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18.心配
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聖女に引っ張られて仕事へと戻り、いつものように夕飯を作って振舞ってから帰ろうとしたらストップが掛けられる。
「ジェイド!どこへ行くの?」
「帰るんですが?」
「今日は私がお酒を振舞ってあげるって言ったでしょう?ゆっくりしていって?」
「いえ。ワインも買って帰りたいので」
「まあまあそう言わずに。はい、ジェイド。とっておきのアイスワインを出してあげるから座ってちょうだい」
「激甘な奴ですね」
「そうよ。とっても美味しいのよ?ほんのり蜂蜜のような味わいがしてね」
正直俺は甘い酒よりちょっとキリッと辛口の方が好きだったりするので帰りたい気持ちが増してしまう。
ほんのりフルーティなワインならまだしも激甘ワインは遠慮したかった。
「聖女様?それは聖女様のとっておきでしょう?大切に飲んでください」
「あら、遠慮しなくても構わないのに」
「俺は甘いお酒より辛口の酒の方が好みなんです。そんな俺にそのワインを出すのは勿体ないですよ?」
「え?辛口のお酒?そんなもの美味しくないでしょう?」
「いえ?とても美味しいですよ?料理にも合いますし」
「これだって料理と一緒に楽しめるわよ?」
「だからその良さのわかる聖女様に是非飲んで欲しいんです」
「……そう」
「甘い物が好きな聖女様に、明日はパイでも焼きましょうか?」
「え?本当に?」
「ええ」
「じゃあ、パイより一口サイズのプチケーキを作って欲しいわ!一つはタルトにクリームとフルーツをたっぷり乗せてちょうだい。もう一つは濃厚なチョコレートケーキがいいわ。でもその二つだとフルーツの酸味が引き立ってしまうから、プチシュークリームも添えて欲しいわね」
(おいおいおいっ!その三つを一口サイズで一つだけずつ作れとかって、鬼か!材料が余りまくるだろ?!)
聖女は太りたくないからと本当に一つずつしか食べない。
どれだけ美味しく作ろうともだ。
だからこそこれはもう余剰分はシスター達や孤児院の方に差し入れ決定だなと思いながら俺は明日の算段を考える。
聖女の一口サイズは一般的な一口サイズよりも更に小さめだから、きっと材料は沢山余ってしまうことだろう。
そこを上手くやりくりして作るのが少々手間だがやるしかない。
それを考えると憂鬱だけど、仕方がないと思いながら俺は引き留められる前にと素早く脱出。
そしてレイに約束した美味しいワインを買ってから帰路につく。
初めての指名依頼はきっといつも以上に気を張って疲れて帰ってくることだろう。
そんなレイを癒してやりたいなと素直に思った。
先に自分の夕飯を済ませてワインの肴を作り始める。
小腹も空いてるかもしれないから色々考え数種類を用意。
ついでにお風呂も沸かして帰ったらすぐに入れるようにしておいた。
遅くなってもすぐに出迎えられるように先にポーション作りでもしておこうか?
そう思ってポーションを作りながらレイの帰りを待つ。
ちらちらと時計を気にしながらも手際よくポーションを作るものの、全部作り終えてもレイは帰ってこなかった。
(遅いな…)
今は夜の10時半。
どのあたりまで行っているのかはわからないけど、レイは一緒にワインを飲もうと言っていたし、森の奥まで行っているということはないはず。
そもそもレイの冒険者ランクはEだから指名依頼が来るにしてもそこまで難しいものではないはずなのだ。
それなのにここまで遅くなると言うことは何かトラブルがあったとしか思えない。
(心配だな…)
いっそのこと様子を見に行った方がいいんじゃないか……そんなことも考えたけど、ダンジョン化している森は危険性が高いし、ジェイドにバレたらそれこそ叱られる気がした。
(後ちょっとだけ待ってみるか)
それでも帰ってこなければ森の入り口まで行ってみよう。
万が一森に異変があるなら何かしらわかるかもしれない。
そんな気持ちで待っていたところで家のドアが開く音がした。
(帰ってきた!)
