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22.国際会議⑦ Side.カリン王子
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ロキがブルーグレイのセドリック王子を追ってバルコニーへと行ってしまった。
追いかけるべきだと思うのに、身体が恐怖に震えて動いてくれない。
そんな中、ミュゼとリヒターが父の刺客らしき者を見つけたと報告を入れてきた。
これは一大事だとすぐさま探るよう二人に指示を出してその背を見送る。
そしてバルコニーにいるロキの背をただただ情けなく見守っていたのだが、そこへ声をかけてくるものがいた。
ここミラルカ皇国の皇太子だ。
この皇太子とは一応顔見知りではあるのだが、然程親しいと言う関係でもない。
こちらは最早王太子ではなくなっているのだし、向こうから声を掛けてくる利点などはないと思うのだが…。
「カリン王子!申し訳ないが重要な相談事があるので是非、相談に乗って頂きたい!」
その切羽詰まったような真剣な顔に何事だと思ったが、ここまで言うからには本当に何か重大なことなのかもしれない。
けれどロキのことが気にかかるのでそちらの方をそっと見遣ったのだが……。
(笑ってる?)
繊細なくせにどうしてあの王子の前で笑えるのかが物凄く不思議だったが、王子の方も何故かその表情は落ち着いたもので、あの様子なら今のところ殺されることもなさそうだなとホッと息を吐いた。
取り敢えず父の刺客の方はミュゼとリヒターに任せたことだし、少し席を外すくらいは大丈夫だろう。
そう判断し、皇太子と共に会場を出た。
***
「…………ブルーグレイの王太子を怒らせた、と?」
「そうなんだ!妹が世継ぎを産んで国母になったからちょっとくらい援助してもらえると思ったんだけど、アルメリアは自分が言っても無駄だからと断ってきて、どうしてもと言うならアルフレッドを頼ってくれと言われたから呼び出したんだけど……」
どうやらそこに王子も同席してしまい怒らせてしまったらしい。
正直自業自得としか思えないのだが、どうしてここでこちらに相談を持ち掛けてくるのか。理解に苦しむ。
「さっきカリン王子の弟がセドリック王子と仲良さげに話していたのも見たし、会議の場でも庇ってもらってたから多分仲がいいんだよな?頼む!この通り!なんとかロキ王子に頼んで仲を取り持ってはもらえないか?」
拝むように頼まれても無理なものは無理だ。
そもそもからしてこちらの方こそ国が潰されそうで戦々恐々としているのにどうしてこんな頼みごとができるのか。
「ロキとあの王子が仲がいいというのはまずないから、期待するだけ無駄だと思うが?」
「え?!でも、さっきも仲良さげに話していたのをこの目で確認したしっ!」
「あれはそう見えただけで、実際は謝罪をしに行ってくれただけの話だ。以前俺が王子を怒らせたから」
本当は何の話をしに行ったのかまではわからない。
会議の場で何かあったらしいのでその礼を言いに行っただけなのかもしれないし、俺のために何か言いに行ってくれただけなのかもしれない。
ロキの考えていることはいまいちわからないから予想するだけ無駄なのだ。
けれどその話を聞いて皇太子は喰いついてきた。
「カリン王子の件を話しに行くくらい度胸があるならそこに私の分も…!」
この皇太子はどこまで愚かなのだろうか?
自国のことを他国の、しかも王太子に頼みこもうとするなど愚かにも程がある。
それで国同士がこじれれば大変なことになるとどうしてわからないのか…。
「話がそれだけならここで失礼する」
切羽詰まっている気持ちも、あの王子を恐れる気持ちもどちらもわからないではないがそれとこれとは別だということを理解してほしい。
そう思って背を向け部屋を出た。
さて、ロキの方もそろそろ戻ってきているだろうか?
「兄上!」
俺の姿が目に入った途端優しく緩む眼差し。
俺はこの眼差しがとても好きだ。
昔とは違う、幸せそうな顔を見るのも。
過去が辛かった分、今幸せにしてやりたい。
その為にも父の刺客は何としても捕まえ、二度と刺客など送られてこないよう対策を立てなければならない。
騎士団長や宰相、外務大臣にも密かに話は通してある。
リヒター以外の他の近衛達にもしっかりとロキを守るように言い含めているがこちらは少々不安だ。
ミュゼもリヒターもロキを守る気満々なのに対し、他の近衛はあくまでも職務としてしかとらえてはいない。
彼らはロキ個人ではなく『ガヴァム王国の王太子』の護衛として来ているからだ。
そう言った意味ではまだ騎士団長の方がロキのために動いてくれるだろう。
「ロキ。何か楽しい話は聞けたか?」
一緒に話しているのは確かクレメンツ国の宰相だっただろうか?
