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御礼のサイドストーリー
今日はイベントデー①
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いつの間にかブクマが10倍になっててびっくりです。
遊びに来てくださった皆様本当にありがとうございます!
季節外れのインフルエンザもやっと咳だけにまで回復しましたので、ちょっとだけ追加でお話を。
初っ端はヒロインちゃん。二話目が主人公。三話目がシャーレン目線です。
少しでもお楽しみいただけますように(´∀`*)
────────────────
私の名前はケイト=ベルゼローリア。
この乙女ゲーム『ラブフォーチュン~恋は乱れて咲き誇る~』のヒロインなの。
折角大好きな乙女ゲームのヒロインに転生できたんだから、ハーレム目指して頑張ろうって思って俄然張り切ってたんだけど、全くと言っていいほど好感度が上がらないのが目下の悩み。
それというのも悪役令嬢が全くと言っていいほど仕事をしないせいでバグが発生しているから。
本来ヴィーナス=メディスンは悪役令息ウタ=メディスンと一緒に私に突っかかってこないといけない役柄なのに、何故か全く接触してくる気配がない。
「あちらこちらの殿方に声を掛けるだなんて、まるで娼婦のようですこと」とか「頻繁に忘れ物をするだなんて、その頭は余程男性のことで頭がいっぱいなんでしょうね」なんて、本来は事あるごとに冷たく言い捨ててくるはずのキャラなのに……何故?
妹が突っかかってこないから、兄であるウタも当然こちらへと接触してこない。
彼は少しシスコン気味のキャラだから、妹をダシにしてしかこっちに絡んでこないのだ。
これには非常に困った。
そんな状況を攻略キャラ達が目撃しては泣き伏す私を慰めたり痛ましく思ってくれたりするはずなのに、これでは何も共感イベントが発生しないではないか。
個人的に攻略キャラ達に近づいているからまだ接点はあるし、そこそこ仲良くはなれているけれどこれではちっともハーレムイベントに入れなくて困ってしまう。
でも…!そんな日々も今日でおしまいだ。
私には今日こそはという希望があった。
何故なら今日のイベントが上手くいけば一気に他の攻略キャラ達の好感度も上がるからだ。
そんなスペシャルイベントはこれだ!
甘い物が嫌いな騎士団長の息子、シャーレン=グレッグ。
彼の元へヒロイン、つまり私が甘さ控えめの菓子を用意して少し照れながら差し出すイベントだ。
そこにやってくる悪役令嬢ヴィーナス。
冷たい声で「シャーレン様は貴女のような方から菓子など受け取りませんわ。身の程を知りなさい」と言ってその菓子包みを叩き落とす。
それに衝撃を受けて目に涙を浮かべるヒロイン。
そこにやってくるのは王太子を伴った悪役令息ウタ=メディスン。
状況を見るやすぐさま妹に加勢するウタ。
「また男に媚びているのか?ヴィーナスから聞いていた通りだな。いい加減身の程をわきまえたらどうだ?」
そう言って落ちた菓子包みを踏みつけ背を向けてくるウタの姿にとうとうヒロインは泣き出してしまう。
それを見てさすがに可哀想だとウタを嗜めるシャーレン。
あまりにも酷いと不快感を露にする王太子。
遠目からその場を目撃して兄妹に嫌悪感を抱く他の攻略対象者たち。
すっかり悪役となってしまったヴィーナスとウタだが、その場では反省などせず、冷たい言葉を吐いてさっさと立ち去ってしまう。
その後各攻略者たちに慰めてもらうヒロイン。好感度はここで急上昇!
しかもその後ウタと会って話すとこちらの好感度も上がって、ちゃんと謝ってもらえるのだ。
ここまで来たらハーレムルートは一気に加速していくというまさに一石二鳥のスペシャルイベント!
隠しキャラ、ウタの好感度をここで如何に上げるかがポイントになってくるが、自分になら出来ると言う確信があった。
悪役令嬢が仕事しないのは仕方がないが、要はここで菓子を使って皆にアピールすればいいのよ!
後は何とでもなる!
そして私は意気揚々とシャーレンの元へと向かった。
遊びに来てくださった皆様本当にありがとうございます!
季節外れのインフルエンザもやっと咳だけにまで回復しましたので、ちょっとだけ追加でお話を。
初っ端はヒロインちゃん。二話目が主人公。三話目がシャーレン目線です。
少しでもお楽しみいただけますように(´∀`*)
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私の名前はケイト=ベルゼローリア。
この乙女ゲーム『ラブフォーチュン~恋は乱れて咲き誇る~』のヒロインなの。
折角大好きな乙女ゲームのヒロインに転生できたんだから、ハーレム目指して頑張ろうって思って俄然張り切ってたんだけど、全くと言っていいほど好感度が上がらないのが目下の悩み。
それというのも悪役令嬢が全くと言っていいほど仕事をしないせいでバグが発生しているから。
本来ヴィーナス=メディスンは悪役令息ウタ=メディスンと一緒に私に突っかかってこないといけない役柄なのに、何故か全く接触してくる気配がない。
「あちらこちらの殿方に声を掛けるだなんて、まるで娼婦のようですこと」とか「頻繁に忘れ物をするだなんて、その頭は余程男性のことで頭がいっぱいなんでしょうね」なんて、本来は事あるごとに冷たく言い捨ててくるはずのキャラなのに……何故?
妹が突っかかってこないから、兄であるウタも当然こちらへと接触してこない。
彼は少しシスコン気味のキャラだから、妹をダシにしてしかこっちに絡んでこないのだ。
これには非常に困った。
そんな状況を攻略キャラ達が目撃しては泣き伏す私を慰めたり痛ましく思ってくれたりするはずなのに、これでは何も共感イベントが発生しないではないか。
個人的に攻略キャラ達に近づいているからまだ接点はあるし、そこそこ仲良くはなれているけれどこれではちっともハーレムイベントに入れなくて困ってしまう。
でも…!そんな日々も今日でおしまいだ。
私には今日こそはという希望があった。
何故なら今日のイベントが上手くいけば一気に他の攻略キャラ達の好感度も上がるからだ。
そんなスペシャルイベントはこれだ!
甘い物が嫌いな騎士団長の息子、シャーレン=グレッグ。
彼の元へヒロイン、つまり私が甘さ控えめの菓子を用意して少し照れながら差し出すイベントだ。
そこにやってくる悪役令嬢ヴィーナス。
冷たい声で「シャーレン様は貴女のような方から菓子など受け取りませんわ。身の程を知りなさい」と言ってその菓子包みを叩き落とす。
それに衝撃を受けて目に涙を浮かべるヒロイン。
そこにやってくるのは王太子を伴った悪役令息ウタ=メディスン。
状況を見るやすぐさま妹に加勢するウタ。
「また男に媚びているのか?ヴィーナスから聞いていた通りだな。いい加減身の程をわきまえたらどうだ?」
そう言って落ちた菓子包みを踏みつけ背を向けてくるウタの姿にとうとうヒロインは泣き出してしまう。
それを見てさすがに可哀想だとウタを嗜めるシャーレン。
あまりにも酷いと不快感を露にする王太子。
遠目からその場を目撃して兄妹に嫌悪感を抱く他の攻略対象者たち。
すっかり悪役となってしまったヴィーナスとウタだが、その場では反省などせず、冷たい言葉を吐いてさっさと立ち去ってしまう。
その後各攻略者たちに慰めてもらうヒロイン。好感度はここで急上昇!
しかもその後ウタと会って話すとこちらの好感度も上がって、ちゃんと謝ってもらえるのだ。
ここまで来たらハーレムルートは一気に加速していくというまさに一石二鳥のスペシャルイベント!
隠しキャラ、ウタの好感度をここで如何に上げるかがポイントになってくるが、自分になら出来ると言う確信があった。
悪役令嬢が仕事しないのは仕方がないが、要はここで菓子を使って皆にアピールすればいいのよ!
後は何とでもなる!
そして私は意気揚々とシャーレンの元へと向かった。
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