そこには待ち焦がれたレイの姿があってホッと安堵の息を吐く。
「おかえり、レイ」
そう声をかけるとレイは何故だかうるりと瞳を潤ませたのでやはり予想外の何かがあったのだと察してしまう。
だからそっとソファまで連れて行って、安心してもらえるようにギュッと抱きしめた。
もう大丈夫だと少しでも伝わるように…。
「今日は大変だったんだな」
お疲れ様。頑張ったんだよな────そんないろんな言葉をかけてやりたかったけど、今はまだこの一言で十分だろう。
そうしていたらやがて気持ちが落ち着いたレイがそっと口を開いた。
「ジェイド…今日はジェイドのポーションに沢山助けられたんだ」
ぽつりぽつりと語られる言葉に俺はホッと安堵の息を吐く。
どうやら俺が渡した色々なポーションがレイの命を繋いでくれたらしい。
本当に無理矢理にでも渡しておいて良かったと思う。
それにしても中層まで行っていたなんて…予想外もいいところだ。
そのあたりは朝方に行ったことがあるが、夜間はそれなりに魔物も多いと聞く。
俺は魔法薬師としてギルドに顔を出して需要なんかを聞くついでにダンジョンの情報を詳細に聞く機会もあるんだけど、それでもEランクが中層に行くなんて話はほとんど聞いたことがなかった。
指名依頼だからってソロ相手にそんな依頼を持ってくるなんてと少々疑問を抱いてしまう。
どこのどいつがそんな依頼を持ち込んだのか。
とは言え元々の依頼であるサーベルウルフ自体はレイの腕ですぐに倒せたと言うことなので、ここで文句を言っても仕方がないのだろう。
けれどその後冒険者に絡まれて戦ってたらオーガに襲われ、予想外のオーガキングまで現れたなんて運が悪かったら死んでる案件だ。
やっぱりそんな危険な仕事に身を置いているレイのためにも俺はもっと頑張って稼がないといけない。
レイが危険な目に合わないためにも俺が養ってやれるようお金を稼ごう。
それまで苦労させてしまうレイのために、俺が用意出来る最高のポーションも沢山持たせよう。
そんなことを思いながら風呂へと誘った。
風呂に一緒に入るのは実は今日が初めてだ。
もちろんレイの裸を見るのも……。
引き締まった身体に綺麗についた腹筋。
あの胸に抱かれたらきっとすごく落ち着くんだろうなと思って、ついこっそり何度も見遣ってしまう。
レイは気にしてなさそうだけど、あっちのほうも俺に比べたらすごく立派だ。
ゴクリとつい生唾を飲んでしまったのは内緒。
早く抱かれたい気もするけど、今はまだその時じゃないしと意識を他へと向ける。
そして互いに身体を洗って湯船へと浸かったところでふと思い出したようにレイが訊いてきた。
「そう言えば、ジェイドの方は帰り際あの聖女様に掴まらなかったのか?」
「え?」
「癒してあげるから一緒にお酒を飲もうって誘われてただろう?」
まさかそんなことを訊かれるとは思ってもみなかった。
そんなに気にするようなことでもないのに。
「ああ、あれな。全然平気。だって聖女様ってお酒の事わかってないし」
「え?」
「あんなこと言ってるけど、あの人まだまだお子様舌でさ、甘いお酒しか飲まないんだよ。だから俺が好きなお酒は理解できないって顔を顰めてた」
「ああ…なるほど」
これにはレイも納得してくれたようだ。
焼きもちでも妬いてくれたのかな?
でも俺は聖女よりもレイと一緒にワインが飲みたいんだってわかってほしいな。
「後で一緒にとっておきのワイン、飲もうな?」
だからそんな風に言いながらちょっと誘うような目線を送った。
すると狙い通りレイの方からそっとキスしてきてくれて、俺は甘えるように首へと腕を回す。
「ん…レイ。あんまり危ないこと、しないでくれよな」
ちゃんと帰ってきてくれて嬉しいけど、できれば危ないことはしないでほしい。
そんな本音をこぼしながら、俺はレイと甘い口づけを交わし合ったのだった。
「ジェイド!どこへ行くの?」
「帰るんですが?」
「今日は私がお酒を振舞ってあげるって言ったでしょう?ゆっくりしていって?」
「いえ。ワインも買って帰りたいので」
「まあまあそう言わずに。はい、ジェイド。とっておきのアイスワインを出してあげるから座ってちょうだい」
「激甘な奴ですね」
「そうよ。とっても美味しいのよ?ほんのり蜂蜜のような味わいがしてね」
正直俺は甘い酒よりちょっとキリッと辛口の方が好きだったりするので帰りたい気持ちが増してしまう。
ほんのりフルーティなワインならまだしも激甘ワインは遠慮したかった。
「聖女様?それは聖女様のとっておきでしょう?大切に飲んでください」
「あら、遠慮しなくても構わないのに」
「俺は甘いお酒より辛口の酒の方が好みなんです。そんな俺にそのワインを出すのは勿体ないですよ?」
「え?辛口のお酒?そんなもの美味しくないでしょう?」
「いえ?とても美味しいですよ?料理にも合いますし」
「これだって料理と一緒に楽しめるわよ?」
「だからその良さのわかる聖女様に是非飲んで欲しいんです」
「……そう」
「甘い物が好きな聖女様に、明日はパイでも焼きましょうか?」
「え?本当に?」
「ええ」
「じゃあ、パイより一口サイズのプチケーキを作って欲しいわ!一つはタルトにクリームとフルーツをたっぷり乗せてちょうだい。もう一つは濃厚なチョコレートケーキがいいわ。でもその二つだとフルーツの酸味が引き立ってしまうから、プチシュークリームも添えて欲しいわね」
(おいおいおいっ!その三つを一口サイズで一つだけずつ作れとかって、鬼か!材料が余りまくるだろ?!)
聖女は太りたくないからと本当に一つずつしか食べない。
どれだけ美味しく作ろうともだ。
だからこそこれはもう余剰分はシスター達や孤児院の方に差し入れ決定だなと思いながら俺は明日の算段を考える。
聖女の一口サイズは一般的な一口サイズよりも更に小さめだから、きっと材料は沢山余ってしまうことだろう。
そこを上手くやりくりして作るのが少々手間だがやるしかない。
それを考えると憂鬱だけど、仕方がないと思いながら俺は引き留められる前にと素早く脱出。
そしてレイに約束した美味しいワインを買ってから帰路につく。
初めての指名依頼はきっといつも以上に気を張って疲れて帰ってくることだろう。
そんなレイを癒してやりたいなと素直に思った。
先に自分の夕飯を済ませてワインの肴を作り始める。
小腹も空いてるかもしれないから色々考え数種類を用意。
ついでにお風呂も沸かして帰ったらすぐに入れるようにしておいた。
遅くなってもすぐに出迎えられるように先にポーション作りでもしておこうか?
そう思ってポーションを作りながらレイの帰りを待つ。
ちらちらと時計を気にしながらも手際よくポーションを作るものの、全部作り終えてもレイは帰ってこなかった。
(遅いな…)
今は夜の10時半。
どのあたりまで行っているのかはわからないけど、レイは一緒にワインを飲もうと言っていたし、森の奥まで行っているということはないはず。
そもそもレイの冒険者ランクはEだから指名依頼が来るにしてもそこまで難しいものではないはずなのだ。
それなのにここまで遅くなると言うことは何かトラブルがあったとしか思えない。
(心配だな…)
いっそのこと様子を見に行った方がいいんじゃないか……そんなことも考えたけど、ダンジョン化している森は危険性が高いし、ジェイドにバレたらそれこそ叱られる気がした。
(後ちょっとだけ待ってみるか)
それでも帰ってこなければ森の入り口まで行ってみよう。
万が一森に異変があるなら何かしらわかるかもしれない。
そんな気持ちで待っていたところで家のドアが開く音がした。
(帰ってきた!)
そこには待ち焦がれたレイの姿があってホッと安堵の息を吐く。
「おかえり、レイ」
そう声をかけるとレイは何故だかうるりと瞳を潤ませたのでやはり予想外の何かがあったのだと察してしまう。
だからそっとソファまで連れて行って、安心してもらえるようにギュッと抱きしめた。
もう大丈夫だと少しでも伝わるように…。
「今日は大変だったんだな」
お疲れ様。頑張ったんだよな────そんないろんな言葉をかけてやりたかったけど、今はまだこの一言で十分だろう。
そうしていたらやがて気持ちが落ち着いたレイがそっと口を開いた。
「ジェイド…今日はジェイドのポーションに沢山助けられたんだ」
ぽつりぽつりと語られる言葉に俺はホッと安堵の息を吐く。
どうやら俺が渡した色々なポーションがレイの命を繋いでくれたらしい。
本当に無理矢理にでも渡しておいて良かったと思う。
それにしても中層まで行っていたなんて…予想外もいいところだ。
そのあたりは朝方に行ったことがあるが、夜間はそれなりに魔物も多いと聞く。
俺は魔法薬師としてギルドに顔を出して需要なんかを聞くついでにダンジョンの情報を詳細に聞く機会もあるんだけど、それでもEランクが中層に行くなんて話はほとんど聞いたことがなかった。
指名依頼だからってソロ相手にそんな依頼を持ってくるなんてと少々疑問を抱いてしまう。
どこのどいつがそんな依頼を持ち込んだのか。
とは言え元々の依頼であるサーベルウルフ自体はレイの腕ですぐに倒せたと言うことなので、ここで文句を言っても仕方がないのだろう。
けれどその後冒険者に絡まれて戦ってたらオーガに襲われ、予想外のオーガキングまで現れたなんて運が悪かったら死んでる案件だ。
やっぱりそんな危険な仕事に身を置いているレイのためにも俺はもっと頑張って稼がないといけない。
レイが危険な目に合わないためにも俺が養ってやれるようお金を稼ごう。
それまで苦労させてしまうレイのために、俺が用意出来る最高のポーションも沢山持たせよう。
そんなことを思いながら風呂へと誘った。
風呂に一緒に入るのは実は今日が初めてだ。
もちろんレイの裸を見るのも……。
引き締まった身体に綺麗についた腹筋。
あの胸に抱かれたらきっとすごく落ち着くんだろうなと思って、ついこっそり何度も見遣ってしまう。
レイは気にしてなさそうだけど、あっちのほうも俺に比べたらすごく立派だ。
ゴクリとつい生唾を飲んでしまったのは内緒。
早く抱かれたい気もするけど、今はまだその時じゃないしと意識を他へと向ける。
そして互いに身体を洗って湯船へと浸かったところでふと思い出したようにレイが訊いてきた。
「そう言えば、ジェイドの方は帰り際あの聖女様に掴まらなかったのか?」
「え?」
「癒してあげるから一緒にお酒を飲もうって誘われてただろう?」
まさかそんなことを訊かれるとは思ってもみなかった。
そんなに気にするようなことでもないのに。
「ああ、あれな。全然平気。だって聖女様ってお酒の事わかってないし」
「え?」
「あんなこと言ってるけど、あの人まだまだお子様舌でさ、甘いお酒しか飲まないんだよ。だから俺が好きなお酒は理解できないって顔を顰めてた」
「ああ…なるほど」
これにはレイも納得してくれたようだ。
焼きもちでも妬いてくれたのかな?
でも俺は聖女よりもレイと一緒にワインが飲みたいんだってわかってほしいな。
「後で一緒にとっておきのワイン、飲もうな?」
だからそんな風に言いながらちょっと誘うような目線を送った。
すると狙い通りレイの方からそっとキスしてきてくれて、俺は甘えるように首へと腕を回す。
「ん…レイ。あんまり危ないこと、しないでくれよな」
ちゃんと帰ってきてくれて嬉しいけど、できれば危ないことはしないでほしい。
そんな本音をこぼしながら、俺はレイと甘い口づけを交わし合ったのだった。
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