目立たないでと言われても

みつば

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「じゃあ藤崎に怪我はないってことで、これからの話をしたい。」
「君が仕切らないでくれ。まったく。あとそれなら市村も関係するから彼も呼んで欲しい。」
実は遥も小さい頃から友達なのだが、彼らはそのころから折り合いが悪いのだ。それぞれにどうしてか聞いてみたら、2人ともいけすかないから、とだけ言っていた。なんだ、逆に気が合ってるのかも、とか思ったのは秘密だ。喧嘩しながらもよく一緒にいるので、見かけほど仲は悪くない………はずだ。


「とりあえず、4人はリコールして選挙をしようと思う。それも立候補制にしてね。ちゃんと演説も行ってもらう。一応あの4人も立候補できるってことにして、もう一度生徒会やりたいなら選挙頑張ってねって。」
「選挙~?夏休みまであと1ヶ月もないのに~?」
「うん。明後日にでも掲示を出したい。あと、僕は市村には会計を続けてほしいと思っているんだけどやってくれる?」
「もー!!!当たり前!会長に頼まれたらやらないわけにはいかないでしょ~!」
「ありがとう。じゃあ募集は副会長、庶務、書記の三席だね。選挙期間は来週の月曜日からの3週間でどうかな。最後の登校日で投票をする。夏休み中に仕事を教えられたらいいなって。」
「なるほど。」
「僕はもともとこの学校の意味のわからない選挙制度には反対なんだ。確かにあの4人は能力はあったけど、能力以外に意欲のある人がやらないと。」
「それは同感。」
うんうん、とみんなうなづく。
「そもそも来期の選挙から変えようと思ってたからもう各方面への根回しはほとんど終わってるんだ。資料とかも日付だけ直せば大丈夫。」
「さすが、仕事が早いねぇ。」
「あとは風紀といくつかの委員会だけだよ。風紀にはいろいろ世話になってしまうけど、協力してほしい。」
「当たり前だよ!………おい!遥もなんとか言えよ。」
「………尺に触るが考えていることは同じだ。協力しよう。」
ほら、やっぱり似てる。今2人揃ってムスッとしてるところも。

よし、そうと決まればゆっくりしてる場合じゃない。

パンパン

「じゃ、動こう!響也と市村で残った委員会に話を通そう。俺と遥は風紀の動きを確認して、ポスター貼ったり選挙活動する場所の準備するから。」
「「分かった。」」「りょーかーい。」
ほらそこ、ハモったからって睨まない。




*********



その3週間後、琴森学園創立以来初の立候補制による生徒会選挙が行われることになる。
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