噂ではかなりできる宰相だと聞いたが…。
「ああ、兄上。こちらの方が鞭についてお詳しかったのでとても丁寧に教えて頂きました」
「…………」
まさかの鞭についての談義だったらしい。
ロキらしいと言えばロキらしい。
「ロキ王子が今お使いの鞭はとても良質の物でして、しなりも耐久性もバランスが非常に良いのですよ。あれをお使いとはお目が高い!」
「確かにあれは物凄く扱いやすいですね。そう言っていただけるとあれを選んでくれた近衛も喜ぶと思います」
「なんと!良い目利きの近衛をお持ちですな!」
「ええ。私が一番信頼している者なのです」
「そうでしょうとも!主人にあの鞭を勧めるなどなかなかできるものではありませんよ!」
何故かリヒターの話になり、クレメンツの宰相に絶賛されている。
正直よくわからないが、好印象は与えられているらしい。
「では兄君が来られたのであれば私はこのへんで」
「はい。実りある話をありがとうございました」
「いいえ!ロキ王子が部下の方を大事にすることも分かりましたし、武器についての理解もあるとわかったことですしこちらとしても楽しい時間でした。もし何か聞きたいことでもあればいつでも聞いてきてください。ロキ王子にならとっておきの情報と共にお教えいたしますので」
「ありがとうございます」
そう言って軽い挨拶と共に去って行ったのだが、これはある意味凄いことだ。
ちょっとどころではなく驚いてしまった。
あの宰相が名を覚え、情報をくれるとまで言ってくれるなんて……。
「ロキ。クレメンツの宰相と良いパイプが持てて良かったな」
「…?クレメンツの宰相だったのですか?ただの鞭コレクターの方だとばかり…」
そんな言葉に頬が引き攣ってしまう。
そう言えばロキは他人に全く関心がなかったのだとすっかり忘れてしまっていた。
「それより兄上。どちらに?」
「ああ。ミラルカの皇太子と少し話しに行っていた。もう終わった話だし、もしお前に接触してきても相手にしないようにしてほしい」
「はあ。わかりました」
全く興味がなさそうにそう返してくるロキが物凄く心配になる。
そしてこんなロキがあの恐ろしい王太子とどんな話をしていたのかも────。
「セドリック王子とは何を?」
「セドリック王子…?ああ、あの親切な方ですか?」
「俺が言っているのはブルーグレイの王子なんだが?」
どう考えても親切な王子ではないだろうとそう振ってやると、ロキはフフッと笑いながら親切な人ですよと返してくるから正気かと怪訝な顔を向けてしまう。
「あの方は会議でも助けてくれましたし、兄上のことも見逃してくださいました。歯向かってこない限りこちらに手を出す気はないと」
「…………」
それこそ信じられない話だ。
俺を快楽堕ちさせたのはまず間違いなく報復行為だった。
一緒に行った者達も全員殺されていると宰相補佐から話も聞いた。
そんな相手がこちらが正気を取り戻しているのを見て何もしてこないというのはどうにも信じ難い。
「大丈夫ですよ。ご褒美にしかならないならやっても無駄だとでも思ったのでは?」
そしてそんな言葉を聞いてやっと納得がいった。
ロキはあの王子に向かって俺を快楽堕ちさせたことに対して面と向かって礼を言ったのだ。
ここで更に国を潰すと言ってもそれはロキにはご褒美にしかならないと気づいたのだろう。
向こうがロキのことを狂王子と呼んでいたことからロキについての調べはしっかりとしているはずだ。
喜ばせるとわかっていてあの王子が動こうとするはずがない。
「……そうか」
ある意味あの王子とロキを接触させて良かったのかもしれない。
これでガヴァム王国としてはやっと一安心できるのだから。
「ロキ。助かった。礼を言う」
「…?どういたしまして?」
そう言って微笑んだロキを連れそのままそっと会場の外に出る。
そろそろ部屋にリヒター達は戻ってきているだろうか?
