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3.同居することになりました。
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俺が助けた男は名をレイと名乗ったんだけど、それ以外は記憶がないらしいということが判明した。
仲間割れのショックと怪我が重なって一時的に記憶喪失になったんだろうなとちょっと可哀想になったので、記憶が戻るまで俺の家で一緒に暮らすかと提案してみたらちょっと申し訳なさそうな顔をしつつ何やら悩んでいたので、迷惑とかは考えなくてもいいからと励ますように背中を叩いて促してやる。
するとやっと行くところがないからそうしてもらえると助かると言われ、我が家での同居が確定となった。
俺の直感だけど、この男ならきっと悪さはしないだろうって思ったんだ。
とは言え俺もこの後仕事があるのでその旨は伝えて、悪いけど取り敢えず今日のところは好きに過ごしててくれと言っておく。
男を助けるのに意外と時間が経っていて出勤前にポーションを作るところまではいかなかったのが残念で仕方がない。
気づけばもう出勤時刻まであまり時間がなかったので、そこは潔く諦めて朝食だけは食べ、男を置いてダッシュで聖女のところへと向かった。
「ジェイド、遅いわよ!来ないんじゃないかと心配したでしょう?」
到着早々、聖女がどう見ても慈悲深く見える詐欺顔で俺を出迎える。
これだけ聞くと遅刻した俺を心配していたとも取れるけど、そうは言ってもまだ始業時間の5分前なので何か言われる筋合いはない。
いつもならこんな風に出迎えるなんてことはしないし、朝から何か言ってきたりもしないのに…もしかして昨日やめる宣言をしたから少しくらいは心配してたのだろうか?
これを機にちょっとは気遣ってくれるようになればいいんだけどな…なんて思ったけど、そこはやはり聖女。そんなことは全くなかった。
「全く…。今日の昼食と夕食は貴方が作る日なのよ?ドタキャンされたら私のご飯がないじゃないの!心配させないでちょうだい!」
(そっちかぁ……)
やはり聖女は自分優先らしい。
「貴方、ご飯作りは前任者より腕が上なんだから、そこんとこ後任決める時は重視してちょうだいね?」
「……わかりました。料理上手で世話好きでどんな貴方でも受け入れてくれるそんな人材が見つかったらやめさせて頂きます」
「そうそう。わかってくれたらいいのよ。ついでに見目もよかったら申し分ないわね」
「…そこまでいったらもういっそ結婚相手って感じですね」
「そうね。その通りよ!だって結婚相手がそれなら一生辞めずに傍に居てくれるってことでしょう?気楽じゃないの」
「……なるほど」
つまりは聖女なりに婚活してたってわけか。所謂職場恋愛ってやつだな。
なんとなく納得がいった。
これは後任者の選別は任務重大だ。
こんな話を聞いてしまったら下手な相手を押し付けられなくなった気がする。
(ドMな相手なら誰でもいいって思ってたのに…まさか聖女に嫁のような婿探しをする羽目になるとはなぁ)
聖女はこれでもかなりの偏食家だ。
だから上手く料理して如何に栄養たっぷりの料理に仕上げ食べさせるかがポイントになってくる。
そこを上手くできる相手を探すとなるとかなりの手間だ。
そんな相手、果たして見つかるだろうかとちょっと心配になってしまった。
けれどそんな俺に聖女があり得ないことを言ってくる。
「ま、どうしても後任が見つからなかったら貴方を伴侶に選んであげてもいいわよ?料理上手だし見目も気に入ってるしね。そうしたら貴方だって給料の件で文句を言う必要だってなくなるし、私は美味しいご飯が食べられるし、お互いに利のある話ですものね」
「いや、普通に嫌なんで」
もちろんそんな話は速攻でお断りだ。冗談でもそんな話は持ってこないで欲しい。
けれど聖女的には断られるとは思ってもみなかったのか、この話のありがたみが分かってないとぷんぷんお怒りだった。
***
「おかえり」
その日は怒る聖女を上手く宥めながら仕事をさせて、ご飯を食べさせ機嫌を取ってから疲れ切って帰ってきたら美形がそんなことを言いながら出迎えてくれたので目を丸くしてしまった。
「ジェイド?」
「え?あ、ああ。ただいま?」
朝は慌ただしく、それ以降は仕事に追われてうっかり忘れていたが、そう言えばレイと同居することになったんだったと思い出し俺は慌てて家へと上がる。
「遅くなってゴメンな。腹減っただろう?」
時計を見ると時間はもう八時を回ったところだ。
きっとお腹が空いてるだろうと思って尋ねると、タイミングよくレイの腹がグゥと鳴いた。
そこでもしかしてとハタと気がつく。
「えっと……もしかして昼も食べてない…とか?」
その問い掛けにレイは素直にこくんと頷いてくる。
朝食は一緒に食べたけど、そう言えば昼は適当に食べといてと言ってそのまま出てきた気がする。
よく考えたら初めての家で勝手もわからず料理なんてできるはずがないだろうし、外に出るにしても鍵を預けてないから迂闊に出られなかったというのもあるだろう。
このあたりは自分のミスだ。
「本当にゴメン!すぐに作るから、座って待ってて!」
だから俺は慌てて手を洗い、手早く冷蔵庫から野菜や肉を出して料理を作り始めた。
お腹が減ってるだろうからとササッと作れる前菜から作り、これでも食べながら待っててと次の品へと取り掛かる。
ご飯を炊いている暇はないからストックしていたバケットをザクザクと切ってガーリックバターを塗り、軽く炙って皿へと並べ脇にサラダを添える。これもそのままテーブル行きだ。
お次は鍋に具材と水、調味料を入れて蓋をし、そのまま魔法で中に圧力を掛ける。
こうすると早く具材に火が通るのだ。
魔法薬師二級を取る際に得た魔法はこうして料理にも活用できるからとっても便利。
さてさて次はといった感じで次々料理を作り、最終的に八品の料理を作ってレイの前へと並べていった。
これにはレイも目を丸くして驚いていたが、正直これでも少ない方だ。
聖女は最低でも10品は作れと煩いから、手早く美味しくを追求しないととてもじゃないが回らない。
しかもなるべく毎日違う料理じゃないと嫌よと我儘まで言うので俺が日頃どれだけ苦労しているかがわかってもらえるだろう。
本当にそこまで言うなら普通にシェフを雇えばいいのにと文句を言ったこともあるけれど、それだと教会から許可が下りないのだとブツブツ文句を言っていた。
あまり普段は感じないが、どうやら聖女様も結局のところは教会の犬と言うことらしい。
もしかして俺の給料が低いのもそれが原因だったりするのかとちょっと思ったけど、そこは違う違うと笑って手を振られたのでどうやら本当に違うらしかった。
なんでも聖女の従者の給料は聖女が働いて得た収入から出すのが教会での決まりらしく、俺に沢山寄越すと愛人だのなんだのと陰口を叩かれたりするし、そもそもの聖女自身の資産が減るから嫌なんだと。
だから「上乗せしても一、二万かなぁ」らしい。
やっぱりそれを聞くと転職したい気持ちが込み上げるし、副業は必須だと思ってしまう。
まあ、今はそんなことよりもレイとの食事の方が優先だ。
「お待たせ。口に合ったらいいんだけど」
どうぞ召し上がれと言ってやると、レイは目を輝かせながら俺が作った料理を食べ始めた。
前菜とバケットだけは手を付けていたけど、それ以降はおとなしく待っていたレイは美味しい美味しいと言いながら本当にすごい勢いで食べてくれる。
でもその動きは早いけどすごく綺麗だったから、きっと一般人というよりは上級貴族とかなんだろうなと感じるものがあった。
俺は聖女の従者だから金持ち連中とも何度も会う機会があったしわかるんだけど、豪商でもここまで所作が綺麗だったりはしないしまず間違いはないだろう。
(ま、いっか)
一応聖女の仕事について回りながら行方不明の貴族の男の話が出てこないかだけ注意しておこうかなと考えながら、俺は嬉しそうに食べ続ける男を見遣ったのだった。
仲間割れのショックと怪我が重なって一時的に記憶喪失になったんだろうなとちょっと可哀想になったので、記憶が戻るまで俺の家で一緒に暮らすかと提案してみたらちょっと申し訳なさそうな顔をしつつ何やら悩んでいたので、迷惑とかは考えなくてもいいからと励ますように背中を叩いて促してやる。
するとやっと行くところがないからそうしてもらえると助かると言われ、我が家での同居が確定となった。
俺の直感だけど、この男ならきっと悪さはしないだろうって思ったんだ。
とは言え俺もこの後仕事があるのでその旨は伝えて、悪いけど取り敢えず今日のところは好きに過ごしててくれと言っておく。
男を助けるのに意外と時間が経っていて出勤前にポーションを作るところまではいかなかったのが残念で仕方がない。
気づけばもう出勤時刻まであまり時間がなかったので、そこは潔く諦めて朝食だけは食べ、男を置いてダッシュで聖女のところへと向かった。
「ジェイド、遅いわよ!来ないんじゃないかと心配したでしょう?」
到着早々、聖女がどう見ても慈悲深く見える詐欺顔で俺を出迎える。
これだけ聞くと遅刻した俺を心配していたとも取れるけど、そうは言ってもまだ始業時間の5分前なので何か言われる筋合いはない。
いつもならこんな風に出迎えるなんてことはしないし、朝から何か言ってきたりもしないのに…もしかして昨日やめる宣言をしたから少しくらいは心配してたのだろうか?
これを機にちょっとは気遣ってくれるようになればいいんだけどな…なんて思ったけど、そこはやはり聖女。そんなことは全くなかった。
「全く…。今日の昼食と夕食は貴方が作る日なのよ?ドタキャンされたら私のご飯がないじゃないの!心配させないでちょうだい!」
(そっちかぁ……)
やはり聖女は自分優先らしい。
「貴方、ご飯作りは前任者より腕が上なんだから、そこんとこ後任決める時は重視してちょうだいね?」
「……わかりました。料理上手で世話好きでどんな貴方でも受け入れてくれるそんな人材が見つかったらやめさせて頂きます」
「そうそう。わかってくれたらいいのよ。ついでに見目もよかったら申し分ないわね」
「…そこまでいったらもういっそ結婚相手って感じですね」
「そうね。その通りよ!だって結婚相手がそれなら一生辞めずに傍に居てくれるってことでしょう?気楽じゃないの」
「……なるほど」
つまりは聖女なりに婚活してたってわけか。所謂職場恋愛ってやつだな。
なんとなく納得がいった。
これは後任者の選別は任務重大だ。
こんな話を聞いてしまったら下手な相手を押し付けられなくなった気がする。
(ドMな相手なら誰でもいいって思ってたのに…まさか聖女に嫁のような婿探しをする羽目になるとはなぁ)
聖女はこれでもかなりの偏食家だ。
だから上手く料理して如何に栄養たっぷりの料理に仕上げ食べさせるかがポイントになってくる。
そこを上手くできる相手を探すとなるとかなりの手間だ。
そんな相手、果たして見つかるだろうかとちょっと心配になってしまった。
けれどそんな俺に聖女があり得ないことを言ってくる。
「ま、どうしても後任が見つからなかったら貴方を伴侶に選んであげてもいいわよ?料理上手だし見目も気に入ってるしね。そうしたら貴方だって給料の件で文句を言う必要だってなくなるし、私は美味しいご飯が食べられるし、お互いに利のある話ですものね」
「いや、普通に嫌なんで」
もちろんそんな話は速攻でお断りだ。冗談でもそんな話は持ってこないで欲しい。
けれど聖女的には断られるとは思ってもみなかったのか、この話のありがたみが分かってないとぷんぷんお怒りだった。
***
「おかえり」
その日は怒る聖女を上手く宥めながら仕事をさせて、ご飯を食べさせ機嫌を取ってから疲れ切って帰ってきたら美形がそんなことを言いながら出迎えてくれたので目を丸くしてしまった。
「ジェイド?」
「え?あ、ああ。ただいま?」
朝は慌ただしく、それ以降は仕事に追われてうっかり忘れていたが、そう言えばレイと同居することになったんだったと思い出し俺は慌てて家へと上がる。
「遅くなってゴメンな。腹減っただろう?」
時計を見ると時間はもう八時を回ったところだ。
きっとお腹が空いてるだろうと思って尋ねると、タイミングよくレイの腹がグゥと鳴いた。
そこでもしかしてとハタと気がつく。
「えっと……もしかして昼も食べてない…とか?」
その問い掛けにレイは素直にこくんと頷いてくる。
朝食は一緒に食べたけど、そう言えば昼は適当に食べといてと言ってそのまま出てきた気がする。
よく考えたら初めての家で勝手もわからず料理なんてできるはずがないだろうし、外に出るにしても鍵を預けてないから迂闊に出られなかったというのもあるだろう。
このあたりは自分のミスだ。
「本当にゴメン!すぐに作るから、座って待ってて!」
だから俺は慌てて手を洗い、手早く冷蔵庫から野菜や肉を出して料理を作り始めた。
お腹が減ってるだろうからとササッと作れる前菜から作り、これでも食べながら待っててと次の品へと取り掛かる。
ご飯を炊いている暇はないからストックしていたバケットをザクザクと切ってガーリックバターを塗り、軽く炙って皿へと並べ脇にサラダを添える。これもそのままテーブル行きだ。
お次は鍋に具材と水、調味料を入れて蓋をし、そのまま魔法で中に圧力を掛ける。
こうすると早く具材に火が通るのだ。
魔法薬師二級を取る際に得た魔法はこうして料理にも活用できるからとっても便利。
さてさて次はといった感じで次々料理を作り、最終的に八品の料理を作ってレイの前へと並べていった。
これにはレイも目を丸くして驚いていたが、正直これでも少ない方だ。
聖女は最低でも10品は作れと煩いから、手早く美味しくを追求しないととてもじゃないが回らない。
しかもなるべく毎日違う料理じゃないと嫌よと我儘まで言うので俺が日頃どれだけ苦労しているかがわかってもらえるだろう。
本当にそこまで言うなら普通にシェフを雇えばいいのにと文句を言ったこともあるけれど、それだと教会から許可が下りないのだとブツブツ文句を言っていた。
あまり普段は感じないが、どうやら聖女様も結局のところは教会の犬と言うことらしい。
もしかして俺の給料が低いのもそれが原因だったりするのかとちょっと思ったけど、そこは違う違うと笑って手を振られたのでどうやら本当に違うらしかった。
なんでも聖女の従者の給料は聖女が働いて得た収入から出すのが教会での決まりらしく、俺に沢山寄越すと愛人だのなんだのと陰口を叩かれたりするし、そもそもの聖女自身の資産が減るから嫌なんだと。
だから「上乗せしても一、二万かなぁ」らしい。
やっぱりそれを聞くと転職したい気持ちが込み上げるし、副業は必須だと思ってしまう。
まあ、今はそんなことよりもレイとの食事の方が優先だ。
「お待たせ。口に合ったらいいんだけど」
どうぞ召し上がれと言ってやると、レイは目を輝かせながら俺が作った料理を食べ始めた。
前菜とバケットだけは手を付けていたけど、それ以降はおとなしく待っていたレイは美味しい美味しいと言いながら本当にすごい勢いで食べてくれる。
でもその動きは早いけどすごく綺麗だったから、きっと一般人というよりは上級貴族とかなんだろうなと感じるものがあった。
俺は聖女の従者だから金持ち連中とも何度も会う機会があったしわかるんだけど、豪商でもここまで所作が綺麗だったりはしないしまず間違いはないだろう。
(ま、いっか)
一応聖女の仕事について回りながら行方不明の貴族の男の話が出てこないかだけ注意しておこうかなと考えながら、俺は嬉しそうに食べ続ける男を見遣ったのだった。
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