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2.※俺を脅してくる王子。

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(痛い、痛い、痛い…っ!)

両手を一まとめにされてベッドヘッドにネクタイで固定された俺は、王子に好きなように乳首を虐められていた。
これでもかと何度も何度も捻り上げられて、そこは赤く色づきジンジンと痛みを訴えてくる。

「うぅ…も、やめ…っ……」
「反省したか?」

そう言いながらピンッと指で弾かれ、『ひゃっ?!』とおかしな声が口から飛び出し、その恥ずかしさにふるふると震えてしまう。
もうこれ以上はやめてほしい。
兎に角頷けば解放してもらえるだろうか?
そんな一縷の望みをかけて小さくコクリと頷いてみる。
でも王子は俺が反省しているなんてちっとも信じてくれなくて、そんなものでは解放などしてくれなかった。
今度はへその穴に指を入れてグリグリと虐めだしてしまう。

「あ…あぁ…っ、そ、そこはヤダっ…!」

昔からそこは何故か敏感で、下に熱が溜まるから触られたくはなかった。
だから必死に触らないで欲しいと訴えてみたものの、俺の必死の訴えを見て王子は何を思ったのかそのまま位置を変え、なんとそこに顔を近づけたのだ。

「な、何…?ひゃあっ?!」

嫌な予感というものは当たるもので、王子は何故かそこに舌を差し入れてきた。

「嫌っ!嫌ですっ!ガイナー王子っ…!」

悶絶と言ってもいい程涙を流しながら必死に逃げようとしたけど、王子はもっと反省しろと言わんばかりにそこを重点的に責め始めた。
どんどん下腹部に集まっていく熱に翻弄されて、俺の目からポロポロと涙が零れ落ちていく。
このままだと確実に気づかれてしまう。
そう思ってると、案の定俺の息子が立ち上がっているのが王子の目に入ってしまった。

「くっ…まさか臍を舐められて感じるとはな」

言葉で嬲られ羞恥が込み上げてくる。
そんな俺を王子は楽し気に見遣り、何を思ったのかそのままズボンから下着まで全部取り払ってしまった。

はだけたシャツ一枚という卑猥な格好にされて益々泣きたくなる。

「こんなに感じて…はしたないとは思わないのか?」

そう言いながらそそり勃ったそれを何度も指でつついてくる王子。

「や…、やめてください…っ」

あまりの羞恥にやめてほしいと訴えるけど、王子は全然やめてくれなくて、そっと俺のそれを握り込んだと思ったら、親指で先端をグリグリと虐め始めてしまう。

「ん─ッ!」
「ジェレミー。腰が揺れているぞ?こんな事をされているのに益々感じているのか?」
「あ…王子……っ、ゆ、許してっ…、許してくださいっ!」

涙ながらに懇願したけど王子は冷たく笑うばかり。
そしてイけそうでイけないギリギリまで虐めたところで手を離し、俺の姿を満足げに見遣ると、制服の懐から携帯電話を取り出してそのままパシャリと俺のあられもない姿を写真に収めてしまった。

「ジェレミー。この写真をばらまかれたくなかったら今後彼女には近づくな」

『わかったな?』と脅してくる王子に俺は蒼白になりながらコクコクと何度も頷いた。
流石にそんな写真をバラまかれれば俺の貴族人生は終わったも同然だ。
だからしっかり頷いたのに、何故か王子はそれだけでは満足しなくて、その後ポーズを変えた状態で王子が納得するまで何枚も写真に撮られてしまった。
そこまでしなくてもちゃんと約束は守るのに、あんまりだ。

その後拘束されていた腕も無事にほどいてもらえて俺は解放してもらえたのだけど、当然ながら一度溜まった熱はどうしようもなくて、結局その後トイレへと駆け込む羽目になった。


***


その日一日を終え、寮へと帰る。
公爵家の嫡男である俺の部屋はそこそこ広い。
けれど寮は寮だから着替えなどは当然一人でやらないといけない。
だから俺は帰ってすぐに制服から私服へと着替えた。
もちろん選んだのはゆったりした服だ。
王子に散々弄られた乳首が服に少しでも当たらないようにしたかった。

「うぅ…こんな…」

明日にはなんとか腫れは治まるだろうか?
なんだか一回り大きくなっているようにも見えて恥ずかしくてたまらない。
臍まで舐められて、おまけにあんなところまで弄られた挙句、恥ずかしい写真をこれでもかと撮られてしまった。

(悔しい……)

結局あの女に近づかないよう警告を受け、それを受け入れる形になってしまったのが悔しくてたまらなかった。
けれどここでまたあの女に近づいて忠告しようと動けば、王子にあの恥ずかしい写真をバラまかれてしまう。
とは言え諦めたらそこで終了だ。
妹のためにも俺はあの女に牽制はし続けたい。
何か方法はないだろうか?

「…………そうだ!」

直接あの女に忠告してもこれまで全部無駄に終わってきたのだ。
それなら別の手で行こう。
この方法なら彼女に直接危害を加えるわけじゃないし、俺がやったという証拠がなければ王子だって何も文句は言ってこれないはず。
そう思いながら俺はニヤリと笑った。




そして翌日。
俺は大人しくしてますアピールでその日は彼女には近づかず一日を無難に過ごし、放課後になるのを今か今かと待っていた。
そして放課後になるや否や図書室へと移動して時間を潰し、適度な時間で切り上げ教室へと戻った。

すっかり人通りがなくなった廊下。
誰もいない教室。
これから行おうとしていることを実行に移すには絶好のチャンス!
そう考えながら迷わずあの女の教室を目指して移動し、一つ一つ机を確認して彼女の名前が書いてある教科書を探した。

「見つけた」

そして彼女の机を探り当て、中に入っていた教科書をドサッと机の上に乗せると、順番に縦に引き裂いていく。
本当はここまでやる気はなかったが、王子からあんな風に脅されたし背に腹は代えられない。
兎に角あの女がこれに懲りて王子に近づかなくなってくれればそれでいい。

「全く…婚約者がいる男にわざわざ粉をかけに来るなんて。信じられない女だな」

ビリビリと教科書を破りながらストレス発散とばかりに破った部分を床へとまき散らしていく俺。
暫くそうしていたらいきなり後ろからポンッと肩を叩かれてしまった。

「ジェレミー?」
「ひっ?!」

慌てて振り返ったらそこには怒り心頭と言わんばかりのガイナー王子の姿が────。

「風に飛ばされて教科書の切れ端が落ちてきたから何事かと思ったら…」
「あ…その、これは…っ」

蒼白になりながら必死に言い訳の言葉を探すが、もう遅い。
現行犯だから、言い逃れなんて当然できるはずがなかった。

「ジェレミー……。どうやらお仕置きが足りなかったようだな?」

そう言うや否や王子はサッと俺に背を向け速やかに教室の鍵を閉めると今度は窓に近づき次々とカーテンを閉め始めた。
一体何が始まるんだろう?
それが分からなくて動くに動けなくなってしまう俺。

「さてジェレミー」
「…………」
「追加の躾の時間だ」

その言葉と共にネクタイをほどいた王子は、俺を見つめながら妖しく笑った。


****************

※悪役令息、悪役令嬢がよくやる『忠告』『突き飛ばし』『教科書破る』『階段落ち』イベントは一応全部入れてみたつもりです。

高位貴族、才色兼備、目的は明確、謎の自信持ち、やる事は稚拙、頭はいいはずなのに案外お間抜けさん。
そんな悪役に仕上がっていれば幸いです(^^)
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