報告を聞ければいいのだが……。
追いかけるべきだと思うのに、身体が恐怖に震えて動いてくれない。
そんな中、ミュゼとリヒターが父の刺客らしき者を見つけたと報告を入れてきた。
これは一大事だとすぐさま探るよう二人に指示を出してその背を見送る。
そしてバルコニーにいるロキの背をただただ情けなく見守っていたのだが、そこへ声をかけてくるものがいた。
ここミラルカ皇国の皇太子だ。
この皇太子とは一応顔見知りではあるのだが、然程親しいと言う関係でもない。
こちらは最早王太子ではなくなっているのだし、向こうから声を掛けてくる利点などはないと思うのだが…。
「カリン王子!申し訳ないが重要な相談事があるので是非、相談に乗って頂きたい!」
その切羽詰まったような真剣な顔に何事だと思ったが、ここまで言うからには本当に何か重大なことなのかもしれない。
けれどロキのことが気にかかるのでそちらの方をそっと見遣ったのだが……。
(笑ってる?)
繊細なくせにどうしてあの王子の前で笑えるのかが物凄く不思議だったが、王子の方も何故かその表情は落ち着いたもので、あの様子なら今のところ殺されることもなさそうだなとホッと息を吐いた。
取り敢えず父の刺客の方はミュゼとリヒターに任せたことだし、少し席を外すくらいは大丈夫だろう。
そう判断し、皇太子と共に会場を出た。
***
「…………ブルーグレイの王太子を怒らせた、と?」
「そうなんだ!妹が世継ぎを産んで国母になったからちょっとくらい援助してもらえると思ったんだけど、アルメリアは自分が言っても無駄だからと断ってきて、どうしてもと言うならアルフレッドを頼ってくれと言われたから呼び出したんだけど……」
どうやらそこに王子も同席してしまい怒らせてしまったらしい。
正直自業自得としか思えないのだが、どうしてここでこちらに相談を持ち掛けてくるのか。理解に苦しむ。
「さっきカリン王子の弟がセドリック王子と仲良さげに話していたのも見たし、会議の場でも庇ってもらってたから多分仲がいいんだよな?頼む!この通り!なんとかロキ王子に頼んで仲を取り持ってはもらえないか?」
拝むように頼まれても無理なものは無理だ。
そもそもからしてこちらの方こそ国が潰されそうで戦々恐々としているのにどうしてこんな頼みごとができるのか。
「ロキとあの王子が仲がいいというのはまずないから、期待するだけ無駄だと思うが?」
「え?!でも、さっきも仲良さげに話していたのをこの目で確認したしっ!」
「あれはそう見えただけで、実際は謝罪をしに行ってくれただけの話だ。以前俺が王子を怒らせたから」
本当は何の話をしに行ったのかまではわからない。
会議の場で何かあったらしいのでその礼を言いに行っただけなのかもしれないし、俺のために何か言いに行ってくれただけなのかもしれない。
ロキの考えていることはいまいちわからないから予想するだけ無駄なのだ。
けれどその話を聞いて皇太子は喰いついてきた。
「カリン王子の件を話しに行くくらい度胸があるならそこに私の分も…!」
この皇太子はどこまで愚かなのだろうか?
自国のことを他国の、しかも王太子に頼みこもうとするなど愚かにも程がある。
それで国同士がこじれれば大変なことになるとどうしてわからないのか…。
「話がそれだけならここで失礼する」
切羽詰まっている気持ちも、あの王子を恐れる気持ちもどちらもわからないではないがそれとこれとは別だということを理解してほしい。
そう思って背を向け部屋を出た。
さて、ロキの方もそろそろ戻ってきているだろうか?
「兄上!」
俺の姿が目に入った途端優しく緩む眼差し。
俺はこの眼差しがとても好きだ。
昔とは違う、幸せそうな顔を見るのも。
過去が辛かった分、今幸せにしてやりたい。
その為にも父の刺客は何としても捕まえ、二度と刺客など送られてこないよう対策を立てなければならない。
騎士団長や宰相、外務大臣にも密かに話は通してある。
リヒター以外の他の近衛達にもしっかりとロキを守るように言い含めているがこちらは少々不安だ。
ミュゼもリヒターもロキを守る気満々なのに対し、他の近衛はあくまでも職務としてしかとらえてはいない。
彼らはロキ個人ではなく『ガヴァム王国の王太子』の護衛として来ているからだ。
そう言った意味ではまだ騎士団長の方がロキのために動いてくれるだろう。
「ロキ。何か楽しい話は聞けたか?」
一緒に話しているのは確かクレメンツ国の宰相だっただろうか?
噂ではかなりできる宰相だと聞いたが…。
「ああ、兄上。こちらの方が鞭についてお詳しかったのでとても丁寧に教えて頂きました」
「…………」
まさかの鞭についての談義だったらしい。
ロキらしいと言えばロキらしい。
「ロキ王子が今お使いの鞭はとても良質の物でして、しなりも耐久性もバランスが非常に良いのですよ。あれをお使いとはお目が高い!」
「確かにあれは物凄く扱いやすいですね。そう言っていただけるとあれを選んでくれた近衛も喜ぶと思います」
「なんと!良い目利きの近衛をお持ちですな!」
「ええ。私が一番信頼している者なのです」
「そうでしょうとも!主人にあの鞭を勧めるなどなかなかできるものではありませんよ!」
何故かリヒターの話になり、クレメンツの宰相に絶賛されている。
正直よくわからないが、好印象は与えられているらしい。
「では兄君が来られたのであれば私はこのへんで」
「はい。実りある話をありがとうございました」
「いいえ!ロキ王子が部下の方を大事にすることも分かりましたし、武器についての理解もあるとわかったことですしこちらとしても楽しい時間でした。もし何か聞きたいことでもあればいつでも聞いてきてください。ロキ王子にならとっておきの情報と共にお教えいたしますので」
「ありがとうございます」
そう言って軽い挨拶と共に去って行ったのだが、これはある意味凄いことだ。
ちょっとどころではなく驚いてしまった。
あの宰相が名を覚え、情報をくれるとまで言ってくれるなんて……。
「ロキ。クレメンツの宰相と良いパイプが持てて良かったな」
「…?クレメンツの宰相だったのですか?ただの鞭コレクターの方だとばかり…」
そんな言葉に頬が引き攣ってしまう。
そう言えばロキは他人に全く関心がなかったのだとすっかり忘れてしまっていた。
「それより兄上。どちらに?」
「ああ。ミラルカの皇太子と少し話しに行っていた。もう終わった話だし、もしお前に接触してきても相手にしないようにしてほしい」
「はあ。わかりました」
全く興味がなさそうにそう返してくるロキが物凄く心配になる。
そしてこんなロキがあの恐ろしい王太子とどんな話をしていたのかも────。
「セドリック王子とは何を?」
「セドリック王子…?ああ、あの親切な方ですか?」
「俺が言っているのはブルーグレイの王子なんだが?」
どう考えても親切な王子ではないだろうとそう振ってやると、ロキはフフッと笑いながら親切な人ですよと返してくるから正気かと怪訝な顔を向けてしまう。
「あの方は会議でも助けてくれましたし、兄上のことも見逃してくださいました。歯向かってこない限りこちらに手を出す気はないと」
「…………」
それこそ信じられない話だ。
俺を快楽堕ちさせたのはまず間違いなく報復行為だった。
一緒に行った者達も全員殺されていると宰相補佐から話も聞いた。
そんな相手がこちらが正気を取り戻しているのを見て何もしてこないというのはどうにも信じ難い。
「大丈夫ですよ。ご褒美にしかならないならやっても無駄だとでも思ったのでは?」
そしてそんな言葉を聞いてやっと納得がいった。
ロキはあの王子に向かって俺を快楽堕ちさせたことに対して面と向かって礼を言ったのだ。
ここで更に国を潰すと言ってもそれはロキにはご褒美にしかならないと気づいたのだろう。
向こうがロキのことを狂王子と呼んでいたことからロキについての調べはしっかりとしているはずだ。
喜ばせるとわかっていてあの王子が動こうとするはずがない。
「……そうか」
ある意味あの王子とロキを接触させて良かったのかもしれない。
これでガヴァム王国としてはやっと一安心できるのだから。
「ロキ。助かった。礼を言う」
「…?どういたしまして?」
そう言って微笑んだロキを連れそのままそっと会場の外に出る。
そろそろ部屋にリヒター達は戻ってきているだろうか?
報告を聞ければいいのだが……。
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