
運命の番と出会って…?
貰った能力は努力次第でスーパーチート!
番と幸せになるために無双します!
溺愛する家族もだいすき!
恋愛です!
無事1章完結しました!
【完結】僕の大事な魔王様
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
BL
母竜と眠っていた幼いドラゴンは、なぜか人間が住む都市へ召喚された。意味が分からず本能のままに隠れたが発見され、引きずり出されて兵士に殺されそうになる。
「お母さん、お父さん、助けて! 魔王様!!」
魔族の守護者であった魔王様がいない世界で、神様に縋る人間のように叫ぶ。必死の嘆願は幼ドラゴンの魔力を得て、遠くまで響いた。そう、隣接する別の世界から魔王を召喚するほどに……。
俺様魔王×いたいけな幼ドラゴン――成長するまで見守ると決めた魔王は、徐々に真剣な想いを抱くようになる。彼の想いは幼過ぎる竜に届くのか。ハッピーエンド確定
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/11……完結
2023/09/28……カクヨム、週間恋愛 57位
2023/09/23……エブリスタ、トレンドBL 5位
2023/09/23……小説家になろう、日間ファンタジー 39位
2023/09/21……連載開始
『ユキレラ』義妹に結婚寸前の彼氏を寝取られたど田舎者のオレが、泣きながら王都に出てきて運命を見つけたかもな話
真義あさひ
BL
尽くし男の永遠の片想い話。でも幸福。
ど田舎村出身の青年ユキレラは、結婚を翌月に控えた彼氏を義妹アデラに寝取られた。
確かにユキレラの物を何でも欲しがる妹だったが、まさかの婚約者まで奪われてはさすがに許せない。
絶縁状を叩きつけたその足でど田舎村を飛び出したユキレラは、王都を目指す。
そして夢いっぱいでやってきた王都に到着当日、酒場で安い酒を飲み過ぎて気づいたら翌朝、同じ寝台の中には裸の美少年が。
「えっ、嘘……これもしかして未成年じゃ……?」
冷や汗ダラダラでパニクっていたユキレラの前で、今まさに美少年が眠りから目覚めようとしていた。
※「王弟カズンの冒険前夜」の番外編、「家出少年ルシウスNEXT」の続編
「異世界転移!?~俺だけかと思ったら廃村寸前の俺の田舎の村ごとだったやつ」のメインキャラたちの子孫が主人公です
大好きなBLゲームの世界に転生したので、最推しの隣に居座り続けます。 〜名も無き君への献身〜
7ズ
BL
異世界BLゲーム『救済のマリアージュ』。通称:Qマリには、普通のBLゲームには無い闇堕ちルートと言うものが存在していた。
攻略対象の為に手を汚す事さえ厭わない主人公闇堕ちルートは、闇の腐女子の心を掴み、大ヒットした。
そして、そのゲームにハートを打ち抜かれた光の腐女子の中にも闇堕ちルートに最推しを持つ者が居た。
しかし、大規模なファンコミュニティであっても彼女の推しについて好意的に話す者は居ない。
彼女の推しは、攻略対象の養父。ろくでなしで飲んだくれ。表ルートでは事故で命を落とし、闇堕ちルートで主人公によって殺されてしまう。
どのルートでも死の運命が確約されている名も無きキャラクターへ異常な執着と愛情をたった一人で注いでいる孤独な彼女。
ある日、眠りから目覚めたら、彼女はQマリの世界へ幼い少年の姿で転生してしまった。
異常な執着と愛情を現実へと持ち出した彼女は、最推しである養父の設定に秘められた真実を知る事となった。
果たして彼女は、死の運命から彼を救い出す事が出来るのか──?
ーーーーーーーーーーーー
狂気的なまでに一途な男(in腐女子)×名無しの訳あり飲兵衛
雪狐 氷の王子は番の黒豹騎士に溺愛される
Noah
BL
【祝・書籍化!!!】令和3年5月11日(木)
読者の皆様のおかげです。ありがとうございます!!
黒猫を庇って派手に死んだら、白いふわもこに転生していた。
死を望むほど過酷な奴隷からスタートの異世界生活。
闇オークションで競り落とされてから獣人の国の王族の養子に。
そこから都合良く幸せになれるはずも無く、様々な問題がショタ(のちに美青年)に降り注ぐ。
BLよりもファンタジー色の方が濃くなってしまいましたが、最後に何とかBLできました(?)…
連載は令和2年12月13日(日)に完結致しました。
拙い部分の目立つ作品ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。
Noah
配信ボタン切り忘れて…苦手だった歌い手に囲われました!?お、俺は彼女が欲しいかな!!
ふわりんしず。
BL
晒し系配信者が配信ボタンを切り忘れて
素の性格がリスナー全員にバレてしまう
しかも苦手な歌い手に外堀を埋められて…
■
□
■
歌い手配信者(中身は腹黒)
×
晒し系配信者(中身は不憫系男子)
保険でR15付けてます
くんか、くんか Sweet ~甘くて堪らない、君のフェロモン~
天埜鳩愛
BL
爽やかスポーツマンα × 妄想巣作りのキュートΩ☆ お互いのフェロモンをくんかくんかして「甘い❤」ってとろんっとする、可愛い二人のもだきゅんラブコメ王道オメガバースです。
オメガ性を持つ大学生の青葉はアルバイト先のアイスクリームショップの向かいにあるコーヒーショップの店員、小野寺のことが気になっていた。
彼に週末のデートを誘われ浮かれていたが、発情期の予兆で休憩室で眠ってしまう。
目を覚ますと自分にかけられていた小野寺のパーカーから香る彼のフェロモンに我慢できなくなり、発情を促進させてしまった!
他の男に捕まりそうになった時小野寺が駆けつけ、彼の家の保護される。青葉はランドリーバスケットから誘われるように彼の衣服を拾い集めるが……。
ハッピーな気持ちになれる短編Ωバースです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる