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2.倒れていた男
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俺は最低限ではあるが常に部屋にポーション作りの材料を置いている。
これはまあ所謂常備薬に使う分だ。
自分が怪我をしたり病気なんかになった時に重宝するから大抵余分に手元に置いていたりする。
けれどもし売りに出すとしたらこの材料だけじゃ全然足りない。
「仕方ない。明日仕事に行く前に森で採取してくるか」
聖女の従者の仕事は一応朝9時からと決まっている。
その代わり、終了時間は特に決められてはいない。
聖女のその日の仕事が終わった時点で終了だから、商人メインの気楽なパーティーだからと同伴させられた時なんかは最悪だった。
もう帰っていいわよと言われるまでひたすら遅くまで付き合わなければならないのは苦痛以外の何ものでもない。
これが王宮のような貴族ばかりが集まるパーティーだったらそれなりの相手がエスコートするので俺は早めにお役御免になるんだけど……。
まあそんなこんなで薬草を取りに行くとしたら朝以外にほぼ時間はないのだった。
早朝の森は空気が澄んでいるせいか魔物もほとんど出ないし比較的安全だ。
ついでに綺麗な川の水も貰ってこよう。
俺は早起きをすると手早く準備を整え、森へと足を延ばした。
清々しい空気を胸いっぱいに吸い込んで朝の森を歩きながら薬草を探す。
そして籠いっぱいになってそろそろ帰ろうかと思ったところで、倒れている男を発見した。
「し…死体?!」
朝から縁起でもないものを発見してしまったのかと一瞬思ってしまったが、怪我はしてそうだがどうやら息はしているようだということがわかり、慌ててその男の方へと駆け寄った。
「大丈夫ですか?!」
そう声を掛けてザッと男の容態を確認する。
見たところ自分と同じくらいか少し年下の若い男だ。
魔物と戦ってできた傷も見られるが、一番大きな腹の傷は────刃物による傷ではないだろうか?
仲間割れでもしたのだろうか?酷いことをする者もいたものだ。
ともあれ幸い出血量は多いものの急所は外しており致命傷には至っていなさそうだし、助けることは可能だろう。
奇跡的に発見が早くて助かったと言える状況だった。
俺は念のためにと持ってきていた自作ポーションを取り出し、そのまま口に含むと躊躇うことなく男へと口移しで注ぎ込んだ。
傷が浅ければ傷口に直接かけるのも手だが、深手の場合は飲ませた方が何故か癒し効果が大きい。
他の傷もついでに治るから、この場合はこちらの方が手っ取り早いだろうと判断してのことだ。
ちなみに魔法薬師二級資格を取る際に人命救急という実習だって受けているので、こういう時に躊躇いなどはない。
そして暫くすると男の容体も落ち着いたようだったので再度声を掛け、今度は少しずつ水を飲ませてみた。
すると意識が戻ってきたのか、朦朧としながらももっとと言うように水を強請られたので、男が満足いくまで俺は口移しで水を飲ませ続けた。
***
【Side.レイモンド】
夜も深まった森の中────。俺はこの特定ダンジョンの森で魔物と戦っていた。
特定ダンジョン────それはとある時間帯に置いてダンジョン化する特定の場所を指す。
このフリシェンタ国のデネフの森、カナシリアの渓谷、カナートの洞窟は特に有名で、夕方の5時から朝の5時までの半日だけダンジョン化する場所であった。
その時間帯は魔物が一気に増え、そのテリトリーに入る人々を襲い出すのだ。
けれどそれは冒険者達にとっては素材集めやレベルアップのための恰好の場所だし、騎士達にとっても日頃の鍛錬の成果を試したり効率よくレベルを上げるために最も適した場でもあった。
斯く言う俺───レイモンドもそれを狙ってここへとやってきた者の一人で、日頃の特訓の成果をこれでもかと味方に見せつけていた。
皆これでもかと「さすがレイモンド様!」と褒め称えてはくれたが、それが単なるおべんちゃらだということくらいわかってはいる。
自分は王族ではあるが継承権は第四位と低い位置にあるし、母方の権力は強いが上の兄達からは疎まれているし、実の兄からも嫌われている…そんな位置づけだったからだ。
俺に付いても旨味なんてほぼないようなものだろう。
けれどそれでも良かった。
こうして魔物と対等に戦う腕があるのだとわかってもらえたなら、騎士団や軍でそれなりにやっていけるとわかってもらえるだろうと思っていたからだ。
王位に興味などはなく、兄達を脅かす存在にもなったりはしない。
それを示すことができれば十分だった。
それなのに────。
「レイモンド様…悪く思わないでくださいね」
夜も明け、こちらの体力も魔力もほぼ尽き魔物の姿も消え始めた頃、ついてきていた者達がいきなりそんなことを口にして、不意打ちのように腹を剣で貫いてくる。
「グフッ…!」
「今回の魔物討伐で貴方の力は見させて頂きました。兄君達からはそれ次第で殺せと命を受けておりまして…」
「貴方が軍に入って力を持つことを恐れられたのですよ…。ご実家の力はそれだけ強大ですしね。仕方のないことです」
口々に告げられるその言葉を呆然と聞きながら俺はその場へと倒れ伏した。
「もうすぐダンジョンタイムは終わりますが、それに合わせて貴方の死体はダンジョンが始末してくれることでしょう」
そう。ダンジョンで死んだ者は全てダンジョンへと吸収されてしまう。
それは魔物であっても人であっても同じだった。
だからこそ彼らはここを俺の始末場所に選んだのだろう。
ここへ来たということは城の者達は知っているし、彼らが俺はダンジョンで魔物に殺されたのだと言っても通る話ではあった。
死体は残らないから検分を行うことさえされないはずだ。
第四王子は魔物に殺され亡くなった────それが真実となる。
「死にたく…ない……」
こんな風に味方に刺されて死ぬなんて考えたことすらなかった。
けれどこれは現実で、それほどまでに兄達から疎まれていたのだと実感するには十分すぎた。
「もう…俺に居場所はない……のか……」
そう考えると全てがどうでも良くなって、俺はそっと静かに目を閉じ、その命の灯が消えるのを待った。
それからどれくらいの時間が過ぎたのだろう?
自分は死んだのだと…そう思っていたのに、癒しの力を持った何かが温かな感触と共に自分へと流し込まれこの身を助けてくれたのを感じた。
次いで聞こえてきたのは聞いたことのない心地いいテノールの声────。
「頑張れ!傷は浅いぞ!」
あんなにぐっさり刺されたのに傷は浅いなんて…あるはずないのにと思いながらもその声に釣られるかのように意識がゆるゆると浮上していく。
そしてまた温かな感触と共に今度は水が与えられ、それがゆっくりと喉を通っていくのを感じた。
ふわふわとした心地よさと、与えられる水の冷たさが気持ち良くて、朦朧としながらももっとと強請ると相手は躊躇うことなく水を与えてくれた。
まさに捨てる神あれば拾う神ありだ。
そしてある程度水を飲ませてもらったところでそっと目を開いてみると────そこには自分よりも大人びた顔をした青年の姿があった。
年は恐らく20才前後だろうか?落ち着いたダークブラウンの髪に瞳は綺麗なルビー色。
一見華奢なようにも見えるけど、自分を支える腕の強さは意外なほど力強く、奇妙な安心感があった。
「あ、目が覚めた…」
そしてそんな彼の口から紡がれるのは、やっぱり耳に心地いいずっと聞いていたくなるような柔らかなテノールの声。
「君…は?」
そんな彼のことが知りたくてそう声を掛けてみると、彼はジェイドと名乗った。
「俺はジェイド。薬草を摘みに森にやってきたら倒れてたからびっくりした。もう平気か?」
そう言って朗らかな笑みを浮かべる彼に胸を撃ち抜かれて思わず息を呑む。
命の恩人に惚れたというのは我ながら単純だとは思うけど、俺はこの時、冗談抜きで彼に一目惚れしてしまったのだった。
これはまあ所謂常備薬に使う分だ。
自分が怪我をしたり病気なんかになった時に重宝するから大抵余分に手元に置いていたりする。
けれどもし売りに出すとしたらこの材料だけじゃ全然足りない。
「仕方ない。明日仕事に行く前に森で採取してくるか」
聖女の従者の仕事は一応朝9時からと決まっている。
その代わり、終了時間は特に決められてはいない。
聖女のその日の仕事が終わった時点で終了だから、商人メインの気楽なパーティーだからと同伴させられた時なんかは最悪だった。
もう帰っていいわよと言われるまでひたすら遅くまで付き合わなければならないのは苦痛以外の何ものでもない。
これが王宮のような貴族ばかりが集まるパーティーだったらそれなりの相手がエスコートするので俺は早めにお役御免になるんだけど……。
まあそんなこんなで薬草を取りに行くとしたら朝以外にほぼ時間はないのだった。
早朝の森は空気が澄んでいるせいか魔物もほとんど出ないし比較的安全だ。
ついでに綺麗な川の水も貰ってこよう。
俺は早起きをすると手早く準備を整え、森へと足を延ばした。
清々しい空気を胸いっぱいに吸い込んで朝の森を歩きながら薬草を探す。
そして籠いっぱいになってそろそろ帰ろうかと思ったところで、倒れている男を発見した。
「し…死体?!」
朝から縁起でもないものを発見してしまったのかと一瞬思ってしまったが、怪我はしてそうだがどうやら息はしているようだということがわかり、慌ててその男の方へと駆け寄った。
「大丈夫ですか?!」
そう声を掛けてザッと男の容態を確認する。
見たところ自分と同じくらいか少し年下の若い男だ。
魔物と戦ってできた傷も見られるが、一番大きな腹の傷は────刃物による傷ではないだろうか?
仲間割れでもしたのだろうか?酷いことをする者もいたものだ。
ともあれ幸い出血量は多いものの急所は外しており致命傷には至っていなさそうだし、助けることは可能だろう。
奇跡的に発見が早くて助かったと言える状況だった。
俺は念のためにと持ってきていた自作ポーションを取り出し、そのまま口に含むと躊躇うことなく男へと口移しで注ぎ込んだ。
傷が浅ければ傷口に直接かけるのも手だが、深手の場合は飲ませた方が何故か癒し効果が大きい。
他の傷もついでに治るから、この場合はこちらの方が手っ取り早いだろうと判断してのことだ。
ちなみに魔法薬師二級資格を取る際に人命救急という実習だって受けているので、こういう時に躊躇いなどはない。
そして暫くすると男の容体も落ち着いたようだったので再度声を掛け、今度は少しずつ水を飲ませてみた。
すると意識が戻ってきたのか、朦朧としながらももっとと言うように水を強請られたので、男が満足いくまで俺は口移しで水を飲ませ続けた。
***
【Side.レイモンド】
夜も深まった森の中────。俺はこの特定ダンジョンの森で魔物と戦っていた。
特定ダンジョン────それはとある時間帯に置いてダンジョン化する特定の場所を指す。
このフリシェンタ国のデネフの森、カナシリアの渓谷、カナートの洞窟は特に有名で、夕方の5時から朝の5時までの半日だけダンジョン化する場所であった。
その時間帯は魔物が一気に増え、そのテリトリーに入る人々を襲い出すのだ。
けれどそれは冒険者達にとっては素材集めやレベルアップのための恰好の場所だし、騎士達にとっても日頃の鍛錬の成果を試したり効率よくレベルを上げるために最も適した場でもあった。
斯く言う俺───レイモンドもそれを狙ってここへとやってきた者の一人で、日頃の特訓の成果をこれでもかと味方に見せつけていた。
皆これでもかと「さすがレイモンド様!」と褒め称えてはくれたが、それが単なるおべんちゃらだということくらいわかってはいる。
自分は王族ではあるが継承権は第四位と低い位置にあるし、母方の権力は強いが上の兄達からは疎まれているし、実の兄からも嫌われている…そんな位置づけだったからだ。
俺に付いても旨味なんてほぼないようなものだろう。
けれどそれでも良かった。
こうして魔物と対等に戦う腕があるのだとわかってもらえたなら、騎士団や軍でそれなりにやっていけるとわかってもらえるだろうと思っていたからだ。
王位に興味などはなく、兄達を脅かす存在にもなったりはしない。
それを示すことができれば十分だった。
それなのに────。
「レイモンド様…悪く思わないでくださいね」
夜も明け、こちらの体力も魔力もほぼ尽き魔物の姿も消え始めた頃、ついてきていた者達がいきなりそんなことを口にして、不意打ちのように腹を剣で貫いてくる。
「グフッ…!」
「今回の魔物討伐で貴方の力は見させて頂きました。兄君達からはそれ次第で殺せと命を受けておりまして…」
「貴方が軍に入って力を持つことを恐れられたのですよ…。ご実家の力はそれだけ強大ですしね。仕方のないことです」
口々に告げられるその言葉を呆然と聞きながら俺はその場へと倒れ伏した。
「もうすぐダンジョンタイムは終わりますが、それに合わせて貴方の死体はダンジョンが始末してくれることでしょう」
そう。ダンジョンで死んだ者は全てダンジョンへと吸収されてしまう。
それは魔物であっても人であっても同じだった。
だからこそ彼らはここを俺の始末場所に選んだのだろう。
ここへ来たということは城の者達は知っているし、彼らが俺はダンジョンで魔物に殺されたのだと言っても通る話ではあった。
死体は残らないから検分を行うことさえされないはずだ。
第四王子は魔物に殺され亡くなった────それが真実となる。
「死にたく…ない……」
こんな風に味方に刺されて死ぬなんて考えたことすらなかった。
けれどこれは現実で、それほどまでに兄達から疎まれていたのだと実感するには十分すぎた。
「もう…俺に居場所はない……のか……」
そう考えると全てがどうでも良くなって、俺はそっと静かに目を閉じ、その命の灯が消えるのを待った。
それからどれくらいの時間が過ぎたのだろう?
自分は死んだのだと…そう思っていたのに、癒しの力を持った何かが温かな感触と共に自分へと流し込まれこの身を助けてくれたのを感じた。
次いで聞こえてきたのは聞いたことのない心地いいテノールの声────。
「頑張れ!傷は浅いぞ!」
あんなにぐっさり刺されたのに傷は浅いなんて…あるはずないのにと思いながらもその声に釣られるかのように意識がゆるゆると浮上していく。
そしてまた温かな感触と共に今度は水が与えられ、それがゆっくりと喉を通っていくのを感じた。
ふわふわとした心地よさと、与えられる水の冷たさが気持ち良くて、朦朧としながらももっとと強請ると相手は躊躇うことなく水を与えてくれた。
まさに捨てる神あれば拾う神ありだ。
そしてある程度水を飲ませてもらったところでそっと目を開いてみると────そこには自分よりも大人びた顔をした青年の姿があった。
年は恐らく20才前後だろうか?落ち着いたダークブラウンの髪に瞳は綺麗なルビー色。
一見華奢なようにも見えるけど、自分を支える腕の強さは意外なほど力強く、奇妙な安心感があった。
「あ、目が覚めた…」
そしてそんな彼の口から紡がれるのは、やっぱり耳に心地いいずっと聞いていたくなるような柔らかなテノールの声。
「君…は?」
そんな彼のことが知りたくてそう声を掛けてみると、彼はジェイドと名乗った。
「俺はジェイド。薬草を摘みに森にやってきたら倒れてたからびっくりした。もう平気か?」
そう言って朗らかな笑みを浮かべる彼に胸を撃ち抜かれて思わず息を呑む。
命の恩人に惚れたというのは我ながら単純だとは思うけど、俺はこの時、冗談抜きで彼に一目惚れしてしまったのだった。
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